171002今日は、相撲の話題です。この秋場所を一人横綱で闘い抜いた日馬富士(はるまふじ)の話です。彼は全身にけがを抱え、今までも休場しながら、相撲を取ってきました。必ずしもいいコンディションで取り組みを迎える訳ではありません。今場所は、3人の横綱が初日から休場し(相撲の試合を休み)、ひじにサポーターがトレードマークである横綱の日馬富士の、後に引けないプレッシャーは相当なものだったでしょう。序盤戦(本場所の15日の内の7日目まで)で4敗し、周りから引退を噂された日馬富士。14日目が終わった時点で、彼は10勝4敗。首位で走っていた大関の豪栄道は11勝3敗。千秋楽で直接対決という場面を迎えました。もう負けられない日馬富士。その一番(相撲の取り組み)で豪栄道に勝って、11勝4敗の相星(引き分け)となり、優勝決定戦にもつれ込み、再び大関を下して逆転優勝しました。

大相撲では大抵の場合、全勝か1敗、多くとも2敗までで優勝が決まるのですが、日馬富士は初日と、3日目から5日目までの3日連続で負け、対戦相手に金星(勝ち)を与えることとなり、苦しいスタートでした。しかしその後は負け崩れることなく、最後の最後まで粘り、土壇場でひっくり返して優勝したのです。崖っぷちに立っても、「気持ちだけは負けないように前を向いて相撲を取りました。」と語っていました。諦めないことを学んだと。

一方、絶対優勝できるところにいたのに負け出した豪栄道。ライバルが負けていく中で楽勝かと思われたのですが、絶対なんてあり得ないですね。「勝つことの重圧」が彼のプレッシャーになりました。来場所は綱取り(横綱への昇進)の場所にもならないという見解を示されました。相撲の優勝杯である賜杯(しはい)と、綱取りのチャンスまでも一気に失いました。豪栄道は「いつか、これがあったからよかったと言える相撲人生にしたい」という言葉を残しています。

優勝というプレッシャーに負けた豪栄道、一人横綱と4敗の重圧に打ち勝った日馬富士。勝負に勝つ前に、色々なものに勝つ必要があるのです。勝っても負けても、学べることがあります。プレッシャーをはねのけ、学んだことを活かし、勝ちを取りに行ける、そんな強い心を育てていきたいですね。百戦練磨で鍛えていきましょう。

最後に、「土俵の上では一人に見えても、支えてくれている人がいるから土俵に上がれる」と、日馬富士は感謝していたそうです。みなさんの周りにも応援している人がたくさんいますよ。