皆さん、今一番興味・関心があることは何ですか?スポーツについてでしょうか?歴史のことでしょうか?星のことについてでしょうか?さまざまなものがあると思います。
昔から「好きこそものの上手なれ」と言いますが、先生もそう思います。なぜなら、自分の興味・関心が深いものであればあるほど、その分だけ調べたり、練習をしたりしますよね。
先生は、勉強というのは、こうした興味・関心を自分の力で切り開くためのものだと思います。
今まで知らなかったことに出会う喜びというのは、何よりもまして貴重なものだからです。君たちのこれからは、さまざまなことに自分から積極的に目を向けることが求められるし、君たち自身の力にもなってくれます。
先生がいろいろなことに目を向けてみようと思ったきっかけとなった、1冊の本があります。その本のタイトルは「ウルトラマン研究序説」と言います。
表紙にはウルトラマンがかっこよく登場する写真がデザインされているので、最初にこの本に出会ったときには「ウルトラマンや怪獣の本なんだろう」と思い、何も考えずに読み始めました。
しかし、この本はとても難しい本だったのです。十数名の著者がいるのですが、この人たちは、有名な大学の先生ばかりで、自分たちの研究していることから、真剣にウルトラマンのことについて研究しているのです。
たとえば、ウルトラマンは人間の姿からウルトラマンとして巨大な姿に変身しますが、どうすれば人間(大体175センチくらいの男性)から40メートル以上の大きなウルトラマンになるのか、ということを「量子力学」という学問を利用して解明しようとした物理学者。人間の骨はカルシウムでできていますが、ウルトラマンという大きな姿になったときには、カルシウムでは支えきれないはずだから、ウルトラマンの骨は何でできているのだろう、と考えた医学者。ウルトラマンが怪獣を倒したあとに残る怪獣の残骸は、誰が片付け、どのように処分するのだろう、と考えた環境学者。ウルトラマンが壊してしまった建物やコンビナートは誰が弁償する責任があるのだろう、と考えた法律学者・・・などなど、テレビで見ていたら「かっこいい」で終わってしまったであろうウルトラマンには、さまざまな視点でみることができることを教えてくれました。
興味・関心の幅を広げるきっかけになることは、人それぞれです。本によってかもしれません。先生から聞いた話かもしれません。そこから、自分から「どうなっているのだろう」と調べてみることが、君たちの知識の幅やものの見方を大きく変えてくれます。
今君たちがやっている「勉強」は、そうした興味関心を広げるために必要な「やりかた」なのです。今やっていること一つ一つは決して無駄にならないのだと思い、日々一生懸命努力してください。