暑かった夏も終わり、ようやく秋らしくなってきましたね。秋は夏のように暑すぎず、冬のように寒すぎず、何をするにも集中 して取り組むことができますね。秋といえば、運動会。ほとんどの小中学校は、もう終わったのではないかと思いますが、どうだったでしょうか。中には、嬉し さのあまり、つい「ガッツポーズ」をした人もいるのではないでしょうか。

ところで、この「ガッツポーズ」という言葉、英語の辞書に載っていません。野球のナイターやテレビ業界で使われているゴールデンタイムなどと同じ和製英語 なのです。初めて言葉として使用されたのは、あるボーリング雑誌のコーナーの名前がその語源で、その特集コーナーでストライクを取った時のポーズをそう呼 んだとされています。

そして、それを世間に広く知らしめたのは、今は楽しいキャラでTV出演しているガッツ石松さん。昔は、ボクサーでした。今から36年前、WBC世界ライト 級タイトルマッチにて、チャンピオンのゴンザレス選手に鮮やかな8ラウンドKO勝ちで、念願の世界タイトルを獲得しました。コーナーポストに登って喜びを あらわにしている姿を、当時の新聞記者が「ガッツポーズ」と命名したそうです。

ボクシングの世界で、ライト級という階級はヘビー級に次ぐ歴史の古い階級。成人男性の平均体重に最も近い階級であることから、「世界的に最も選手層が厚い 階級」と言われており、石松選手が世界タイトルを獲得するまでは、日本人はおろか東洋人の誰ひとりとしてチャンピオンになっていませんでした。又、来日し たチャンピオンのゴンザレス選手は、2連続KO防衛中であり、今まで42戦のキャリアの中で11敗もしている石松選手に対する期待は皆無に近かったので す。
圧倒的不利が予想される中、石松選手は、自分の代名詞とも言われる「幻の右」で世界を制したのです。コーナーポストによじ登り、大喜びをしている石松選手。その姿が、「ガッツポーズ」と命名した記者の心に響いたのではないかと思います。

プロ野球やサッカーなどのスポーツの世界で、おなじみのガッツポーズ。喜びの表現方法のひとつとして、誰でも知っている言葉になっています。中には、見苦 しいまでの派手なパフォーマンスもありますが、自分に対して『やった!』という気持ちを素直に表現して自然に出てしまうガッツポーズは見ていてかっこいい ですよね。スポーツの世界だけでなく勉強に対しても同じです。来春入試を控えた受験生のみなさん、合格発表の日、かっこいいガッツポーズが自然に出てくる よう残された時間を悔いのないよう頑張っていきましょう。