現存する金閣は2代目。初代は残念ながら昭和25年に焼失してしまっていますが、それでも500年を超える間、風雨にさらされながらも光り輝いていました。

もちろん、金閣は純金で出来ている訳ではなく、木造の建築物の上に金箔を貼っていることはみなさんも知っていますね。

では、その金箔をきれいに剥がせたとすると、その下はどのようになっていると思いますか。

答えは、真っ黒の「黒閣」の姿になります。金箔の下地には真っ黒の漆が一面に塗られているのです。金ぴかの金箔の下に真っ黒の漆。この正反対の組み合わせが「美」としても「機能」としても最高の組み合わせであるのです。
「美」としては、下地の黒が金箔に赤みを帯びた最高の光沢を与える。
「機能」としては、漆が木材の腐食を防ぎ、そして金箔がその漆の弱点である紫外線を遮ることで、建物を守り続ける。

このことから私たちは多くのことを想像できます。

見えないところの下地の大切さ。また、それを仕上げる職人のプライド。
最高の組み合わせを見つけるために必要とした、人の苦悩・喜び、発想の転換、粘り強さ、それらを支える人たち…。

みなさんの将来においても同じです。
是非とも、光り輝き続けるものを作り上げて下さい。