170605先日、先生の祖母が入院しました。

もう90歳を越えていますが、普段はとても元気でたまに一緒にお昼ご飯を食べても身近なことなどもハキハキ話す、とても楽しいおばあちゃんです。そんなおばあちゃんですので、周りに心配をかけまいと一ヶ月前ほど前から我慢をしていたようですが、腰と背中が痛かったようです。我慢できなくなり先生に病院に連れて行ってほしい、と言ってきました。

なんでもっと早く言わなかったんだ、とも思いましたが病院にいくとなんと背骨が骨折していたことがわかりました。そりゃ、痛いよ・・・。

即日、入院から手術という流れになり、病院の先生と先生(ややこしいので私といいますね)病院の先生と私で手術前の打ち合わせになりました。

病院の先生の話によると、「手術ですぐに直る」しかも「手術の翌日にはすぐ歩けるようになる」とのお話しでした。私は骨折が一日で直る意味がわかりませんでした。おばあちゃんは背骨の一部が圧迫されてつぶれたようになる脊椎圧迫骨折という診断結果でした。そのつぶれた箇所に向かって細い器具を入れて、つぶれた部分に骨の代わりになるセメントのようなものをいれると、なんと、つぶれた骨が持ち上がり元の形に戻る、ということらしいです。私はそんな技術があることも知りませんでしたし「よろしくお願いします」としか言えませんでした。正直に言うと、そんなにうまいこと直るのか?とも思いました。

結果から言うとおばあちゃんはたった40分くらいの1回の手術で嘘の様に痛みがなくなり、とても元気になりました。痛みでまったく歩けなかったのに次の日のお昼には歩行器で歩き始めていました。全く知らなかった医療技術の進歩に感動しました。

病院の先生にはとても感謝しています。

しかし、全然違うことも考えてしまいました。
実は病院の先生ですが、技術的には素晴らしいですし、おばあちゃんを治療してくれて感謝はしているのですが、手術前からずっと態度が良くなかったのです・・・。
初対面の私に一度も挨拶がありませんでした。手術の説明のときはずっとパソコンに向かって話しをしていました。(私と目が合いませんでした。)ものすごく声が小さくてとなりの看護士さんが気をつかって通訳してくれたほどでした。
また、先生は手術後に簡単な報告はしてくれましたが、あれ以来1週間以上経ちましたがまだ一回も入院病棟には来てくれていません・・・。感謝はしますが、尊敬はできない先生だな、と思ってしまいました。この素晴らしい技術を後輩に伝えることがこの先生にできるのか?などと考えてしまいました。
(ちなみにその病院の先生は40歳前後の男の先生でした。)

医療技術はとても進んでいると思います。しかし、人間力はその進歩に追いついているのでしょうか?技術は使う人間がいて始めて役立ちます。その技術を使うか使わないかの判断も人間がします。医療現場だけでなく、最新の技術を使う側はしっかりとした説明をし、信頼関係を構築してから最新の技術を利用することが求められます。

技術の進歩に追いつく人間力の強化が求められる時代なのではないか、と私も勉強になりました。

さて、皆さんは将来どんな仕事をして、その現場ではどんな人間になっているでしょうか?

170529今日は先生の大好きな「蟹の話」。先生は福井県でうまれたので、毎年のように越前蟹を冬場に美味しくいただいていた。最高の食べ方は蟹のしゃぶしゃぶ。湯通ししたときに蟹の実が花のようにふわぁ~と広がる。何とも綺麗なんだ。
蟹は冬のイメージが強いが、5月はタラバガニのシーズン。季節ごとに美味しい蟹があるから、調べてみるといいかも。

そんな蟹の一種「タカアシガニ」をみんなは知っているだろうか?「生きている化石」と呼ばれている巨大な蟹で、節足動物では世界最大と言われている。
生息場所は日本近海の深海(150m~800m)。成熟すると、脚を広げて3.8mになるものも。甲羅の幅は40cmほど。とにかく大きい。
でもあまり美味しくない。だから食用というよりは、よく水族館などで観賞用として飼われている。見たことがあるかも知れないね。中には100年ほど生きるものもいるそうだよ。

この「タカアシガニ」、蟹だから脱皮をくり返し、その度に大きくなるのだが、脱皮は命がけだということを知っているだろうか?
タカアシガニの脱皮に要する時間は大きいものだと約6時間。脱皮の途中は無防備になるため、敵に狙われる。また脱皮はすごく繊細で途中に他の蟹とぶつかっただけで、脚が曲がったり、脱皮に失敗してしまうこともある。失敗すると最悪の場合、死に至る。
蟹はなぜそこまでして脱皮するのだろう?大きくなりたい、新しい自分になりたい、のかも知れない。脱皮すると以前に失った脚やはさみも元に戻るんだ。

みんなもいろんなタイミングで成長しているんだよ。心の脱皮をくり返している。成長してきて、自分の殻が小さくなって、さらに大きくなるために脱皮をする。どんどん脱皮して大きくなろう。
EXオープン模試、ゼミ、講習会、合宿、君はどのタイミングで脱皮し、大きくなるのだろう? 楽しみだね!

170522「255」を素因数分解すると「3×5×17」と表すことができます。これが一瞬でできた人は凄いかもしれません。

「3」も「5」も「17」も「素数」と呼ばれています。素数の定義は「2個の正の約数(1と自分自身)をもつ自然数」となります。「割り切れない数字」と言った方がわかりやすいでしょうか。

ちなみに素数は、「2、3、5、7、11、13、17、19、・・・」と無限に続くとされています。今まで発見された中で最大の素数は「22,338,618桁」もあります。最近流行りの「35億」という数字もとても大きな「数」ですが、「桁」で表せばたったの「10桁」ですから、「2000万桁」を超えるとは、もはや気の遠くなるような桁数ですね。その素数の法則を発見するために提唱された「リーマン予想」は150年もの間、未解決のままだという事実も驚きです。

素数は、これ以上分解できない「数」ですが、物質の成り立ちとも似ていると言われています。

中学校の理科では、一番小さな「物質」は、「原子」ということになっています。しかし、それは大昔までの話です。原子は「原子核(1個)+電子(複数)」だと解明されました。そして、その原子核すらも陽子、中性子で構成されて・・・、といったように原子よりも小さな単位が存在することが分かってきました。

さて、そろそろ本題に入りましょう。

今回伝えたいことは「なるべく小さく分解して考える」ことの大切さです。つまり「要素」を見つけることです。

例えば、プロ野球のピッチャーとして必要な「要素」は何でしょうか。

時速150キロの球を投げられる。これはひとつの「要素」です。もちろんこれだけでは通用しません。まるでストライクゾーンに投げられないのであれば、ずっとフォアボールです。
そこで「コントロール」という「要素」も必要だとわかります。速くてコントロールがあれば大丈夫か。プロの世界ではそれでも通用しません。プロのバッターは、どんなに速い球でもストレートしか投げてこないとわかれば「打てる」といわれています。だから、いくつかの変化球を持つことが必要になります。多くの種類の変化球を投げられることは、バッターに的を絞らせないためにも必要な「要素」です。
では、それも猛練習の末、体得したとしましょう。すでに3つも「要素」を集めました。しかし、それでもまだまだなのです。

最後はピッチャーとしての「実践経験」が必要だというのです。

何万人という観客や多くのビデオカメラに囲まれて、マウンドにポツンと一人。さらには実績豊富な強打者の迫力を前にしたとき、緊張してまったく力が発揮できない場合があります。あるいは、ピンチに立たされた時に平常心が保てずに、失投が続いてしまうこともあります。
自分にとって理想の環境であれば力が発揮できたとしても、それが「現実世界と地続きである」とは限りません。

そこに「本番力」という「要素」が見つかります。

非常に遠回りをしてきましたが、「本番力」とはそれくらい見つけにくい「要素」だということです。「255」を構成する要素に「17」が必要なように。

「本番力」とは、どうやって身につけるのでしょうか。様々なアプローチがあるかもしれません。ただ、一つ言えるのは「自分にとって都合の悪い環境」の中で結果を出す練習をすることが、「本番力」を高めるということです。

ちなみに、勉強を頑張っているのに成績が上がらないのであれば、この「要素」を見つけられていないのかもしれません。野球でいえば、速い球を投げることだけが、野球の練習だと思い込んでいるようなものです。
求められているのは「要素」を組み合わせることなのです。「英語」や「数学」といった勉強もこれと同じです。

さて、本番力について。それが身につくための場として用意しているものの1つとして「合宿」があります。「合宿なんて嫌だ」という人もいるでしょう。
しかし「嫌だ」からこそ「必要」なのです。仲の良い友人、顔見知りの先生、使い慣れた机や椅子、それらに囲まれた見慣れた景色。そうした自分にとって都合のよい環境の中でしか結果が出せない、となれば「本物の力」とは言えません。

誰でも、本当に強くなりたいならば「真剣勝負の場」に身を置こうとします。日常と地続きではない環境は、「合宿」でこそ体現されます。
もし、自分次第で合宿への参加が決められる状況にも関わらず足踏みをしているのならば、自分の心の中をしっかり覗き込んでみてください。

170515私が、能開の先生になって初めて参加した合宿は「南の島の大冒険合宿」でした。正直、その合宿に参加すると決まった時は、行きたくありませんでした。しかし実際に参加してみると、自分が想像すらできなかった様々な経験をすることができました。本当にすべてが初めて!海底まで見える澄んだ海・まさに手が届きそうなくらいの満天の星空。5泊風呂なしの生活。日焼けで耳たぶまで皮がむけるなどなど・・・本当に人生観が変わるくらいの経験でした。またそこで先生が担当した班での活動は、苦労の連続でした。最初は全くまとまりがない班で
した。協力的でもなく自分勝手。先生も悩み、班での話し合いもいろいろしました。しかしそれを積み重ねていく中で班がどんどん団結していく。本当に感動的でした。今の教室での生徒対応も、この時の経験がベースになっています。
最初は嫌だったものだけど、そこでの経験が今の自分のプラスになっていることを実感して、心底「参加して良かった」と思うのです。

これからの時代、様々な力が求められます。「やってて良かった」と「やっておけば良かった」の差は今まで以上に大きくなってくるでしょう。例えば大学入試も2020年から大きく変わっていきます。学力評価だけではなく人物評価まで入ってくるのです。学力だけであれば、短期間で何とかなるものです。しかし人物評価となると予備校に通って、詰め込んで何とかなるものではありません。それこそ、その時までにどんな経験をし、どんなことを学び、どれだけ自分を成長させてきたかが問われると言ってもよいでしょう。
高校3年生のその時になって、「やってて良かった」と思うのか?「やっておけば良かった」と思うのか?この2つの思いのどちらかを強く感じるような入試になると考えられます。また入試だけではなく、大人になって社会に出たときに、「やってて良かった」の安堵・「やっておけば良かった」の後悔はさらに強くその人の生き方に影響してくるかもしれません。

5年先・10年先・将来を見据えて、早い段階から準備することも大切です。
ただ、自分が将来を想像して、必要なことを今のうちからやっておくというのも限界があります。
むしろ、今の段階ではそれほど必要性を感じない・めんどくさいものの中にこそ、将来になって「やってて良かった」と実感できることがあると思うのです。
なので先生は君たちに言いたい。勉強も大切だけど、子どものうちにあらゆることに飛び込んで、多くの経験をしてほしい。目先の利益・算段で行動するのではなく、今の自分にとって必要性をあまり感じなかったとしても、どんどん機会があれば飛び込んでいってほしい。ティエラの夏合宿はまさにその機会だと思う。家族旅行や物見遊山では絶対に得られない経験がそこにはあるから。
「やってて良かった」と「やっておけば良かった」の大きな違いは、まず「やること」からだよ!

170508この春、能開の高校部で昨年以上の多くの生徒が志望大学への合格を果たしたことは、皆さんも知っていると思います。これは生徒たち一人ひとりが努力を積み重ねた結果であり、とても誇らしいと感じています。今回、合格を果たした生徒たちやその先生に話を聞く機会がありましたが、その中で印象に残っている言葉があります。

高3年生は受験直前期のように、高2年生は受験生のように

これは1年間を前倒しで、勉強を進めようという考え方です。3年生になったばかりの人は、いよいよ残り少ない受験直前に突入するような集中力で、2年生になったばかりの人は、今からが本格的な受験生だぞという強い気持ちで、それぞれ勉強を進めることが合格の秘訣なのです。

もちろん1年間も前倒しするわけですから、簡単なことではありません。難しいことやわからないことにもたくさん出会うでしょう。でも、そこであきらめたり逃げ出したりするのではなく、自分が掲げた目標とのギャップを、少しずつ埋めて進んでいく努力が必要なのです。これは大学受験での話ですが、高校受験にも通じることがありそうですね。

「先んずれば人を制す」という言葉もあります。何事も人より先に行えば、物事を有利な立場に立てるという格言です。どちらかというと他人を押しのけて自分だけが勝利するイメージがありますが、もっと大きな視点で考え、自分からどんどん先に進むことで、一段上のレベルに成長するという意味だと理解してみてはどうでしょうか。

受験勉強は孤独な苦しい戦いだと言われますが、能開では「受験は団体戦だ」という話をします。それは皆さんを支えてくれる家族や、一緒に頑張れる仲間たち、そして能開の先生がいるからです。家族に励まされ、友だちと競い合い、助け合い、目標に向かって進んでいく先に合格があるのです。

5月に入って1学期も中盤になりました。自分からどんどん先に進む気持ちで、新しい目標にチャレンジして下さい。

170501マンガ「ドラえもん」の中では便利な道具がたくさん出てきますよね。ドラえもんが生まれたとされる22世紀では、車の運転はおろかトイレなど世の中のあらゆるものが自動化されて、人間を助けてくれます。
「宿題を自動でしてくれるペン」とか「食べたら暗記できるパン」とか、先生はそれを見て「うわぁ、こんなものがあったら楽になるのになあ!」と感心したものです。
さすがに暗記パンは無理にしても、今では技術の進歩でその一部が実現できるようになってきました。長崎ハウステンボスの「変なホテル」では、人間ではなくロボットがお客さんにサービスをしています。「自動で運転してくれる車」は5年~10年後には登場していることでしょう。(50年後には空を飛んでいたりして!?)

またロボットだけではなくAI(人工知能)もすごい勢いで発達し、昨年にはなんと一人の人間の命を救ったこともありました。
白血病(血液のガン)と診断されたある患者が、薬による治療を続けてもまったく症状が回復せず、このままでは死んでしまう可能性まであったそうです。
ワトソンというこのAIは、2000万件にものぼる医学論文と1500万件の薬の効果を学習しています。このAIに患者のDNA情報や症状を入力したところ、「この患者は特殊な白血病ではないか」「別の薬に変えたほうが良い」というアドバイスを出したのです。
このアドバイスに従い医者が薬を変えたところ、それまでまったく良くならなかった病状がみるみる回復し、患者は半年後に退院することができました。

コンピュータや機械は、人間には不可能なスピードや量を処理することができます。いくら勉強熱心な医者でも、これほどの色々な病気をすべて暗記することは不可能でしょう。
ですから「これから医者はいらなくなる」「これからはロボットとAIが何でもやってくれる」「人間は何もしなくても生きていけるようになる」と極端なことを言う人もいるようですが、はたして本当にそうでしょうか。

もしお医者さんがロボット(AI)になった場合、もしその治療によって病気が悪くなったら、ましてや命を落としてしまったら、誰が責任を取るのでしょう。そのロボットを操作した人間でしょうか。そのロボットを置いている病院でしょうか。それともロボットを作った会社でしょうか。
ロボットが出した判断が正しいかどうか、またその治療を行うかどうかを判断して、最終的に責任を取るのはやはり人間であるべきです。ということは、ロボットを使う医者も、ロボットと同じくらいのことはできなくてはならないでしょう。
どれだけ技術が進歩しても、その技術を使う人間もまた進歩していかなくてはならない。先生はそう考えます。

便利な世の中になって人間が考えることをやめてしまうとき、それは世の中がロボットとAIに支配される日なのかもしれませんよ???

170424最近、多くの外国人が日本を訪れています。とりわけ人気を集めているのが京都市右京区にある「龍安寺(りょうあんじ)」です。みなさんの中にも修学旅行で行ったことがある人がいるかもしれませんね。

龍安寺が有名なのは美しい枯山水(かれさんすい)の石庭があるからです。その石庭にはいくつか秘密が隠されています。代表的なものの一つが石の置き方です。75坪の白砂の上に大小15個の石がランダムに並んでいます。その15個の石は庭のどこから眺めてもいずれかの石の一部が他の石に隠れたり、他の石と一体となって見えにくくなっています。先生が龍安寺を訪れたとき、一度に13個までしか見ることが出来ませんでした。見る人の心次第でいろいろな思いをめぐらすことが出来そうですね。

もう一つは庭を囲む塀です。お寺の本堂を背にして石庭を見ると塀が奥の方に向かって低くなっていきます。遠近法を利用し、見る人が庭の奥行きを感じるよう工夫されているのです。人間の錯覚を利用した高度な技術です。このように龍安寺の石庭には見る人を楽しませる工夫が盛り込まれています。先人の知恵はすごいですね。

ところで能開の先人(先輩)たちはどんなことを工夫してきたでしょうか? それは「ノート作り」です。ノートに赤線を引いて大切なことを書き留めたり、まとめたりし、自分専用の参考書作りをして、入試などの壁を乗り越えてきました。みなさんのノートはどうですか?

新学期が始まってもうすぐ1ヶ月になります。本格的に新しい学年の勉強がスタートしています。先人たちに学び、ノート作りにこだわっていきましょう。

170417『継続は力なり』という言葉を知っていますか?
「数学の点数をのばしたい!」とか、「部活動でレギュラーに入りたい!」とか、
「コンクールで入賞したい!」とか、「ダイエットしてやせたい!!」とか…
どんな目標でも、それを達成するために一番重要なのは、『努力を継続する』ことです。

はじめは皆やる気があって努力するのですが、それが「続く人」と「続かない人」がいますね。
続かない人はおそらく、「頑張った成果が見えなくてやる気が続かない」のではないでしょうか?
「勉強したらすぐに点数が上がった!」なんてことはほとんどありません。世の中そんなに甘くはないのです。でも、成果がなかなか見えない努力を続けるのは難しいですよね・・・

では、どうすれば努力を継続することができるのでしょうか?
ここは逆転の発想で、成果が見えるようにすればよいのです。
例えば、勉強すると毎回、TVゲームのように「計算力が3あがった」とか「読解力が5あがった」等が分かるとしたらどうでしょう?成果が見えると、やる気が沸いてくる気がしませんか?
「続く人」の多くは、このような成果が見える化されたシステムを持っているのです。

もちろん能開にもありますよ。それが赤線の余白の活用です。「今日は○○を覚えた」とか、「昨日わからなかった□□が理解できた」ということを、ノートに余白に書きましょう。その日勉強した内容を振り返る時間を取るとともに、その成果を紙に残すことによって、少しずつだけれども着実に、自分が成長していることがわかるはずです。ノートの工夫は能開流の「見える化システム」なのです。

「見える化システム」のポイントは『毎日確認・毎日記録』すること。
先生はこの間まで某有名トレーニングジムに通い、このシステムを使って体重14kg、体脂肪率10%を落とすことができました。
具体的には、毎日体重と体脂肪率を計測してトレーナーさんに報告。更に、毎回の食事をスマホで撮影し、摂取カロリーや成分をすべて報告していました。
とても面倒ではありましたが、毎日少しずつ減っていく体重と、鏡の前の自分が変化していく姿を見ていると、お米やパンが食べられないことなど苦ではありませんでした。

努力が続かないのは、自分がダメ人間だからではなく、周りの環境やシステムの問題です。
みんなも「努力を継続する」ために、成果の「見える化システム」を作りましょう。

170410昨年は台風や洪水に見舞われ、異常気象という言葉をよく耳にしました。しかし、近年感じるのは夏の猛暑と冬の雪の少なさです。これこそ異常に思えてなりません。
そこで、いま地球でどんなことが起こっているのかを一緒に考えてみたいと思います。
異常気象の大部分は地球温暖化が原因で起こっていると考えられます。
温暖化によって南極の氷床が融け出し、グリーンランドにある雪の堆積面積はここ数年で20%ほど減少しています。永久凍土の融解、氷河の後退などが各地で起こり近年は1年で3㎜以上の速度で海面上昇が観測されています。

温暖化によって蓄えられた熱は海洋が巨大な貯蔵庫となって吸収してくれています。もし、海に蓄えられた熱を全部大気が吸収していたら、いまよりも30℃も気温が上昇すると予測されます。我々は海のおかげで生き永らえているといっても過言ではないのです。

ところで、気温が高くなると、それにともなって海水温が高くなります。そうすると海水の蒸発量が増え、雲が発生してきます。また、気温が上昇すると、大気中に含まれる水蒸気の量が2倍、4倍、8倍、…とすさまじい勢いで増えていきます。その結果、巨大な雲が形成され短時間に爆発的な雨をもたらす原因となるのです。また、海面水温の上昇は対流を生じさせ、低気圧になったところに風が吹き込んで上昇気流を起こし、お互いの相乗効果で、より破壊的な台風を生み出します。日本でも最近、「ゲリラ豪雨」や「爆弾低気圧」といった言葉が使われるようになりました。

地球温暖化の原因を探ると、そこには産業革命以来、石炭や石油の燃焼によって排出された二酸化炭素を中心とした温室効果ガスがあります。温室効果ガスによって地球は毛布をかぶったような状態になっており、ガスが増えると地球がどんどん暖かくなります。
大気中に微々たる量しか存在しない二酸化炭素がこれだけの大きな影響をもたらす原因といわれても想像できないかもしれませんが、二酸化炭素は1度発生するとなかなか分解しないところが厄介なのです。寿命は300年~500年と非常に長く、長期にわたって蓄積されると、熱の収支バランスを崩すこととなるのです。

これまでは、森林や海洋、土壌が二酸化炭素を吸収してきましたが、その吸収能力をはるかに超える速度で増えており、どんどん溜まっているのが現状です。世界の熱帯林や森林は大量伐採によってずいぶんその面積を減らしてきました。さらに森林の「高齢化」が進んでいます。森林は100年近く経つと、光合成による二酸化炭素の吸収はほぼゼロになり、吸収源として機能しなくなります。呼吸を促すには伐採と植林を進めて、新陳代謝を促す必要があるのですが、森林による吸収はほぼ限界に達したと言われています。

そこで、吸収できないのであれば、排出を抑えようという考えのもと、二酸化炭素の排出量を世界全体で2050年までに半分にする必要があるいという話が出てきたわけです。先進国は8割削減をサミットで掲げています。いま可能な限り温暖化対策を講じないと2050年以降気温の上がり方のスピードが5倍になるという予測もあります。

温暖化が地球の生態系に与えるダメージはかなり深刻です。1.5~2.5℃の平均気温の上昇により約20~30%の種の動植物が絶滅の危機に瀕します。また、海水中に多くの二酸化炭素が溶け込んで海洋が酸性化することによって、海洋中のプランクトン、サンゴ、貝類、甲殻類にダメージを与えます。そうなると魚にも影響が出ることは必至です。

昨年、話題になったウィルス性の熱帯伝染病デング熱はヒトスジシマカという蚊に媒介されますが、その分布域が北上しており、また、1年のうちの生息期間も長くなっているためウィルス感染リスクが高くなっています。また、蚊媒体の感染症であるマラリアも地球温暖化の進行により、日本が汚染地域に入るリスクが高まります。

温暖化による干ばつや洪水などによる被害は貧困を招き、感染症の拡大や自然資源の争奪などの紛争にもつながります。それがさらに貧困を深刻化させていくという負の連鎖が起こり得ます。

温暖化は決して将来の問題ではなく、今の問題です。そして国を越えて地球に住むすべての人々が取り組むべき問題です。エアコンの温度設定や使わない電気はこまめに消すなど身近なできることから行動を起こさなければ、取り返しがつかない状態になりかねません。自然の変化はある臨界点を越えると一気に進行します。じわじわとその臨界点が近づいている気がして仕方ないのは杞憂でしょうか。

170403さあ、今週から新学年、新学期ですね。
何事も始まりが肝心、とはよく言いますが、新学年の勉強の始まりはいつでしょうか。
今週から?来週から?それとも新学年のガイダンスが終わった後から?
いやいや、ティエラ生の君なら間違いなく「すでに始まっている」と答えてくれるでしょう。

オリンピックではフライングすれば失格ですが、勉強にフライングなんてありません。ですので、新しいクラスで君の隣に座っている彼や、斜め前の彼女が、もうすでに新学年の範囲を学習しているかもしれないのです(君ももう始めているよね!!)。

さて、オリンピックといえば去年ブラジルのリオ五輪が開催されましたね。日本は過去最多の計41個(金12、銀8、銅21)のメダルを獲得しました。そのうち陸上男子400Mリレーの銀メダルを覚えていますか?日本男子トラック競技初の銀メダルです。第1走者(山県亮太さん)、第2走者(飯塚翔太さん)、第3走者(桐生祥秀さん)、第4走者(ケンブリッジ飛鳥さん)の100Mの自己ベストはそれぞれ(10秒05、10秒41、10秒01、10秒10)4人の合計は40秒57。世界大会でメダルを取るためには「400Mを4人で37秒台」が必須条件であることを考えれば、100Mを9秒台で走る選手がいない時点でメダル獲得は厳しいと言われました。しかし、結果は銀メダル。タイムは37秒60。

何が起こったのでしょうか。何がタイムを縮めたのでしょうか(それも劇的に!!)
それは、バトンリレーです。

リレーではバトンを走りながら次の走者に渡すために20Mの「バトンゾーン」が設定されています。バトンゾーンで次の走者は加速し、速度が乗ったところでバトンを受け取ります。しかし、全速力で走りながらのバトンリレーは非常に難易度が高く、陸上競技が強いあのアメリカでさえミスが起こります。ですので、バトンリレーが上手ければ個人で敵わない相手にも勝つことができるのです。日本は極限までバトンリレーを磨き、無駄をなくして銀メダルを獲得したのです。

新学年が始まる時期、長期休みの前後、テストの後など、勉強にも次の目標に向けて頭の中を切り替える「目標のバトンゾーン」があります。この「目標のバトンゾーン」を上手く使える人は、学年が上がるほど成績も上がっていきます。ほかの人が「少し休憩」だと思っている時間が、君にとっては「目標のバトンゾーン」なのです。

新学年が始まりましたが、君は目標のバトンゾーンで上手く加速できていますか?まさか、「まずは生活リズムに慣れてから・・・・・・」なんて言ってませんよね?
新たな目標に向けて最高のバトンリレーをする。そんな新学年のスタートであってほしいと先生は思います。