みなさんは、「超回復」という言葉を知っていますか?

負荷の大きい、筋肉トレーニングをすると筋肉の繊維はこわされ、48~72時間後に再生されます。その際、トレーニング前よりも、筋肉は強く大きくなることです。ですから、筋肉ムキムキになりたい人は、そのタイミングを狙ってトレーニングを行うとよいと言われています。

このことはみなさんの勉強にも当てはまりますね。人は習ったことを忘れていきます。習うばっかりだとあまり成績は上がりません。だから、新しく勉強したことはテキストやビットキャンパスで復習し、繰り返し使う中で忘れないようにしています。先ほどの筋肉トレーニングは毎日厳しいトレーニングをするよりは2、3日の間を空けたほうがよいのですが、勉強はできるだけ習ってすぐにした方がいいですね。

筋肉トレーニングも勉強も正しいサイクルで行うことが大切です。2学期は学校の行事で、忙しく、ついいつものペースがくずれがちです。自分の勉強のサイクルを振り返り、どうあるべきかを1度考えてみてください。

「自分で、すぐ自分を許せる人間は、大した仕事をやらない。」

先日、引退会見をした宮崎駿監督が残した名言です。「崖の上のポニョ」や「ハウルの動く城」などみんなの記憶に新しい作品をたくさん生み出した人物ですよね。彼が言うには、信じられないほどの作業量をこなして初めて、生命力に満ちた動き、映像の快楽が生まれる、とのこと。何に対しても全力で取り組まないと自分を許せない人です。引退会見の宮崎監督は今までを振り返り、達成感と満足感に満ち溢れた表情をしていました。

そんな想いをみんなも持てていますか?今までの生き方を振り返って「悔いがないほど精一杯やってきた!」と胸を張って言えますか?
「1時間机に向かったから、宿題終わってないけどいいや。」や「昨日頑張ったから、今日はもういいかな。」挙句の果てには「周りの友だちが塾に通っていないから、僕も遊びたい。塾を辞めようかな。」そういう声を何度か聞いたことがあります。
人生は長いようで意外に短いものです。一瞬一瞬の自分の判断で近い将来、また遠い将来が変わってしまいます。例えば、新しく何かを勉強することはとてもつらく、エネルギーが必要です。知らないことを始めたり興味のないことについて調べたりするわけですから。宿題のノートまとめもそうですよね?そこに甘さがあっては、もういいかぁとなり、やり遂げることができなくなります。それは少なくとも将来の自分の為にいいことではありません。
自分に甘く接していると、まずは達成感や満足感を味わうことができません。そして将来の幸せももしかしたら掴めなくなるかもしれない。簡単に言うとその場で腐ってしまうということ。
腐らないためにも、将来の自分のために今の自分に軽くむちを入れることも必要です。

さぁこの話を聞いてどうですか?自分に甘いと気がついた人もいるでしょうし、甘くしているつもりはないと思った人もいるかもしれません。だって、結局は未来の自分しか後悔の気持ちを味わうことができませんもんね。けれども、誰でも少しは「今までの行動は正しかった。」と思えるような未来を送りたいと思ったと思います。宮崎監督のメッセージは、今のみんなに向けて投げかけられているものです。人生の先輩の言葉です。しっかり受け止めて、心に留めておきましょう。

みなさんは、鉄筋造りの建物と木造の建物ではどちらが火に強いと思いますか。
木よりも鉄の方が燃えにくい、だから鉄の方が強い、というのがぱっとひらめく答えです。
だから、次のような文章を読むと、ちょっと意外に思えるかもしれません。

「木と鉄は火に弱い。鉄は火に強いと思っている人がいるが、実際には400度くらいで強度が半減するため、事実上、木造と同じくらい弱いと考えて良い」と、作家であり工学博士である森博嗣さんは書いています。

実際、これは建築工学上の事実ですが、我々のいわゆる「常識」とは異なる見解ではないかと思います。常識は、これまでの経験や習慣のなかで形作られたものです。昔の人は、経験が示すような、地球が平らであるという常識のなかで生活していましたが、今ではこれが誤りであるということはよく知られています。木が火に燃えている場面の経験と鉄が炎の中でも燃えないという経験から、先程のような「鉄は火に強い」という常識が形作られますが、少なくとも建築のための構造材という観点でみれば、この常識は誤りであることになります。今皆さんがアタリマエだと思っていることでも、実情にてらしてみれば全く筋違いだということも数多くあるのです。

「常識」の力は非常に強く、ここから抜け出すことは非常に困難です。なにしろ今まで当然だと思っていたことを捨てるのですから、かなり意識的にでなければできません。時には痛みや不安、苦しみ、ストレスを伴うこともあります。しかし、古い「常識」が誤りであったとすれば、そこから一歩踏み出して、新しい事実を受け入れること、これこそが前進なのではないでしょうか。

勉強でも事情は同じです。みなさんはこれまでに、宿題のやり方、分からないことが出てきたときの自分の対処法、学習のスケジュールの立て方について、さまざまな常識を身につけてきたはずです。しかしその常識が通用しなくなったら?たとえば、今までの習慣で行ってきたやり方でテストの点が思うように取れなくなってきたら?そのときには、これまでの常識、これまでの習慣、やり方を見直し、時には思い切って壊してしまうことも大切です。

もちろん壊しっぱなしではいけませんね。作り直す、建て直す作業が必要です。建て直すときにどんな素材を使えばよいのか、どのようなやり方がよいのか。これは一人一人異なります。一番大切なのはみなさん自身がどうすればよいかを考えることです。ただ、どうすればよいのか困ったときには、必ず先生に相談してくださいね。

生後間もない赤ちゃんが何故笑うのでしょうか。
実は、生まれてすぐの赤ちゃんは「楽しい」とか「嬉しい」といった感情は持っていません。けれども自然と笑顔を作ります。
これはお母さんに可愛がって育ててもらうための本能的な笑顔なのです。
そして、赤ちゃんは本能的に「笑う」事によって周囲の人が笑顔になり、優しくしてくれる事を体験して「この表情をすれば優しくしてくれる」と学び、笑顔を繰り返すようになる、と言われています。

また、治る確率が非常に低い難病の患者に、コメディ映画や漫画を見せて笑顔を引き出させて完治した例もあります。
この結果、笑いには「インターフェロン(ウイルスに感染した時にそれを壊す為に体内で作り出されるたんぱく質の一種)」の分泌量を増加させる」効果がある事が実証されています。

このように、笑いは不快さへの耐久力を高めます。

「一笑一若一怒一老」
中国にあることわざです。
人間は一度笑うと若返り、一度怒ると年を取る、という意味です。
それくらい笑いの効用が大きい、ということです。

みなさんは心の底から笑えていますか。

夏休みが終わりました。まだまだ厳しい残暑が続きますが、体調面に気をつけて学校行事盛りだくさんの2学期を上手に過ごしていきましょう。

さて、今日皆さんと考えていくテーマは「新しい自分の発見」です。


この絵を見たことがありますか。この絵は見方によって2通りの絵に見えます。黒い部分に注目すると、人間の横顔が向かい合ってシルエット(影絵)になっている絵が見えます。反対に、白い部分に注目するとカップが見えます。この絵が人の横顔に見えるとき、白い部分は「地」(背景)となり、向かい合った人の横顔がシルエットの「図」となって浮かび上がってきます。そして見方を変えると、黒い「地」の上に白いカップが浮かび上がり「図」として見えてきます。今まで作られていた図が壊れ、新たな図が作られた瞬間を「気づき」といいます。元の図が崩壊しないと新たな図は創造されません。図の崩壊と形成がスムーズにいくほど「気づき」に柔軟だといえます。

例えば、(ペットボトルをかざして)これは何ですか?(「ペットボトルです」)これは何ですか?(「ペットボトルです」)これは何ですか?(「…?」)これは?(「花をさすと花瓶になります」「笛として使えます」「バット?」)そうですね。ペットボトルという「図」を崩壊させれば、次々と新たな「図」を創造することができます。それは気づきが柔軟だということです。言い換えると「可能性」のことです。「ペットボトル」がペットボトル以上の可能性を持ち始めたといえます。

このことを皆さん自身に置き換えてみましょう。皆さんは自分のことをどういう人間だと思っていますか。消極的だとか、集中力がないとか、勉強ができないとか決め付けていませんか。自分自身にある他の部分、他の可能性を閉ざしてしまっていませんか。また、周りの人を「この人はこんな人だ」とか、「この人にはこんなところがある」というように決め付てしまっていませんか。その人の他の余地に触れていく機会を閉ざしていませんか。

自分自身に対して、また自分の周りで起こる事に対して、図を創造しては、問いかけ、崩壊させ、また新たに作っていくことを繰り返していってください。それが自分を深めることになり、新しい自分の発見につながります。