勉強をしているとどうしてもついて回るものが点数、成績、偏差値、順位…。
冷静に考えると本当に大切なのはそんなことではない。
みんなわかっているけれど、頑張っているかどうかの判断基準に使いがちだから、気にしないわけにはいかない。
テストで悪い点を取ってしまったり、偏差値が低かったりすると落ち込みますね。「自分はダメなのかもしれない…」と。

そんな時、少し考えてほしいのです。
自分がどれくらい勉強ができるかは自分が一番よくわかっています。
クラスの中でどのくらいの順位かを想像してみよう。
1位はあの子で、2位はあいつで…という感じで。
そうすると集団の中で自分の位置が見えてくる。
そうやって考えた順位が、いわゆる「偏差値順」なのです。

そして、一つ自分に質問してみよう。
20年後に、ここにいる全員が再会したら、この偏差値順の通りに幸せになっているかどうか…、やはり順番通りに1位の人が一番お金持ちになっているのか…。

答えは必ずしもそうではありません。
偏差値順というのは、将来の何かを保証する順位ではないのです。
では、「偏差値順」とは何の順?
それは、「今まで勉強を楽しんだ順」と言えるかもしれません。
そして楽しむとは、一生懸命に英単語を覚えたり、自分から進んで勉強した内容をノートにまとめたりすること。
その頑張った結果として、知識が増えたり、解けなかった問題が解けるようになることです。

間違えてはいけません。
偏差値は勉強した時間の長さに比例するわけではありません。
嫌々やったり、面倒だなって思いながらやったり、苦しみながらやっても偏差値は上がりません。
楽しんだ順だから。もちろん成績も同じです。

どうせやるなら、成績も偏差値もぐんぐん上がるやり方でやった方が良い。方法はただ一つ。

「勉強を楽しむ!」

この夏、講習会や合宿を通して勉強を楽しみましょう!

君はこの世に生まれた。最初は自分で動くことすらできなかった。それがいつからかハイハイを覚え、いつの間にか歩けるようになった。
最初は自分でトイレに行くことができず、おむつの中でウ○チをする毎日だった。それが自分でトイレに行けるようになった。

最初は話すこともできなかった。
字を書くことも、箸をもつことも、着替えることも、何もできなかった。
赤ちゃんは、最初のうちは何もできない、か弱い生き物である。
自分では何もできず、周りの人たちに迷惑をかけながら、粘り強く教えてもらいながら、いろいろなことができるようになってきた。

その時から約10年以上が経ち、君は様々なことができるようになった。
多くの人から学び、自分でも努力をしながら、昔ではできないようなことができるようになった。

しかしながら、人生100年時代。
君の長い人生から見ればまだまだ「赤ちゃん」である。
できることよりできないことの方が圧倒的に多い。
できないことがあって当たり前である。
赤ちゃんに対して「自分で歩け。自分でご飯を食べろ。」なんて言うだろうか。
程度の差はあれ、現時点での君は、赤ちゃんとさほど変わりはない。

「できない」ということは、悪ではない。
できないからこそ、まだまだ人に迷惑をかけることもある。
人から学ばなければいけないことも数多くある。
思い通りにならずにイライラしたり、泣き出したりすることもあるだろう。
それは恥ずかしいではない。いつかできるようになる。
それまでに迷惑をかける人に感謝をし、真摯に学び、少しでも「できる」に近づくよう努力をする。

それが成長である。

先生は駅伝が好きで、毎年テレビで駅伝を見ます。
箱根駅伝であれば自分の母校を、都道府県駅伝は石川県を応援します。
駅伝では、何人かの選手で襷(たすき)をつなぐので総合力が順位という結果に出ます。
たとえ1人が失敗したとしても他の選手がその選手の思いも背負ってチームのために一生懸命走る姿を見るのが好きです。

先生は駅伝と人の人生は似ていると思っています。
小学生の自分から中学生の自分へ、そして高校生、大学生、社会人としての自分に人生の襷をつなげていると思います。

駅伝と同様に人生でも失敗する時期はあります。
しかし、それまでの自身の頑張りは必ず次につながっていると思ってください。
そして、自身が失敗したり、悩んだりしたときには、相談できる仲間は必ずいます。
皆さんは、そういった仲間を見つけること、そして今、自分自身がしている日々の努力は、必ず将来の自分自身に襷としてつながると思って、努力を続けていってほしいと思います。

年を重ねたためか、これまで考えも及ばなかったこと(または避けてきたこと)に対応しなければならないことが増えてきたように感じています。
その中で、最近必要に迫られて目を通していたものの中で、特に印象に残っている言葉を紹介します。
それがタイトルにもある「最有効使用の原則」です。
この言葉をインターネットで調べてみると、「不動産(土地)の持つポテンシャルを最も発揮させる使い方」のことで、土地の値段は「最有効使用の原則」を満たしている前提で決まるようです。

よく価値があるとかないとか言われますが、「物事の価値」とは、それを利用する人が、最大限に効果が発揮される使用方法をしていることが前提になっているのです。価値がないと言われているものは、もしかしたら効果が最大限に発揮されない「もったいない」使い方をしているものが多いのかもしれません。

Ⅰ期ゼミも後半に差し掛かり、皆さんも毎週のゼミや課題の取り組みに慣れてきた頃だと思います。
ただ、慣れが出てくると油断が生じることから、「慣れた頃が最も危険だ」とも言われます。

これからゼミの予習は学年中盤から後半の内容になります。
当然、学習難易度も高まります。
初めて学ぶ内容ばかりだからこそ、改めて参考書を活用して知らないことを調べてまとめ、基礎基本を正しく身につけながら今後の理解の大きな手掛かりを作ってほしいものです。
「もったいない」勉強の仕方にならないように。