勇気には「強くある」という意味に加えて、「あえてする」という意味があるようです。「あえて」という言葉を漢字で書くと「敢えて」となります。つまり勇敢の「敢」と同じです。これは、自分の前に障害や困難があったとしてもそれを承知で(あえて)やってみることを言っています。

 また、勇気ある強い気持ちを持っている人は、常にその先にある成功に目を向けることができています。障害を乗り越えたその先にある成功をより現実として描けているので、立ちはだかる壁がどんなに高くても前に進むことができます。

 受験生は今まさに高校入試という壁(困難)にぶち当たっています。これまでの間、数々の壁に直面し、乗り越えてきたからこそ立てる舞台です。思い切って挑んでもらいたいと思います。

 これから受験を迎える生徒たちも、これから何かしら壁にぶち当たります。やってもやってもなかなか成績が上がらなかったり、やる気が全然沸かなかったり、また勉強以外の悩みを抱えたりと経験する障害は様々です。でも勇気があれば、壁の向こうにあるものに目を向け果敢に挑むことができます。

 ひとつ壁に直面するたびに、そびえ立つ壁の高さに目を向けるのではなく、壁の向こうにある成功や希望に目を向けなさい。そして前に進みなさい。それができる人は、「勇気」のある人です。

皆さんは、アメリカのプロバスケットボールリーグNBAの元選手、マイケル・ジョーダン選手のことを知っていますか?
彼は現役時代、並外れた技術により世界的な人気を集め、数々の賞(得点王10回、年間最多得点11回、平均得点歴代1位などなど)も受賞してきました。その実績から「バスケットボールの神様」とも呼ばれるスーパースターです。
そんな彼が、以前インタビューを受けてこんなことを話していました。

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恐怖心は幻想だ!
人生で何かを達成したいと思う時は、積極的かつ、攻撃的にならなければならない。目標を決め、それに向かってひたすら努力するだけだ。受身の姿勢では絶対に達成することはできない。
多くの人が失敗に対する恐怖心のために、立ちすくんでしまうのは僕も理解できる。人は他人の悪い結果を見たり、失敗する可能性を考えたりした時、恐怖を感じる。僕はこんな理由で恐怖心を感じたりはしない。
恐怖心というのは単なる幻想に過ぎない。
『ベストを尽くすチャンス』と、『成功を収められる可能性』があるだけだ。
だからこそ、僕はいつでも「積極的に考えろ」とアドバイスする。そして、次のチャンスで失敗を原動力にすればいい。実際、失敗することで目標に近づけることもある。

「成功できないかもしれないから、挑戦することはできない」なんて、絶対に言うことはない。
(マイケル・ジョーダン)

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2010年がスタートしました。今皆さんはどのような夢や目標の前に立っていますか?
人は等しく夢や目標を描く権利を持ちます。しかし、実現できる人とそうでない人が存在します。大きな夢や目標には、当然それに見合った壁が存在します。
「無謀だ、無理だ」と人から言われるような夢や目標であっても、決して「できない」とは言わないところから人の未来は大きく広がっていく。自分の可能性を誰よりも信じ、そして夢を自らの力でつかみ取れ。そんなことをマイケル・ジョーダン選手は、教えてくれています。

昨年マイケル・ジョーダン選手が、バスケットボール殿堂入りしたときのスピーチの締めくくりの言葉。
『そのうち、皆さんは私が50歳でバスケットボールをしている姿を見ることになるかもしれません。笑わないでください。絶対ないとは決して言いません。何しろ、多くの場合、限界も、恐怖と同じように幻想に過ぎないのですから。』

「やろうと思ってたけど・・・」「気分がのらなくて・・・」

やらないといけないことや自分で計画したことがなかなかうまくいかない人に一つアドバイスがあります。
『心のなかの勝負は51対49のことが多い』。
これはある心理学者の言葉です。みなさんの意識は、大きく二つに分けることができます。自分ではっきり認識できる意識(顕在意識)と無意識(潜在意識)。実はこの心の表には出てこない、底の方にある無意識がみなさんの意識の大半をつくっています。息を吸ったり吐いたりする呼吸を考えるとわかりやすいです。意識せずに無意識でしている方がほとんどですよね。

例えば、やらなきゃいけない宿題があって気にはなっているけど、なかなか行動にうつせない。こんなとき、みなさんの意識上には「やりたくないなぁ。」という気持ちが浮かび上がっています。「今宿題をやらなければ。」という気持ちとの対立はスコアにすると「2対0」でしょうか。サッカーの試合なら完勝といった感じですね。

しかし、無意識の方ではこの気持ちの対立はせめぎあっていて、「51対49」くらいの僅差の勝負になっています。意識の上にちょっとだけ出ている部分だけをとらえて「全然ヤル気が起こらないし・・・」と言っているだけなんです。

何かを選択するとき、判断するときなど心の底の方では、対立する考えが同じだけの大きさで拮抗しています。心の表面に出てきているのはほんのわずかのこと。
このあたりの感覚をつかむと、意識の僅差のところを自分にとってメリットのある方に変えるのは、結構かんたんにできます。
普段の生活の中で、少し意識して活用してみてくださいね。