もうすぐ2月ですね。多くの中3生にとっては決断の時、一般入試の『願書』を書く時期がそこまで・・・
みなさんは、「何のために」その学校を受験するのでしょうか。「何のために」、その前に目的と目標について考えてみましょう。
目的と目標、一見同じような言葉に聞こえますね。でも同じではないのです。以前読んだ本にこんなことが書いてありました。

「目的」とは、「何のために」、「目標」とは、「何を目指す」と。

例えば、
1.いい高校に入るために(目的)、学校の成績で一番を取る(目標)。
2.甲子園に行くために(目的)、毎日素振りを500回する(目標)。
3.就職するために(目的)、たくさん資格を取る(目標)。
4.人の命を救うために(目的)、医者になる(目標)。
5.人の役に立つために(目的)、就職する(目標)。

さて、この5つの中には、目的の立て方として、良いものと良くないものがあります。
上の3つは、よい目的の立て方とはいえないのではないでしょうか。別に、いい高校に行こう思うことが、甲子園に行こうと思うことがいけない、というわけではないですよ。「人生における目的の立て方」としては、少し違うのでないかということです。

その違いを簡単に言うと、上の3つには終わりがあるんです。高校に入ることが目的なら、高校に合格したら目的は達成されて終わりです。次の目的は・・・となってしまいますよね。

下の2つの目的には、終わりがないのです。「人の命を救う」という目的は、1人救ったら終わりということではないですよね、「人の役に立つ」という目的も、いくつになっても、退職した後でも人の役に立つことはできます。いい目的は、ベクトルなんです。ベクトルって矢印のことです。目標は、ゴール、ゴールっていっても中間のゴール・チェックポイントで、そこで終わりじゃないんです。
良い目的には終わりがないんです。目的はベクトル、矢印だから方向です。方向には終わりがないでしょう。

だから皆さんには、特にこの時期中3生には、目の前だけの入試に合格するために、受験の勉強をしないでほしい。“高校はゴールではなくスタート”です。「合格イコール終わり」ではなく、その先にもっと大きな壁、大学受験が控えているんです。いやもっとその先に自分の足でしっかりと立って歩むべき社会が待ち構えています。社会に出ていかに蓄えた自分の力を発揮できるか、自分はどんな仕事をして人の役に立つか、ということを思い描いておもいっきり努力する、そんな君たちになってほしい。 “先”を見据えて“今”を精一杯努力しよう。

検定の勉強、資格の勉強、入試の勉強、合格することを目的にやるのではなく、この勉強をどう自分の人生に活かすことができるのかを考えながらすれば、勉強の深さが全然違ってくると思うんです。

目的、「何のために」、とても大切です。
逃げ出したくて弱い自分がもたげてきた時、「何のためにこれをやっているんだ」と自分に問うてみてください、一気に答えが出てくることがありますよ。

1961年のある日、アメリカのケネディ大統領がとんでもない事を言い出しました。
たった数分の演説でしたが世界は騒然としました。
その演説内容とは…
『我が国は、この10年が経たないうちに人間を月面に送り込み生還させるという目標について決意しなければならないと信じている。』
…勝手に決めるなと…(笑)

これは当時の技術ではとんでもない事でありました。
今までに成功したプロジェクトの対応でチャレンジして間に合わないのです。
NASA(アメリカ航空宇宙局)はすぐに「アポロ計画」というプロジェクトを立ち上げました。
するとある結論が出ました。
それは『この計画は達成不可能である。』という結論です。
NASAどうしたのか、
この計画を達成する事を考えないようにしたのです。
面白いと思いませんか?
このプロジェクトの目標達成でなく、この計画の成功を妨げているものは何かを考える事にしたのです。
つまり、できる為の『駆動力』は何かでなく、止めている『抑止力』は何か?
ロケットを打ち上げるときの燃料確保であったり、大気圏を抜けるときの断熱材であったり、失敗・不可能な要因を並べていったのです。
失敗要因を優先順位の高いものから取り除いていくとあとは?
そう!成功しかありません。
そして、大統領の演説から8年後の1969年、アメリカは人類初の月面着陸に成功したのです。

ここで長年の経験と研究から場の分析をしてみました。

目標レベルに達するに抑止力となり得るものが何かをきちんと並べ、それらを取り除く事が何よりも大切です。
やらないと決めた事をやらないと『決断』する事、
本当に大事な事だけを実行する事の大切さを考えてみてはいかがでしょうか。

いよいよ今週末には大学入試センター試験を迎えます。
小学生や中学生の皆さんにとってはとても先のことのように思えますが、中学受験、高校受験に置き換えて考えてみれば、「受験」というのはそれほど先の出来事ではないのはないのでしょうか。
「受験」とは自分という人間のこれまでを試されている機会でもあります。
その試されていることに対して、どれだけ自分を「高めて」挑戦することができるでしょうか。大切なことは、受験をすることよりも、「受験までにどれだけ自分を高めることができるか。」ということなのです。
ダルビッシュ有さんのCMで「難しい道ばかり選ぶ癖がある・・・」というのがあります。
「難しい道」を何故選ぶのでしょうか。
ダルビッシュ有さんは皆さんもご存知の通り、小学生のころから野球をし、甲子園では、春夏4度の甲子園に出場しました。その後日本ハムファイターズへ進み、更なる上を目指して、アメリカメジャーリーグ、テキサスレンジャーズで活躍されています。
優れた人には、優れた才能をもちろん備えています。しかし、その才能を開花させるのは、「努力」がなければ成しえることができないのです。
「難しい道」を安易に乗り越えることが出来るのではありません。乗り越えるために必死に努力し、自分を鍛え上げ、そして「挑戦」する。そのことにより、自分は以前より遥かに大きくなれるのです。「自分を重んじて、自分を愛す」、「自重自愛」しているからこそ、選ぶ道なのです。
さて、みなさんはどうでしょうか。
今、皆さんが目指そうとしている「受験」はまさにその「道」の一つなのです。
そのために、自分をどう高めていくか、努力をするか。「難しい道」は、自分の成長のためにあるのです。
また、同時に忘れてはいけないことは、皆さんを自分のこと以上に心配し、応援してくれている人がいるということです。「自分のために頑張る」ということは同時に「自分のために応援してくれている人への感謝を忘れない。」ということでもあるのです。
みなさんの「道」のために、「自重自愛」し、自分のために努力してください。

2014年は皆さんにとってどんな年になるのでしょうか。

さて、お正月には何をして過ごしましたか?
先生は、小学生のころから、お正月に必ず「100年前に何が起こったか」を調べています。
皆さんはちょうど100年前に世界で何が起こったか、パッと思い浮かびますか?

2014年の100年前、つまり1914年は、【第1次世界大戦】が起きた年です。
この戦争は1918年まで続き、世界中でおよそ3000万人~4000万人といわれるたくさんの死傷者・行方不明者を出しました。
その後、「二度と同じことを繰り返さないように」という目的で国際連盟が作られ、世界は一旦平和への道を歩み始めます。

しかし、そのたった20年後の1939年に【第2次世界大戦】がはじまり、一説には世界中で5000万人~6000万人とも言われる、さらにたくさんの死傷者を出してしまいました。
また、その時に広島や長崎に落とされた原子爆弾に含まれている放射能の影響で、今も苦しんでいる人がいます。

【歴史は繰り返す】という言葉があります。
人間は、時間とともに記憶も薄れていく生き物です。
その時は強く反省しても、しばらくすると忘れてしまう。
そして、同じ間違いを繰り返してしまうことも多いのです。

歴史を学ぶ意味はここにあります。
昔を振り返り、同じ間違いを繰り返さないようにする。
そのために、常に自分を振り返り、自分の目標を持ち続けておく必要があるのです。

歴史を作るのは、「私たち一人一人の強い意志=心」の力です。
戦争を起こすのも私たちであれば、
その戦争の後たった70年でここまで日本を発展させてきたのも私たちです。

良い年にするも、良くない年にするも、全てはあなたの「意思=心」次第。
そういう意味で言い直します。
「2014年が皆さんにとって良い年になる」のではなく、
「皆さんが、2014年を良い年にする」のです。
昨年出来なかったこと、今年絶対成しとげたいことをしっかりイメージして、実現したいものですね。
今年一年、頑張っていきましょう!