皆さんは日本人で初めてエベレストに登頂した人を知っていますか。
それは、植村直己さんという登山家・冒険家です。
兵庫県出身の植村さんは高校まで豊岡で過ごし、東京の大学へ進みました。
そこで山岳部に入部するのですが、最初の登山合宿で体力が続かずに動けなくなり、とても悔しい想いをしたそうです。

植村さんは登山の経験や知識が少なく、山からころころと転がって落ちるので、先輩からは「どんぐり」と呼ばれていました。
そこで1年で100日以上を山で過ごすほどトレーニングを積み、体力と技術を身につけることができました。

その後、植村さんはアメリカやヨーロッパを放浪しながら、世界の山々を目標に定めて登山を続けました。
そして日本の登山隊がエベレストに挑戦することになった時、植村さんも参加することになりました。
最初はサポート役として荷揚げやルート設営の仕事をしていたのですが、植村さんの抜群の体力や一生懸命にチームを支える姿勢を隊長が認め、最終アタック隊員の一人に選ばれたのです。

エベレストの挑戦はとても過酷な登山でした。
なんとか頂上へ残り10メートルまで来た時、先頭を歩いていた植村さんはもう一人の隊員に「先に登ってください」と言い、初登頂の名誉を譲ろうとしました。
結局は二人で一緒に登頂したのですが、謙虚で努力を惜しまない植村さんの人柄を感じさせる行動ですね。

私が高校生の時、学園祭の講演に植村さんがやってきました。
緊張で汗をかきながらも一生懸命に語ってくれたことを覚えています。
植村さんが話したのは、冒険というチャレンジには、念入りな準備、慎重な判断、そして挑戦する勇気が必要だということでした。

世の中の人が驚くような凄いことでも、その背景には、コツコツと努力を積み上げていること、時に迷ったり立ち止まることがあっても、少しずつ目標へ進んでいくこと、そう言った姿勢が大切だと、植村さんは教えてくれたと思います。

5月の末にはEXオープン模試が実施されます。
皆さんがそれぞれの目標にチャレンジする機会として、ぜひEXオープン模試を活用してください。