新しい学年にも慣れてきたころかと思います。
ところで、新しい学年を迎える際に「今年の目標」を決めましたか。
受験を迎える学年の人は志望校を決めたという人もいるのではないかと思います。
しかし、まだ「目標」を特に決めず(決められずに)にいる人がいるかもしれません。
そんな人たちに、目標を決めることがなぜ大切なのかを話します。

目標とは、例えて言うなら「たどり着こうとする目的地」です。
どこへ向かえばよいかもわからないまま目的地も決めずに歩き始めてもゴールにたどり着くはずがありません。
なぜなら、ゴールが決まっていないのですから。
行動を起こす場合も同じであり、目標がないままでは、何をやっても正しいのか間違っているのかさえもわからないでしょう。
こうなったら自分からは動き出せず、周りからの指図を待つだけの受け身姿勢になってしまい、自身の個性を発揮することも困難です。
ところが、いくら小さくてもきちんと自分で目標設定するだけでその状況は一変します。
目標に到達するまでの道筋を自分自身で考え、個性を発揮しながら進むことができるようになるからです。

宿題に取り組むにも「何のためにするのかをしっかりと考え目標を持って取り組む」という積極的にするのと、「宿題が出されたからする」という受け身的にするのではその学習効果が大きく違ってきます。
つまり、目標を決めるということは、そこに到達するまでの道筋も考えるということになるのです。
ゼミでノート評価の高い人は赤線の横が充実していたり、テスト直しに工夫がみられたり、解答解説をただノートに切り貼りするだけでなくプリントにアンダーラインが引かれていたり書き込みがされていたりと活用ができています。
ここにどのように勉強を進めるかの道筋が見えている人とみえていない人の差があるように感じます。

新しい学年に慣れてきた今の時期だからこそ、今年度の目標を今一度見直し、充実した1年にしてほしいと思います。

先日、高校時代の友人と会いました。何をしようかと話したところ、最近太り気味だから運動をしよう、ということになりそれぞれの得意?な運動を楽しんできました。

友人は幼いころから野球をしていましたのでバッティングセンターを提案し、先生は最近ようやくゴルフのボールがまっすぐ飛ぶようになったのでゴルフの練習場を提案しました。
結果、先ずは野球、その後ゴルフと両方をすることにしました。
この若々しい考えが筋肉痛という最悪な結果になったことは言うまでもありません(笑)。

先ずはバッティングセンターで野球のバッティングです。
マシンがいろいろあり、球速を選べました。
95キロ、110キロ、125キロ、135キロまでありました。
高校生くらいの背の高い男子3人が談笑しながら135キロを楽しそうにバンバン打ち返しています。
先生はマシンからのボールの球速が早すぎてあっけにとられました。
よって、先生は95キロです。
それでもなかなか打てない・・・。
1ゲーム20球がマシンから飛んでくるのですが、半分あたれば良い方でした。
しかし、先生の友人は125キロを打ち返し、見事ホームランの板に当てました。
周囲からも「すごい!」と言われていて格好よかったです。

気を良くした友人とすでに腕が痛い先生はゴルフの練習場に移動して、ゴルフボールを打ちました。
残念ながらホームラン王はゴルフでは残念な結果でした。
125キロで飛んでくる野球ボールを打ち返している人が、目の前に置いて動かないゴルフボールをまっすぐ打てないのです。
同じように体を回してスイングしてボールを打つ競技なのに全く違います。
先生の打つゴルフボールはホームランとは言いませんが、まっすぐ遠くに飛ばせます。
お互いに打ち方を教えあい、結果として楽しい運動時間をすごすことはできました。

似て非なるものとは「ちょっと見たかぎりでは似ているが、実際は全く違うこと」という意味のことわざです。
似ていると思っていたのですが、お互いに教えあっているときに、体の回し方や力の入れ方など違う部分がたくさんあることに気が付きました。良い経験ができたので、やってみて本当に良かったです。

さて、これは勉強にも言えます。
毎日勉強していても学校のテスト前、オープン模試の前、入試前など時期やスケジュール、あるいは得意科目、不得意科目など一言に勉強といっても様々です。
困ったときは周囲の友人とお互いに教え合い、時にはヒントをもらっても良いのではないでしょうか?
みんなと同じようにやっていても、友人の言葉から気が付くことがあるかもしれません。

皆さんは日本人で初めてエベレストに登頂した人を知っていますか。
それは、植村直己さんという登山家・冒険家です。
兵庫県出身の植村さんは高校まで豊岡で過ごし、東京の大学へ進みました。
そこで山岳部に入部するのですが、最初の登山合宿で体力が続かずに動けなくなり、とても悔しい想いをしたそうです。

植村さんは登山の経験や知識が少なく、山からころころと転がって落ちるので、先輩からは「どんぐり」と呼ばれていました。
そこで1年で100日以上を山で過ごすほどトレーニングを積み、体力と技術を身につけることができました。

その後、植村さんはアメリカやヨーロッパを放浪しながら、世界の山々を目標に定めて登山を続けました。
そして日本の登山隊がエベレストに挑戦することになった時、植村さんも参加することになりました。
最初はサポート役として荷揚げやルート設営の仕事をしていたのですが、植村さんの抜群の体力や一生懸命にチームを支える姿勢を隊長が認め、最終アタック隊員の一人に選ばれたのです。

エベレストの挑戦はとても過酷な登山でした。
なんとか頂上へ残り10メートルまで来た時、先頭を歩いていた植村さんはもう一人の隊員に「先に登ってください」と言い、初登頂の名誉を譲ろうとしました。
結局は二人で一緒に登頂したのですが、謙虚で努力を惜しまない植村さんの人柄を感じさせる行動ですね。

私が高校生の時、学園祭の講演に植村さんがやってきました。
緊張で汗をかきながらも一生懸命に語ってくれたことを覚えています。
植村さんが話したのは、冒険というチャレンジには、念入りな準備、慎重な判断、そして挑戦する勇気が必要だということでした。

世の中の人が驚くような凄いことでも、その背景には、コツコツと努力を積み上げていること、時に迷ったり立ち止まることがあっても、少しずつ目標へ進んでいくこと、そう言った姿勢が大切だと、植村さんは教えてくれたと思います。

5月の末にはEXオープン模試が実施されます。
皆さんがそれぞれの目標にチャレンジする機会として、ぜひEXオープン模試を活用してください。