170424最近、多くの外国人が日本を訪れています。とりわけ人気を集めているのが京都市右京区にある「龍安寺(りょうあんじ)」です。みなさんの中にも修学旅行で行ったことがある人がいるかもしれませんね。

龍安寺が有名なのは美しい枯山水(かれさんすい)の石庭があるからです。その石庭にはいくつか秘密が隠されています。代表的なものの一つが石の置き方です。75坪の白砂の上に大小15個の石がランダムに並んでいます。その15個の石は庭のどこから眺めてもいずれかの石の一部が他の石に隠れたり、他の石と一体となって見えにくくなっています。先生が龍安寺を訪れたとき、一度に13個までしか見ることが出来ませんでした。見る人の心次第でいろいろな思いをめぐらすことが出来そうですね。

もう一つは庭を囲む塀です。お寺の本堂を背にして石庭を見ると塀が奥の方に向かって低くなっていきます。遠近法を利用し、見る人が庭の奥行きを感じるよう工夫されているのです。人間の錯覚を利用した高度な技術です。このように龍安寺の石庭には見る人を楽しませる工夫が盛り込まれています。先人の知恵はすごいですね。

ところで能開の先人(先輩)たちはどんなことを工夫してきたでしょうか? それは「ノート作り」です。ノートに赤線を引いて大切なことを書き留めたり、まとめたりし、自分専用の参考書作りをして、入試などの壁を乗り越えてきました。みなさんのノートはどうですか?

新学期が始まってもうすぐ1ヶ月になります。本格的に新しい学年の勉強がスタートしています。先人たちに学び、ノート作りにこだわっていきましょう。

170417『継続は力なり』という言葉を知っていますか?
「数学の点数をのばしたい!」とか、「部活動でレギュラーに入りたい!」とか、
「コンクールで入賞したい!」とか、「ダイエットしてやせたい!!」とか…
どんな目標でも、それを達成するために一番重要なのは、『努力を継続する』ことです。

はじめは皆やる気があって努力するのですが、それが「続く人」と「続かない人」がいますね。
続かない人はおそらく、「頑張った成果が見えなくてやる気が続かない」のではないでしょうか?
「勉強したらすぐに点数が上がった!」なんてことはほとんどありません。世の中そんなに甘くはないのです。でも、成果がなかなか見えない努力を続けるのは難しいですよね・・・

では、どうすれば努力を継続することができるのでしょうか?
ここは逆転の発想で、成果が見えるようにすればよいのです。
例えば、勉強すると毎回、TVゲームのように「計算力が3あがった」とか「読解力が5あがった」等が分かるとしたらどうでしょう?成果が見えると、やる気が沸いてくる気がしませんか?
「続く人」の多くは、このような成果が見える化されたシステムを持っているのです。

もちろん能開にもありますよ。それが赤線の余白の活用です。「今日は○○を覚えた」とか、「昨日わからなかった□□が理解できた」ということを、ノートに余白に書きましょう。その日勉強した内容を振り返る時間を取るとともに、その成果を紙に残すことによって、少しずつだけれども着実に、自分が成長していることがわかるはずです。ノートの工夫は能開流の「見える化システム」なのです。

「見える化システム」のポイントは『毎日確認・毎日記録』すること。
先生はこの間まで某有名トレーニングジムに通い、このシステムを使って体重14kg、体脂肪率10%を落とすことができました。
具体的には、毎日体重と体脂肪率を計測してトレーナーさんに報告。更に、毎回の食事をスマホで撮影し、摂取カロリーや成分をすべて報告していました。
とても面倒ではありましたが、毎日少しずつ減っていく体重と、鏡の前の自分が変化していく姿を見ていると、お米やパンが食べられないことなど苦ではありませんでした。

努力が続かないのは、自分がダメ人間だからではなく、周りの環境やシステムの問題です。
みんなも「努力を継続する」ために、成果の「見える化システム」を作りましょう。

170410昨年は台風や洪水に見舞われ、異常気象という言葉をよく耳にしました。しかし、近年感じるのは夏の猛暑と冬の雪の少なさです。これこそ異常に思えてなりません。
そこで、いま地球でどんなことが起こっているのかを一緒に考えてみたいと思います。
異常気象の大部分は地球温暖化が原因で起こっていると考えられます。
温暖化によって南極の氷床が融け出し、グリーンランドにある雪の堆積面積はここ数年で20%ほど減少しています。永久凍土の融解、氷河の後退などが各地で起こり近年は1年で3㎜以上の速度で海面上昇が観測されています。

温暖化によって蓄えられた熱は海洋が巨大な貯蔵庫となって吸収してくれています。もし、海に蓄えられた熱を全部大気が吸収していたら、いまよりも30℃も気温が上昇すると予測されます。我々は海のおかげで生き永らえているといっても過言ではないのです。

ところで、気温が高くなると、それにともなって海水温が高くなります。そうすると海水の蒸発量が増え、雲が発生してきます。また、気温が上昇すると、大気中に含まれる水蒸気の量が2倍、4倍、8倍、…とすさまじい勢いで増えていきます。その結果、巨大な雲が形成され短時間に爆発的な雨をもたらす原因となるのです。また、海面水温の上昇は対流を生じさせ、低気圧になったところに風が吹き込んで上昇気流を起こし、お互いの相乗効果で、より破壊的な台風を生み出します。日本でも最近、「ゲリラ豪雨」や「爆弾低気圧」といった言葉が使われるようになりました。

地球温暖化の原因を探ると、そこには産業革命以来、石炭や石油の燃焼によって排出された二酸化炭素を中心とした温室効果ガスがあります。温室効果ガスによって地球は毛布をかぶったような状態になっており、ガスが増えると地球がどんどん暖かくなります。
大気中に微々たる量しか存在しない二酸化炭素がこれだけの大きな影響をもたらす原因といわれても想像できないかもしれませんが、二酸化炭素は1度発生するとなかなか分解しないところが厄介なのです。寿命は300年~500年と非常に長く、長期にわたって蓄積されると、熱の収支バランスを崩すこととなるのです。

これまでは、森林や海洋、土壌が二酸化炭素を吸収してきましたが、その吸収能力をはるかに超える速度で増えており、どんどん溜まっているのが現状です。世界の熱帯林や森林は大量伐採によってずいぶんその面積を減らしてきました。さらに森林の「高齢化」が進んでいます。森林は100年近く経つと、光合成による二酸化炭素の吸収はほぼゼロになり、吸収源として機能しなくなります。呼吸を促すには伐採と植林を進めて、新陳代謝を促す必要があるのですが、森林による吸収はほぼ限界に達したと言われています。

そこで、吸収できないのであれば、排出を抑えようという考えのもと、二酸化炭素の排出量を世界全体で2050年までに半分にする必要があるいという話が出てきたわけです。先進国は8割削減をサミットで掲げています。いま可能な限り温暖化対策を講じないと2050年以降気温の上がり方のスピードが5倍になるという予測もあります。

温暖化が地球の生態系に与えるダメージはかなり深刻です。1.5~2.5℃の平均気温の上昇により約20~30%の種の動植物が絶滅の危機に瀕します。また、海水中に多くの二酸化炭素が溶け込んで海洋が酸性化することによって、海洋中のプランクトン、サンゴ、貝類、甲殻類にダメージを与えます。そうなると魚にも影響が出ることは必至です。

昨年、話題になったウィルス性の熱帯伝染病デング熱はヒトスジシマカという蚊に媒介されますが、その分布域が北上しており、また、1年のうちの生息期間も長くなっているためウィルス感染リスクが高くなっています。また、蚊媒体の感染症であるマラリアも地球温暖化の進行により、日本が汚染地域に入るリスクが高まります。

温暖化による干ばつや洪水などによる被害は貧困を招き、感染症の拡大や自然資源の争奪などの紛争にもつながります。それがさらに貧困を深刻化させていくという負の連鎖が起こり得ます。

温暖化は決して将来の問題ではなく、今の問題です。そして国を越えて地球に住むすべての人々が取り組むべき問題です。エアコンの温度設定や使わない電気はこまめに消すなど身近なできることから行動を起こさなければ、取り返しがつかない状態になりかねません。自然の変化はある臨界点を越えると一気に進行します。じわじわとその臨界点が近づいている気がして仕方ないのは杞憂でしょうか。

170403さあ、今週から新学年、新学期ですね。
何事も始まりが肝心、とはよく言いますが、新学年の勉強の始まりはいつでしょうか。
今週から?来週から?それとも新学年のガイダンスが終わった後から?
いやいや、ティエラ生の君なら間違いなく「すでに始まっている」と答えてくれるでしょう。

オリンピックではフライングすれば失格ですが、勉強にフライングなんてありません。ですので、新しいクラスで君の隣に座っている彼や、斜め前の彼女が、もうすでに新学年の範囲を学習しているかもしれないのです(君ももう始めているよね!!)。

さて、オリンピックといえば去年ブラジルのリオ五輪が開催されましたね。日本は過去最多の計41個(金12、銀8、銅21)のメダルを獲得しました。そのうち陸上男子400Mリレーの銀メダルを覚えていますか?日本男子トラック競技初の銀メダルです。第1走者(山県亮太さん)、第2走者(飯塚翔太さん)、第3走者(桐生祥秀さん)、第4走者(ケンブリッジ飛鳥さん)の100Mの自己ベストはそれぞれ(10秒05、10秒41、10秒01、10秒10)4人の合計は40秒57。世界大会でメダルを取るためには「400Mを4人で37秒台」が必須条件であることを考えれば、100Mを9秒台で走る選手がいない時点でメダル獲得は厳しいと言われました。しかし、結果は銀メダル。タイムは37秒60。

何が起こったのでしょうか。何がタイムを縮めたのでしょうか(それも劇的に!!)
それは、バトンリレーです。

リレーではバトンを走りながら次の走者に渡すために20Mの「バトンゾーン」が設定されています。バトンゾーンで次の走者は加速し、速度が乗ったところでバトンを受け取ります。しかし、全速力で走りながらのバトンリレーは非常に難易度が高く、陸上競技が強いあのアメリカでさえミスが起こります。ですので、バトンリレーが上手ければ個人で敵わない相手にも勝つことができるのです。日本は極限までバトンリレーを磨き、無駄をなくして銀メダルを獲得したのです。

新学年が始まる時期、長期休みの前後、テストの後など、勉強にも次の目標に向けて頭の中を切り替える「目標のバトンゾーン」があります。この「目標のバトンゾーン」を上手く使える人は、学年が上がるほど成績も上がっていきます。ほかの人が「少し休憩」だと思っている時間が、君にとっては「目標のバトンゾーン」なのです。

新学年が始まりましたが、君は目標のバトンゾーンで上手く加速できていますか?まさか、「まずは生活リズムに慣れてから・・・・・・」なんて言ってませんよね?
新たな目標に向けて最高のバトンリレーをする。そんな新学年のスタートであってほしいと先生は思います。