君達は『若い時に苦労は買ってでもせよ』という言葉を聞いた事がありますか?

この言葉の意味は、若いときは楽な方に立ち回ってばかりおらず、困難な事であってもそちらを敢えて選択し、苦労を経験しなさいという意味です。また、それが将来や夢の実現のために苦労はついてまわるものと言われています。

でも本当にそうなのかと考えました。

例えば、友人にこんな人がいます。彼は今、独立して起業しています。彼は傍から見るとたくさんの困難にあたり、苦労を経験していきているように見えていました。彼にあるとき『ここまで大変だったね』と話すと彼はこう言いました。

『大変だったと思ったことはない。自分の好きな事で独立しているのだからこれほど幸せなことはない。周りは苦労と思うかもしれないけれど、僕は苦労というよりむしろ、楽しい。幸せだ。』

と言っていました。

例えば、一流のプロ野球選手。たくさん練習を重ねて一流になったかもしれません。でもたくさん苦しい練習をしてきたことも、どうしても叶えたい夢であったり、好きな事であったりするからできた事なのだと思います。

若いうちに苦労する事は決して無駄にはなりません。

けれど、もしかすると『苦労』と思っているうちは、本当の苦労ではないのかもしれません。

きっと苦労を楽しいと思えるようになった時に、その道を極める事ができる『本当の苦労』を経験できるのです。

みなさんのような十代は、これから一人前の人間として活躍するための基礎(土台)をつくることが求められる時期、自立期に当たります。
ここでどういう基礎づくりをするかによって、人生の大半が決まるといっても過言ではありません。
この時期を「黄金期」と呼びます。人生でもっとも大切なことに関心が高まり、知りたがる時期だからです。
そこで、自分自身の存在価値に目覚め、「自分とは?」「人間とは?」「人生の目的とは?」といったことを考えたり、悩んだりしながら人生の基礎をつくっていくのです。
また、この時期は、将来、独立して自分の力で生活することを意識しはじめますから、そのために必要な知識や能力を求めるようにもなります。受験に取り組むのも、そのあらわれです。
みなさんは気づいていないかもしれませんが、黄金期は一生のなかで、もっとも吸収力に恵まれています。
好奇心は旺盛で、雑念も少なく、想像力も直感力も記憶力も抜群です。そこで習得したことは、人間としてたくましく生きていくための基礎になるのです。
さらに、この時期はよい習慣づくりをするのにも最適です。「習慣は第二の天性」といわれますが、この時期に身に付けた習慣は生涯役に立ちます。
その一つとして、この時期に「努力する習慣」を身に付けておくと、人生の大きな支えになります。
努力することは人間らしく生きるために不可欠の条件です。何としてでもこの黄金期に身に付けておきたい習慣です。
黄金期にあるみなさん、一日一日を大切に過ごしてください。

今日は「素直さ」について話します。
学習面だけに限らず、人が成長するために「素直さ」は欠かせないものです。

君たちも、今までにお父さんやお母さん、あるいは先生たつに「素直に言うことを聞きなさい」などと言われたことはあるのではないでしょうか。そんな時は「性格なんてスグに変えられるわけがないよ!」とも思うでしょうね。

ところで「素直さ」って性格なのでしょうか?
いいえ。素直さは、性格ではありません。
あるいは「受身的な姿勢」とか「状態」でもありません。

素直さは「能動的な姿勢」を指すのです。素直さは性格ではなく、能力です。もっと分かりやすく言えば、他人の意見を聴く能力であり、自己責任として行動を選択する能力ともいえます。

身近な例でいえば、勉強のやり方ひとつでも、実は数え切れないくらいの方法論が存在するでしょう。3通りの勉強法知っている人と、100通りの勉強法を知っている人とがいたとして、その中から1つの方法を選んでいたとします。

どちらがより良くなる可能性が高いかは明白ですよね。
 
大切なのは、100通りもの選択肢を持つということです。それだけ勉強法を知っているということは、たくさんの人の意見を聴くだけでなく、本に書いてあることなんかも含めて多くを受け入れてみようという姿勢があるからこそでしょう。間口が広くないと、そこまで到達しないはずです。

自分の勉強法が世の中で最善だ、なんて思っているとそうはなりません。今、選択している勉強を否定するのではなく、もっと他のやり方があるかもしれない、と考え続けることが重要なのです。

そしてもうひとつ。
結局、選ぶのは「自分」だということ。誰かに「これがいいぞ」と言われた勉強法を実行して、志望校に落ちることだってあるわけです。でも、アドバイスしてくれた人に逆恨みするなんて、とんだ筋違いですよね。

最後に、方法論はいっぱい知っているのに「何も選択しない」という人もいる。それはつまり、行動していないということ。100通りの選択肢を持っていても無意味ですね。

今、「志望校に近づこう」、「成績を上げよう」と努力をしている君たち。きっと現時点でベストな選択をしているはずです。それを疑えと言うつもりはありません。

ただ、そう簡単に成績が上がるわけでもなく、伸び悩んでいる人もいるはずです。
そういうときこそ、素直さが大切です。
素直さは誰でも発揮できる“能力”ですから。

今日は風船の話をします。
風船は皆さんも膨らましたことあるよね!?

1回目に膨らました時と、2回に膨らませる時には、同じ風船でも違うって、経験したことはるよね。1回目は結構な肺活量、思い切り息を吹き出さないと膨らみにくいよね。ところが、1回膨らませてしぼんだ風船は、1回目よりも随分とたやすく、楽に膨らませることが出来るよね、そのような経験です。

実は、この風船とすべてのことが同じなんだよ。
「はっ? 何が言いたいのか?」って気分かな。
実は、すべてのことがこの風船と同じなんです。
「スポーツ」でも、「勉強でも」、何でもです。

例えば、マラソン選手は42.195kmを走りぬくために、42.195kmを走るわけではなく、時には50kmや60kmを走り、そのことで42.195kmが短く感じるほどの体力を身に付けます。
 
勉強も同じで、過去最高勉強時間が2時間の人は、2時間以上するとすごい体力を使う、一方で、3時間を経験している人は、2時間30分ならばまだがんばれるということがあります。

先生が言いたいのは、風船のように、一度膨らんだ風船は、その大きさに膨らませるのにそんな労力を必要としないように、時に目いっぱいがんばり、風船が最大限膨らんだ状況を作り出す時を作り出して欲しい、ということです。

当然、能開では勉強を通じて、最大に膨らます瞬間があります、それが今度の冬期講習会です。もう案内はしていますが、講習会では目いっぱい膨らませる「過去最高記録の冬」としよう。

先生達が、日々言っている「勉強を通じて、人生を幸せにする武器を手に入れて欲しい」という1つが、この風船のように自分の限界地点を広げることなのです。
また、いつか「人生を幸せにする武器」のお話はいたします。次はまた別の武器を紹介いたします。今日はこれまで。