180226みなさん、今日はハサミの話をします。
ハサミを想像してください。
良い切れ味にしようと思ったら何が必要でしょうか。
まず、刃が研ぎ澄まされていることが大切です。
これはみなさんが勉強をがんばる姿勢と同じかもしれませんね。

次に大事なのは、取っ手を握る力です。
これは先生たちの指導の力強さと言えるかもしれませんね。

では、この二つの力だけで良い切れ味は生み出されるでしょうか。
最後に一つ大切なことは二つの刃を止める支点がしっかりしていることです。
ここがゆるんでいたら刃の鋭利さも握りしめる力も活かされません。
これは皆さんの信念になります。

自分の教室で勉強をやっている誇り、気合いが中心にしっかりあることが大切です。
新たな学年がスタートしていきますが、高い目標を持ってがんばりましょう。

180219先生のお祖父さんはブラジル人なのですが、ここで私の第2の母国ブラジル(サンパウロ)について少し紹介させていただきます。
皆さんにとってブラジルのイメージはどのようなものでしょう?
私の中でのブラジルは、明暗がはっきりとした弱肉強食の格差社会です。貧困格差による犯罪が横行し、身体の不自由な方に人々は無関心であり、お金持ちは強い向上心で限りなく上を目指しています。現在の日本では、考えられない事ばかりです。
それでもブラジルの人たちに共通しているのは、「どんな状況に置かれていても、笑顔を無くさない」ということです。「ビバ・ブラジル!」というかけ声のもと、フットボールに魂を傾け、どこからともなく聴こえてくる音楽に乗せてサンバを踊る。そんな中で暮らしていたからなのか、ブラジルの人たちにとって、「笑顔」は無限の可能性と、人々を前向きにする魔法のようなものであると感じています。

ところでみなさんは、能開の教室に日々「笑顔」で来校していますか?
先生が教えている能開の教室では、生徒たちはとにかく笑顔で教室にやってきます。学年による格差もほとんど見受けられません。例えば、小3の生徒が中3の生徒と笑顔で挨拶をしている光景や、休み時間にトイレを譲り合う姿をよく目にします。
当然ですが、そんな中でもお互いに競い合って頑張ることや、そこから得られる結果にこだわりを持つことを、とても大切にしています。

「どんな状況でも困難なときこそ笑顔で頑張る」、この言葉を合言葉に、能開のこどもたちは今日も「笑顔」で自分自身と戦っています。皆さんの教室に「笑顔」の魔法はありますか?

180213皆さんはゲームは好きでしょうか?先生は実は大好きです。休みの日にはPS4をするのが大の楽しみです。ちなみにお勧めは「大神(おおかみ)絶景版」。有名ではありませんが、とても面白いのでぜひやってみてください。

さて今日は、今から約40年前。テレビゲームが誕生して間もないころ、世界中で大人気のゲームを作り続けた会社のお話です。その名も「Atari」。
この会社の作るゲームは当時としては抜群に面白く、アメリカを中心に、出たソフトは売れに売れました。あまりの人気でソフトが不足し、購入まで半年待ち、ということもあったそうです。ゲームといえばAtari。まさに王者、といえる状態でした。
ところがそんなAtariですが、ある年を境に売り上げは一気に減少。今や影も形もありません。一体なぜこんなことになってしまったのでしょうか?

答えは、「ゲーム作りに手を抜き、作るソフトが面白くなくなった」です。面白いゲームを作るには、長い時間とお金、そして知恵と工夫が必要です。しかしAtariは、作るゲームが売れることに油断し、少しずつそれらにかける力を減らしていきました。最初はそれでも、ゲームは売れました。手を抜いても売れる。ならばもっと手を抜こう…。
それをくりかえした結果、運命の一本が誕生しました。1982年に発売されたソフト、「E.T」です。「ジュラシックワールド」など数々の名作映画を生んだスティーブン・スピルバーグ監督の同名の映画で、世界中で大人気になった作品をゲーム化したものです。
Atariはこのゲームに大きな期待を寄せ、このソフトを500万本も生産しました。しかし、いざ発売されてみると、実際に売れたのはわずか150万本。残りの350万本は売れ残り、あまりの在庫の多さに販売をあきらめたAtariは粗大ゴミ処分場に余ったソフトを持ち込み、そのまま埋めてしまったそうです。
このゲームを作るのにAtariがかけた期間は、わずかに1ヶ月。当時のゲームは普通半年~1年かけて作られますから、いかにAtariが手を抜いて成果を得ようとしていたかが分かります。今やこのソフトは「史上最悪のゲーム」と呼ばれ、ゲーム業界をおそった悪夢として歴史に名を残し、Atariもそのまま姿を消すことになってしまいました。

調子のいいときこそ、決して手を抜かず、努力を続けねばならない。勉強でも同じことです。手を抜いて悪い結果が出たときには、もう取り返しのつかないところまで来てしまっています。ぜひ新学年に向け、手を抜かず努力を続けていってください。

1802052月になりました。
昨年の4月に今の学年にあがったときは、新しい友達や先生との出会い、初めての係や委員会など新鮮な気持ちがあったと思います。
そこから10ヶ月も経てば、ドキドキも少なくなって落ち着いた毎日を過ごしていることでしょう。

そんな慣れてきた「今」だから、皆さんに紹介したいお話があります。

************************

あるところに、「有名な木登り」といわれた男がいました。
その男がいるところへ行ってみると、
その男が弟子に指導して高い木に登らせ、枝を切らせているところでした。
その木はとても高かったのですが、弟子が上の方で危なそうに枝を切っている間、その男は何も言わず見ておりました。
弟子が枝を切り終えて屋根ぐらいの高さまで下りてきた時に、
「しくじるな。心しておりよ。」とやっと声をかけたのです。

************************

想像してみてください。
どうして名人は木の高いところに弟子がいるときに声をかけなかったのでしょう。
そんな高いところで作業しているなら「気をつけろよ」と注意したくなりませんか?
それともボーっとしていて、うっかり声をかけるのを忘れてしまっただけなのでしょうか…。
さて、話の続きです。

*************************

今さら声をかけたのが不思議に思って、
「これくらいの高さなら飛びおりたってきっとおりられるでしょう。どうしてこのタイミングでそんなことを言うのですか?」と尋ねてみると、
男は、
「目がくらくらするほど高く、枝が折れそうに細くて危ないうちは、自分自身の恐怖心があるので、何も言いません。失敗は、安全な所になって必ず起こる事なんですよ。」
と言いました。

***************************

なるほど!!皆さん、名人の言いたいこと分かりましたか?
気を抜いたとき、安全だ、簡単だ、と思ったときが一番失敗しやすいということなんですね。
ちなみにこれは「徒然草 第109段」のお話です。

あと2ヶ月すれば新しい学年。気持ちはすでに4月を向いている人も多いのではないでしょうか。
でも、最後まで気を抜かず「しくじるな。心して過ごせ」ですね。