181225いよいよ、12月も終わりに差しかかり、入試本番が近づいてきました。受験というのは、どんなに準備しても、不安というものは減りませんよね。そんな不安にも負けず、受験に合格できる「最強の受験生」になるためには、どうすればいいのか?こんな話があります。

入試前日、先生は必ず持ち物の確認をする時に、何かあってはいけないので、余裕を持って持参するようにと話します。例えばシャーペンは1本で問題ありませんが、こわれてしまっては困るので、2本持っていくこと。消しゴムも落ちてしまってはいけないので、2つ(しかも1つは転がりにくい新品の角が取れていないもの)を持っていくこと。しかも筆箱を持ち込めないので、輪ゴムで筆記用具を止めて机の上に置くこと。などを確認します。

入試当日。Aくんは、開始前の時間に、困っている様子の生徒を見つけたそうです。聞いてみると(全く知らない人なのに、声をかけてあげるというのもスゴイのですが)消しゴムを持っていないとのこと。迷わず2つ持っている消しゴムの1つを貸してあげたそうです。
入試が終わって、Aくんは自分のことを話す前に、先生にその消しゴムを忘れた生徒の話を真っ先にしてくれました。名前もわからないその生徒の合格を一番気にしていました。自分のことを差し置いて、その生徒のことばかり言うのです。
Aくんは、見事第一志望校であるその学校に合格し、入学式を迎えました。入学式の日に、Aくんは帰りにわざわざ教室に来てくれました。来たとたん、
「やっとあいつの名前がわかった!」
と言うのです。聞いてみると、なんと、その消しゴムを貸した生徒が同じクラスにいたそうです。初日から友だちになり、喜んで報告をしに来てくれたのです。こういうことがあるなんて…。様々な受験生を先生も見てきましたが、この話は本当に驚きでした。

もしかしたら、「最強の受験生」というのは、自分のことだけを考えるのではなく、周りの人のことを考えることができる人なのではないか…?などとAくんの話を振り返りながら改めて思うのです。
ここから入試が近づいてくればくるほど、自分自身に余裕がなくなり、周りのことが見えなくなってしまいます。でも、少し考えてみるとわかるのですが、みなさんは様々な人の助けを得ながら、ここまでたどりつけたはずです。そういう人たちに感謝の気持ちを持って受験にのぞみませんか?
そうすれば、「最強の受験生」に一歩近づけるかもしれません。

181217「平成」の元号が用いられる最後の2学期がいよいよ終わりになろうとしていますね。皆さんは、この1年間をどのように振り返るでしょうか。さまざまな「変化」があったことと思います。
 
「変化」といえば、我々が使っている言葉もまた、その時代背景や状況によって変化しています。その例をいくつか見てみようと思います。

まずは英語です。

皆さんが英語の時間に習う”shall”。学校では”Shall we dance?”のように誘いの言葉として使うと習ったと思います。しかし、shallはれっきとした助動詞で、肯定文・否定文で主語が一人称(I, we)の場合、「shall」は「…だろう」という意味になります。
(例) ”I shall return.(俺は必ず戻ってくるぞ!)”
また、肯定文・否定文で主語が二人称(you)の場合、「shall」は「…させよう」「あなたは…することになるだろう」という意味になります。
(例) ”You shall have a new computer for your birthday.(誕生日にパソコンを買ってあげよう。)”
しかし、今のアメリカ人はほぼ99%この用法で”shall”は使いません。
この助動詞”shall”は聖書ではよく出てくる単語なのだとか。いずれにせよ、古い用法なのですね。
 
次は我々が普段使う日本語でも考えてみましょう。

一番わかりやすい例が「ありがたい」ですね。
現代では感謝を表しますが、古典では「めったにない」が第1義として使われます。「めったにない」という用法が今でも使われていないわけではありませんが、普段の会話ではあまりお目にかからないですよね。
もとは、仏教から来た言葉で、出典は『法句経(ほっくきょう)』の、「ひとの生をうくるはかたく、死すべきものの、生命あるもありがたし」である、と言われています。人と生まれた生命の驚きを教える教えで、「有り難し」とは、人の生命の尊さへ目覚めた、大いなる感動を表す言葉でもあり、それがいつしか感謝の意味とされるようになったそうです。
また、「かわいい」という意味の言葉は古典では「かなし(愛し)」となり、古典で「かはゆし」は本来「相手がまばゆいほどに(地位などで)優れていて、顔向けしにくい」という感覚で「気恥ずかしい」という意味だったものが、「正視しにくいが放置しておけない」の感覚から、「いたわしい」「気の毒だ」の意味に変わり、かわいそうな相手を気遣っていたわる感覚から、今一般的に使われている「愛らしい」の意味に変わった、と言われています。
このように、言葉は時代によって変化し続けているのです。

君たちも「平成」の世に生まれてきたわけですが、「平成」もあと半年弱で終わりを迎え、次の時代になっていきます。そのときに、大事なものはそのままにしつつ、新しいものには柔軟に対応できるようになりたいものですね。
2018年も残りわずかとなりましたが、来年2019年は新しい元号の元年となることからも、新たなものに挑戦する気持ちを持ってほしいと思います。
能開・ホロンで勉強する君たちならやれるはずです。がんばっていきましょう!

181210今日は、坂本龍馬のお話をしようかなと思います。坂本龍馬って何をした人か知っていますか?そう、「薩長同盟」の立役者というイメージが強いんじゃないですかね。本人は土佐(高知県)の出身です。侍の時代が終わる「幕末」の志士というやつですね。最後には京都で暗殺されてしまうのですが、いろいろとその足跡が全国に残されています。
坂本竜馬は長崎で日本最初の貿易商社と言われる「亀山社中」を作りましたが、その坂本龍馬が長崎について、こんな風に言っています。

『墓、坂、バカ』

長崎には墓と坂しか無く、バカしかいない。ただし、バカしかいないの部分は、「バカみたいにお人好しな人しかいない」という意味だという説もあるみたいです。実際にどのような意味で言ったのかはわかりませんが、これくらい極端な人間じゃないと時代の変わり目で名前を残すことはできなかったかもしれませんね。
もちろん話は、これで終わりではありません。先ほどもちらっと出てきましたが、彼が生きた時代はまさに、「時代の変わり目」でした。侍の時代が終わりに近づき、言葉通りに日本を変えようとしていたのです。
そんな坂本龍馬のまともな言葉、

『時勢に応じて、自分を変革せよ』

「時勢」とは時代の流れや変化という意味です。わざわざ説明しなくても、言葉の意味はそのままの理解で大丈夫です。大事なのは、君たちが生きているこの時代もまた「時代の変わり目」であるということです。身近なところでは、あの大学入試改革ですね。大学入試が変わるのは、社会が変わったからです。これから変わるのではなく、もう変わっています。

「まぁいっか」とか言ってないで、君たち自身も強く変わり続けよう。

181203皆さんは、“東大合格生のノートはかならず美しい”という本を知っていますか?
教室に本が置いてある、という人や、先生たちから話を聞いたことがある、という人もいると思います。ただ、この本が出たのは2008年です。十年一昔と言いますが、まったく聞いたことがない、という人のほうが多いかもしれません。
この本はベストセラーになり、この本がきっかけで東大生のノート(ドット入り罫線ノート)という今尚売れ続けているヒット商品誕生のきっかけにもなりました。
この本の中に、東大ノート7つの法則、というものが紹介されています。今回は、それを皆さんに紹介させてもらいます。

< 東大ノート7つの法則 >
1.とにかく文頭は揃える
2.写す必要がなければコピー
3.大胆に余白をとる
4.インデックスを活用
5.ノートは区切りが肝心
6.オリジナルのフォーマットを持つ
7.当然、丁寧に書いている
(文藝春秋社 太田あや著「東大合格生のノートはかならず美しい」より抜粋)

どうですか? 東大合格生のノートの法則と聞いて、すごい何か特別な方法が…、と思い浮かべた人もいるかもしれませんが、今日からでも即取り入れることができるぐらい、すごくシンプルな法則ですよね。やはり、凡事徹底という言葉があるように、勉強にしてもスポーツにしても、何事も、結果を出すためには当たり前のことを質高く行うことが必要ということでしょうか。
まずは形から入り、ずっとこだわり続けることで自分のものになり、その結果、本当の実力として蓄積されていく。そうやって培われた実力が、衆に抜きん出る結果につながる。その結果がこの本の例でいえば、東大合格ということなのでしょうね。
既にノートにはこだわりがあるという人も、自分のノートはとても人には見せられないという人も、成績アップ、受験合格、そして、将来の夢や目標の実現のために、あらためてノートのつくり方こだわってみてはどうでしょうか?そうすれば、十何年後には、今度は皆さんが、○○のノートはかならず美しい、といった本に取り上げられるような結果を出す人になっているかも知れませんよ。