「2010年の合格体験記」ができました。目標に向けて努力を続けた君たちの先輩たちの声です。だから、表紙に「TIERRA‘S VOICE」(ティエラの声)という名前をつけました。中には、体験した者にしか表現できない力強い宝石のような言葉が満ちています。「受験」という困難な時間の中を不屈の闘志を持って駆け抜けた先輩たちの声に、ぜひ、耳を済ませてみてください。これからの君たちに、大きなヒントと勇気を与えてくれるはずです。

先輩たちの声を拾っていくと、受験を勝ち抜いた先輩たちに共通していることが二つあることに気づきます。一つは、目標を早く決めること。そして、もう一つは、受験勉強を早くスタートすること。これだけです。な〜んだ、そんなことかと思う人もいるかもしれませんね。でも、このことがなかなかできないのです。

受験合宿での先生たちの言葉に元気をもらって奮起した先輩たちは少なくありませんが、去年、飯綱高原で行われた高校受験準備合宿で土井先生は、中学1・2年生に「受験はピストルの鳴らないマラソンのようだ」と語りかけました。志望校を早く決め、受験勉強をスタートさせることの大切さを最終日に話しかけたのです。受験は、運動会の百メートル競走のように、「そろそろ受験ですよ〜」「みんな位置についてください」「よ〜い、ドン」と、全員によびかけ、スタートの合図のピストルを鳴らしてはくれません。受験のスタートのピストルを鳴らすのはだれか。それは自分しかいません。

受験では、早い時期に心に決めた「意中の中学」、「意中の高校」、つまり、第一志望校が決まっていなければなりません。「大学受験は高一の春が天王山」という言葉も、そのことの大切さを表現した言葉です。そろそろ夏。ここにも有名な言葉があります。「夏を制する者が受験を制する」です。長い夏休みをきちんと計画的に充実させた者が「受験」を制することができるのです。

竹はしなやかで強い植物です。
大きくなるにつれて、たくさんの「節」をつくって成長していくからです。
一つ一つの節目が竹を強くしています。
人間も竹と同じように「節」をつくって成長していくのではないでしょうか。

その証拠に「節目」ということばがあります。物事の区切りの事を言います。
小学生の時代、中学生の時代、 高校生の時代、大学生の時代、社会人の時代、壮年期の時代、 老年期の時代。その区切られた時間の中で一つの事を成し遂げて 「節目」をつくり、次へと大きく成長していくのです。

五月晴れの空に鯉のぼりが風に泳いで、木々の緑がいよいよ濃くなる気持ちのいい季節です。そんな季節に今年も、たくさんの会社で「入社式」が行われました。社会人としての第一歩を踏み出して、ひとりひとりの新入社員が社会人としての責任、企業人としての責任、社会的責任を背負う第一歩の日。社長さんから激励の言葉が贈られます。そんな中、ある社長の言葉が印象に残りました。それは「自分の人生を切り開いていける人間になってほしい」という言葉です。ユニクロの柳井社長の言葉です。とてもいい言葉ですね。

 社会人になるということは、親の世話にならないで一人で飯を食うことができることだと思います。そして、社会の一員として未来の日本、あるいは未来の世界をつくることに参加するということです。やがてひとりの社会人となる日のために君たちの今があります。では、社会人になるためには何が必要か。『社会人に必要なことを3つあげてください』という面白いアンケートをある生命保険会社が行っています。多くの大人が社会人としてこんなものが必要だよ、と答えたものが次の十項目です。(多い順)

【1位 協調性があること 2位 素直であること 3位 向上心があること 4位 我慢強いこと 5位 頭の回転が速いこと 6位 環境に適応するのが早いこと 7位 仕事に情熱があること 8位 臨機応変であること 9位 空気が読めること 10位 精神的にタフであること】(ライフネット生命保険/2009より)このアンケート結果をみなさんはどう思いますか。

 人間の「能力」には二つのものがあると言われています。一つは「ability」(アビリティ)、もう一つは「competence」(コンピテンス)です。どちらも「能力」という意味なのですが違います。

 アビリティとは、「成績がよい」「英語が話せる」「資格をもっている」パソコンができる」といった能力。勉強や学習を通して習得できる能力。自分ひとりでも発揮できることから、「個人的能力」と言ってよいでしょう。それに対して「コンピテンス」とは、「コミュニケーション力」「リーダーシップ」「協調性」「向上心」「社会常識」「積極性」といった能力。さまざまな経験や体験を通して身につけることができる能力。他人との関わりの中で習得され、発揮される能力であることから「社会的能力」とよぶことができます。

 どちらも生きていく上でかかせない能力なのですが、アビリティが比較的習得しやすいのに比べて、コンピテンスのほうが習得するのが難しいことがわかります。それはコンピテンスが、さまざまな体験を積み重ねて習得していく能力で、長い時間が必要だからです。そして、「おやっ」と気づくことがもうひとつあります。それは、前の「社会人に必要なもの3つのアンケート」に出てきたベスト10のほとんとんが「コンピテンス」に属していることに気がつきます。

 ティエラの会員なら誰もが参加してほしい夏の合宿は、この「コンピテンスの育成」を大きな目的として実施しています。「さまざまな経験や体験を通して身につけることができる能力。他人との関わりの中で習得され、発揮される能力」を合宿の場で身につけてほしいのです。他人と交わり、他人と積極的に関わることで、他人にもまれながら、他人に学び、他人に鍛えられて自分を強くしていく。そうした、社会人になるために必要なものが「合宿」にはあります。

 自分で持ち物を準備して住み慣れた居心地のよい家を出るところからスタートする合宿。親と子が離れ離れとなり、互いが「親離れ」「子離れ」をする。自然と一つになったり、海外の家庭を体験したり、いつもと違う勉強空間の中に自分を置いたり、違う仲間と違う場所で寝食を共にしながら自分を感じる体験。心と身体と視野の開拓。

 合宿は不自由な空間です。なぜなら、居心地のよいいつもの住み慣れた家を出て、知らない他人と一緒に生活を共に過ごすからです。好きなときに好きなものを食べ、好きな時間に寝るといった自分のペースだけではだめで、協力しあい、時にはがまんすることも必要です。ストレスに耐え、予測しないことにも出くわします。それでも、仲間と共に何かをする喜びや、これまで体験したことがない感動や喜びに涙を流すこともあるでしょう。「合宿が自分を大きく成長させてくれた」と多くの先輩が語り伝えてくれています。そうした合宿だからこそ、「コンピテンス」を身につけることができるのです。
この夏の合言葉は「コンピテンスに挑戦!」

教室によって今春の合格者が貼り出されているところもありますが、よく見ると最近では女子生徒の名前で「●子」という名前が少なくなっていて「●子」を探すのに苦労しますね。
中国の孟子や荘子を含めて賢者には「子」がついていました。そのルーツで中国から流れてきて平安時代の日本では貴族の女性に「子」がついていることが多かったように聞いています。
だから「●子」はその昔は高貴な名前だったように思われます。
時代の流れもあるのでしょうが、「●子」の名前を見つけるとほっとします。なぜか??理由は読みやすいからです。

先生が人生のなかでどうしても読めなくて、後で感心した名前があります。
それは「不思議」ちゃんでした。女子の名前ですよ。

皆さんは読めますか??案外ユーモアのある名前です。

誰が名付けたのか知りたいくらい後でなるほどと思える名前です。

答えは言いません。考えてください。

どんな人生を歩んでいるのか分かりませんが、何事にも疑問を持ち続ける人になっているのでしょうか。

名は体を表すとも言われますが、多分、常に疑問を持って生きて欲しいとの願いが込められてつけられたのではないでしょうか。名前は両親からもらった人生最初のプレゼントですよ。君たちは大切にしていますか。傷つけるようなことはしていませんか!両親がこれからの人生を生き抜くために付けてくれた大事な名前通りに生きていますか?
案外、気にもしなくてこれまで生きてきた生徒が多いのではないですか?

今、教室に名前が「観未加」という生徒がいますが、この生徒も読めませんでした。多分、読める人はいないでしょう。両親はどんな思いを持って名前を付けられたのか興味があります。

君たちも一度、両親に名前の由来を聞いて両親の思いを聞く時間を作ることも大切ではないでしょうか。
改めて自分自身に自信を持てるようになる気がするのではないでしょうか。将来の日本を背負っていける名前があるのかも知れませんね。
友達の名前にも興味を持つきっかけになり、会話も弾むこともあるでしょう。
知られざる友達の名前の由来に出会えることを楽しみに!!

頭が良くなりたい。賢くなりたい。と皆さんは思っていますね。ではどうすれば頭が良くなり賢くなるんでしょうか?
 人間の体は細胞で出来ています。その数は50兆個〜60兆個、とてつもない数です。頭 (脳)にはどれくらいの細胞があるかわかりますか、数千億個と言われています。体の細胞は一つ一つが独立して存在していますが、脳の細胞(神経細胞というのですが)はいくつかの細胞とつながっています。このつながり神経回路が大切なわけです。
 人は体の成長とともに脳も成長します、といっても脳の場合は細胞の数が増えるわけではありません。子どもも大人も同じくらいです。では脳の成長とは?一つ一つの細胞のつながりが有効につながっていくかどうかなんです。自分にとって不必要な情報はこのつながりの中から消去されます。(これが覚えられない、思い出せないということなんです。)神経細胞のつながりは、記憶しようとしたり、考えたり、思考したり、すればするほど強化されます。このことが脳を成長させます。

 テストで、ちゃんと勉強したはずのことが思い出せず、「ここまで出ているのに!」という悔しい思いをした経験は、皆さんもあるでしょう。覚えた情報をうまく思いだせなかったわけです。つまり、忘れたわけです。忘れないための基本は、何回も書くことです。書いて、書いて、書いて、・・・。
 問題を解いたり、本を読んだりしているとき、「脳」はフル回転しています。頭の中でいろいろと想像しているので「脳」のあちこちを刺激しています。このときまさに「脳」は成長しています。テレビやゲームは一方的に情報を受け取るもので、思考を停止させます。

 どうしても覚えられないと嘆いている君にちょっとアドバイス。勉強したものが記憶できるのは眠る前に学習したことだそうです。知っていましたか? 記憶と眠りには密接な関係があります。皆さんは夢を見たことありますよね。あの夢も記憶のひとつなんです。新しい知識を身につけるためには、覚えたその日に6時間以上眠ることが必要だそうです。眠っている間に大脳の中でしっかり保存されます。
 眠る前の2時間から眠るまで、特に就寝直前の15分は眠っている間に記憶できる最良の時間だそうです。寝る前にテレビをみる、ゲームをする、などということは脳を鍛える上では最悪ですよね。

 考えたり、覚えたり、脳は使えば使うほど成長します。使わなければ退化してしまいます。特に10代の小学生、中学生の間が最も脳が成長する時です。くれぐれも脳の細胞(神経細胞)を孤立させないようにしてあげてください。