皆さんは「フライング」という言葉を知っていますか?

 フライングは陸上競技や水泳競技でスタートの合図がある前にスタートをすることです。
もちろんこれは違反行為なので、やり直し、さらには失格になってしまいます。なぜなら、陸上競技や水泳競技は何分の一、何十分の一秒を争う競技なので、競技者全員が同時にスタートをして正確なタイムを競う必要があるのです。皆さん想像してください。もしも、フライングがなく各選手が自分の好きなタイミングでそれぞれスタートをするとしたら・・・。
レースにならないですね。誰が一番速いのか分からないですね。だから、同時にスタートをする必要があるのです。そのためにフライングがあるのです。

 ここで皆さんに考えて欲しいのは、勉強にもフライングがあるのかということです。

 受験勉強を考えてみましょう。受験勉強を始めるのに誰かが合図をしてくれるでしょうか?誰かが「では、受験勉強、用意、スタート」と合図を出しくれて、その合図をきっかけに、それまでじっと待っていた受験生が一斉に受験勉強を始めるでしょうか?そんなことはないですよね。周りの友達より受験勉強を始めたからといって、友達から「お前、フライングをしたな」と言われることもありませんし、もちろん失格にもなりません。
 
今回は受験勉強を例にとりましたが、勉強にフライングはありません。
先生の好きな言葉に「遅く始めて後悔することはあっても、早く始めて後悔することはない」というものがあります。勉強はどんどん早く始めていきましょう。スタートが早ければ、早いほどゴールに近づいているのです。

テストで良い点数を取りたい!入試本番で誰よりも高得点を取りたい!
そう願う皆さんなら、一度は「習ったことは、一度で覚えられたら良いのに・・・」と思うことでしょう。

 数年前、中学3年生だった先生も同じことを考えていました。特に社会の年号を覚えるのが苦手だった先生は、受験を前にしてとても苦労していました。ただ、重要な語句を覚えようとしてもなかなか覚えられません。たくさん書いても忘れるものは忘れてしまいます。このままでは、志望校に合格できない・・・

 そこで、先生は「ゴロ」で覚えることに挑戦しました。みんなが知っているゴロだけではなく、その事柄と関連する事件や出来事も一緒に覚えていきました。

例えば、日本の古代の外交といえば・・・
1 607年 遣隋使の派遣
ムレナしていく遣隋使
2 630年 遣唐使が始まる
→遣唐使はロミオさん
3 894年 遣唐使の廃止
ハクシに戻そう遣唐使

この3つが有名ですよね。そして、それに関連づけて・・・
*593年 聖徳太子が摂政となる
→聖徳太子はコックサン
*907年 唐の滅亡
→忘れてクレナと唐滅亡
という風に覚えていきました。少し違和感を感じている人もいるかもしれませんが、遣唐使の中にロミオさんはいませんし、聖徳太子はコックさんでもありません。
でも、そのように印象付けて覚えていくと、ちょっと頭の中に残りやすくなりますよね。記号のようにただ暗記するのではなく、自分の中で覚えやすいように工夫をしていくのです。そしてこれを何度もチェックしながら覚えようとすると、暗記することができます。

「暗記が苦手!」勝手に自分でそう思い込んでいませんか?工夫すれば、いくらでも覚えることが出来ます。
みなさんの覚えやすい、そしておもしろいゴロもぜひ教えてください!

日本語にいろいろな方言があるように、英語にも方言というものがあるのです。コックニーというものを知ってますか?イギリスの下町の、労働者階級の人たちが使っていた独特の訛りを持つ英語です。
例えば、「エイ」と発音するところを「アイ」と発音したり、my father(わたしの父)「マイ ファーザー」をme father「ミー ファーヴァー」と発音したり「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」を「ア・イ・ウ・エ・オ」と発音したりします。
有名なところでは、オードリー・ヘップバーンが演じる下町娘を上流社会で通用する女性に教育する「マイ・フェア・レディ」という映画にコックニーが出てきます。登場人物のヘンリー・ヒギンズ教授が、その下町娘に「エンリー・イギンズ」と呼ばれる場面があります。
また、サッカー選手として世界的に有名なデイビッド・ベッカム選手は、この訛りのため、インタビューが聞き取りにくいと批判され、品がないとまで非難されたことがあります。
かくいう先生も、地方から東京の大学に進学した際、方言が恥ずかしくてなかなか会話ができず、上京してすぐには友人ができませんでした。友ができても、方言は隠して生活していましたが、電話で実家と話をした後で、友人から「今何しゃべってたの?」と訊かれてショックを受けたこともありました。
「英語音声言語学」という授業で、コックニーというものを初めて知った時の担当の先生がおっしゃっていた言葉です。「世界にはいろいろな国があり、いろいろな人が存在し、いろいろな言語が話されています。その言語はいろいろな歴史と文化の中で生まれたものです。言語学者としての私の信念は、“すべての言語は美しい”。」その授業から、先生は方言を隠すことを辞めました。今でも心に残っている授業です。

寒い東北地方の方言にはとてもあたたかみがあります。九州の方言はなんだか勇ましい感じがしませんか。関西弁といっても大阪・京都・兵庫でも少しずつ違いがあるのを最近知りました。日本という国で、日本語の中にも様々な方言があり、それを知ることはとてもおもしろいことだと先生は思います。生まれ育った土地で身につけた独特な言語は、その人の個性です。
日本だけにとどまらず、世界中でもいろいろな人と触れ合い、いろいろな言語を知る=いろいろな文化を知ることは、国際社会ではかかせませんが、同時に自分の言語を知ってもらう=文化を知ってもらうことが大切なことです。皆さんには、互いを認め国や人種を超えたつながりをつくる本当の国際人になってもらいたいと願います。

十里の旅の第一歩
百里の旅の第一歩               
同じ一歩でも覚悟が違う
どこまで行く積もりか
目標が
その日その日を支配する

この言葉をよく噛み締めてみましょう!まさにその通りだとは思いませんか?
この言葉は、横浜高校野球部の監督として何度も同校を全国大会に導き、今は大リーグで活躍している松坂投手をはじめ、多くのプロ野球選手を育てた渡辺監督の座右の銘なのです。松坂投手自身もその影響を受けて自らの座右の銘にしているほどです。座右の銘は、自分の人生を狂わさない、言わば羅針盤の役割も果たしてくれます。何かあったときに思い返すだけで力が出てきますよ。

この言葉の持つ意味は深いものがあります。先生も感銘をうけました。君たちの目標や夢に置き換えて考えてみましょう。簡単に達成できるものよりも、さらに険しく高い目標を設定してその実現にむけた一歩を踏みだす。人間、気持ちの持ち方一つで全てが変わります。強い気持ちを持つ!という動作が大切なのです。諦めたその瞬間ゲームオーバーなのです。全てが終了してしまうのですよ。

高い目標を達成するまでには非常に苦しくなる時期が必ずあります。スランプに陥ってみたり、思いもしない妨げがあったり。そういったものに出くわした時は、決してひるまず、目標達成というゴールへ向けて着実に進んでいる自分が今そこにはいるのだということを自覚してください。そう考えるだけでも力が湧きますよね!

スポーツにおいてですが先生の体験を例に挙げると、高校生の時、河川敷で行われる校内耐寒マラソンで10kmを走った時のこと。自分の持ちタイムで走りきろうと思えば決してきつくはありません。しかし本番ではそうはできません。(先生は陸上部だったので順位とタイムのダブルノルマがあったのです!1つでも達成できなかったらどうなるか・・・今思い出してもゾッとします!)10kmといっても最初は流れに乗っていくので楽ですが、道中のポイントポイントでペースが上がると脱落組がでてきます。ここで一踏ん張りするかどうかで全てが決まります。7km地点を越えたあたりから9kmまでがヤマになります。ついていくだけで精一杯の状況なので一番苦しい時です。とにかく遅れはとらないということと、ただただ呼吸を整えることだけを考えていました。しかし、不思議なもので、あと1kmの看板が見えると今度は順位を意識しだします。前を1人ずつ抜いて1つでも順位をあげていくぞと気合をいれると、今まで一歩一歩歯を食いしばって走っていたのに、何故か足も軽くなりラストスパートを決める自分がそこにはいました。先生自身、短距離が専門だったので出来たのかもしれませんがあの時の快感はいまも忘れることができません。日頃の練習の成果が一番大切な時にだせたことは自信にもつながりました。

みなさんの日頃の勉強への取り組み方も一緒なのですよ。目の前のテストも大切ですが、その先にある大きな目標(自分の将来の夢)を実現させるためには何をするべきなのかを、いい機会なので今一度考えなおしてみましょう。十里の旅ではダメですよ!百里の旅の第一歩を踏みだす覚悟を決めて、日々の行動を起こしていきましょう!

君たちが持つ将来の大きな目標を実現させるために、全ての行動の一つ一つがその日その日を支配するものであって欲しいです。