200225

みなさんはグレタ・トゥーンベリさんを知っていますか。
スウェーデンの高校生でありながら地球温暖化に関して強い志を持って活動されている環境活動家です。

二酸化炭素(CO2)をいかにして削減していくかが最大のテーマとなっています。
彼女は若干8歳にして、なぜ気候変動への対策がほとんど行われていないのか理解できなかったため、落ち込んで無気力になり、その後病気と診断されました。
後に彼女は、その診断は「以前は私を制限していた」ことを認めながら、病気とは見なさず、「スーパーパワー」と呼んで今の自分の根幹と考えているようです。

その後2018年に学校での気候変動のストライキとスピーチを開始しました。
後々この活動が大きく世界中に拡散していきます。
グレタさんと同じ学生たちや、アーティスト、政治家、企業など、【グレタ効果】により多くの人が多大なる影響を受けます。
今やSNSの時代ですから拡散のスピードも凄まじいです。

そして2019年、スウェーデンで最も重要な女性に選ばれました。
10年にも渡り、コツコツと訴え続けていることが大きいと思います。
人は元来飽きっぽい生き物と言われます。
よほど強い信念がなければ10年も続けるのはきついですね。
国連でSDGS(持続可能な開発目標)が採択され、2030年に向けて世界が動いています。
グレタさんと同じ10代のみなさんも、コツコツ(CO2 CO2)と自分の大きな目標に向け、頑張り続けて欲しいです。

「地球は死なないわ、私が守るもの」と言ってくれるくらいスケールが大きい人になって欲しいですね。

CO2 CO2が勝つコツ
継続こそ力なり

200225

今日は、不思議な池の話をします。
山口県の美祢市に、別府弁天池という池があります。美祢市には秋吉台や秋芳洞といった有名な観光スポットがありますが、別府弁天池も知る人ぞ知る名所です。みなさんの中には行ったことがある人もいるでしょう。

この弁天池は、神秘的な青い池として知られています。弁天池は地下から湧き出た水がたまってできた池なのですが、その水がとてもきれいな青色をしているのです。水が青いのは当たり前と思うかもしれません。しかし、水は本来透明のはずです。弁天池の水は、地下からの湧水で日本の名水にも選ばれるほどの澄んだ水です。実際にペットボトルに汲んだ水は全くの透明に見えます。藻などで濁った水とは違います。その水が、池では青く見えるのです。私が行ったときにはきれいなエメラルドグリーン色をしていました。南国の海の浅瀬のような色です。透明な水が緑色に輝いているのがとても不思議に思えました。青い池と紹介されることも多く、季節や天気や見る人によって見える色が違うのかも知れません。

なぜ澄んだ水が青色や緑色に見えるのでしょう。池の近くの案内板の説明には、光の性質や水の中に溶けているミネラルが影響していると考えられているが、実は理由はまだ解明されていない、とありました。なんとなくわかった気になりますが、ミネラルが反射するとなぜ青や緑に見えるのか、やっぱり不思議です。弁天池のあたりがカルスト台地であることも関係しそうです。

この弁天池には、こんな伝説があります。昔、この地方を開拓した者が、水に困って諏訪大明神に祈ったところ、弁才天をまつり青竹を杖に水をたずねよというお告げを受けて、まもなく清らかな湧水が発見されたそうです。ほかの各地にも似たお話は伝わっており、昔の人が水を得るのに苦労していたのだなあと思います。

この弁天池の湧水は持って帰ることができ、飲むことで長寿が保たれ財宝を得ることができるとも言われています。なんだかすごい水です。給水場があり、地元の方でしょうか、大きなポリ容器にたくさんの水を汲んでいる人もいました。私もペットボトルに汲んで帰りました。

みなさんの周りにもたくさんの不思議なことがあふれているはずです。そんな不思議なことに気づき、いろいろなことを考えることで、毎日がもっともっと楽しくなるかもしれませんね。

200225

世の中大変な状況です。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、外出自粛の3密、①密閉空間(換気の悪い密閉空間)、②密集場所(多くの人が密集している)、③密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる))の回避・休校期間

様々な影響が出てきていますが、それとは関係なく季節は移っていきます。春の陽気が日に日に勢力を増して、日差しの強い日には夏を予感させる暖かさが顔を出し始めました。それに伴い、いろいろな生物も活動を始めています。

『昆虫』もそんな生物の代表でしょうか。チョウが春の花に集まり、バッタが卵から孵化(ふか)して草にとまっている、そんな姿を目にするようになりました。もう少しすれば夏の昆虫が活動し始めます。カブトムシはその準備としてそろそろ蛹(さなぎ)になる頃でしょうか。今回はそんなカブトムシ同様、夏の昆虫の代表、『蝉(セミ)』について話をします。

セミがどんな一生を過ごしているかは知っている人が多いと思います。幼虫の期間は種類によって異なりますが、短い種類でも3年。大きくて力強いイメージ(先生だけ?)のクマゼミは5~6年間土の中で過ごします。そんな長い期間土の中で過ごしてやっと地上に出てくるのですから、あんなに一生懸命鳴くのもわかりますよね。(そんな成虫の期間は約1か月短いですね)それだけ長い時間をかけて成虫になるセミですが、種類によってはもっと長く幼虫として地中で過ごすセミもいます。『17年ゼミ』と言われる種類で、名前の通り17年間も地中にいます。なぜそれだけ長いのか

歴史をさかのぼれば『氷河期』と呼ばれる時代の環境が影響しているそうです。地上に出てきても低い気温ですぐに死んでしまうため、なるべく長い時間地中にいようと、幼虫でいられる限界の期間まで地中にいたことが原因とのこと。

では、地上に出てきてもすぐ死んでしまうのなら、その時に何をするのか。それは「子孫を残す」です。地上に出てきてすぐにオスはメスを、メスはオスを探し子孫を残すそうです。ただ不思議なのは、この17年ゼミ、きっちり『17年間』地中にいて、17年ごとに一斉に成虫になるそうです。(地域によって『13年ゼミ』のところもあるそうです。その規模はすさまじく「北米でセミが大発生!! 数十億匹の大合唱で電話の声も聞こえない!!」などとニュースになるほど。

なんでそんなにきっちり17年で成虫になるのか、少しずれて16年や18年になってもおかしくないだろうにと思うのですが、それには大きな理由があります。

長い期間地中にいることになった原因の一つである『氷河期』では、成虫になるタイミングが一匹ずつ異なればどうなるか。せっかく地上に出てきてもオスとメスが出会えないかもしれません。そうなれば子孫を残すことができずに、最終的には絶滅していくしかありません。気候が安定してきた現代でも、それは同じ事です。外敵から身を守る手段をあまり持たないセミとしては、「自分の身に何があったとしても種族(同じ種類のセミ)の繁栄があれば良い」として、鳥に食べられようが、蛇に食べられようが、子供に取られようがそれでもかまわないくらいの大群で成虫になる方が、子孫を残せる可能性が高いのです。そうやって残された子孫はさらに決意するわけです。『17年後に成虫になって会おう!』

すごいですね。17年という『期限』をおおきな目標として過ごします。命がけです。

このセミの『期限』という名の『目標』はぜひ見習いたいものです。命がけとまではいかないかもしれませんが、君たちにも譲れない「期限」があるはずです。受験生は当然「受験日」が期限となるでしょう。もっと先の「将来の目標」に期限を合わせるなら「社会人になるまで」が期限でしょうか?

セミ同様、私たちも限りある命を生きる限り、一度きりの人生だからこそ期限からは逃げられません。先生もまだまだこれからです。どうせ生きるなら未来の自分をもっと大切に大きな夢を描きたいですそういう意味では、君たちの可能性は無限大ですね。

今からならなんにでもなれます。ただし、その実現のためには「期限をどこに設定するか」「目標をどの高さまでもっていけるのか」思い込みを外して、勇気をもって目標を持つことが大切になると思います。

今はしっかりと自分を見つめなおす時間、将来に思いをはせる時間が取れるはずです。これを良い機会だと捉えて、ぜひ考えてみてください。

(ちなみに12年や18年ではなく、『13年』や『17年』になったのも理由があるようです。ヒント『素数』。この謎を解き明かしたのは日本の昆虫学者だそうです。興味のある人は調べてみよう。)