141027みなさんは、宝塚歌劇団が最初に行った劇が何か知っていますか?

宝塚歌劇団は兵庫県の宝塚市にあり、歌舞伎が男性だけの舞台なのに対して、出演者は女性だけで、華やかで美しい舞台が魅力のとても有名な歌劇団です。宝塚歌劇団出身の女優さんも多く、見たことはなくても、名前を聞いたことはあるのではないですか?
その華やかな舞台で最初に行った劇は、なんと「桃太郎」だそうです。

先日、テレビでたまたま宝塚歌劇団に関する番組がありました。先生は、特に宝塚歌劇団に興味はなかったのですが、見ているうちに興味深い話を聞きました。

もともとは、お客の来なかった室内プールにフタをして作った簡単な舞台に、女性だけで桃太郎を題材した『ドンブラコ』という劇から歌劇団がスタートしたなど、今からはとても想像できないエピソードに「へー」と思いながら見ていました。

中でも、先生が「ええっ!?」とびっくりしたのがすると、宝塚歌劇団に伝わる「ブスの25箇条」という言葉です。宝塚歌劇団には「清く、正しく、美しく」という言葉がぴったりのイメージを持っていたからです。
でもよく聞くと、これは人の内面がブスにならないように注意を促す内容になっていて、何よりも人間として内面磨きが重要であることをつたえるものでした。

その宝塚に伝わる「ブスの25箇条」の内容はこれです。

1 笑顔がない
2 お礼を言わない
3 おいしいと言わない
4 目が輝いていない
5 精気がない
6 いつも口がへの字の形をしている
7 自信がない
8 希望や信念がない
9 自分がブスであることを知らない
10 声が小さくいじけている
11 自分が最も正しいと信じ込んでいる
12 グチをこぼす
13 他人をうらむ
14 責任転嫁がうまい
15 いつも周囲が悪いと思っている
16 他人に嫉妬する
17 他人につくさない
18 他人を信じない
19 謙虚さがなく傲慢(ごうまん)である
20 人のアドバイスや忠告を受け入れない
21 なんでもないことに傷つく
22 悲観的に物事を考える
23 問題意識を持っていない
24 存在自体が周囲を暗くする
25 人生においても仕事においても意欲がない

宝塚の稽古場にいつのまにか貼られていたこの「ブスの25箇条」はいったい誰がいつ書いたのかわからない伝説の教えなのだそうです。
どうでしょうか?
これを聞いて、先生も自分のことを反省…。
君たちはどうですか?
できていない部分があれば、少しずつでも変えていけば、自分も、周りの反応も変わってくると思います。
能開で学んでいる君たちには、勉強だけでなく、内面も魅力的な人になってほしいと思います。

141020皆さんこんにちは。
先日の台風では進路の予想や各地の状況がリアルタイムで分かり、早めの対策がとれたそうです。
今はパソコンだけでなくスマホやタブレットなども出回って、ネットでいろいろなものごとを見ることができます。便利になりましたね・・・。
ネットにある動画もすごいですね。「ハプニング映像」や「かわいい動物の寝顔」など、少し前まではテレビで特集がある時ぐらいしか見られなかったものが、ネットでは映像で出回っています。
ドラマや映画も検索するとたくさん出てくる。どんどん見ていくと時間を忘れてしまうなどの悪い影響もでます。
今は、ネットで買い物もできますね。ユニクロの服もお店に行かなくてもぴったりのサイズを見つけられたり、なんとメガネまでもお店に行かなくても買えるらしい。

そして、見たり買ったりした人がコメントをするんだね。「いいね!」だけでなく感想などを書いて、別の人がそれを参考にして、また見たり買ったりする。

ただ先生は、あのコメントを見ていて、時々「ん?」と思うときがあります。
確かに参考になる感想もあるけど、「おもしろくない」とか「見て損した」とか、自分勝手だなぁと思うコメントもけっこうあります。

先生はそういうコメントを見て「ちょっと待てよ~」と思うんです。
「見ようとか買おうって決めたのは自分でしょ?」と思うのですよ。
自分で決めたのに、物や他人のせいにしているんじゃないの?と感じるんですね。
中には「二度と見ない・・・」なんて書いてある時もあって、神様にでもなったの?という感じですよね。

ある学者さんによると、テレビやネットの普及にともなって、こんな人が増えてきたそうです。
「自分の意見は言うくせに、人の話しを聞かない人」
「面白そうな話しには加わってくるが、まじめな話しになるとどこかに逃げていく人」
原因の1つには、「便利さ」があるそうです。
先生もそう思います。

簡単に見れたり、簡単に買えたりする。そんな簡単に手に入ったものだから大事にしないんです。
いつでも話せたり、入力したら教えてもらえたり、四六時中メールができたり。
便利で困らないから、自分勝手になってしまうんです。

今、中3や小6の受験生は入試問題と戦っています。
時間制限があり、何が出るか分からない、色んなテーマが混じりあった入試レベルの問題。
「あと1点」を手に入れるのがすごく難しいんですよね。

時間がたっぷりあって、分からないところは誰かに聞けて、思い出せないときはヒントをもらえて、簡単に点数が取れたらどんなに楽なことか・・・。

でも、よ~く考えてごらん。
簡単に手に入った1点は、大事にできないんです。
自分の中に残らないから、次出てきたらまた間違えるんですよ。
苦労して、きつい想いをして手に入れた1点だから大事にできる。
ずっと残っていくんですね。自分の中に残っていくから、点数が伸びていくんですよ。

さぁ、楽をしていろんなものが手に入る便利な時代。
こんなに便利で、いいんですか?
楽しいことだけやって、自分勝手に言いたいことだけ言って、あとは知らな~い。
そんな人だと思われて、いいんですか?
1つ1つを大事にして、自分の中に残していく。そんな1日にしましょう!

141014「風の谷のナウシカ」や「となりのトトロ」などのアニメ映画で有名な宮崎駿さんのことは、皆さんも知っていると思います。
宮崎さんは「風立ちぬ」を作った後に、惜しまれながらも引退を発表しましたね。

その宮崎さんが実写映画を作っていたことを、知っているでしょうか。映画の名前は「柳川掘割物語」(1987年)といいます。『火垂るの墓』や『おもひでぽろぽろ』の高畑勲さんが監督をつとめ、宮崎さんは製作責任者として関わりました。

柳川掘割物語は一人の男の信念の物語です。今から30年ほど前の日本が高度成長期に、福岡県の柳川市で水路(掘割)の埋め立て問題が起こりました。水質汚染や不法投棄で水路がゴミだめになって悪臭を放ち、大量の蚊が発生していました。そのため住民からこんな水路はいらないから埋め立ててしまおうという声がでたのです。

大勢の人がそれに賛成しました。悪臭の元がなくなって水路が道路になれば、住民の生活も便利になります。しかしそれに反対したのが、広松さんという市役所の係長でした。

昔から柳川の人々は町中に水路をめぐらし、そこに川の水や雨水を流すことで、農業用水や生活用水として利用してきました。少ない水を大切に使い、自然と共存してきたのです。しかし、高度成長と共に人々は忙しくなり、水路とのつきあいを忘れ、川や水路を守るという手間を怠ってしまったのです。

係長の広松さんは、水路の埋め立てに反対し、市長に直訴しました。そして住民の協力が必要だと考え、水路の大切さを町内会で訴えました。2年間で100回以上です。さらに自らが先頭にたって、ドブ川となった水路を掃除したのです。その真剣な姿を見た住民も次第に協力し始め、一緒に水路を掃除するようになり、ゴミも捨てなくなりました。水路は少しずつ昔の美しい姿を取り戻し、人々は再び水路と共に生きるようになったのです。埋め立て計画は中止されました。

たとえ大勢の人に反対されたとしても、自分の強い信念に基づくものであれば、広松さんのようにそれを貫くのも大切な生き方です。もちろんそのためには、周囲の人を説得するための深い思慮や熱意、行動力が必要です。信念を持つことの大切さと難しさを、皆さんも一度考えてみてはどうでしょうか。

141006残すところ今年もあと3ヶ月となってきました。
よく言われることですが、「あと3ヶ月」と書きましたが、「まだ3ヶ月もある」と考えることもできます。しかし、受験生の人に限らず、やるべきことがたくさんあると感じている人ほど、「あと3ヶ月しかない」と悩んでしまいがちですよね。
そういう人に、是非、知ってもらいたい考え方があります。

その考え方は、「論語」という書物に出てきます。
昔、中国に孔子という偉い人がいました。この書物は、その孔子と高弟の言葉や行いを、その弟子たちが記録したものといわれています。
「論語」という書物に出てきます、と言いましたが、先生も、論語自体は読んだことがありません。色々な本で読みかじっただけです。すばらしい教訓がたくさん詰まった論語ですが、今日はその中の一つを紹介したいと思います。

孔子の弟子に司馬牛と子夏いう人がいました。あるとき司馬牛が「他の人には兄弟がいるのに自分にはいない」と悩んでいました。すると、子夏は「死ぬも生きるも、富むも貴きも、すべて天命によるもので、人力ではどうにもならない。君に兄弟がいないのも天命だろう」と言いました。
この話が伝えているのは、「悩んでもどうしようもないことは悩まない」ということだそうです。

2学期が始まり、1ヶ月が過ぎました。今年も残り3ヶ月。悩んでもどうにもならないことは悩まない。すごく単純ですが大事なことですよね。2500年も前のこのような話が残っているのも、やはり人間、分かっていても悩んでしまう、ということでもあるのでしょう。
また、悩んで解決できることは、必死に悩むこと自体が、その人の力になります。悩みの深さは精神の深さ、人間的成長につながる、とも言われてもます。くり返しになりますが「悩んでもどうしようもないことは悩まない」ということが大切なのです。

やるべきことがあるのに「今年もあと3ヶ月」と悩んでいる人。また、様々な悩みを抱えている人。その悩みは、悩んで解決できることなのか。それとも、悩んでも解決できないことなのか。考えてみると意外と頭がすっきりとしてがんばれるかもしれません。

是非、試してみてください。