1月になれば、いよいよ入試が近づいてきます。皆さんの受験勉強は予定通りに進んでいるでしょうか。そこで、入試を前にした受験生に、幾つか簡単なアドバイスを行います。

1 自作の要点整理ノートこそ、直前に威力を発揮する
これまで勉強してきた要点を整理したノートは、自分の頭の中に刻まれた学習の記憶と一致する部分が多くあります。短時間に見直すだけでも、かつて自分が勉強した場面が思い出されて、効率よく復習できるでしょう。入試直前の時期には、記憶の手がかりを再確認する意味でも、自作の要点整理ノートを再チェックしてください。

2 試験の直前には新しいものには取り組むのは危険
受験が迫ると、あれもこれもと、今まで十分に勉強できなかった英単語や数式が気になって、むやみに詰め込んで覚えようとする人がいますが、あまり得策ではありません。余裕がない限り、新しい問題集などにも手を出さない方がよいでしょう。仕上げの時期には、これまで取り組んできたテキストや問題集の見直しに力を注いでください。

3 夜型から昼型へ切り替えよう
受験が近づくにつれて、夜型で勉強してきた人の生活リズムを昼型に代えておかねばなりません。しかし、この切り替えを急にやると、日中はぼんやりしてあくびが絶えず、勉強どころではなくなってしまいます。体のリズムを無理なく昼型に変えるためには、やはり1週間くらいの余裕を持って切り替えていきましょう。

今年も残すところ、あと10日前後となりました。
皆さんにとっての2011年はどのような1年でしたか。実りある1年だったでしょうか。

さて、年末になると多くの家庭で大そうじが行われます。1年間の汚れがごみを取り除き、美しいきれいな気持ちで新年を迎えるためです。きっと皆さんの家でも大そうじがあるでしょうから、積極的にお手伝いをして、自分の役割を果たしましょう。

ところで、皆さんには、もうひとつの大そうじがあります。何だかわかりますか?
自分の机の周りのおもちゃや、問題集・参考書などの勉強道具を片付けること? いいえ、それだけではありません。1年間努力してきた勉強をもう一度振り返ってみて、自分にとっての成果を確かめ、これからがんばる目標を明確にすることではないです。具体的には、今年できたこと、できなかったことを確認して、その反省を踏まえて、来年に向けて、何をがんばるか、考えることです。

年末の今だからこそ、しっかりと見つめなおして、冬休みを迎えたいですね。新たな気持ちで、目標を定めて、冬期講習に取り組んでいきましょう。

今年の10月13日に加古川本校は新しい教室に移転しました。隣に東進衛星予備校があり、4階建てのビル全体が教室で、机もいすもすべてのものが新しくなりました。生徒のみんなも、新しくなった教室で、元気に勉強しています。
その教室は、JR加古川駅から真っ直ぐ南に伸びている商店街の中にあります。この商店街の道路の両脇には、街路樹が植えられています。クロガネモチやモッコク、コブシやハナミズキ、ヤマボウシなどがあります。なかでも多いのが桜の木です。ソメイヨシノはもちろんのこと、シダレザクラ、カンヒザクラ、ヤマザクラなどいろいろな種類の桜の木があります。春、まだ寒いころ、カンヒザクラが緋色の花をつけはじめます。そしてソメイヨシノが咲くころには、春本番となり、強風が吹くと桜の花びらが雪のように散って路上を駆け抜けていきます。
教室の前にも、ソメイヨシノの木があります。樹齢はまだ10年もたっていないでしょうか、幹もあまり太くありません。例年でしたら、11月の終わりには、紅葉して葉っぱは落ちてしまいますが、今年は紅葉も遅く、その色もぼけた感じです。そういえば、近くのイチョウの葉も11月の終わりにもかかわらずまだ緑のままです。
広葉樹は、夏のあいだエネルギーを作り出していた葉を、冬には落葉させることで自身を守ろうとします。寒さが急に厳しくなると、葉を切り離して落葉させるのです。そのときに葉に残っている色素がカロテノイドなら黄色くなり、アントシアンなら赤くなるわけです。その昔、信州の紅葉を見ましたが、それはそれは得もいえないほどの鮮やかな赤と黄色の色でした。鮮やかな紅葉になるためには、急激な温度変化、寒暖の変化が必要なのだそうです。
そして、冬本番となり、木々の葉がすべて散り終えてしまうころ、枝々には次の春に向けた準備がすでに始まっています。寒さから守りながら、新芽を出す準備をしているのです。
これから寒くなりますが、生きているものは次の季節、次の年に向けた準備をはじめます。みなさんも、新しい学年になる準備、新しい高校へ行く準備を本格的にする時期となりました。この準備がちゃんとできるかどうかで、次の学年は決まります。特に、中3のみんなは、受験に向けた最後の努力をしないといけない時期です。高校に入っても、しっかりやっていける勉強の体力をぜひつけてもらいたいものです。

皆さんは日頃、成績を良くしたい、頭を良くしたい、と思っていますよね。では成績を良くする、頭を良くするためにはどうしたらいいか? 答えは簡単、頭=脳を使うことです。

人間は通常、脳細胞の3%程度しか使っていないといわれています。つまり97%の脳細胞を鍛えることによって、記憶力・集中力・暗記力を強化し成績アップにつなげることができます。脳を使うには、行動することが重要です。行動するということは、たくさんの脳細胞の回路を動かします。例えば、部屋の中にだけいる人よりも、外に出て散歩をする人のほうが、はるかに多くの脳細胞を使っていることになります。
君達の勉強にあてはめると、「英語の単語は書いて覚えなさい」「算数・数学は式を書きなさい」「ノートに書きなさい」どの先生もよく言いますね。書くという行動によって、脳を使い記憶力・理解力を強くしているのです。

脳のトレーニングの一番効果的な方法は「初めて体験すること」です。脳は初めての刺激が大好きです。
「こんなの見たことないぞ」
「聞いたことないぞ」
「感じたことないぞ」
「こんな問題解いたことないぞ」
初めての体験で、今まで使われていない脳細胞が動き始めるのです。初めての体験を受け入れるために脳細胞同士のつながりが密になり、密になればなるほど様々な刺激も受け入れられるから、理解する力も良くなります。

さてみなさんはどうでしょう? 新しい学習単元を勉強することを考えてみてください。
「新しい学習単元」=「始めての体験」、ですね。これを数多くやればやるほど脳は活発に動き、頭が良くなり、成績も上がります。

脳細胞を使って初めての問題を解く経験に、わくわく、どきどき、してください。この経験の積み重ねが君達をひとまわりもふたまわりも大きく成長させます。

中高生にとっては、2学期末テストが近づいてきました。テストとは何のためにやるのか、皆さんは考えたことはありますか。「テストなんてなければいいのに」という声を耳にすることがあります。そのたびに、もっとプラスの捉え方があるのに、と私は思うのです。

テストがあるから勉強する、これは正しいと思います。テストがなければ、自分の位置づけを知ることができません。わかりやすく言えば、「今日学校で習ったことはいったいどれくらい分かっているのだろう?」ということすら、分からなくなるわけです。

誰でもテストで良い点を取りたいと思っているはずです。その心の内にある声に耳を傾けながら、いざ目標を設定しようではないか。

そこで、もうひとつ大切なことを伝えたい。将棋のプロ棋士として有名な羽生さんは「目標を持つことで意欲が向上し、集中力が増す」と言っていました。

しかし、目標の立て方があると思うのです。

例えていえば、走り高跳びの自己ベストが160cmの人がいたとしましょう。バーの高さが130cmに設定されていては、全力でやろうとしないのは皆さんも分かりますね。だって、絶対に飛べるという確信があるから、緊張もしないわけです。もうひとつ、バーの高さが200cmに設定すればどうか。これも逆の意味で緊張感がなくなります。だって、最初からできないと思っているわけだから。

最高に緊張感が高まるのは、165cmとか170cmという目標設定をしたときなんです。本気を出せばできるかもしれないと思う時、人は最も緊張するものなのです。

目標をどう設定するかで、意欲や集中力、緊張感がまるで違ってきます。

皆さんにお願いしたいのは、遠い未来を思い描く時、それこそ今の自分では到底届きそうもない目標を立ててほしいのですが、直近にあるテストでは、本気になれる目標を設定してほしいのです。

思い切って全力で勉強してください。全力を尽くすことでしか得られない成長があるから。