いよいよ受験シーズンの突入です。
入試前に、受験生に向け最後の言葉をかける機会が先生にもありますが、その時に必ず言うことが1つだけあります。

今日ここにみんながいて、受験ができるのは、みんなの周りにいるたくさんの人が、サポートをしてくれたからだよね。そういう人の存在を、決して忘れてほしくないのです。特にお父さんお母さんや兄弟、おじいちゃんおばあちゃん、おうちの人。
一番近くで、みんなのことを心配しいろいろなサポートをしてくれたはず。
ぜひ、今日受験が終わって、家に帰ったら、「ありがとう」とお礼の言葉を言ってほしいと思います。

ありがとうの語源は、形容詞「有り難し(ありがたし)」が「ありがとう」となったといわれています。
「有り難し」は「あること」が「難い(かたい)」という意味で、本来は「めったにない」や「珍しくて貴重だ」という意味です。
鎌倉時代以降に仏教の影響で、仏様の慈悲などで貴重で得がたいものを自分は得ているというところから、宗教的な感謝の気持ちを言うようになり、江戸時代ごろから感謝の意味として一般に使われるようになった言葉だそうです。

受験というのはまさに人生に何度もない「有り難い」経験ですよね。
もっともっといえば、今あなたがここに存在していることも「有り難い」ことなのかもしれません。

合格・不合格という結果ももちろん大切です。
でも、最も大切なことは、受験までにどういう過ごし方をしてきたか。そして受験を通して周りの人に感謝の気持ちを持てたかどうかだろうと先生は考えています。

面と向かってなかなか「ありがとう」とは言いづらいもの。
言いづらかったら、家でお父さん・お母さんの背中に向かって、心の中で「ありがとう」といってもいいのではないでしょうか。

思いは必ずや、通じると思います。

がんばれ!受験生!

あるお百姓さんが、朝早く起きて畑を耕そうとしました。ところがトラクターの燃料が切れていたので、近くのガソリンスタンドへ買いに行きました。途中で、豚にえさをやっていないことを思い出して納屋にえさを取りに行きました。すると、保管しているジャガイモが発芽しているのを発見しました。これはいけないと、ジャガイモの芽を取っているうちに、暖炉の薪がなくなっていたことを思い出し薪小屋に足を運びました。薪を持って母屋に向かっていると、鶏の様子が変なことに気付きました。どうも病気にかかったらしく、応急処置をほどこして、薪を持って母屋にたどり着いた頃には日がとっぷり暮れていました。
 お百姓さんは「ヤレヤレ忙しい1日だった」と思いながら、一番大切な畑を耕すことができなったことに気付いたのは床に入ってからでした。

 1日の時間の使い方は、いろいろなものをトランクに詰めることに似ていると言われます。トランクに荷物を詰めるとき、何気なく詰めていると一番大切なものが入らなかったり、少しの量しか入らない場合がよくあります。そうならないためには、どうしても入れなければならないものを選び出し、順番を決めて詰めていく必要があります。これは1日のやるべきことについてもまったく同じことがあてはまります。

無駄の無い1日を過ごすために
① 1日にやるべきことを全部書き出す。
② 次に、どうしても今日やらなければならない重要なことを選び出す。
③ ②で選んだことを3つにしぼって、順位をつけて実行していく。

さて、君は今日、まず何をするべきか?

2010年が終わり、2011年が始まりました。2011年をどのような年にするのか。目標を立て、気持ちを新たにするのがお正月なのではないでしょうか。お正月には色々な『きまりごと』があります。その『きまりごと』は地域によって様々ですが、今日は先生の家のお正月のルールを紹介したいと思います。今は守っていないこともありますが、子供の頃は絶対に守らなければならないルールでした。

 元旦の朝は必ず午前中に起きなければいけません。そして、俗に言う一張羅(いっちょうら)つまり、持っている服の中で一番立派なものを着ます。その後、家族全員が、床の間に鏡餅(かがみもち)の飾ってある座敷に集合します。床の間の前に置かれたテーブルには、おせち料理が並べられていました。元旦の午前中には刃物(包丁)を使ってはならないルールがありますので、おせち料理は前日に準備されます。もちろん、お雑煮の材料も前日に切って用意してあります。ここからが『お正月』のはじまりです。まずは一家の大黒柱であるお父さんがお正月のあいさつをし、その後、御屠蘇(おとそ)を家族全員が順番に飲んでいきます。御屠蘇とは邪気をはらい寿命を延ばすとされる薬酒で、大中小三種の杯で飲みます。杯につぐときも3回で、飲むときも3口で飲むきまりでした。御屠蘇を飲んだあとは、おせち料理を食べるのですが、必ず全品食べることがルールです。これは、全ての料理に意味があるからです。例えば、「黒豆」はまめまめしく元気に働けるように、「数の子」は子宝と子孫繁栄を祈って、「えび」は背中が曲がるまで長生きすることを願っての料理です。おせち料理を食べた後には、お待ちかねのお年玉が待っていましたが、これはお正月の『きまりごと』ではなかったかもしれません。

 まだまだ、『きまりごと』は続きますが、特に印象に残っているのが「お風呂ルール」です。元旦はお風呂に入ってはいけません。「働かざる者、お風呂に入るべからず。」です。お風呂は2日の朝に入ります。また、2日の日は午前中のうちに「仕事」をしなければなりません。これが『仕事初め』ですね。子どもたちは(先生も含めて)勉強をしていました。ここで始めるからこそ、一年間、しっかりと勉強ができると教えられました。

 『一年の計は元旦にあり』皆さんはどんなお正月を過ごしましたか。お正月から勉強をスタートさせましたか。今からでも、まだ遅くはありません。満足いく1年間となるようにしましょう。

中学入試においては、いよいよ受験シーズンに突入しました。
 県立中の多くは適性検査、作文とあわせて面接試験がおこなわれます。入試1ヶ月前くらいから、本番さながらの面接練習を行います。そんな中でのワンシーンを紹介したいと思います。

 ある受験生に対して、「あなたは将来、どんな人になりたいですか?」という質問をしたところ、その生徒は、「まだはっきりとは決まっていませんが、誰かの役に立つ仕事がしたいです。」と答えました。さらに「たとえば、どんな仕事ですか?」とたずねると、「・・・」結局答えは返ってきませんでした。

 みなさんはどうでしょうか? 誰かの役に立つというのは簡単なことですが、具体的に答えるとなると難しいのかもしれませんね。ただ、みなさんのまわりには、直接会ってはいないけれど、みなさんと関わっている人がたくさんいます。たとえば、皆さんが使う文房具を作る人、さらには、鉛筆の材料となる木を切る人などもそうですよね。つまり社会で生きていく、あるいは職業に就くということは、それ自体が必ず誰かの役に立つことになるのです。

 面接試験の練習に戻りますが、誰かの役に立つことから始まるのではなく、自分の夢や目標から、自分の将来を考えることを始めてみませんか。その目標をかなえたときに喜んでくれる家族の笑顔や、その仕事によって、たくさんの人に幸せを与えられることが容易に想像できるならば、本当に自信をもって目指すことができる夢だと思います。