150727皆さん、1学期の成績はどうでしたか?
良かった人はさらに高いレベルの学習に挑戦しましょう。
良くなかった人、今から1学期の成績は変えられません。前を向いて頑張りましょう。
成績以外のことでもそうですが、私たちはつい「過去」に目を向けてしまう傾向があります。

「過去と他人は変えられないが未来と自分は変えられる」
よく耳にする言葉ですが、今日はこの言葉を実感できるお話をしたいと思います。

今から約20数年前に強い台風が青森の津軽地方を襲いました。最大瞬間風速50メートルを超える大型台風で、津軽地方は大きな被害を受けました。
そしてなかでも「りんご農家」は大きな被害を受けました。出荷予定のりんごのうち9割以上が木から落ちてしまい途方に暮れていました。
落ちたりんごを拾いながら「もうだめだ。」という空気に包まれていました。

しかし、若いりんご園の経営者からあるアイディアが出されました。落ちなかったりんごを縁起物の「落ちないりんご」として、全国の神社に受験生向けに売ってもらおうというものでした。

何度も会議を重ね、問題点を解決しながら計画は進められました。そして、ついに8箇所の神社で販売出来る事になりました。
この「発想の転換」でりんご農園は大ピンチを切り抜け、経営を維持することが出来たのでした。

「落ちてしまったりんご=過去」に目を向けて嘆き悲しむよりも「落ちなかったりんご=未来」に目を向けて状況を好転させたわけです。

過去を振り返り反省や分析をすることは大切です。しかし、考えても状況を変えられないことは思い切って忘れて「未来」に目を向けることもまた大切です。

150721真珠の良し悪しを見分ける鑑定士の育て方について、こんな話があります。
一定期間、来る日も来る日も最高品質の真珠だけを見せます。そうして、ある日、劣ったものをこっそり混ぜておきます。するとたちまち見破ることができるそうです。
たぶん、そこに「最高級」だけが持つ特別な力があるのでしょう。

以前東京で、「こどもの日スペシャルコンサート」という演奏会が開かれました。曲目は、R・シュトラウスの交響詩から始まって、ヴェルディのオペラ、チャイコフスキーのシンフォニーと続きます。
演奏は、小澤征爾(日本を代表する国際的音楽家)指揮のボストン交響楽団。この異色のコンサート、観客はほとんど子どもたちで、しかも、曲によっては高校生が演奏者として楽団に加わります。

いわゆる「子ども向け」の曲は一つもありません。しかし、プログラムは周到に練り上げられていました。選ばれた作曲家は、古典派のベートーヴェンから20世紀を代表するガーシュインまで。また、ドイツ、イタリア、フランス、ロシア、アメリカと、クラシック音楽の歴史と拡がりを体験することができました。

さらに、日本の太鼓やジャズピアノとの共演で、それぞれの楽器や人の声の多様な魅力を存分に味わえる仕掛けにもなっていました。入場料は3,000円。このコンサートは、子どもたちに生の音楽に触れてほしい、と願う小澤さんの熱意で実現しました。
子どもたちは、一人前の聴衆として、最大限の敬意が払われました。

演奏会本番、オーディションで選ばれた高校生のブラスアンサンブルが舞台に立ちました。前日のリハーサルで、小澤さんは繰り返し、やり直しを求めたといいます。「世界のオザワ」にダメを出されて、彼らはどんなに誇らしかったことでしょう。演奏者として一人前に扱われたのですから。

作曲者の名前も、難しい曲名も、皆すぐに忘れたかもしれません。けれど、ホールいっぱいの音楽を浴びて背筋がぞくっとした感覚は、紛れもない自分のものです。静かな光を放つ真珠となって、今でも胸に残っているに違いありません。

普段の生活と全く違う夏休みは、いろんなジャンルの「最高級」に出会えるチャンスがたくさんあります。その中から、一生の宝となる真珠が見つかるかもしれませんよ。
暑くて辛い季節ですが、何事にも全力で取り組んで、自分自身も史上最高の夏にしよう。

150713みんなはどんな本が好きですか?
ワンピース? 進撃の巨人? 12歳? それともハイキュー?あ、これって全部マンガでした。
「何いってるの、マンガ以外の本も読んでるよっていう人もいるかもしれませんね。

でも、その本は自分がおもしろいなとか、読みやすそうだから読んでみただけとか軽い気持ちだったりしませんか?マンガやライトノベルが悪いとはぜんぜん思いません。マンガやライトノベルの中には、人に大きな影響を与えるものも数多くあると思うからです。錦織圭選手のように『テニスの王子様』を読んで、こんなふうになりたいと思いながら練習を続けてトップ選手になった人もいます。

でも、時にはそんな自分の好きなものや読みやすいものだけではなく、ちょっと難しそうだなと思う本を読んでみるのはどうでしょうか?もしかしたら、その選んだ本にはあなたの興味をすごく刺激する内容が書いてあるかもしれないし、自分の考えをひっくり返すような内容があるかもしれません。

そんな自分の知らない世界のことを知るってなんだかワクワクしませんか?

急に難しい本を読むのに抵抗がある人は、こんな風に考えてみてはどうでしょうか。もしいつも食べているご飯がお豆腐みたいなやわらかいものばかりでそれに慣れてしまっていたら、ちょっとでも硬いものが食事に出てきた時すごく食べにくいし、もしかしたら、おいしいのにおいしくないと感じてしまうかもしれませんよね。本を読むこともこれと同じだと思います。自分の読みやすいものばかり読んでいる人は、ちょっとでも自分にあわないと思ってしまうと読めなくなってしまいます。それってすごくもったいないことだと思いませんか?

もうすぐ夏休みです。合宿に講習会、学校の宿題、遊びたいし部活もあるし…と予定が盛りだくさんかもしれませんが、少し時間を作って今まで自分の選ばなかったような本を読んでみるのはどうでしょうか?もしかしたら、違う自分に出会えるかもしれませんよ。

150706君たちは電車に乗りますか?
先生は 少し前に滋賀県を走る「信楽高原鐵道(てつどう)」という電車に乗って、信楽という所まで行きました。たぬきの焼物で有名な町ですね。

信楽高原鐵道は、のんびりとした各駅停車のローカル線です。経営難や事故などが原因で、幾度となく廃線の危機に瀕してきました。ですがそのたびに地元の人々の努力によって、危機を乗り越え、今現在でも住民の大切な移動手段として走っています。 車掌さんも終点の信楽駅の駅員さんも、親切で温かい人たちでした。(信楽焼のたぬきもいっぱいお出迎えしてくれました)
そんな地元の人の大切な足として守られてきた電車ですから、当たり前のことですが、よそから来た先生は、失礼のないように、マナーを守ってちゃんとして乗らなきゃ、という気持ちにさせられました。
 
電車にはいろんな人が乗ってきますね。いつも見る顔もありますが、知らない顔もたくさんある。でも、みんなが同じ電車に乗り合わせた、同じ時間を共有する者同士です。いかにその時間を良いものにするかは、一人ひとりにかかっています。
君たちも、電車の乗客のようなものだと考えてみましょう。ティエラの講習会や合宿を電車だとすると、それを走らせるのは君たちです。
講習会では、普段の仲間だけでなく一般生の人たちもたくさん教室にきます。君たちが率先して「16のきまり」を守り、先輩としてしっかりと見本を見せれば、新しい仲間たちも負けずに頑張ろうと思うでしょう。
また合宿では、他の県や地域の初めて会う人たちと一緒に行動します。一人ひとりが一生懸命になり、自分にできることを考え、みんなを思いやれば、全員が笑顔の合宿になるでしょう。 しかし、どんな場面でも、自分が楽をすることだけ考えて努力を怠れば、たちまち君たちの電車は故障して止まってしまうでしょうね。
 
みんな同じ目的を持って、この夏、講習会や合宿に参加します。その目的とは、「成長した自分に出会うこと」しかないでしょう。それは、自分一人で得られるものではなく、仲間との切磋琢磨や協力によって得られるものです。「成長した自分」という駅に着くまで、ときには急な上り坂や思わぬトラブルがあるかもしれませんが、同じ電車に乗り合わせた者同士、一人ひとりが努力すれば、電車はきっと順調に走っていくはずです。
この夏、君たちの「成長したい」という思いと努力で、みんなの電車が今まで見た中で一番素晴らしい風景の駅に到着するよう、願っています。