150126“今、新しい伝説が生まれようとしている”

およそ30年前、このキャッチフレーズで世に生み出されたゲームを知っていますか?ゲームといえばシューティングゲームかアクションゲームしかないロールプレイングゲーム未踏の時代。発売されるや瞬く間に大ヒット。いまや知らない人がいないほど有名になってしまった伝説のゲーム。そう、ドラゴンクエストです。

初めての冒険はわくわくドキドキの連続。時を忘れひたすらプレイする日々。はがねのつるぎのキレ味に震え、太陽の石を求めて右往左往し、ベギラマの威力にほくそ笑む。そんな冒険を重ね竜王を倒す目的をはたすため旅をつづけます。竜王を倒すためにはレベルアップが不可欠です。地味でつまらないけれどやらなければ打倒竜王は果たせません。せっせとモンスターを倒し装備を整えます。膨大な時間の積み重ねの果てにロトの末裔は竜王と世界を賭けた戦いにようやく挑みます。

ゲームの中で行われていることは何かに似ていると思いませんか。

このプロセス、人生と大きく重なります。まず最終目標(竜王を倒す)を決めます。みなさんにとっては高校入試であったり、大学入試がそれにあたります。人によっては職業まで考えている人がいるかもしれませんね。次のステップは合格のために定期テスト(小ボス)を攻略します。点数を上げるために単語を覚えたり、計算練習をしたり、ワークを何回も反復します。ゲームでも現実の世界でもレベルアップするため退屈でうんざりすることに耐えてやらなければならないのは同じです。

この退屈で苦しいことを乗り越えていかなければ目標を果たすことができません。つまり目標をクリアするためには目標をたてるだけでは実現しません。目標を達成するための行動、行動を支える強力なモチベーションが必要です。

ゲームでは、“クリアしたいっ”、“竜王を倒したい!!”といった強いモチベーションをもってプレイしていると思います。目標をかなえる行動に最も必要なものが強いモチベーションのです。とはいえ、こういった強力なモチベーションをもつことはそれほど容易ではありませんね。そこでドラクエの主人公の心情に自分の心情を投影してみましょう。

本作の主人公はロトの血筋だからという理由で竜王を倒せというムチャ振りをされます。途方もない重責です。そのとき主人公は何を考えたのでしょうか。当然、「なぜ自分が」、という思いもあったでしょうが、おそらく竜王を倒す意味を考えたのではないでしょうか。竜王を倒すことで得られるものは何か、目標を達成したその先に待ち受けている世界はどうなっているのかを想像したに違いありません。竜王なき世界。そこは人々の笑顔があふれ、安心して暮らせる世界だと思ったことでしょう。主人公はその世界の実現のため困難に立ちむかっていったのだと思います。

部活で仲間のためだと不思議と頑張れた経験や、保護者が喜んでくれたから頑張ろうと思った経験をしたことがあると思います。誰かに認められたい。誰かに必要とされたい。人はこういった欲求をもっています。これこそが本当のモチベーションにつながる源泉です。社会にでて働くということは誰かを幸せにすることにつながります。

皆さんがやっている勉強は計り知れない価値をもっています。いま頑張ることは未来の誰かを幸せにします。勉強がつらいと思ったら、そのことを少し思い出してみてください。

1501192015年の1月も半ばを過ぎようとしています。
私たちは「1年」という期間を、新年を迎えるときくらいしかなかなか意識しません。考えてみれば、私たちの寿命は男性で80.21歳、女性で、86.61歳(いずれも厚生労働省調べ)。
長いような、短いような、どうもよくわからない期間ですが、いずれにせよどうやら私たちは地球に乗っかって、太陽の周りを80回くらい回るまでは、健康上特に問題が無ければ生きていられるようです。(先生個人は22世紀をこの目で確認できるまで生きたいと前向きに考えています。能開の先生には長生きしそうなタイプが多いと思いませんか?君の教室の先生はどうでしょうか?)

世界の他の国々に目を向けてみましょう。
コンゴ民主共和国、ナイジェリアなどアフリカの多くの国で男性・女性ともに平均寿命は50歳以下という統計が出ています。またアフリカ以外でも、インドやアフガニスタンなど貧富の差が激しかったり、政治の情勢が安定しない国でも60歳以下という統計もあります(WHO調べ)。
先生は専門家ではありませんので、その地域の人種の違いや食べ物の違い等による寿命の差については説明できませんが、ただ、統計を何度見ても「どうやら経済的に豊かな国のほうが長生きできる」という傾向があることは間違いないようです。

しかし以前に、大学入試の論文資料でおもしろい統計を目にしました。
「あなたは今、生きていて幸せですか?」の問いかけにいろいろな国の若者が回答した結果の統計なのですが、寿命世界一の日本の若者が「幸せです」と答えた率が、世界で43位。
そして先に挙げたアフリカの国々の若者が「幸せです」と答えた率が世界の最上位に多数ランキングされていたのです。経済的に豊かであれば心が豊かであるというのは、どうやら万国共通の考え方ではないようです。

人は残された時間が短いと本気になり、充実し、前向きに生きようとする。逆に残された時間が途方も無く長すぎると(小学6年生の女の子だったら、平均寿命まであと約74年!!なげえ~!)人は前向きになれず、本気になり、充実し、「ああ。生きてて幸せだな~。」と感じることが下手になってしまうのかもしれません。

★次のゼミまで6日間もあるから余裕だぜ。
と考える月曜日なのか。

★次のゼミまでの6日間などあっという間だから、今日は何をやっつけてやろうか。
と考える月曜日なのか。

しょせん成績の差なんて、生まれつきの能力や、素質に左右されるよりも、この「時間」に対する考え方に左右されている結果なのかもしれません。

この記事を読んでくれた君。

君が大切な中学受験や、高校受験や、大学受験を迎えるまでの「時間」が長いのか、短いのか。一度真剣に考えてみてくれ。その日までの時間を刻む秒針の音が聞こえてきたか?
聞こえた君はきっと成功するはず。先生はそう思います。

150113社会が得意なみなさんなら知っていると思いますが、【冠位十二階】では、その冠(かんむり)の12種類の色の違いによって「身分の高さ」を表しました。
では、それぞれの身分にどの色が使われていたのか知っていますか?
興味が沸いたので調べてみました。

◆12番目<小智>が【薄い黒】、11番目<大智>が【濃い黒】
現代で黒は「腹黒い」「黒幕」などの使われ方や「犯罪の容疑がある」ことを指したりとあまり良くないイメージで捉えられる場面も多いですが、「何にも染まらない」という意味を込めて裁判官の服に採用されているという一面や「大黒柱」という言葉もあります。また、キミたちが漢字や英単語を一生懸命にひたすら練習すると手が真っ黒になりますよね。あれは美しい黒です。

英語では[ black ]で、[ in the black ]と言えば「黒字」という良い意味だってあります。

◆10番目<小義>が【薄い白】、9番目<大義>が【濃い白】
白は黒と正反対に「犯罪の容疑がない」だったり「純粋」や「清潔感」を意味したりなどで基本的に良いイメージが先行しますが、「白々しい(しらじらしい)」というような使われ方もします。また、いくら見た目が綺麗でも解答用紙が真っ白というのは本当に困りものですね。

英語では[ white ]。動詞としての [ white out ] は「目がくらむ」「視界がなくなる」を意味します。

◆8番目<小信>が【薄い黄色】、7番目<大信>が【濃い黄色】
三原色のひとつである黄色のイメージはどうでしょう。子供が絵の中に描く太陽の色は、世界的には黄色が多いそうです。日本では赤やオレンジで描く方がどちらかというと多いそうですが、みなさんは何色で描きますか? 

英語では[ yellow ]で、「嫉妬深い」とか「臆病な」というような意味で使われることもあるようです。

◆6番目<小礼>が【薄い赤】、5番目<大礼>が【濃い赤】
こちらも三原色のひとつである赤。「真っ赤な嘘」「赤っ恥」「赤字」など、あまり良くないイメージの使われ方も多いですが、好きな色は?と質問されれば必ず上位に入るであろう、広く愛されている色ですよね。「赤いバラ」は情熱の象徴?です。

英語では広くは[ red ] ですが、[ crimson(真紅)]、[ vermilion(朱色)]、[ cherry(紅色)] など濃さによって言い方が違います。

◆4番目<小仁>が【薄い青】、3番目<大仁>が【濃い青】
また三原色が上位ですね。青も赤と同様に広く人気のある色ですね。視覚に訴える表示などで男女を分ける時は「女子が赤、男子が青」と使われることも多いですね。また、「青二才」のように「未熟な」という意味で使われたりしますが、人生で最も輝く時代を「青春」と呼んだりするなど良いイメージもありますね。ちなみに「青春」以外にもそれぞれの季節には色が振り分けられていて、「朱夏」「白秋」「玄冬」と言うそうです。冠位十二階にも採用されている黒(玄)・白・赤(朱)・青がここでも使われていますね。
 
英語では[ blue ]で、もはや日本語のように定着している感もある「ゆううつな」という意味を表したりもします。

 
なんだかここまでで代表的な色はほぼ登場してしまいましたが、一番上の位の色は何色なのでしょう? ここまでで出ていない色からすると【緑】とか? 偉い感じといえば【金】【銀】? 

◆2番目の<小徳>は【薄い紫】、最上位である<大徳>は【濃い紫】
少し意外な感じがする人も多いのではないでしょうか。あまりポピュラーとは言えない【紫】が上位を占めています。現代では「怪しげな」とか「派手な」、時には「下品な」などあまりプラスとは言えない印象を持つ人が多いであろうこの色ですが、実はとても高貴な色なのですね。よく見るとお坊さんの袈裟や持ち物には紫が取り入れられたものが多いですよね。数珠(じゅず)の房などにもよく使われています。

英語で[ violet ] は【薄い紫】、[ purple ] は【濃い紫】です。実は日本だけではなく世界的にも紫は「高貴な色」とされていて、英語の[ purple ]には「王族の」「華麗な」などの意味もあり、ローマ皇帝など高位の人物が紫の衣をまとうことが多いのです。
また、一面が紫になってとても綺麗な花畑を見せてくれるラベンダー[ lavender ] も紫ですね。。。何か、紫に対するイメージが少し変わった気がしませんか?

別に「紫がすごい」という話をしたいのではなく、今回、先生は「冠位十二階」の色から始まって関連することを色々調べるうちに色々なことを知りたくなり、夢中で調べているとまた知りたいことが出てきたりするという体験をしました。
この「広がる楽しさ」は「自分で調べる」という第一歩から始まります。参考書や辞書はただ語句を調べるだけではなく、それに関連したことをまた調べたりすることで多面的に捉えてみると、面白さや理解が何倍にも何十倍にも広がります。

新しい学期が始まる今、真っ白な心で「調べる」をぜひ積極的に実行してみてください。

150105今回は、正義の味方「仮面ライダー」の話をしよう。

1971年にテレビシリーズで登場して以来、何度か中断したものの43年に渡ってテレビ放映されている人気シリーズでもある。今では「第26代・仮面ライダー」が2014年の10月にテレビ放映を開始したばかりだ。

さて、初代仮面ライダーの宿敵は何か知っているか?(知るわけないか・・・)

それは、悪の秘密結社「ショッカー」だ。(有名なはずなんだけどな・・・)

特撮テレビドラマに出てくる「悪」の目的は、ほぼひとつに決まっている。そう、ショッカーの目的は「世界征服」だ。さて、世界征服という目的が良い悪いは別として、もしそれを本当に叶えたいとするならば、ショッカーがやるべきことは何だろうか。

「国連軍と戦う?」、「莫大な財を築く?」、「国家をつくる?」

どれも正解かもしれない。しかし、そんなことには目もくれず、やっていることといえば、

「幼稚園のバスを襲う」

ということだ。

なんとも滑稽だと思わないか。でも幼稚園のバスを襲えば、宿敵仮面ライダーが必ず助けに現れる。仮面ライダーはショッカーの目的を邪魔するので、排除したいというのが狙いだ。筋は通っているようにも見える。でも、そんなことやっている限りはいつまで経っても世界征服なんてできないよ、と誰でも思うだろう。

このように、ショッカーの行動に注目すると、何かイライラしているのかな、と感じないか?うまくいかないのは全て仮面ライダーのせいだ、ということにしている。仮面ライダーを倒せば目的が叶うと思い込んでいる。あまりにも近くを見すぎて、遠くの目的を見失っているばかりか、「仮面ライダー憎し」という怒りの感情に任せて、本来持つべき能力を発揮できていないようにも感じる。だって、世界征服という壮大な目標を掲げるだけの能力があるのに(笑)。

これは、勉強に向かう君たちにも言えることだと思う。志望校を合格するためには、努力を積み重ねていくほかない。言い換えれば「成績を上げる」ということになるだろうか。成績を上げるために、素直になることの重要性はわかっていると思う。知らないことが恥ずかしいとか、自分がどう思われるかどうかばかり気にしていては、肝心な「勉強に対する姿勢」そのものが崩れていることがよく分かるはずだ。
 
成績が上がる人の全て素直だとは言えないが、成績が上がらない人は、どこか素直になれない原因があると考えたほうがいい。たとえば、親や教師との関わりの中でイライラすることがあると、わざと自分の能力を発揮しないという形で現れてしまうことはないだろうか。さらに始末の悪いことに、これを放置しておくと自分には能力がないと思い込んでしまう。「どうせ俺なんて…」と言ってしまえば、何も始まらない。

高い目標を掲げるということは、それ自体、本当に素晴らしいことだ。しかし、それを見つめ続けることは容易いことではないかもしれない。

2015年。またこうして新年を迎えることができた。

もう一度、志望校を見つめ直そう。いや、もっと遠くにある夢を目指そう。

1年で最も心が平静になれる今だからこそ、決意を強くしよう。