140331皆さんは孫子を知っていますか。
孫子とは昔々の中国(今から2500年くらい前)の兵法書です。一般的には孫武という人が記したといわれていますが、戦いの勝敗が兵力と運で決定するといわれていた時代に、「どうすれば勝てるのか」「なぜ負けたのか」を分析し、それを文章にしたものです。
原因を解明し対策を練るといったところでしょうか、同じ失敗を繰り返さない最高の方法ですね。
この孫子から2つ紹介します。

「其の疾(はや)きことは風の如く、其の徐(しずか)なることは林の如く、侵掠(しんりゃく)することは火の如く、知り難きことは陰(かげ)の如く、動かざることは山の如く、動くことは雷の震うが如く」
戦国大名として有名な武田信玄が旗印にしたともいわれている「風林火山」の基となった言葉です。
簡単に説明すると、「日々準備を欠かさず、チャンスが来たら全力で一気に攻めよ」というところでしょうか。
日々準備を欠かさず=家庭学習の習慣化
一気に攻めよ=テストで全力を出す
といったところでしょうか。なるほど納得できますね。

ではもう一つ有名なものを
「彼れを知り己(おの)れを知れば、百戦しても殆(あや)うからず。彼れを知らずして己れを知れば、一戦一負す。彼れを知らず己れを知らざれば、戦う毎に必ず殆うし。」
説明すると、敵と自分を知っていれば危険にはならない。自分だけを知っていれば、勝負は時の運。敵も自分も知らなければ、戦う度に危険になる。となります。
皆さんはこの「敵」の部分を「夢の実現に必要な力」に、「自分」の部分を「自分の実力」に変えて読んでみてください。

さて、今回は、孫子から2つの言葉を紹介しました。
最後にこの2つを組み合わせて理解してみてください。
すると、
「夢の実現に必要な力と今の自分の実力を考える。その隔たりを埋めるために日々こつこつと努力する。そして、十分に力を蓄えた状態で一気に上り詰める」
という感じになりますね。
実際はそう上手くいくかどうかはわかりません。しかし、「夢を実現するため」という理由は、「日々努力することの理由」としては十分だと思いませんか。
というよりも、先生はそれ以上の理由はないと思っています。
皆さんも、今一度、自分の夢についてよく考えてみてください。

140324先生は、学生時代、山岳部に所属していました。
山岳部というとイメージが難しいかもしれないので、登山をする部活だと思ってください。
今回は山岳部に入部して初めて山に登った時のことを話そうと思います。

先生は特に山登りが好きだったというわけではないのですが、仲の良かった友達に誘われて入部しました。山登りは楽しい反面、苦しい時もあります。仲間と登るので、最初は楽しくわいわい登るんだけど、登れば登るほど一歩一歩が重くなってくるのです。苦しい時は仲間同士で励ましあい、声をかけあいました。だから、頂上に到着した時には、もうへとへとに疲れていました。のはずなのですが、頂上に到着した時には元気でした。

それはなぜか?なぜ元気だったのか?先生は疲れ知らずか?

頂上に到着した嬉しさと、そこから見渡すことの出来る今までに見たことのない景色、そして今までに見たことのない仲間の嬉しそうな顔。それらが疲れとか、登るまでの大変さを一気に吹き飛ばしてくれたのだと先生は思っています。そして何よりも「この山を登りきったぞ」という達成感が体の中から湧いてきて、先生を元気にしてくれました。「次はこの山よりも高い山をのぼってやるぞ」という気持ちも湧いてきました。

講習会がスタートします。

君たちは今から講習会という名の山に登ります。順調に進むときもあれば、苦しむ時もあるかもしれませんね。でも、君たちの周りには、一緒に山を登る多くの仲間がいます。それは一緒に授業を受けている皆です。「頑張ってね」と声をかけてくれるお家の人や、先生たちもそうかもしれません。平らな道を移動しているだけでは、少しも上に行きませんよね。一歩一歩でも登れば少しずつ上に行きます。これは勉強も同じです。苦しい時も一歩一歩登れば、着実に君たちの学力は上がっていくのです。今回、初めて講習会を受ける人は、頑張ってこの講習会の頂上に到着してください。講習会に参加するのが初めてではない人は、さらに高い山、つまり、今までで一番頑張った講習会にしましょう。

今回が今までで一番頑張った講習会であれば、君たちの体の中からは今までにない達成感が湧いてきます。そして確実に力もついています。

さあ、その一歩を踏み出しましょう。

140317皆さんは『万有引力』って知っていますか?

例えば、今皆さんの机の上にあるもの、ペンや消しゴム、筆箱なんでもかまいません。
それを持ち上げて手を放すとどうなりますか?
とうぜん床または机の上に落ちてくるよね。
なぜこんなことが起こるのかというと、「地球が引っ張っているから」なんです。

考えてみよう。地球というのはものすごいスピードで回転しています。
単純に計算すると、地球一周を赤道上で計るとおよそ4万kmくらいなので、これを24時間で割り算して・・・
4万(km)÷24(時間)=1666(km/h)!!
あまりピンと来ないかな。
だいたい460m/sくらいだ。
こうやって先生が話をしている間に、君たちはどのくらい移動しただろう。

そんな速さで回転していると、どこかに飛んで行きそうだよね。
それでもキミたちが地面に立っていられるのは、これも「地球が引っ張っているから」なんだよね。

ただ、今日話をする『万有引力』はそれだけではないんです。
万有引力とは「質量を持っているものはお互いに引き寄せあう力を持っている」ということなんです。
つまり、最初に話した「ペンが落ちる」という現象は、実は「地球がペンを引っ張っている」と同時に「ペンが地球を引っ張っている」のです。すごいよね、自分のペンに向かって地球が突撃してきているんだよ。ただ、地球の方があまりにも重いために、ペンだけが引っ張られているように見えるんだけどね。

ということは、この万有引力は「重ければ重いほど引っ張る力が強い」ということです。

さあ、ここでキミたちの「将来の夢」について聞いてみたいと思います。
医者になりたい人、研究者になりたい人、先生になりたい人、パイロットになりたい人・・・
人それぞれに夢があるよね。

その夢を実現する為に、その夢に近づく為に、今君たちは必死に勉強しています。
そこには夢を実現させたいという「思い」があるよね。

この「思い」は君たちが努力すればするほど大きくなっていきます。
「これくらい勉強したら○○になれるかな?」
「これだけやったら○○になれるかもしれない。」
「これだけやっているのだから、きっと将来○○になれるはず!」
そうやって「思い」を強くしていくのです。

最初に話をした『万有引力』。
実は物体だけではなく、形がある・ないに関係なく「全てのもの」にはたらくとも言われています。

キミたちが必死に努力をして強くしていた「思い」は、キミたちを夢に近づけるだけでなく、その「思い」に引っ張られて「夢もキミたちに近づいてきている」のです。
そして、キミたちの「思い」が強ければ強いほど、夢は強く引っ張られます。

さあ、春の講習会が近づいてきました。4月からは新学年がスタートします。
これから自分が持てる「最大限の努力」をして、どんどん「思い」を強く持ってください。

「思い」は「重い」とも書きます。
自分の中の「重い」をどんどん積み重ねて、ぐいぐい自分の夢を引っ張ってやりましょう!!

ちなみに、自分の「思い」だけでは足りそうにない人へ・・・

この「思い」は他人の「思い」と重ね合わせることができます。
自分のためだけではなく、誰かのために・・・と思って行う努力はより一層「重い」が大きくなります。
そうやって手繰り寄せた夢は最高だよね。

先生たちはキミたちの「思い=重い」を応援しています!!

140310突然だけど、天気予報って、どれぐらいの確率で的中するのか、知ってる?
気象庁のホームページに「天気予報の精度検証結果」というページがあって、天気予報がどれぐらいの精度で的中するのか見ることができるんだ。
http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/kensho/yohohyoka_top.html

そのページを見てみると、次の日に雨が降るのか降らないのか、夕方に発表した予報が次の日に的中する確率は、1990年には約82%だったのが、2012年には約86%に向上しているとのこと。
観測データの増加・品質改善、天気を予測するための考え方(数値予報モデルと解析手法)の研究、何よりも予測を計算するコンピュータの性能向上によって、天気予報の的中率は年々上昇しているんだって。
今、気象庁で使っているコンピュータは、なんと1秒間に21兆5千億回もの計算ができるんだよ。すごいよね。

それでも、夕方に、ほんの数時間後の次の日の天気でさえ、完璧に予測することはできないんだ。

じゃ、今後さらに研究が進んで、より性能の高いコンピュータが完成すれば、天気予報が100%的中するようになるかと思っちゃうけど、実はそうはならないんだよ。

みんなは、「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」っていう言葉を聞いたこと、あるかな?中国の北京で蝶がはたはたと羽をゆらしたことがきっかけになって、国をまたぎ、大陸を越えて、次から次へと影響が広がっていって、やがてはアメリカのニューヨークに嵐を起こすことがあるかもしれない、ということなんだけど、信じられない話だよね。

カオス理論っていう物理学の理論の中で、バタフライ効果(蝶を英語にするとバタフライだね)と呼ばれている現象で、通常なら無視できると思われるようなとても小さな差が、やがては無視できない大きな差となって現れることがある、ということなんだ。

明日の天気だけでなく、ヒラヒラと落ちてくる落ち葉の動きや、お線香から立ち上る煙の動きなどの自然現象は、「複雑すぎて予測ができません」「ほんのささいなことが、とんでもない結果を生み出すことがあります」と言われているんだ。

人類がより進化して、科学技術がもっと発達すれば、落ち葉の動きぐらいなら完璧に予測できそうなもんだけど、決してできないんだ。

例えば、明日の天気を完璧に計算できるコンピュータが完成したとするよ。
コンピュータに明日の天気を予測させるためには、今現在の気温が何度とか、湿度が何%とか、風向きとか、気圧とか、様々な今現在の状況(初期値っていうんだよ)を入力しないといけない。

そこで、実際に今現在の気温を最新の気象観測装置で完璧に計測し、コンピュータに入力したとする。例えば「東京の今現在の気温は30.002℃」とかって。そしてコンピュータが完璧な計算をして、「明日の東京の天気は晴れ」だという結果になったとする。
で、今度は初期値をほんのちょっとだけ変えてみる。「東京の今現在の気温は30.001℃」とかって。すると、「明日の東京の天気は雨」だという結果が出てきたりするんだ。

これを初期値鋭敏性っていうんだけど、ほんのちょっとだけでも初期値を変えちゃったら、とんでもなく大きく結果が変わってきちゃうんだね。

それこそ、ニューヨークの明日の天気を予測するために、北京の今の気温を30.002℃にするのか、30.001℃にするのかで、予測が大きく変わってしまうんだ。

同じようなお話で、「風が吹けば桶屋が儲かる」っていう話を聞いたことがあるかもしれないね。

さて、とうとう今年のゼミももうすぐ終わろうとしている。
ゼミ、講習会、EXオープン模試、合宿、みんな色々な場面で本当によくがんばったね。

今年初めて講習会に参加した人、ゼミに新しく入会した人、初めて合宿にいった人など、何か生まれて初めての挑戦をした人も多いことだろう。
ずっとティエラの教室に通っている子も、合宿に何度も参加している子も、「やめずに今年も続けてがんばろう」「今年も合宿に挑戦しよう」と決心するのは勇気のいることだったはずだ。

講習会や合宿に参加しようと決心したとき、ゼミに入会しよう、ゼミを続けてがんばろうと決心したとき、もしかすると「目覚ましく成績が上がるかもしれない」「生まれ変わったように成長できるかもしれない」と思っていたかもしれない。

ところが、この1年を振り返ってみてどうだろうか。決心してゼミに入会したのに、講習会をあんなにがんばったのに、勇気を振り絞って合宿に参加したのに、「思ったほど成績が上がらなかった」「思ったほど成長できなかった」と感じているかもしれないね。

でもね、君たちはほんの少しかもしれないけれど、確実に成長し、確かに生まれ変わろうとしはじめているよ。

あいさつの声を出せなかった子が出せるようになった。
いつもノートに赤線を引くのを忘れていた子が、ちゃんと赤線を引くようになった。
消しゴムだとか下じきだとか忘れ物ばっかりしていた子が、忘れ物をしなくなった。
床の上に落ちている紙切れを、自分の落としたゴミじゃなくても拾えるようになった。
難しい問題だとすぐにあきらめてしまっていた子が、粘り強く考えることができるようになった。
的はずれなところばかりノートまとめしていた子が、的確な場所を参考書で調べるようになった。
赤線の余白部分がいつも真っ白だった子が、少しずつ活用するようになった。
試験中にすぐにあきらめてしまっていた子が、最後の1分1秒まで必死に問題に立ち向かうようになった。
合宿では班の仲間たちと協力して、班の役割を果たすことができた。

どれも、小さな蝶が羽ばたくような、小さな変化かもしれない。
でも、その小さな変化を大切にしよう。
この1年間を振り返って、自分の中で起こった小さな成長を思い出そう。

この先、決心が鈍ったり、楽な道へ逃げたくなったりしたら、君たちの中にいる小さな蝶のことを思い出してあげよう。
君たちが忘れずに思い出してあげれば、きっと蝶ははたはたと美しく羽ばたいて、君たちに勇気を与えてくれるよ。

そして、いつか、小さな蝶の羽ばたきが、嵐のような大きな変化や成長を君たちにもたらしてくれる。

春期講習会から、君たちは新しい一つ上の学年がスタートだ。
この春も、努力量の自己新記録達成を目指してがんばろう!

140303最近先生は、大親友の娘さんによくおとぎ話をしてあげます。まぁ、娘さんと言ってもまだ産まれて4か月ほどなんですが…。一方的に話してます。
そんな中で最近よく話すのが『三匹の子豚』 みなさんは知ってますか? えっ!? 知らない? では簡単に…。

昔々あるところに三匹の子豚が暮らしていました。
ある日お母さんが「そろそろ自分たちで家を建てなさい」と言います。
三匹の子豚はそれぞれ考えます。
1番上の兄はワラを集めてワラの家を建てました。
2番目の子豚は木を集めて木の家を建てました。
3番目の子豚はレンガを積んで家を建てました。

さてここでトラブルが発生。様子を見ていたハラペコオオカミさんがやって来ます。
1番上の兄のワラの家は一瞬で吹き飛ばされ、2番目の子豚の木の家は、オオカミに体当たりされて粉々になります。追い込まれた2匹の子豚は、末っ子の子豚のレンガの家に逃げ込みます。

風を起こしても体当たりをしても壊れない丈夫なレンガの家に、オオカミは悩みます。
「よし! 煙突から侵入してやろう」
しかし、さらに素晴らしい3番子豚。オオカミの侵入を想定して、煙突からつながる暖炉で火をおこし、大なべに湯を沸かしていたのです!

オオカミは見事に大なべに侵入。慌てて逃げていきました。
こうして3匹の子豚はレンガの家で幸せに暮らしていきました。

おっと! 昔話がしたかったのではなく、大切なのは

①時間や量などの努力はきちんと報われる。
レンガの家を作るという大変な課題に取り組んだ子豚と、ワラで済ませようとした子豚。その重さも当然ながら、完成までにかかる時間。これらの努力はきちんと成果として現れましたね。

②人間には、頑張れる“時期”がある。
ポイントは3番子豚が1番頑張ったところ。人は年齢を重ねるほど要領が良くなり、手を抜いたり、少しでも楽をしようと考えるようになります。つまり早い(若い)うちの方がよく努力ができるのです。

③あらゆる事態を想定して万全の準備をしよう。
レンガで家を建てるだけでなく、煙突まで作る優雅さ…ではなく、オオカミの侵入を想定して大なべまで準備する周到さ。念には念を、万全の準備が勝利を呼びます。

そして最大のポイントは、

④この話はみなさんが相当幼いころから知っているということ。
でも普段はおとぎ話をこんな風に考えないですね。物事は見る角度によって大きく表情を変えます。難しい課題でも、見方を変えれば解決策が見えてくるものです。

①努力は報われる
②頑張る“時期”はお早めに
③万全の準備を
④物事は見方次第

さぁ、この4つの学びを活かして、今週も頑張っていきましょう!