191028みんなはテストをどんな気持ちで受けているのだろう?

このたった1枚のテスト。このテストだけでみんなの人生が決まることはないだろうな。
この1枚のテスト、簡単に破れるよな。「ビリッ」。次に2枚重ねて、「ビリッ」。今度は4枚重ねて、「ビリッ」。

まだまだいける。「ビリッ、ビリツ…」。所詮紙なんて簡単に破れるよね。
ではこの百戦錬磨はどうだろうか。破れる人はいるかな。プロレスラーなら破れるかもしれないけど(笑)

この百戦練磨だってもともと1枚の紙からできているよな。けれどもその1枚の紙が重なって集まると破られることはない。

1枚のテスト。それ単体では弱いかもしれない。けれども何度もテストを受けてそれらを積み上げたとき、そいつが受験生としての強さになると思う。自信になると思う。

受験に成功する人は、今日のテスト1枚をきっと大事にしている。いや、先週のテストも大事にしている。
反対に受験に失敗する人は、今日のテストくらいいかって投げ出している。

何事も1から始まるんだ。そしてそれが集まれば誰にも負けない強さになる。
あらためて今日から1枚のテストを大事にしていこう。

あともう1つ。ちょっとやっても伸びないって思っている人へ。
数枚ではすぐに破れたでしょ。あるところまでいかないと破れないところまでいかないんだ。

だから諦めそうになったら今日の話を思い出してくれ。
もう無理かもって思ったとき、あともう少しやってみて。
それでも駄目なら、やっぱりもう少しやってみて。
破れる破れないの差ってたった1枚の差なのだから。

191021「わたしは、今までに、一度も失敗をしたことがない。電球が光らないという発見を、今まで2万回したのだ。」
「それは失敗じゃなくて、その方法ではうまくいかないことがわかったんだから、成功なんだよ。」

そうです。皆さんも知っているトーマス・エジソンが残した名言です。エジソンはなんと、生涯におよそ1300もの発明をしたそうです。蓄音機、発熱電球、そして映写機など、私たちの生活の利便性を高めるものばかりでした。なかでも、発熱電球の発明に至るまでには、2万回の失敗を重ねたという逸話もあるようです。

人は自分が達成したい目標やなりたい姿があって、そこに早く近づきたいと思うからこそ、悩んだり、苦しんだりしているのだと思います。

何かに挑戦をした時、なかなか上手くいかず失敗ばかりを繰り返した経験は皆さんにもきっとありますよね。失敗したからと諦めてしまうと、失敗は失敗のままです。

しかし、自分自身を振り返って次の一手を決めて行動すれば、成功する為の糸口となり未来に繋がります。そしてそれをどれだけ繰り返すかで未来は加速度的にどんどん変化していくものです。その積み重ねの結果として、エジソンは発熱電球の発明に成功したのでしょう。そして偉大な成功であればあるほど、その繰り返しは幾度となく繰り返されるということです。
例えば今週、中学生は中間テスト、そして高校生は模試結果が返ってきました。
その結果を受けてまずは振り返りをしてみましょう。

●目標に対してその結果はどうだったか?
●今回頑張れたことは何か?
●今回の反省点と改善できることは何か?
●次の目標に対しての新しい行動とその計画は?

「今回のテストは失敗したな・・」と思うときこそ時間をかけてしっかりと振り返りをしてみましょう。
振り返りとは、「過去の自分を振り返って、未来の自分にアドバイスをすること」
そして、大事なのは振り返りを繰り返すこと。
そうすればきっと掲げた目標にどんどん近づいていくでしょう。

191015ある日、魔法使いが一人の少年の前にあらわれて、一粒の魔法薬をプレゼントしました。
どんな魔法薬なのかというと、これから学習する知識や問題の解き方を一瞬で習得できてしまう魔法薬なのだといいます。
少年は毒でも入っているのではないかと疑いましたが、お母さんからテストの点数で怒られたばかりでむしゃくしゃしていたので、思い切って魔法薬を飲んでしまいました。

翌朝、目が覚めてリビングへ行くと新聞が目に入りました。するとどうでしょう。難しい漢字ばかりのはずなのに、隅々まで読み方も、何が書いてあるのかも分かってしまいます。

「魔法使いが言っていたことは本当だったんだ!」

それからというもの、教科書に書いてあることも、授業で先生がお話しになることも、知っていることばかり。テストはいつも満点。

少年は有名な難関中学校に合格。優等生として周りから尊敬され、楽しい学校生活を送り、何の苦労もせずに日本一難しい大学に首席で合格しました。

大学の入学式の日。あの魔法使いが再びあらわれました。

「あれからもう8年になるが、すっかり背も伸びて立派になったね」
「はい!あなたには本当に感謝しています。何か恩返しができれば良いのですが」
「いやいや。これから十分に楽しませてもらうから大丈夫だよ」
「楽しませてもらう…ですか?」

魔法使いが何を楽しみにしているのか、よく分かりませんでしたが、
にたにたとほくそ笑む様子が不気味で、逃げるように魔法使いと別れました。

数日後、大学の講義が始まると、今までになかったような、いや、とても懐かしい感覚を覚えます。
講義内容に知らないこと、分からないことがあるのです。

大学のテキストをパラパラめくると、知っていることも少しは書いてありますが、知らないこともたくさん書いてあります。中には知らないことだらけの箇所もあります。書いてある意味の分からない箇所もあります。

「もしかして…」
そうです。あの魔法薬で習得できたのは、ちょうど高校卒業程度の知識までだったのです。

そして、この8年間でもっと経験しておくべきだったことがたくさんあることに気付かされ、その失った時間の大きさに呆然としてしまいました。


この物語はここで終わります。
その後、この主人公がどういった人生を歩んだのか、想像してみてください。
そして、もっと経験しておくべきだったこととは、どんなことだったのでしょうか。
あなたなら、魔法の薬をのみますか?

191007皆さんは、「クリアンサス デ フーア」という言葉を耳にされたことはありますか?
日本ではあまり見かけないストリートチルドレン、いわば路上生活をしている子どもたちのことを意味します。私がブラジルにいた頃に家族から常に言われていたことで、足を踏み入れることを禁止されていた場所の一つでした。

あることをきっかけに一度だけその子どもたちとお話をする機会があり、少し戸惑いながらも、自分の疑問をぶつけることにしました。それは、「なんで犯罪に手を染めるの?」という質問でした。その時の子どもたちの表情は、片時も忘れることのできないものでした。涙を流し、しかし力強く、「生きていくためだよ」とはっきりとした返答でした。

しかし、その次の瞬間に「将来の夢の話」をしてくれました。その子の夢は、「学校に行きたい、勉強をしたい」という、日本の子どもではおよそ夢になりえない内容でした。その表情もまた瞼に焼き付いています。今までに見たことのないくらい眼光鋭く、しかしながら、心の底からの笑顔でした。まさに、「決意の笑顔」そのものでした。

その時に、私の夢、そして目標も生まれました。ブラジルに学校を作りたいという途方もないくらい規模の大きなものです。その夢へはまだたどり着けていませんが、熱意の火は消えていません。

ティエラの教室で働く中で、ふとこの経験について思い出すことが数多くあります。教室の子どもたちも私に「決意の笑顔」を見せてくれているからです。「どんなに困難が目の前にあっても、笑顔でいられる強さを持とう」と、日々、子どもたちと話しています。

教室の子どもたちは、この理想的な思考を実際に行動へと繋ぐべく、毎日が笑顔のカーニバルみたいに活気がある空気で教室は満たされています。たくさんの笑顔の先にあるそれぞれの未来に期待を膨らませながら、私も笑顔で子どもたちと戦い続けています。その毎日に、感謝の気持ちでいっぱいです。

「ありがとう」という魔法の5文字を胸に、愉しく子どもたちの前に立ち続けると、第2の夢の息吹も芽生え始めている今日この頃です。