190218みなさんは「いだてん」という言葉を聞いたことがありますか?そう、今年のNHK大河ドラマのタイトルですね。このドラマは、日本で初めてオリンピックに出場し、日本の「マラソンの父」と呼ばれた金栗四三(かなくりしそう)さんという人物を題材としたお話。まだ序盤ですが、なかなか面白いので、毎週楽しみに見ています。
ちなみに「いだてん(韋駄天)」とは、古代インドのバラモン教を発祥とする、とても足の速い神様のこと。お釈迦様の骨を持って逃げた鬼を走って追いかけ、一瞬で骨を取り返したというお話があります。マラソンランナーとして人生を走り抜けた主人公が登場するドラマにはぴったりなタイトルです。

そして、このドラマの題字やポスター制作を手がけているのが、世界的に有名なグラフィックデザイナーであり画家でもある横尾忠則さん。御年82歳にして、いまだ精力的に創作活動を行っており、その作風はかなり斬新で独特なので、一度目にしたら忘れられないようなインパクトがあります。そんな横尾さんが手がけた今回のドラマの題字ロゴも、かなりユニークなものなので、「何これ?」と一瞬びっくりします。興味がある人はその由来や意味を調べてみても面白いでしょう。

横尾さんは、作中で描かれるマラソンというテーマにも深く共感したのだそうです。マラソンは、喜びも苦しみも、全て詰まっている「人生そのもののようだ」と横尾さんは語っています。ランナーの走る姿に、それまでの努力やその人の生きざまが色濃く表れるからなのでしょう。
確かにマラソンは長い人生全体にも例えられると思いますが、皆さんが目標としている志望校合格への道のりだって、マラソンのようなものではないでしょうか。合格という目標までの、過酷なレースを戦うマラソンランナー。走りきるための体力をつけ、どんなペースでどんな風に走るか、自分に足りないものは何か、常に考えながら力を尽くす。時にはくじけそうになっても、また走り出す。果てしなく遠いように思えるゴールへの道のりも、一歩一歩、自分の足で近づいていく。そんな風にして苦しみながらゴールにたどり着いた時の喜びは、何物にも代えがたいものなのではないでしょうか。

今年、すでにゴールにたどり着いた喜びを手にした人も、長い人生の中ではまだ通過点。次の目標に向かうためのレースが始まります。これからラストスパートという人も、そしてこれから目標に向かってスタートを切る人も、力の限り走り切ってください。
「いだてん」のように颯爽と駆け抜けることはできなくても、みなさんが自分なりのペースで、自分の足で走り切る姿が、きっと最高にかっこいいと思いますよ。