160719皆さんは日本から遠いウズベキスタンという国に、日本人が建てた「ナボイ劇場」という建物があることをご存知でしょうか。ウズベキスタンは中央アジアにある小さな国です。その首都タシケント市にあるのがナボイ劇場で、今でも多くの市民に親しまれています。

第二次世界大戦が終わった時、満州(今の中国)で捕虜となった日本兵を、ソ連(今のロシア)はシベリアなどで森林伐採や鉄道建設のために強制労働させました。そして、そのうちの一部の日本兵に対し、戦争で工事が中断していたナボイ劇場を完成するように命じたのです。

工事を命じられたのは500人ほどの部隊で、隊長の永田大尉は24歳でした。彼が考えたのは、隊員たち全員を無事に日本へ帰国させることでした。そしてさらに劇場を、捕虜が作った手抜き仕事と言われるものではなく、日本人はすごいと尊敬されるような立派な建物にしようと考えたのです。

捕虜としての強制労働は苦しく、十分な食事も与えられず、お風呂もまともに入れませんでした。それでも一生懸命に劇場建設に取り組む日本人を見て、地元のウズベク人も次第に敬意を表し、そっと食事を差し入れすることもありました。子どもたちがパンを差し入れした時には、数日後、同じ場所に日本人が木で作った玩具が、お礼の意味で置いてあったそうです。

日本人の活躍もあり、ナボイ劇場は2年で完成しました。ほとんどの日本人も無事に帰国することができました。それから19年後の1966年、タシケント市は直下型の大地震に襲われ、街はほぼ壊滅しました。しかし、その中でナボイ劇場だけは壊れることなく、避難所として大きな役割を果たしました。大地震に耐えたナボイ劇場の話は、日本人の技術の高さや勤勉さ象徴する話として、ウズベキスタンから中央アジアの各国に伝わり、それらの国では今でも親日家が多いそうです。

ウズベキスタンは1991年のソビエト崩壊と同時に独立しました。ナボイ劇場には「日本人の捕虜が建てた」と建設当時に書かれた石碑がありましたが、新しい大統領は「彼らは恩人だ、間違っても捕虜と書くな」と命令して、「日本国民がナボイ劇場の建設に参加し、完成に貢献した」と書き直させたそうです。

7月1日にバングラデシュのダッカで武装グループがレストランを襲撃し、日本人7名を含む22人が死亡する事件がありました。7名の日本人はバングラデシュの発展のために働いている人たちでした。とても悲しい出来事ですが、世界の国々のために働いている日本人がいることや、かつて日本人の働きで多くの人が救われたことがあったことを、私たちは忘れてはいけません。その人たちのおかげで人々が幸せに暮らすことができるのであり、そこから友情が生まれ、世界が平和で安全な世の中になっていくのですから。

160711皆さんは「落語」を聞いたことがありますか?
先生は、普段はあまり聞きませんが、飛行機で旅行したり移動したりするときに、機内放送がついていたら「落語」を聴いてすごしています。
「落語」にもいろんな種類があるらしく、江戸時代から語り継がれてきたもの(古典落語)もあれば、最近になって作られたもの(新作落語)まであるそうです。今日はその中でも「古典」に類する一つの作品を紹介します。タイトルは「千早振る」。大まかな中身は以下のとおりです。

「先生」の異名を持つ岩田の隠居が茶を飲んでいると、なじみの八五郎が訪れてくる。娘に小倉百人一首のなかに入っている、在原業平という人の「ちはやふる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは」という和歌の意味を聞かれて答えられなかったため、隠居のもとに教えてほしいと思って来たという。隠居も実はこの歌の意味を知らなかったが、知らないと答えるのはプライドにかかわると考え、即興で次のような解釈を披露する。
江戸時代、人気大関の「竜田川」が遊びに行った際、「千早」という一人の美人に一目ぼれした。ところが千早は力士が嫌いで振られてしまう(「千早振る」)。振られた竜田川は妹分の「神代」に言い寄るが、こちらも「千早さんが嫌なものは、わたしも嫌です」と、言う事を聞かない(「神代も聞かず竜田川」)。
このことから成績不振となった竜田川は力士を辞めて、実家に戻って豆腐屋をすることにした。それから数年後、竜田川の店に一人のみすぼらしい女の人が訪れる。「おからを分けてくれ」と言われ、喜んであげようとした竜田川だったが、なんとそのみすぼらしい女の人は千早だった。怒った竜田川はおからを放り出し、千早を思い切り突き飛ばした。千早は井戸のそばに倒れこみ、こうなったのも自分が悪いと井戸に飛び込み入水自殺をしてしまった(「から紅(くれない)に水くぐる」)。
八五郎は「大関ともあろう者が、失恋したくらいで辞めますか」、「いくらなんでも美人がみすぼらしくなるくらいにまでなりますかね」などと、隠居の解説に首をひねり通しだが、隠居は何とか強引に八五郎を納得させた。やれ安心と思ったところに八五郎が、「千早振る、神代も聞かず竜田川、からくれないに水くぐる、まではわかりましたが、最後の『とは』は何です」と突っ込んだ。とっさの機転でご隠居はこう答えた。
「千早はペンネームで、彼女の本名が『とは(とわ)』だった」

この作品は江戸時代の中ごろ(今から350年位前)に作られたものらしいのですが、すごいと思いませんか?
江戸時代の庶民は「百人一首」が理解できているから笑えるんだということ。
それと、このお話には君たちに教えてくれていることがあるな、と先生は考えています。
それは、「知識」を身につける方法についてです。二つのことが挙げられると先生は考えます。
一つは、八五郎は意味がわからなかったから「先生」に聞きに行くのですが、当時は参考書などないので、物知りの「先生」に聞きに行きましたね。わからないことがあれば自分で調べることの大事さを言っているのです。君たちには「参考書」という武器を持っているのですから、有効活用してほしいです。
もう一つは、「先生」は「千早振る」の和歌を知らなかったけれども、「知らない」と言いたくなかったから、自分で考えたストーリーを語り始めるところ。すぐにストーリーを語り始めるのもすごいですが、それよりも大事なのは、なぜ「先生」は知らなかったのか、ということ。それはいままでに「千早振る」に接したことがないから。つまり経験がなかったからです。
自分で調べるということと経験をつむことの二つによってしっかりとした知識になっていくのです。参考書を使って調べ、何度も繰り返すという経験が君たちを強くしていくのです。
君たちはこれから夏期講習会に突入していきますが、まさに能開の勉強はこの二つを鍛えていくものです。それを実践するのが講習会です。自分の知識をよりしっかりしたものにするためにも、全力で取り組んでいきましょう!

160704「私は、今日から英単語を毎日10個ずつ覚える。」
「僕は、部活が終わったら必死に勉強する。」

皆さんは、こんな決意をしたことがありませんか?

その決意通りに頑張れるひと、そして頑張れないひとがいます。
その差はどこにあるのか?また、どうすれば頑張れるのか?
今日は、頑張るためのヒントをお話したいと思います。

昔、某大学の学生が卒業論文のために「ダイエットのポイント」を研究したそうです。
そのために行った実験の一つが次のようなものでした。

まずは、ダイエットしたいが、甘いものが大好きという人を50名集めました。そして、ダイエットを始める日を、次の3つから選んでもらったそうです。
①今日からはじめる  ②明日からはじめる  ③1週間後からはじめる

ダイエットの方法は、いたって単純で「甘いものを我慢する」。ただそれだけです。

目標を-5kgと設定し、ダイエットスタート!結果は以下の通りです。

①今日からはじめる・・・22人が選択し、15名が成功、7名が途中で断念。
②明日からはじめる・・・17人が選択し、5名が成功、12名が途中で断念。
③1週間後からはじめる・・・11人が選択し、全員が途中で断念。

③を選択した人の中には、ダイエットを始めるまでの1週間で、甘いものを食べまくり、逆に5kg太ってしまった人もいたそうです。

なぜこのような結果になったのか?実験をした学生さんは、人の記憶に関係があると結論づけました。

人の記憶は、時間とともに薄れていきます。それは、『決意』『ヤル気』も同じです。
どんなに『ヤル気』があっても、なにもせず時間が過ぎれば『ヤル気』は薄れていきます。

「思い立ったが吉日」という言葉がありますね。「何かをしようと考えたら、その日を吉日として、すぐに始めるのがよい」 という意味です。

スタートする日を1日でも遅くすると、成功する確率はぐんと低くなります。

もうすぐ夏休み、これからの頑張りを決意している人が多いのではないでしょうか。
特に受験生の皆さんは、『ヤル気』満々の時期でしょう。
成功するコツは、すぐに行動に移すことです。今日、行動に移すことです。

“「思い立ったが吉日」生活”始めてみて下さい。

1606271学期のうちに1年間の内容を進行する能開のゼミ。歴史がスタートした小学6年生の社会では、早や明治に突入しています。
改革の連続であった徳川幕府も諸外国からの開国要求に屈指、不平等条約を押し付けられました。輸出の急増はすぐさま、もの不足、物価の上昇を招き、民衆の怒りは打ち壊し、一揆へと向かいます。もう幕府は頼りにならないと尊皇攘夷の流れに向かいます。

経済がうまくいかないと一揆!この流れを小学生も理解するようです。
さて、授業中には時々凄まじい歴史好きの歴史小僧(ちょっと古いかなネーミング)が現れます。戦国時代などは彼らの独壇場!教科書や自由自在にも登場しない武将の名前がぼんぼんきかれます。(先生もややあせりながらの授業です)
でも、NHKの大河ドラマ(真田丸)を家でみている生徒は以前に比べかなり減ったように思われます。ぜひ、ご家族でみて欲しいです。

彼らの興味は授業前後を問わずのろしをあげます。
この間も授業後突然・・
ある生徒が、「先生、『古事記』って読んだことありますか?」私は『また唐突な』と思いつつい(全編にわたり読破したとは言えないか、入門編もふくめ2,3冊は読んでいるの)「あるよ」と答えると、「今度読んでみようかと思ってるんです。」
私の中では『ほー』『なんで・・古事記?』クラス全体もこの話しに参加したい様子なので、「みんなも知ってる話もあるね」「稲葉の白兎とか・・海幸山幸とか・・」
しかしほぼ全員が知らない顔で、これも困ったと、やや国作りの話から初めて
イザナミ、イザナギの名前を出すと、知ってる生徒続出。
『なんで???』と当惑顔の私を前に生徒らは得意満面。
きけは、出所はロールプレイングゲームとのこと。『ゲーム侮れん』
そのあと別の生徒が「先生、古事記と日本書紀はどう違うんですか?
『またハイレベな・・』
実に能開の授業は楽しいです。
歴史には多くの、その時代を代表する人物が登場します。
彼らの成し遂げたことだけでなく、胸ワクワクあるいは心臓飛び出しそうな冒険にあふれた人生を感じて欲しいと思っています。こんな人がいた、こんな人もいた。自分はどう生きるのか?それぞれの人生によって歴史も作られます。

さてさて長い前置きを書きました。
じつはこれからが本題。
ぜひ紹介した本があります。
「アルケミスト」 パウロ・コエーリョ
このタイトルの意味は、「錬金術師」このことばは漫画やこれまたゲームでもおなじみですね。世界1000万部の大ベストセラーだそうです。ご存知ですか?
私もだいぶ人生を重ねてから読みました。もっと早く読んでいればとも思いますが、
おじさんになっての出会いであっても感謝です。内容は、【羊使いのサンチャゴは、彼を待つ宝が隠されているという夢を信じ、アフリカの砂漠を越えピラミッドを目指す。様々な出会いと別れを経験し、少年は人生の知恵を学んでゆく】です。

その中の子供の頃に旅をしたかったパン屋の店主。
お金をためてアフリカへ旅することを考えていますが、まずはパン屋をはじめてお金を貯め、年をとってからと考えています。彼は羊飼いになって旅をしようと考えたことがあったけれど、パン屋のほうが立派な仕事だと思い、結局は旅には出なかった。自分がやりたいことよりも、人が自分をどう思うか。そう考えているうちに、いつの間にか自分のやりたいことを忘れてしまう。いや忘れようとしてしまったのですね。

サンチャゴは旅の果てに錬金術師と出会い、彼に試験を課されます。
この内容が秀逸です。本当の集中とは何かを教えてくれます。
物語の面白さ以上に、人生の指導書でもあります。

熊本に住んでいて地震を経験しました。不幸なこともいくつか見ましたが
人生にピリッとした気持ちを改めて持ちました。

生徒諸君!それぞれの人生に大いに冒険してほしいです。
人生には旅が必要です。この夏もどしどし、どこでも出かけてください。
多くの人と出会ってください。

「でも受験生だから・・」

何を言う!

受験合宿も旅ですよ!人生を知る冒険に満ちています。

(保護者の方にもお勧めします・・いや、受験合宿ではなくてアルケミスト)

160620先週、イチロー選手が日米通算4257安打を記録し、世界一になったと報じられました。イチロー選手は42歳。大リーグでも最年長の現役野手です。この年齢まで試合に出て活躍するために、おそらくイチロー選手は、厳しいトレーニングで自分を鍛え続けているはずです。

日本のプロ野球でも、40歳までプレイして、大記録を達成した選手がいました。名前は衣笠祥雄選手。今から30年ほど前に広島カープで活躍した内野手で、2,215試合連続という日本の連続出場試合数(世界第2位)の記録を持っています。ちなみに、連続試合フルイニング出場は、阪神の金本選手(1,492試合)が最多で、こちらは世界記録(ギネス記録)になっています。

衣笠選手は連続試合出場を続けている時、左肩を骨折するアクシデントに襲われたことがあります。普通の選手なら試合を欠場するところですが、衣笠選手は欠場せず、バッターボックスに立ちました。監督からは「バントでもいいぞ」と指示されていましたが、フルスイングで三球三振しました。鉄人衣笠のエピソードとして有名な話です。

「どんな時でも、投げてくる球をしっかり見据えて、フルスイングしないと何も残らない。
明日につながらないんです。人生だって同じかもしれませんね。」
衣笠選手はこのように語ったと言われています。

皆さんはどうでしょうか。1年は1日という時間の積み重ねですが、もし、宿題をサボったり、予習の手を抜いたりして、目の前の一日一日を全力で生きていないなら、明日につながることはありません。1年たって振り返ったときに、自分の成長を感じることはないでしょう。

1期ゼミも後半に入りました。ここからはぜひ能開の授業をフルスイングで受けてください。週1回の授業、与えられた宿題、次のゼミの予習、そういったものを大切にして、全力で取り組んで、次の夏休みを迎えてほしいと思います。明日につなげるために。

160613和田誠さんという日本を代表するイラストレーターがいます。最近、和田さんの息子でミュージシャンの和田唱さんが女優の上野樹里さんと結婚されたので、テレビで名前を目にした人も多いかもしれませんね。
和田誠さんといえば、タバコのパッケージや雑誌のデザイン、多くの作家の著書の装丁など、様々なお仕事をされていますが、色んな人の似顔絵を描いていることでも有名です。これがまた、何ともよく似ていて、一目で誰か分かります。緻密に描き込んでいるわけでもない、少ない線で描かれたシンプルな絵なのに、なぜこんなに似ているのか?
それは、その人の顔の特徴の中でも、一番重要なところを、ズバリ的確にとらえているからなのですね。目的とするものを表現するために、絶対に必要な部分と、省いても良い部分を見分ける力がひときわ優れているのでしょう。だから、一見簡単に見える絵なのに、とてもソックリな似顔絵になる。
 
この「要点をとらえる」ことって、勉強にもとても大切ですよね。みんながいつもやっているノートまとめも、授業での先生の話や参考書の内容を全部書くわけにいかない。その中で重要な部分がどこか、自分で判断して書いていかないと、後で見返した時に役に立つものにならないし、頭の中にきちんとインプットされないでしょう。また、テストでも、重要な部分を抜き出したり、要点をまとめる問題に出くわしたりもする。そんな時、素早く物事の要点をとらえる力が備わっていたら、普段の勉強だってテストの点数だって、ワンランクアップできると思いませんか?要点がとらえられれば、問題を解くスピードだって上がりますね。

ただし、たくさんの情報の中で、重要な所を過不足なく取り出して整理していく能力というのは、簡単に身につくものではなく、たくさん量をこなすことで鍛えられ、徐々に身につけていくものです。和田誠さんも、絵が好きで人の顔を描くのが楽しくて、たくさん描いたからこそ、要点を見抜く力が養われ、シンプルなのに味のある似顔絵が描けるのだと思います。
勉強だって、たくさんやった分だけ、要点をしっかりとらえられるようになり、いつでも自然に発揮できる力になっていくのです。

さあ、今年も夏がやってきます!みんなにはたっぷり時間があります。その時間を活用して、教室でも家でも、どんどん鉛筆を走らせてください。色んな問題に挑んだ分、量をこなした分、要点をとらえる力が鍛えられていくはず。そして、その力が、君たちの勉強の質を確かにアップさせていく武器となっていくはずです。

160606勉強もスポーツも、先生やコーチからのアドバイスで目覚しい成長を遂げることがあります。昨年、プロ野球で「トリプルスリー」を達成し、チームをリーグ優勝に導いた東京ヤクルトスワローズの山田哲人選手もコーチのある指導によりその才能を開花させました。
「トリプルスリー」とは、「打率3割以上・ホームラン30本以上・盗塁30個以上」を同一シーズンで達成することで、打力、走力において極めて高い能力が求められます。日本のプロ野球での達成は実に13年ぶりのことで、「トリプルスリー」は昨年の流行語大賞にも選ばれました。

山田選手のブレイクは、杉村繁打撃コーチとの出会いがきっかけでした。
杉村コーチが練習でこだわったのは「ティーバッティング」です。通常のティーバッティングは、斜め前からトスされたボールを正面のネットに向かって打つだけですが、杉村コーチは「11種類のティーバッティング」を山田選手に課しました。
腰を低く落として打つ、一本足で打つ、ワンバウンドの球を打つ、左打ちで打つ、バランスボールに座って打つ・・・。11種類もあるので、当然練習時間は何倍にもなり大変ですが、山田選手と杉村コーチは妥協せず、試合前の練習で必ずこの11種類のティーバッティングを行っていきました。
「“正しいフォーム”を作っても、試合に出るとどうしても相手投手が繰り出す直球や変化でフォームが崩されるんです。だから試合前に必ずこのティーバッティングで“正しいフォーム”に戻してから試合に臨むようにしました。結局、ゲームの中で自分を助けてくれるのは“正しいフォーム”なんです」と杉村コーチは語ります。
この練習を取り入れた一昨年、山田選手はセ・リーグ右打者のシーズン最多安打を記録して大ブレイクし、昨年、遂にトリプルスリーを達成しました。11種類のティーバッティングはいまも継続して取り組んでいて、今シーズンの打撃も好調で、日本球界初の2年連続トリプルスリーも視界に入ってきました。

みなさんの日々の勉強においても、「正しいフォーム」を定期的に確認し、修正していくことが重要です。人の話をしっかり聞くこと、手を動かしてノートを書くこと、長時間の勉強に集中すること、テストにのぞむ姿勢。それらをしっかり再確認し、自分の頭と体にしみこませていく機会が「週1回のゼミ」です。
毎週のゼミで勉強の正しいフォームを再確認し、それからの1週間、学校や家庭での勉強、次のゼミに向けた予習に全力で取り組む。その学習サイクルを構築し、継続して取り組んでいくことで大きな成長を手にできるはずです。
EXオープンが終わりⅠ期ゼミも半分を過ぎました。学習内容が難しくなり、一番大変な時期ですが、そんな時だからこそ真剣勝負でゼミに臨み、正しい勉強の仕方をしっかり身につけていきましょう。

160530「オタク」という言葉に、みんなはどんなイメージがありますか?

多くの人は、きっとあまりいいイメージではなく、ちょっとマイナスの意味で使うことが多いと思います。でもオタクと呼ばれる人は、そんな風にマイナスイメージを持つような人たちばかりではありません。実はその人たちは、ある分野にすごく詳しく、話を聞いてみると「なるほど」と思うようなことをたくさん教えてくれたりします。

たとえばマンガが大好きなオタクの人がいたとします。その人は、明治維新を舞台にしたマンガを読んでいると、討幕派・尊王攘夷派やそれにかかわった人達のことが気になってきます。そしてより深くその作品を知るために、関連する本をどんどん読み始めます。知識を深めることで、さらにその作品を楽しもうとするのです。自分が大好きなテーマを中心に、より深く知りたいと思い行動するのが、オタクと呼ばれる人たちだと思います。

みなさんのも、「知りたい」と思う気持ちが強い時の方が、勉強を楽しく感じることはありませんか? 数学の難しい問題にぶつかった時、わからないから飛ばしてしまった問題より、どうやったら解けるのだろうと参考書などを使って解いた問題の方が頭に残っていることってありますよね。

この夏は、好奇心の扉を開いて勉強のオタクを目指してみよう。

160523先生が住んでいる熊本はつい先日、過去に例を見ないほどの大地震に襲われました。熊本中がパニックになり、先生も家族を連れて避難生活をしながら過ごしていました。
地震が少し落ち着き、教室の生徒たちの無事を確認しようと教室に来たとき、先生の机に一通の手紙が届いていました。それは長崎から送られていました。
差出人は去年、高校受験合宿で先生が担当した班の班長を務めた女の子でした。

そこには
模擬入試で味わった悔しさ
勉強が辛くて苦しくて何度も諦めそうになったこと
それでも歯を食いしばってやり抜けたこと
模擬入試の後に先生がメッセージを書いた受験票が今でも筆箱に入っていること
そして、無事に志望校に合格することが出来たこと

合宿を終えてから今までのことがたくさん書いてありました。

 
あの合宿は、長い長い人生の中でのたった5日間、されどこの子にとって大きく人生を変える5日間になったのだということがとても伝わる手紙でした。

地震が起きてすぐは、家には住めるような状態ではなく、何から手を付ければいいのか分かりませんでした。これから一体どうなるのだろう。いつまでこの生活が続くのだろう。家族や親戚、教室の子どもたちは無事でいるだろうか。不安なことが多くあり過ぎて、途方に暮れていました。

元に戻るにはまだまだ時間がかかります。でも、どれほど辛くても、歯を食いしばって頑張った君に負けないように頑張ろうという思いが湧き上がりました。
この一通の手紙にどれほどの勇気と力をもらえたことか。

この合宿のように、手紙のように、ほんの少しのキッカケでこれからの人生が変わることがあります。

ぜひ、たくさんのことに進んで挑戦し、そのチャンスを掴みとって下さい。

160516日本剣術の世界には、右と左の両手にそれぞれ1本ずつ刀を持って攻守を行う「二刀流」(別名「二刀剣法」)という特殊な技法があります。(「二天一流」という流派を開いた江戸時代初期の剣客である宮本武蔵が、この剣術を重視したことは有名ですね。) この言葉、現在では派生して、2つの異なる手段をもって事にあたること、あるいは同時に2つのことを行うことも意味します。今、この漢字三文字が代名詞のようになっているプロ野球選手がいます。ご存知、北海道日本ハムファイターズに所属する大谷翔平選手です。

高校時代から注目されていた彼は、2012年に日本ハムに入団した後、賛否両論が渦巻く中、プロ野球では非常に珍しい、「投手と打者の兼任」にチャレンジしています。プロ入り2年目に、野球の神様と呼ばれたベーブルース以来96年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」を達成(日本では初)、更に昨年はパ・リーグの投手部門三冠に輝き、今年も打撃面が絶好調と、短期間で驚くべき進化を遂げています。まだあどけなさが残る普通の若者が、どうしてこのような圧倒的パフォーマンスを発揮できるのか。それは彼の生い立ちと関係がありそうです。

大谷選手曰く、「ボクは野球を始めた頃から、他の子どもよりもボールが速い自覚がありました。」そんな彼が、今ではNPBタイ記録の球速162km/hを投げる歴代日本人最速投手となっています。つまり、出発点はこの「自覚」だったわけです。この「(他の子どもより)ボールが速い」という自覚。その「自覚」があったからこそ、その「強み」を意識し、「自信」を持ち、「もっと速く投げたい」と「練習(行動)」につながっていったのです。成長というのは、「何かに優れているという自覚を持つこと」から始まるのかもしれません。

さらに、今の彼の主軸になっているものの一つに、高校時代に実践していた、花巻東高校の佐々木監督から教わった「目標設定シート」の存在がありました。そのツールを使って、「目標と、それを達成するための手段(方法・過程)」を明文化したのです。また、別の目標用紙には、「俺がこの道の開拓者になる」「野球界の歴史を変える」「夢は近づくと目標に変わる」といった文字も並んでいました。時に、「言葉が人生を決める」とも言われますが、大きな成果を出す人たちは皆、夢や目標を達成するため、日々のトレーニングを積み重ね、そして、確固たる信念のもと、夢・目標を書いたり、人に言ったりするなどのアウトプットをしているのです。

そもそも、大谷選手は、なぜ二刀流にこだわるのでしょうか。あるインタビューでの返答で、彼の二刀流への想いをうかがい知ることができます。
「ピッチャーはゲームを作れます。バッターはゲームを決められます。それぞれの立場での野球の面白さを同時に感じることができるのが二刀流です。誰もやったことがないようなことがやりたい。つまり、自分しかやっていないところに魅力があります。そこに“自分にしかできない仕事”があるんじゃないか、と思ってやっています。」
誰も成し遂げたことのない大きなことが目の前にある。周囲からいろんなことを言われても、自分ではそれをやりきる自信はある。だから、それを楽しんで行うことができる。やるしかない。もしかしたら、失敗してできないかもしれない。でも、そこに挑戦しなくては先がない。非常に大きな覚悟を持って、今のプロ野球界に乗り込んできたのでしょう。
これだと決めた事柄に対して、「覚悟」して「挑戦」する姿勢、年齢・ジャンル関係なく、ぜひ見習いたいですね。