160523先生が住んでいる熊本はつい先日、過去に例を見ないほどの大地震に襲われました。熊本中がパニックになり、先生も家族を連れて避難生活をしながら過ごしていました。
地震が少し落ち着き、教室の生徒たちの無事を確認しようと教室に来たとき、先生の机に一通の手紙が届いていました。それは長崎から送られていました。
差出人は去年、高校受験合宿で先生が担当した班の班長を務めた女の子でした。

そこには
模擬入試で味わった悔しさ
勉強が辛くて苦しくて何度も諦めそうになったこと
それでも歯を食いしばってやり抜けたこと
模擬入試の後に先生がメッセージを書いた受験票が今でも筆箱に入っていること
そして、無事に志望校に合格することが出来たこと

合宿を終えてから今までのことがたくさん書いてありました。

 
あの合宿は、長い長い人生の中でのたった5日間、されどこの子にとって大きく人生を変える5日間になったのだということがとても伝わる手紙でした。

地震が起きてすぐは、家には住めるような状態ではなく、何から手を付ければいいのか分かりませんでした。これから一体どうなるのだろう。いつまでこの生活が続くのだろう。家族や親戚、教室の子どもたちは無事でいるだろうか。不安なことが多くあり過ぎて、途方に暮れていました。

元に戻るにはまだまだ時間がかかります。でも、どれほど辛くても、歯を食いしばって頑張った君に負けないように頑張ろうという思いが湧き上がりました。
この一通の手紙にどれほどの勇気と力をもらえたことか。

この合宿のように、手紙のように、ほんの少しのキッカケでこれからの人生が変わることがあります。

ぜひ、たくさんのことに進んで挑戦し、そのチャンスを掴みとって下さい。

160516日本剣術の世界には、右と左の両手にそれぞれ1本ずつ刀を持って攻守を行う「二刀流」(別名「二刀剣法」)という特殊な技法があります。(「二天一流」という流派を開いた江戸時代初期の剣客である宮本武蔵が、この剣術を重視したことは有名ですね。) この言葉、現在では派生して、2つの異なる手段をもって事にあたること、あるいは同時に2つのことを行うことも意味します。今、この漢字三文字が代名詞のようになっているプロ野球選手がいます。ご存知、北海道日本ハムファイターズに所属する大谷翔平選手です。

高校時代から注目されていた彼は、2012年に日本ハムに入団した後、賛否両論が渦巻く中、プロ野球では非常に珍しい、「投手と打者の兼任」にチャレンジしています。プロ入り2年目に、野球の神様と呼ばれたベーブルース以来96年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」を達成(日本では初)、更に昨年はパ・リーグの投手部門三冠に輝き、今年も打撃面が絶好調と、短期間で驚くべき進化を遂げています。まだあどけなさが残る普通の若者が、どうしてこのような圧倒的パフォーマンスを発揮できるのか。それは彼の生い立ちと関係がありそうです。

大谷選手曰く、「ボクは野球を始めた頃から、他の子どもよりもボールが速い自覚がありました。」そんな彼が、今ではNPBタイ記録の球速162km/hを投げる歴代日本人最速投手となっています。つまり、出発点はこの「自覚」だったわけです。この「(他の子どもより)ボールが速い」という自覚。その「自覚」があったからこそ、その「強み」を意識し、「自信」を持ち、「もっと速く投げたい」と「練習(行動)」につながっていったのです。成長というのは、「何かに優れているという自覚を持つこと」から始まるのかもしれません。

さらに、今の彼の主軸になっているものの一つに、高校時代に実践していた、花巻東高校の佐々木監督から教わった「目標設定シート」の存在がありました。そのツールを使って、「目標と、それを達成するための手段(方法・過程)」を明文化したのです。また、別の目標用紙には、「俺がこの道の開拓者になる」「野球界の歴史を変える」「夢は近づくと目標に変わる」といった文字も並んでいました。時に、「言葉が人生を決める」とも言われますが、大きな成果を出す人たちは皆、夢や目標を達成するため、日々のトレーニングを積み重ね、そして、確固たる信念のもと、夢・目標を書いたり、人に言ったりするなどのアウトプットをしているのです。

そもそも、大谷選手は、なぜ二刀流にこだわるのでしょうか。あるインタビューでの返答で、彼の二刀流への想いをうかがい知ることができます。
「ピッチャーはゲームを作れます。バッターはゲームを決められます。それぞれの立場での野球の面白さを同時に感じることができるのが二刀流です。誰もやったことがないようなことがやりたい。つまり、自分しかやっていないところに魅力があります。そこに“自分にしかできない仕事”があるんじゃないか、と思ってやっています。」
誰も成し遂げたことのない大きなことが目の前にある。周囲からいろんなことを言われても、自分ではそれをやりきる自信はある。だから、それを楽しんで行うことができる。やるしかない。もしかしたら、失敗してできないかもしれない。でも、そこに挑戦しなくては先がない。非常に大きな覚悟を持って、今のプロ野球界に乗り込んできたのでしょう。
これだと決めた事柄に対して、「覚悟」して「挑戦」する姿勢、年齢・ジャンル関係なく、ぜひ見習いたいですね。

160509みなさん、こんにちは。
新学年が始まって1ヶ月が経ちましたね。新しいクラスや先生たちに慣れてきて、だんだんと生活が落ち着いてきたのではないかな。

ところで最近の生活に大きく影響するようになったのが携帯電話。特にスマホ。中には、電話機なのかゲーム機なのか分からないような人にだけはなりたくないと思っていたが、・・・なっている人もいたりするけど。

スマホの登場でいろんなことができるようになって、人々の生活が大きく変わったけれども、考えてみたら電話で生活が変えられたのは実は2回目なのですよ。テレビやパソコン、冷蔵庫、エアコン、車などなど、今の便利な生活があるのは、「電話のお陰」なんです。

昔々、電話を誰かにかけるには、途中に交換手という人がいて、電話の線を手でつないでいたのです。線は1本しかないから、「この人と話したいんだけど・・・」『はい、つなぎま~す。』「今度はこの人と・・」『はい、ちょっと待って・・・。はいどうぞ。』という感じです。

人ですよ、人。
どんどん電話が増えると人ではつなぎきれなくなりますよね、そこでリレーっていう機械に変えたのです。人間の替わりにカチカチ切り替えてくれる機械です。ところがこの機械がカチカチやっているうちにすぐに壊れる。真空管っていう電球みたいなものもすぐにダメになるので、これも新しいものに変えなきゃいけない。その間は故障中になる。でも電話を使う人はどんどん増える・・・・。

「ん~、何とかしなければ!」
電話会社の人はそう考えたわけです。それなら、電話を使う人を減らしたり、この地域はしばらく電話が使えませんなどとやっても良かったのだろうけど、それは逃げる策なので解決にはならないですよね。
特に電話会社の人たちには、もっとたくさんの人が自由に話せるようになることで、みんなを幸せにしたいんだという夢があったそうです。

そこで、研究に研究を重ねて「トランジスター」というものを発明したんです。これで切り替えることなく、すぐにつなげられるようになった。このトランジスターがたくさん作られ使われるようになって、ICチップになって、皆さんの身の回りのいろんなところに使われているんですよ。車もテレビも全部そうです。

しかもすごいなと思うのは、この発明は、突然にひらめいたものではないということです。
何とかしなければという気持ちで考えて考えて、頑張って頑張って、とことんやって作り出したものが、今の私たちを支えてくれているのです。電話に感謝しなければいけませんね。

さぁ、私たちも同じですよ。
「何とかしなければ!」と追い詰められたときにどうするかですよ。楽になるように、きつくないように進んでいっても、本当の解決にはなりません。一瞬楽になっても、あとでもっともっと大変な目にあうのですから。未来を明るく変えるには、さらに深く考えて、早く行動して、何とかしてやるぞ!という気持ちで前に前に進むことです。

そこに工夫が生まれ、発明が生まれます。
こうなりたいんだという「志」をしっかり持って追いかけることも、もちろん大切なことですね。皆さんの未来は中学受験や高校受験だけではありません。受験で言えば大学受験のときにどれだけすごい自分作っているか。もっと言えば、大人になったときにどうなっているかでしょうね。

未来を変える発明。とことんやった人はたどり着けます。
自信を持って突き進んでいきましょう!

160425先日、テレビでミツバチの科学番組を見ました。ミツバチは数万匹でひとつの集団を作り、女王蜂を中心に生活しています。ミツバチにはそれぞれの役割があります。
花から蜜を集めてくるのはもちろんですが、幼虫にえさをあげるハチや、蜂の巣を作ったり修理するハチ、敵がおそってきた時に戦うハチなど、たくさんの役割があります。ハチは集団で生きていくために、それぞれが自分のできる役割を果たしているのです。

でも、それぞれの役割がどのように決められているかは、まだよく分かっていません。女王蜂がリーダーのように思えるかもしれませんが、女王蜂は卵を産むのが主な役割で、他のハチに命令や指示を行っているのではないことが明らかになってきました。

では、誰がハチに命令しているのでしょうか。その答えはまだ見つかっていません。もしかすると、ハチは数万匹の集団の中で自然にそれを感じ取り、誰に命じられるのでもなく、自発的にそれぞれの役割を果たしているのかもしれません。

いま、熊本で苦しい生活を送っている人たちがいます。そして、日本の多くの人たちは、その人たちを何とか応援したいと考えています。では、私たちに何ができるでしょうか。
直接ボランティアに行くことだけが応援ではありません。小さなことでもいいので、自分にできることを考え、その役割を果たしていけば、熊本の人たちが元気になる日が、一日でも早くやってくるかもしれませんね。

160418先月、JRのダイヤ改正が全国的に実施されました。毎年、3月は大幅なダイヤ改正が行われます。そもそもダイヤって何ですか。

ダイヤは、ダイヤグラム(列車運行図表)の略称です。「知っているよ」という人もいるかもしれませんね。運行線区ごとに24時間の全列車の運転が一目でわかるように横長の紙に書き表した図表です。
縦軸は駅名、横軸に時刻の1分刻みなどの目盛りをしておき、列車ごとに各駅の到着・出発・通過の時刻を線で結びます。運輸関係者の間では“スジ”と呼ぶ場合もあります。列車番号、行き違い、待避、通過、停車を含めて運転状況がつかめるので、運転に欠かせない大切な図表といえます。
このひし形がたくさん並んだ図表を見ているだけで、私はわくわくします。駅などにある時刻表は、ダイヤを時刻に“翻訳”したものといえますね。

日本の鉄道は、世界で一番正確に定刻発車すると言われています。定刻1分過ぎて電車が来ないと日本の駅のホームでは、ざわざわしだします。3分来なければ不満げな顔をしている人もいるでしょう。駅では遅れをお詫びする放送が何度も流れます。
ちなみにフランスが誇る高速鉄道TGVは15分以内の遅れであれば定刻どおりだということです。遅れる事がよくある光景のため、海外から来た人は、日本の鉄道時刻の正確さに驚きます。

ただ、日本でも電車のトラブル等で遅れるという事はもちろん起こります。そんなときに登場するのが「スジ屋さん」という人です。ダイヤを定刻どおりの運行に戻そうと期限を決めて、乱れてしまったダイヤグラムの線を引きなおす人です。影で定刻発車を支えている人です。
遅れが出ても「だってしょうがないじゃないか。」って言ってしまえば遅れっぱなしです。すぐに立て直す動きをする人がいるおかげで、定刻発車が保たれているのですね。

みなさんは、自分の未来に向かって、そして大きな目標をもって新年度をスタートしました。これから、うまくいっているなと思える時もあるでしょう。
困難な事にぶつかってつらいなあと感じる時もあります。どんな時であっても、いつも夢に向かい追いかけているみんなの姿を支えてくれる人がいるのではないですか。
自分の進んでいる道を支えてくれる人たちに感謝の気持ちを「ありがとう」と声に出して、自分に対して堂々と「今を頑張っています」と言えるようになりたいですね。

160411「ゴッホより普通にラッセンが好き」という芸人の永野さんのネタがありますね。
このネタや永野さんの好き嫌いは置いておいて、「わかる!その通りだ!」と思うことと、「でもね・・・」と思うことの二つがあります。

「わかる!その通りだ!」と思ったことは、今までゴッホやピカソの絵は美しいと感じたことは一度もなく、ピカソの絵に関しては幼稚園児が描いたような絵という認識しかありませんでした。それに対してラッセンの絵はイルカや海洋生物がリアルに生き生きと描かれて色使いも美しくきれいで部屋に飾りたい絵です。まさに「ラッセンが好き」状態です。

「でもね・・・」と思うことを少し語らせてください。
先生は大学時代に美術部に所属して油絵を描いていました。
絵を描くときには真っ白なキャンパスに絵具を置いていきます。
パレットに絵具をだし、自分のイメージの色を作り、キャンパスに色を置いていきます。
その絵に自分の表現したいものを描いていくために色を置いていきます。
自分の感動したもの、相手に共有してもらいたいもの、それをこめ、色を置いていきます。
納得いかない場合は、また、色を作り、思いと一緒にキャンパスに色を置いていきます。
何層も何層も色と思いを重ね、できた絵は、筆や絵画用のナイフの跡、色に至るまで様々な思いの結晶になって、自分にとってはかけがえのないものになっています。
そうした大学時代の経験をした後にピカソやゴッホを鑑賞する時は、その思いや描いていた時の感情がわかる気がします。決して美しいとは思わないのですが感動することが多くあります。「でもね、ピカソやゴッホも好き」なのです。

新学年を迎えたみなさん、今は絵に例えると「真っ白なキャンパス」の状態です。未来の自分を思い描いて自分の色を置いていってください。絵具は今からの行動や思いです。できた絵は「経験」という形で皆さんの宝物になりますよ。

160404みなさんも経験あると思います。
しゃっくり。
急にでてきて、嫌だなと思っていたらいつの間にか止まっている。いつの間にか止まっているので、止まったことも、しゃっくりが出ていたことさえ忘れてしまう。
でもしゃっくりが出ている時は何とか止めようと色々な方法を試してみますよね。

実は先生も今まで色々な方法を試してきたんです。
やはり一番ポピュラーなものは「驚かす」ではないでしょうか。ただ、「驚かす」のは自分ひとりでは出来ないですから、先生もよく友だちに頼んでいました。「驚かしてくれよ」と。
でもこの場合は驚かされることを予めしっているので、「わっ!」と言われても全然驚かなかったり。これではダメだと思い次は「(自分が)忘れた頃に驚かしてくれよ。」と頼み、今度は大丈夫かと思いきや、本当に忘れた頃に驚かされるので、しゃっくりが既に止まった状態で驚かされて、純粋にビックリしただけだったり。こんなことを繰り返していました。
しゃっくりの止め方として、世間でよく言われているのは、他に「水をのむ」「つばを飲み込む」「うがいをする」などあります。多分もっといろいろあるのではないかと思います。

ここで先生が教室のK先生から聞いた、今まで聞いたことがなかった止め方を一つ紹介します。それは、「パイナップルは何色?」と聞くことらしいです。相手が「黄色」と答えるとしゃっくりは止まるらしいです。先生にとってはあまりに画期的な方法だったので、先生はK先生に「今までどのくらい成功しました?」と質問しました、K先生の答えは「6人中5人は止まりました」というものでした。凄いのか、凄くないのか分かりませんし、質問はパイナップルでなくてもいいのではないかなとも思いましたが、一応成功率は8割以上なので効果はあるのだろうという結論に達しました。

しゃっくりの止め方とされているものには多くの方法があり、自分なりの一番良い方法を各自で行っているんだなと考えていると、先生はあることを思い出しました。

それは教室で相談される「英単語や漢字の暗記の仕方」です。相談は「暗記の仕方」ではなく、「どれが一番良い暗記方法か」といったものが多いような感じがします。暗記の仕方も数多くあります。「見て覚える」「書いて覚える」「声にだして覚える」「歩きながら覚える」こういったものが主流で、あとは上のものを組み合わせて覚えているのではないかと思います。でも、どれが相談しにきた生徒のとってベストかは分かりません。見るだけで覚えることが出来れば見るだけで良いですし、時間はかかるけど書かないと覚えることができないのであれば、その人にとってのベストは書いて覚えるになります。先生は様々な方法を説明した後、様々な方法を試してみて、はじめて自分に一番良い方法が見つかるよと話をします。最初から最高の方法が存在しているのではなく、いろんなことを試し経験した後に自分にとっての最高の方法は見つかります。

これは暗記の仕方に限ったことではありません。
皆さんの周りには多くの試していないのもの、経験していないものがあると思います。そういったことにチャレンジしていくことで貴重な経験をし、皆さんの周りの世界を広げていくのだと思います。

皆さんは新しい学年をスタートさせます。
新しい学年ではいろんなことにチャレンジして、皆さんの可能性を広げていって欲しいなと先生は思います。

1603282016年と言えばオリンピックイヤー。様々なスポーツにおいて、国の代表選手が決まり、リオデジャネイロオリンピックへ向けて準備が進んでいるところですね。
少し前の話題にはなりますが、女子サッカーの日本代表「なでしこジャパン」が5大会中4大会出場しているオリンピックへの切符を逃しました。2011年にはW杯で優勝し、活躍が期待されただけに残念なニュースの1つでした。
その時に報じられるものは、「日本の力が弱まっている」とか「監督と選手の関係はうまくいっていたのか」など、だいたい自国の側から考えたものばかりでした。

今回、アジアから出場を決めたオーストラリア、中国の立場から考えてみると、なでしこジャパンはどのように映っていたのでしょうか。

どちらも強豪国ではありますが、最近の世界ランキングはオーストラリア9位、中国は17位で、4位の日本からすると下にいます。

今回の出場権をかけた争いの中で、日本は絶対に突破しなければならない相手だったはずです。「絶対に負けないぞ」という気持ちは、ひょっとしたらずっと上だったのかもしれないですね。その願いが現実となったわけです。

勝ちたいという気持ちを具体的に表現するのは、自らを鍛えることはもちろん、相手の想いや感情を考えてみることも大切だなと先生は感じました。
もし、中国やオーストラリアの選手たちが「絶対に勝ちたい」という気持ちで向かってくることをもっと理解できていれば、ひょっとしたら結果も変わっていた?かもしれません。

みなさんが、将来の夢を目指していくとき「何をどうすればよいのか」を考えますよね。
少し見方を変えて、「どんな人が求められているのか」を想像してみるとどうでしょうか。

・英語を使った職業に就きたい⇒どのように英語を使うことができればいいのか。
・人と接する仕事をしたい⇒どんな力をつけることが必要なのか。

立場を変えて見てみることで、今までになかった発想が出てきます。取り組むべき課題やこれからの具体的な行動もはっきりするはずです。
自らの夢の実現へ向けて、ぜひ考えてみてください。

160322もしみなさんが海外の人に日本の文化を紹介するとしたら、何を紹介しますか?
歌舞伎、アニメ、三味線、書道、サムライ、カラオケ…
日本には海外に誇れる文化がたくさんありますね。その中で、先生がもっとも素晴らしいと思うもの、それは「お弁当」です。

オーストラリアに留学をしていたころの話です。
ホームステイをしていた先生は、ホストマザーから昼食を作ってもらい、それを持っていくことにしていました。
緊張しつつ、初めての登校。先生が学習するクラスには、韓国やサウジアラビア、タイなどいろいろな国から生徒が集まっていました。英語を使う面白さを感じつつ、いよいよ楽しみにしていたランチの時間がやってきました。弁当箱を開けるとそこには・・・

レタスとトマトを野菜ではさんだものと、フルーツ。
「あれ?!これだけ??」と思ってしまったことを覚えています。

食べることが大好きな先生にとって、それはとても衝撃的な出来事でした。朝食や夕食はたくさんの量が出てきますので、おなかがすくということはありませんでしたが、日本のお弁当とは全然違ったことにとても驚きました。

帰ってきてから知ったのですが、日本のようなおかずがたくさん入っているお弁当は海外では珍しいとのこと。みなさんが学校へ持っていったり、お店で買ったりする弁当は、外国の人にとっては立派な「Japanese Culture(日本の文化)」なのです。

実は今、アメリカなどでは日本のお弁当が大ブームとなっているそうです。「Bento」(弁当)という言葉が出来ているほどです。
先生の将来の夢は、ホストファミリーにもう一度会いにいき、日本のお弁当を作ってあげることです。

みなさんもテレビやインターネットだけでなく、ぜひ自分の目や耳で海外の文化に触れてみてください。新しい発見やその時にしか感じることの出来ない新鮮な体験が、みなさんを待っていますよ。

160314「世界で一番高い山は?」と聞かれると何と答えますか。ほとんどの人が「エベレスト(チョモランマ)」と答えることでしょう。
標高8848mのエベレストは間違いなく世界最高峰の山でしょう。

しかし、ちょっと見方を変えて考えてみませんか。
地球の中心から一番離れている山はどの山なのでしょうか。
考えようによっては、地球の中心から一番離れている山が、世界で一番高い山ともいえるのではないでしょうか。

なぜ、このような考え方が出来るのか、それは、地球の形に原因があるのです。

みなさんは地球の形を知っていますか。
「球」、そうです「球」なのですが、厳密にいうと、きれいな球ではないのです。
地球の自転による遠心力によって、実際には赤道半径が極半径よりも長い楕円体なのです。
とはいっても、赤道半径6378kmに対し、極半径は6357kmなので、その差は21kmしかありません。
割合にすると、たったの0.3%の違いです。
しかし、大きな地球を基準としているので、その差はなんと21kmもあるのです。

この基準でいくと、世界最高峰の山は、南米エクアドルの赤道付近にある「チンボラソ」という山ということになります。
チンボラソは標高6310mの山です。
海面を基準とした標高ではエベレストには遠く及びませんが、実はこの山が世界で一番地球の中心から離れている山なのです。
ちなみに地球の中心からの距離は、エベレストが6382kmで、チンボラソが6384mで、チンボラソの方がエベレストよりも2km(2000m)高いということが出来ます。

なかなか面白いですね。

このように何を基準にするかによって、その答えも変わっていくのです。
みなさんも、いろいろな物の見方を学んで愉しんでみてください。