170213ダイバーシティという言葉を知っていますか。東京のお台場にあるショッピングセンターじゃないよ。あれは「DiverCity」。
今から説明するのは「diversity」。日本語に訳すと「多様性」と言う意味です。元々は技術的な用語で、複数のアンテナを立てて、そのうちの電波状況の良い方で受信する技術のことだそうです。

それが最近は社会的な用語で使われることが多くなりました。人間には個性や特性があって、その違い(性別や人種、宗教、思想、学歴)をお互いに認め合い、それを活かすことで、世の中が元気になり、社会が発展していくという考え方です。簡単に言うと、「人間は色々あって良いじゃないか」ということです。

例えば生物について考えてみましょう。世界中には様々な生物がいて、寒さに強い生物、暑さに強い生物、乾燥に強い生物など、色々な特長をもっています。だからこそ、大寒波や大熱波が来ても、生物は全滅せずにここまで生きのびてきたのです。同じ特性だったら、いっぺんに全滅していたはずです。

同じことは私たち人間にも言えます。例えばサッカーチームで、シュートを打つのが得意な選手が11人いたら、そのチームは勝てるでしょうか。パスを送るのが得意な人、カットするのが得意な人、ゴールを守るのが得意な人がいるチームの方が強いはずです。同質の人間ばかりが集まったチームは、変化に弱くもろいものですが、一人ひとりの個性が力を発揮するチームは、全体として強い力をもつことができるのです。ダイバーシティという考えです。

いま、自分と違う考え方や宗教、人種の人を排除する動きが世界中で広まりつつあります。自分のまわりさえ良ければよい、同じような仲間が集まり、それで安心できるという考えです。とても浅い考え方ですが、人間はついつい引き込まれてしまいます。

もしかして学校でもそんな考えが広まっているかもしれません。でも、皆さんの隣の机に座っている人は、きっと自分とは違う素敵な部分を持っているはずです。私たちは色々あっていいんです。生物も人間もそこから始まったのですから。

まわりの人を認めてあげよう、大切にしよう、そこから始めてみませんか。