みなさん、「古典芸能」というものを知っていますか。国語で学ぶ和歌や俳句、社会の歴史で語句として学ぶ能楽や歌舞伎などがそれに当たります。そういう言葉は知っているけれど、聴いたこと、観たことのある人は少ないと思います。先生の中学・高校の友人には地元では有名な能楽一家がいましたし、実家の近くには歌舞伎小屋様式で有名な劇場もあります。幼い頃から、先生の周りには「古典芸能」にふれる環境がありました。

そんな「古典芸能好き(?)」の先生が影響を受けた方の一人が、一度だけお会いしたことがある噺家(落語を演じる人)の故・桂枝雀さんです。枝雀さんの落語の話だけで何時間も語ってしまいそうなので、ここでは枝雀さんのよく言われていた「約束と想像」という言葉をみなさんに紹介したいと思います。

落語には、「座布団に座る」、「かぜとまんだら(扇子とてぬぐい)はこういうときに使う」という約束ごとがあります。また、聴く人、観る人の「想像力」がなければ、落語は成立しません。同じようにみなさんにも、能開生として、「日付とテーマを書く」、「赤線を引く」、「webテストに取り組む」など統一した約束があります。みなさんの一人一人の中には、「マーカーの色」、「ふせんの使い方」、「1週間の学習の流れ」といった工夫しながら作リ上げた勉強の約束があると思います。

では、勉強における「想像」とはどんなことがあるでしょうか。それは、今取り組んでいる勉強によって、自分がどうなっていくかをイメージすることです。「このノートまとめのおかげで来週の通常テストで満点をとれる」、「冬期講習会の小テストで1位を取る」、「合格発表を見てガッツポーズをする」、「医者になって苦しんでいる患者さんを助ける」など、近い未来から遠い未来までの自分を想像しながら勉強に取り組んでください。その「想像」がみなさんの勉強の「もうあとひと踏ん張り」に力を貸してくれるはずです。勉強における「約束と想像」を大切にして日々の学習に取り組んでいってほしいと思います。