170306いよいよ各地区の県立高校入試直前になりました。不安や期待が入りまじる落ち着かない時期ですね。ここは、「やるべきことはすべてやった。あとは当日を迎えるだけ」と腹をくくって目の前のことに集中しましょう。

とはいうものの、こういう時はやれることはすべてしたいものですね。インターネットで調べると、いろいろな「おまじない」が出てきます。「受験票を塩の山の上に置く」「5人で部屋の角に行き、落ちのない話をする」・・・・・・。いろいろ出てきました。

そういう「おまじない」の中で、「これは効果が高そうだ」というものを紹介します。能開を卒業して東進でがんばっている高校3年生の男の子のお父さんと、つい最近お話をしていた時のことです。ちょうど国公立大学の前期日程の翌日でした。

私:「前期終わりましたね。後期は小論文だけだと聞いています。少しほっとしているところですかね。」
お父さん:「いやいや、ふだんどおり勉強しています。誰かに聞いたおまじないらしいのですが、『前期日程が終わっても、後期日程に向けて勉強し続ける生徒は、前期日程で合格する可能性が上がる』そうです」
私:「そのおまじない、とても効果が高いと思いますよ」

なぜ前期日程が終わってからも勉強を続けることで、前期日程の合格の可能性が上がるのでしょうか?
「ゴール」(と思われている節目)は「停止位置」ではありません。「ゴール」を「停止位置」と考える人は、ゴール前でスピードが緩んでしまいます。しかし、「ゴール」を、あくまでも「通過点」であると考える人は、その「ゴール」を「トップスピード」で通過します。

また、「ゴール」は次に向けた「スタート」でもあります。前期日程の試験は終わりましたが、まだ合格しているかどうかはわかりません。それならば、後期日程に向けて全力で準備をする。そういう考え方のできる人は前期日程でも合格する可能性は高いにちがいありません。

高校入試を迎えるみなさん、高校入試は人生の大きな節目のひとつです。だからこそ「次」が大事なのです。入試が終わった後の「次ののための勉強」という、とても効果の高い「おまじない」、やってみるとよいのではないでしょうか。

170227学年の変わり目です。受験に向けて準備をしている人、先を見て学習に励んでいる人、様々いると思います。そのような忙しい時期には目の前の物事に追われて、心に余裕がなくなってしまうものです。だからこそ周りに心配りをして欲しいのです。

プリンターなどでおなじみのリコー創業者、市村清さんのお話です。
市村さんは銀座に土地を購入しようとしていました。当時の銀座は老舗のお店ばかりでなかなか譲ってくれる人はでてきませんでした。ある雪の日に市村さんは交渉のため老舗の婦人を訪ねますが、彼女は顔さえ見せてくれませんでした。翌日、婦人が市村さんの申し出を正式に断るために市村さんの会社を訪ねます。雪道はぬかるみ、会社に着いた頃には衣服も履物も汚れていました。それを見た事務員が婦人の雪を払い、自分のスリッパを準備して、凍える身体を包み込むようにして案内をしました。感激した婦人は「事務員さんへの行き届いた指導を見て、あなたを信用する気になりました」と土地を譲る決断をされたそうです。そこには銀座三愛ドリームセンターが建っています。

事務員さんの対応のすばらしさが挙げられています。客人をもてなすことは当たり前かもしれませんが、ひとつひとつの心配りで目的であった土地が手に入ったという凡時徹底の大切さを説いたお話です。

ですが、この話の真のすばらしさは、その心配りを受け止められる婦人の器の大きさにあるように感じます。相手の言葉や行動を受け止めて感謝できる気持ちはとてもすばらしいのではないでしょうか。市村さんもこの土地を受け継ぎ大切に使おうと考えたのではないかと思います。

みなさんも、親や友人、先生から励ましの言葉をかけられていると思います。時にはその言葉が重たくて苛立ったり、煩わしく思うこともあるかもしれません。ですがしっかり受け止めて自分の力に変えて目標を達成してください。

170220先生が小学6年生のとき、生まれて初めて海外に行きました。
行き先は中国です。おじさんが住んでいたこともあり、先生と妹の二人で移動しました。直行便の飛行機で中国に向かい、無事空港でおじさんとおばさんと合流できました。
初めての海外、そして子供だけの移動。今から考えると、子供にこんなことをさせるなんて、なんて無茶苦茶な親なんだと思いますが。

さて話を戻しますが、食べることが大好きな先生は「中華料理」を思いっきり食べることがこの旅行の一番の楽しみでした。到着したのが夕方だったので、すぐにおじさんが予約してくれたレストランに行きました。
早速注文をしようと思うのですが言葉を知らないので何と言っていいかも分からないし、恥ずかしくて大きな声も出せなかったので、ウエイトレスは誰一人として振り向いてくれません。
そのとき、おじさんから「大きな声で『レンロイ』って言ってごらん。振り向いてくれるよ」と教えてもらいました。

とても恥ずかしかったのですが、ありったけの勇気を振り絞って「レンロイ!」と叫びました。すると、周りにいたウエイトレス全員が振り返り、こちらに近づいてきたのです。

初めて知ったことを実際に使い、自分の力でウエイトレスを呼ぶことに成功したこの瞬間は、今でもハッキリ記憶に残っています。

いよいよ新学年に進級・進学するときが近づいてきました。能開でもいよいよ新学年準備講座が始まります。新しいことを「知る」ことは楽しいのですが、もっと楽しいのは「知ったことを実際に使い、自分の力で出来た」と感じたときです。
そのためにも、新学年の参考書を隅から隅まで読み込み、大切だと思うことや初めて知ったことをノートにまとめて、「今回の授業で取り扱う内容を知ってるぞ!」という自信が持てるような予習をしましょう。そして、予習を通して知ったことを、この後の授業や復習でドンドン使ってみてください。「自分の力」で答えが出せたとき、とっても勉強が面白く感じますよ。

最後になりますが、教えてもらった『レンロイ』という言葉の意味、何だと思います?広東語で「美しいお姉さん」という意味だそうです。そりゃ振り返りますよね。

170213ダイバーシティという言葉を知っていますか。東京のお台場にあるショッピングセンターじゃないよ。あれは「DiverCity」。
今から説明するのは「diversity」。日本語に訳すと「多様性」と言う意味です。元々は技術的な用語で、複数のアンテナを立てて、そのうちの電波状況の良い方で受信する技術のことだそうです。

それが最近は社会的な用語で使われることが多くなりました。人間には個性や特性があって、その違い(性別や人種、宗教、思想、学歴)をお互いに認め合い、それを活かすことで、世の中が元気になり、社会が発展していくという考え方です。簡単に言うと、「人間は色々あって良いじゃないか」ということです。

例えば生物について考えてみましょう。世界中には様々な生物がいて、寒さに強い生物、暑さに強い生物、乾燥に強い生物など、色々な特長をもっています。だからこそ、大寒波や大熱波が来ても、生物は全滅せずにここまで生きのびてきたのです。同じ特性だったら、いっぺんに全滅していたはずです。

同じことは私たち人間にも言えます。例えばサッカーチームで、シュートを打つのが得意な選手が11人いたら、そのチームは勝てるでしょうか。パスを送るのが得意な人、カットするのが得意な人、ゴールを守るのが得意な人がいるチームの方が強いはずです。同質の人間ばかりが集まったチームは、変化に弱くもろいものですが、一人ひとりの個性が力を発揮するチームは、全体として強い力をもつことができるのです。ダイバーシティという考えです。

いま、自分と違う考え方や宗教、人種の人を排除する動きが世界中で広まりつつあります。自分のまわりさえ良ければよい、同じような仲間が集まり、それで安心できるという考えです。とても浅い考え方ですが、人間はついつい引き込まれてしまいます。

もしかして学校でもそんな考えが広まっているかもしれません。でも、皆さんの隣の机に座っている人は、きっと自分とは違う素敵な部分を持っているはずです。私たちは色々あっていいんです。生物も人間もそこから始まったのですから。

まわりの人を認めてあげよう、大切にしよう、そこから始めてみませんか。

170206全米が注目し、就任後も何かと注目されているアメリカのトランプ大統領ですが、大統領選挙では学ぶべき戦略がありました。

アメリカの大統領選挙の仕組みは、みんなの校舎の社会の先生にきいてください。ここでは割愛します。ざっくりと、アメリカにある50の州を、多くとった候補者が勝ちという選挙だと思ってください。

大統領に当選するためには、「スイングステート」と呼ばれる、どちらの候補者に転ぶかわからない州(激戦州)をおさえられるかにかかっていました。

スイングステート(激戦州)には以下のような州があります。

フロリダ・ペンシルバニア・コロラド・オハイオ・ノースカロライナ・ジョージア・ミシガン・バージニア・ニューハンプシャー

いくつ知っていましたか。3個以上知っていた人は社会の先生のかわりにきっと授業ができますね(笑)

実は、トランプ陣営は選挙の最終盤に、「絶対勝てる州」と、「絶対負ける州」の応援を捨てています。
スイングステートの応援に集中して、下馬評をひっくり返すことに成功しました。

受験に通じると思いませんか。

入試が近づいてきた人、直前期の勉強やテスト本番ではこういった戦略も重要です。

合格点を取るために、何の科目、問題を選択し、集中して成果をあげるか。
ぜひ、考えて合格をつかみとってくださいね。

170130みなさんは、集団心理とはどういうことか知っていますか?

集団心理とは大勢の人が集まり群衆となる事で、個々人が特殊な心理状態となる事で、群衆の結束感(チームワーク)が高まりとてつもなく大きな力となります。良い方向に作用すればとても頼もしいのですが、悪い方向に作用してしまうと大きな問題に発展していきます。

例えば、こういった経験はありませんか?自習の時間などで、誰かがしゃべりだすとみんながしゃべりだし、教室中がさわがしくなるといった経験はないですか?

自習の時間は、本来静かに勉強すべきだということは分かっていますし、先生(大人)からもそういった指導を受けていると思います。しかし、誰かがしゃべりだすことで、「○○君もしゃべっているし大丈夫でしょう」という心理が働いて、ついしゃべってしまうものです。その結果として、本来の自習ではなくなってしまうという例があります。
みなさんが、授業を受けている能開の空間もそうです。みなさん1人1人が「さあ、がんばろう」という気持ちを持っていれば、周りもそれに影響を受けて、教室全体が「勉強しよう」といういい空間になります。せっかく能開に勉強しに来ているのであれば、勉強できるいい空間を作りませんか?いい勉強空間を作っていくのは先生たちではなく、みなさん一人ひとりなのです。

170123先生の趣味はゴルフです。奥さんからは下手の横好きと言われていますが…。皆さんはゴルフをどんなスポーツとして考えていますか? 実は勉強と共通することがたくさんあります。

まず、目標が定まっていること。どのくらい先にカップがあるのか、そのことを可能な限り正確に捉えることです。
その目標に対して、どのように近づいていくのかを考えること。風向きやコースの起伏を考えて使うクラブを自分で選択します。
そして平常心でいること。時には大きなミスをしますが(先生のゴルフの場合はミスだらけですが…)、気持ちを立て直して次のショットに備えます。

また、ミスをしたときにどこが悪かったのか見直して、その部分を正しい方法で練習すること。そういう繰り返しでだんだんとスコアが良くなっていきます。
あわせて自分の得意なショットや苦手なショットを見極め、どのようにスコアをつくっていくかを考えながら取り組んでいくスポーツです。

いかがでしょうか? 勉強も同じですよね。
できれば将来の夢や志を持っていることが望ましいですが…。もしまだ見つからなければもう少し身近な目標、例えば2月にあるオープン模試の点数を目標としましょう。
受験生は当然、志望校の合格ですね。その目標を達成するために、何をしていくことが大切なのか、いま取り組むべきことは何か、そのような情報収集が大切になります。これは普段のゼミでの取り組みで分かってくることですね。

そして、感情的になりすぎず、客観的に物事を見据えることができたら、間違えた問題があっても次に生かすことのできる復習として取り組むことができます。
その繰り返しを通して、自分の弱点や苦手を克服しつつ、得意を伸ばしていくサイクルをつくりましょう。そうすれば目標を達成できる可能性が高くなるはずです。

ゴルフのスコアはグリーン上のパットで最終的に決まります。ここでミスをするとスコアが伸びません。受験生の皆さんも、同じです。最後のツメを怠らずに!

170116大学入試センター試験が昨日の15日で終了し、世はまさに受験シーズンの真っ最中。受験する誰もが「合格」という結果を得たいがための努力を継続します。その本人の気持ちと家族など周りの人々の応援(願い)が神に届きますようにと、人間は「願」を掛けます。
日本人はとりわけ神社などへの祈祷、絵馬、お守りなどへの願掛けが多いのですが、それこそ「神にもすがる思い」で合格できますようにと祈ります。結果は神のみぞ知るところ。不安が人間を駆り立てるのでしょうか…。

さて、巷でもスーパーやコンビニへ行けば「願掛けダジャレお菓子」がすごいですね!「キットカット」→「きっと勝つ!」、「コアラのマーチ」→「寝ている時も木から落ちない!」コアラにあやかって、「ポッキー」→「逆さに読むと“キッポー(吉報)”に!」、「Toppo」→「Toppa(突破)!」、「キシリトールガム」→「きっちり通る!」、「ハイレモン(ラムネのお菓子)」→「ハイルレモン!」、「カール」→「ウカール!」等々。

受験生の中には、能開・ホロン・東進の合格鉛筆など合格グッズやお守り等はもとより、市販のこのようなお菓子などの願掛けを信じて飲食したりする子も多いのかも…(笑)

願掛けが多ければ多いほど合格の確率が高いのなら、みんながそれに追随するでしょうが、それを調査したデータは残念ながら見たことはありません。願掛けの効果って、あるのかないのかは不明です。ただ言えることは、自分の願いどおりの結果を得られる人は、最大限の努力を重ねていることと、周りの支えてくれている人々への感謝の念を胸に刻みながら毎日を送っていることではないかと思うのです。

「結果は付いてくる!」そう信じて、春の明るい自分の姿を想像し、前向きに挑もう!

170110年が明けました。受験シーズンもピークを迎えます。
今日は受験生の人たち向けに話をします。日常の話です。
最近、いつもどおり勉強をしているのに、親とケンカしてしまったことはありませんか。
また、逆にいつものように皆を応援してくれている人に対して、冷たい言葉を言ってしまったことはありませんか。
慣れとは怖いものです。親や友人など、そこにあるのが当たり前だと感じてしまうのです。
受験生の人は中学や高校、大学にそれぞれ進学するわけですが、
皆さんも何度も言われているはずです。
「進学すること、それ自体がゴールではない」と。

ゴールといえば少し話が変わりますが
恋人同士のゴールはいつでしょうか?
結婚?
結婚しても
「髪型を変えたね」「料理おいしかった」「お仕事おつかれさま」「誕生日おめでとう」
この辺の言葉を忘れたとき、
君たちの未来のパートナーはプンプン怒り出してしまうか、泣いてしまうかもしれません。
このような気づきや気遣いは意識していないと言葉として出てきません。
幸せは不断の努力の延長線にあるものです。

さて、受験生の皆さんにとっては周囲の環境もとても大切な要素です。
けれど、皆の親も周りの人たちも一人の人間です。気持ちは変化します。
応援してくれる人の変化に気づき、感謝の言葉を言葉にしてみてください。
それだけで君たちも勉強しやすくなるはずです。
それと忘れないでください。
進学はゴールではありません。
その先も努力し続けなければ幸せはつかめない。
きっと努力の過程の中に幸せがあるのです。

161226ルネサンス期の美の巨匠といえば誰が思いつくでしょうか。『モナリザ』で有名なレオナルド=ダ=ヴィンチが思い浮かぶかもしれません。しかしながら当時、ダ=ヴィンチよりも名声を得ていた人物がいます。存命中から「神から愛された男」と呼ばれたその人物の名はミケランジェロ=ブオナローティです。ルネサンス期の芸術家らしく、彫刻・絵画・建築・詩とさまざまな分野で優れた作品を残しています。『ダヴィデ像』や『天地創造』などが有名ですね。

美術史上最大の規模を誇る絵画が、サン=ピエトロ大聖堂の天井画『最後の審判』です。詩人ゲーテが、「人の成し得ることの偉大さをしりたければこの絵を見るがいい」といったことで知られています。その大きさは、四階建てビルの壁の面積に相当するといわれています(200㎡ほど)。これほどまでに大きな天井画はどのように製作されたのでしょうか。足場を組み、上を向いて描いたそうです。絵を描き始めた当初、人を雇って描かせたそうですが、仕事ぶりが気にくわず結局一人で描いたそうです。そのため完成まで4年の歳月を要しました。製作は相当過酷な作業だったようです。上に向かって描くという無理な姿勢で絵を描き続けたため体をおかしくしてしまいました。天井に描くため、体を弓のように反り返らせたため首の骨が曲がり、しかも絵の具がたれてきます。そのために目もやられたそうです。
『最後の審判』を見るとき、私たちはその圧倒的な迫力と美しさに目を奪われ、ミケランジェロの才能に畏敬の念を抱くことになるかもしれません。あるいは、「天才だ!」と思うかもしれません。「才能がある」、「天才だ」などという一言で片付けてよいのでしょうか。この製作の過程を知るとそのような疑問が頭をよぎります。たしかにミケランジェロは類まれな才能に恵まれたのは事実です。しかし、それと同じくらい情熱をかたむけ、苦しいことにたちむかっていたのではないでしょうか。すばらしいと思える“結果”は、毎日できることを継続した“結果”であるということです。

メジャーリーガーのイチロー選手がこう言っていました。「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道」だと。偉大な成果の裏には必ず努力があるということを忘れてはなりません。目標は果てしなく遠いかもしれませんが、いまできることを継続してやり続けてください。それこそが目標をかなえる唯一の手段です。そしてそれは誰もができる普通の積み重ねのです。

予断ですが、『最後の審判』の中にミケランジェロの自画像があるといわれています。天才と謳われたミケランジェロですが、生涯自分の容姿にコンプレックスを抱いていたようです。意外な姿で描かれています。気になる方は探してみてください。