15101310月も半ばになってきました。夏休みが明けて約1ヶ月半、うるさかった蝉の声、かんかん照りの日差しが懐かしく感じられます。時の流れは早いですね。
そう2学期中間テストに突入した学校もあるよね、次あっという間に期末テストがやってくるよ。そして12月にはみんなの手元に通知表が。
特に中3のみんなは2学期通知表が一つ目の入試。1日1日を大切に、1回1回の授業を真剣に、1問1問に全力で、悔いのない評価を勝ち取って欲しい。

実は・・・

私も通知表をつけています。
みんなに見せたことはありませんが、また学校の通知表とはちょっと評価項目が違うんです。

少々の事ではへこたれない力があるか、おっきな壁に真正面からぶち当たる気概はあるか、将来自分の足でしっかりと立って歩いていけるか、たった一つの項目“生きる力”を見てるんです。
おそらく教室で学んだ勉強、受動態や二次関数は、数十年後にはすべて忘れてしまうでしょう。
でも、君たちの姿勢・気概を通して私たちが感じた“生きる力”は、きっと君たちの今後の生き方に繋がっている、そう思って一人一人私なりに通知表をつけています。

運動会の日に真っ赤に日焼けした顔で、当たり前のごとく漢字を満点とった君。
修学旅行から帰ってきた日も絶対に授業に遅れまいと、汗だくで教室に飛び込んできた君。
夏合宿に行きたくて、誕生日やクリスマスプレゼントを2年間我慢して、やっと2年越しに合宿申込書を持ってきた時のとびきりの笑顔。
そんな君たちをしっかりと見てます、見てるよ。
高校入試で『合格』だけがすべてではなく、『合格』の奥にある、先にある、もっともっと大切なものを見つけてほしいと願っています。

ある日の個別面談で、あるお母さんからこんな質問を受けました。オール5に近い通知表をとっていましたが、理科が4だったのと英語も読解が弱かったので、理科・英語の特別課題の問題集を与えていた、そんな生徒のお母さんです。
“先生、中3生ってたいへんなんですね、夏から我武者羅にやってます。時々限界がきて机に向かいながらウトウトしている姿をみて、何とも言えない気持ちになります。こんなにやらないと志望校に受からないのですか?!” 

私は、こう応えました。“お母さん、これほどやらなくても第一志望校を突破できるでしょう。でも高校合格で終わりではないですよね、私たちはもっと先を見ています。高校の勉強はもっともっとハードです、大学受験は全国の生徒との競争です、さらに社会に出ていく時には、自分の足でしっかりと立って自分だけの力で勝負ですよね。
だから、これができれば次のハードル、ここまで上がってこいよというメッセージを込めていろいろ与えています。“
もちろんお母さんからは、もっともっと鍛えてください、っていう言葉をいただいたよ。
みんなもっともっとできる。

ティエラ生、もっと逞しく、もっともっと先を見据えろ。みんなで目指そう、『生きる力』5を!

151005さて、今日は先生の初恋を話しましょう。
だれだって思春期があり想い悩む時期は必ずあり、その期間に相手の気持ちを推量することができ、優しくなれる時期でもあります。大人への成長段階なんですね。

過去を暴露することに躊躇しますが、聴いてください。

思い起こせば小6~中3まで初恋の1歳年下の女の子と文通をしていました。
早熟だったかな?とは思わなかった。
とにかく初めて運動場で彼女と遭遇した時に身体に電流が走りました。明朗活発の典型的な感覚を醸し出している生徒でした。

その彼女と同級生の女子に恋のキューピットを依頼して、文通が成立しました。
今なら、「告る」とか「スマホ」とかの手段がありますが、その時代は家庭にも黒電話さえなかったので、古典的な方法でした。シャイな先生はそこから踏み出せませんでした。チキン野郎です。

週2回の文通がスタートしたのですが、不思議な右脳開発現象はそこからスタートしました。

国語の成績がそれまで通知表が3だったのが、いきなり5になり中3まで続きました。
それまで算数と数学が少しばかり好きだったけれど、初恋には勝てなかったかな。
高校時代は本格的に古文があり、現代文にも影響し成績は過去の遺物になったようです。
古文は重要ですよ。

成績アップの原因は嫌われないために、文章を何度も推敲し漢字で書けるところはすべて辞書で調べ漢字にして、誤字のチェック、文脈のチェック、接続詞のチェックをして2時間以上を費やした便箋3枚を4年間書き続けた結果だったと思います。
彼女の返信がたまらなく嬉しかったことも懐かしい想い出ですね。
小6までは鉛筆、中学生になって万年筆を進学祝いに買って貰い、濃淡のある書き味に魅せられたことが4年間継続したのでしょうね。
その彼女とは4年間一度も話したことがなかったのです。君たちに信じられないでしょう。
だからこそ淡い初恋なんです。昔風なら「カルピスの味」です。
先生にとって「特別な存在」だったのではないでしょうか。

昨今、国語読解力の低レベルを指摘されている日本人ですが、文章を書くことで少し違った脳活用があるのではないですか。
身近なら日記でしょうか。三日坊主になる典型的なものですが、今、先生は自分史のために3月から7ヶ月継続中です。もちろん万年筆ですよ。

さて、君たちはその初恋の彼女との結果が気になるでしょう。
チキン野郎は4年後もチキン野郎の人生でした。

それから30年後、劇的な再会がありましたが、やはり先生はチキン野郎でした。

1509281勝2分21敗。
皆さんは、この数字が何か分かりますか?

2015年9月20日、イギリスで開催されている第8回ラグビー・ワールドカップで日本代表チームは世界ランキング3位、優勝2回を誇る南アフリカ代表チームに34-32で見事に勝利しました!ニュースで見た人も多いのではないですか?先生もニュースで始めて興味を持って、少し調べてみました。そこで出てきたのが、上の成績です。

過去7回の日本代表の成績は、1勝2分21敗。どう見ても良い結果ではありません。1987年の第1回大会から連続7回出場してきた中で、日本代表チームは1991年の第2回大会でジンバブエに勝ったきり、24年間=18戦連続して勝つことができませんでした。

では、そのように世界の中では決して強いとはいえないラグビー日本代表チームが、なぜ今回は世界最強ともいえる南アフリカ代表に対して見事に勝利を飾ることが出来たのでしょうか?

実は、今回も敗戦するであろうという事前の予想がほとんどでした。しかし、日本代表は決して諦めなかった。自分達の可能性を信じた。今大会に備え、前回大会が終わった4年前から準備をしてきていたのです。
例えば、チームの合宿では、なんと朝4時から夜9時まで練習しています。休憩を挟みながらもなんと17時間。選手達は「世界一の練習をしてきた」と口をそろえます。
また、自分達よりも強いチームと何回も戦い、敗戦を繰り返してきました。強豪と戦うのだから、負けるのは当然です。でも、だからと言って弱いチームと戦って勝ったとしても成長しない。強いチームと戦って負ける中で自分達の弱点を見つけ、そしてその弱点を克服するためにまた厳しい練習を積み上げて、、、それを繰り返してきたのです。
そのような「努力と工夫の繰り返し」が、今回の「大金星」を生み出したのです。一見不可能に見えるような夢や目標でも、「努力」と、「あきらめない気持ちを持って継続すること」で叶うのです。ラグビー日本代表チームは、私たちにそれを見せてくれました。

さて、ティエラでは10月~11月に「EXオープン模試」「全国統一小学生テスト」「全国統一中学生テスト」など、いつもにはないたくさんのテストがあります。
もしかすると、皆さんにとってはとても高い壁になるかもしれません。テストはいやだなぁ、なんて思う人がいるかもしれません。しかし、それを恐れて逃げたり、きちんと準備をしないでいたら、ずっと良い結果を生み出すことは出来ないままです。

一問一問でかまいません。自分難しいな、出来ないな、と思う問題にこそ挑戦してみましょう。
五分十分でかまいません。いつもの自分の勉強時間を少しでも伸ばしてみましょう。
その繰り返しが、きっと皆さんをワンランク上に成長させてくれます。
自分の可能性を信じて、努力し続けていきましょう。

最後に
ラグビーワールドカップは、この後も予選が2試合残されています。見事勝ち抜けば、決勝トーナメント進出です。
どのような結果が出るにしろ、最高の努力してきた日本代表チームを、皆で応援しましょう!

150918自分に自信を持てる最高の方法がある。
それは“約束”を守ること。
人との約束、自分との約束。約束を守れているとき、人は自由で輝いている。

約束を果たせないとき、人は、不機嫌でどこかおどおどしているか、不自然に虚勢をはっているかどちらかなんだ。

もし、自分を元気にする必要を感じるときがあったら、自分で自分に小さな約束をして、それを守ってみてごらん。

毎晩歯磨きをする。
朝六時に起きる。
約束の五分前に到着する。
宿題を毎日少しずつでもする。
毎朝お母さんに「おはよう」と言ってみる…。

小さな約束でかまわない。
まずは、自分との約束を決めて、それを守る。

テストで満点を取る!今日からトップ校を目指す!
いきなり大きな約束をして、かえって自分を信頼できなくなるようなことのないように。

だいじょうぶ。
小さな約束を積み重ねていけば、やがて、大きな約束を果たしていけるようになる。

自信は、守っている約束の数に比例する、大きさではない。

150914アリは働き者というイメージがありますが、実は数%のアリは、働かずにフラフラ遊んでいるという説があります。

100匹の働きアリを観察すると、そのうちの20匹(20%)が良く働き、60匹(60%)が普通に働き、そして残りの20匹(20%)が全く働かない状態になっているそうです。

仮に、働かないアリ20匹をそこから取り除くと、残った80匹のうち、16匹(20%)が良く働き、48匹(60%)が普通に働き、16匹(20%)が全く働かない状態へ再編成され、常に「2:6:2」の比率になるそうです。逆に、良く働くアリばかりを集めても、まもなく数%のアリは遊び始めると言われています。

これを人間にあてはめてみましょう。たとえば、ティエラの教室で頑張っている君たちを「頑張り度」で分けた時に、20%の人が一生懸命勉強して、60%の人がそこそこ学習して、残りの20%の人がサボっている…。本当に? そうでしょうか?

みんな等しく、ティエラに通い始めた時に「頑張ろう」と思っていましたよね。「よし。サボろう」と思って来ていないですよね。

自然界では「働きアリ」のように、ある程度の割合があるかもしれませんが、我々はアリではなく、人間ですからね。心(喜怒哀楽)を持つ生き物ですからね。

先生は、強い意志を持って日々の努力を続ければ、『全員』が目標を達成できると信じています。仮に、不本意な結果になったとしても、次につながる力になっていると思っています。

2学期のゼミがスタートして1週間が経ちました。もう一度気持ちをリセットして頑張る自分を創ってみませんか。ティエラの教室を頑張る集団にしませんか。学校行事も多い時期ですが、目的・目標を再度掲げ全力で努力してください。

先生たちもそんな頑張る君たちを応援したいのです。
勝負の2学期。弱い自分に負けない人になろう。

150907さっそくですが、みなさんは竹やぶの竹を見たことがありますか。
しなやかで強い竹。
普段目にする機会はあまりないと思いますが、今日は竹の成長のお話です。

驚くことに竹は最初の4年間全然伸びないのに、5年後に一気に伸びるそうです。
だからといって最初の4年間は全く成長しないということでもありません。
それではどこが成長しているのか。

実は最初の4年間のあいだに目には見えませんが、根っこが成長しているのです。
最初にしっかりと根っこを張り、丈夫な基礎ができたところで、竹は大きく成長します。
丈夫な基礎があるからこそ、竹は折れずに踏ん張っていられるのです。

ここで自分自身について考えてみてください。

頑張ってもテストの点数がなかなか上がらない、もしくは変わらないからと、今まで続けてきたことをやっても無駄だと諦めようとしたことはありませんか。

テスト結果ばかりに目を向けて、肝心な日常の勉強(家庭学習)をおろそかにしたことはありませんか。

自分の思うような結果が出せていないなら、今は自分自身の根っこが少しずつ成長している時かもしれません。

見えない部分の成長が、見える部分の基礎になります。
これからは、見えない部分にも気持ちを向けてみてください。
今は結果が出なくても、いつかそれを実感できるようになります。

150831とうとう夏休みも終わり、今週から学校が始まりますね。皆さん、どんな気持ちでしょうか。

休み中ずっと会えなかった友人と、久しぶりに会えることを楽しみにしている人。
⇒ よかった、楽しみだね!

学校が始まることが嫌過ぎて、この世の終わりのような気持ちでお休み最終日の夜を迎える人。
⇒ うーん、頑張れ。気持ちさえ捨てなければ、君の将来はきっと明るい。

「将来の夢は?」と聞かれて、しっかりと自分の夢を持っている人、かっこいいですね!
実は先生は、学生のころ「将来の夢は?」と聞かれて、すぐに答えることができませんでした。「将来したいこと?興味ない」ずっとそう思っていました。けれど、「本当にこのままでいいのか」という気持ちも一緒に持っていました。
どうでしょう、先生と同じような気持ちの人はいますか。もし居たら今日は少し楽になるかもしれません。

先生が丁度、将来についてどうしようかと悩んでいたときのこと。合格したかった試験に落ちて、気持ちが落ち、ぐるぐると色々なことを考えていました。
「本気で頑張ったのに受かることすらできないなんて、自分の『なりたい気持ち』なんて全然大したことないじゃないか。」と、非常にナーバスになっていました。

先生は、悩みが非常に大きいときほど本をよく読んでいるのですが、その時に出会った本に書かれていたことが、どん底の気持ちから当時の先生を救い出してくれました。その本には次のようなことが書かれていました。

“今の若い人には、『自分のやりたいことがわからない』という人が多い。やりたいことなんか、急にふってくるはずがない。では、どうしたらいい?それは、自分の中の「違和感」を大事にしなさい。他の人が気にしなくて、あなたが気にするということは、それはあなたがもっている「才能」なのであり、他の人には決して見えないことが、あなたには見えているのです。その「違和感」を大事にし、常にアンテナをはりなさい。そして、常に考えること。”

ここでいう「違和感」というのは、たとえば『なんで道にたくさんごみが落ちているのだろう』『なんでここのコンビニの店員さんは、こんなに笑顔がないのだろう』『なんでこの道具はこんなに使いにくいのだろう』といった、日常生活をしていて「ふと」感じることだと解釈をしました。
言われてみれば、世の中に出ているアイディア商品(「ごはんつぶ」がつかないしゃもじ/レンジでチンするだけでできるからあげ など)は、普段の日常生活で感じていることが解決されるようなものが多いですよね。作った人たちが、日々の中で抱いていた「違和感」を、大事にし続けた結果だと思います。
また、そのようなものが作られている、ということは、そういう仕事がある、ということですね。

20歳までは本当にやわらかい頭です。いろいろなことを覚えることができたり、いろいろなことを感じることができたりと、たくさんの可能性があります。その中で抱く「違和感」は、君にとっての絶好の「人生のテーマ」なのです。

ぜひ、今「感じること」を大事にしてください。他の人がなんと言おうと、君が感じたことは君だけのものです。感じたことを実現したい、と思うのであれば、実現するためにはどうすればいいかを考えてください。
世界で初めて宇宙に行った人は、決して「絶対無理だ」と思って取り組んでなどいないはず。「そんなことできるわけない」と言ってくる人は、そんなことをやったことがないか、途中で諦めた人です。途中でやめちゃったら、できるものもできるわけないですよね。

「違和感」を考え続け、そのためにどうしたらいいかを考え、行動し続けることが、「自分」を作ります。「自分がわからない」と言いますが、作られてもいない自分を理解することなんてできません。
だから、今は「自分探し」ではなくて「自分作り」に取り組みましょう。その中で、必ず「これを果たそう!」というものが見えてくるはずです。

150824これはインターネット見かけたお話です。

この間、自宅のマンションに帰ってきた時のこと。
隣の妊娠8ヶ月の女性が、買い物袋を抱えて大変そうにしているのを目にしました。
私のマンションは古いのでエレベーターがありません。
荷物は階段で運ぶしかないのです。
私は代わりに彼女の抱えていた買い物袋を、彼女の部屋の前まで階段で持って上がりました。

夜になって外出先から帰ってきたら、私の部屋のドアに袋に入ったタッパウエアが掛かっていました。中を見ると、焼きたてのアップルパイが!
パイにはこんな言葉が添えられていました。

「あなたが運んでくださった材料で作りました。召し上がってください。」

『人間、感謝の心がないと、幸せにはなりません。
感謝の心を持つから幸せになれるのであって、
幸せになってから感謝しようというのでは、
一生幸せになることはありません。』

これは、カー用品販売大手のイエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんの言葉です。

あなたが今、こうやってティエラの教室で勉強できていることは、決して「アタリマエ」のことではありません。
ふだんはあまり意識していないかもしれませんが、あなたたちを支えてくれている多くの人たちへの感謝を忘れないでくださいね。

150817みんなはボクシングって知っていますよね?グローブを拳にはめて四角いリングの中で1対1で相手と戦うスポーツです。中にはプロのボクシングの試合をテレビ等で見たことがある人もいるかもしれません。
そのプロボクサーの中で先生が応援している選手がいます。その選手の名前は「井岡 一翔(いおか かずと)」選手といいます。現在3つの階級(レベル)で世界チャンピオンになっている偉大なプロボクサーです。

その井岡選手には叔父さんが居ます。その叔父さんも元々は同じプロボクサーで、2つの階級の世界チャンピオンになった素晴らしい選手でした。
その井岡選手の叔父さんが現役のプロボクサーだったころ、叔父さん自身の夢である3階級制覇を叶えるために、3つ目の階級の世界チャンピオンに挑戦したことがあります。
結果は残念ながら試合に負けてしまい、叔父さんは3つ目の世界チャンピオンになることができませんでした。

井岡選手は「叔父さんの夢である3階級制覇を自分で叶えてやる」という決意の元、プロボクサーになり厳しい練習やきつい減量に耐えて試合に勝っていき、順調に2つの階級の世界チャンピオンになることができました。
そして2014年5月7日に自身と叔父さんの夢である3階級制覇を叶えるために、3つ目の階級の世界チャンピオンに挑戦しました。結果は叔父さんと同じく試合に負けてしまい、3階級制覇は実現しませんでした。

しかしここから井岡選手は自分の意地の為に今まで以上に厳しい練習を繰り返していきました。きつい減量にも耐え努力を積み重ねて、2015年4月22日に再び3階級制覇を叶えるために3つ目の階級の世界チャンピオンに挑戦し、見事にチャンピオンを倒して悲願の3階級制覇を成し遂げました。

たとえ1度は失敗したとしてもあきらめずに努力を積み重ねていけば、井岡選手みたいに夢はきっと叶います。
前を向いてこの夏しっかりと努力を積み重ねていきましょう。

150810「用意、はじめ」、小テストの始まる合図です。
この言葉を聞くと、空手の型の練習を思い出します。おそらく空手を習っている、習った事があるという人は多いと思いますが、私もその一人です。
空手には、想定型というものがあります。想定とは予想した範囲のことです。どの型も自然体から始まり、「用意、はじめ」の合図で、四方八方から迫りくる敵を想定して縦横無尽に立ち回り、最後は開始位置に戻って自然体で終わります。
自然体というのは、力を抜き肩幅で足を開いた状態の立ち姿勢ですが、いわゆる基本姿勢のことです。伝統の型は、技だけでなく、エネルギーの出し方、使い方、その姿勢までを教えくれます。

この想定型、実際は目の前にいない相手(敵)を想像して、型を繰り出していくのですが、このイメージがないままにやってもあまり意味はありません。こちらから攻めてきたら、このようにかわす。あちらから攻めてきたら、このように攻め返すなど、考え尽くされた最短・最善・最速の方法です。
イメージがあってこそ、力の入れ具合やスピード、動きの順序などにつながります。この基本が身につくことで、姿勢が正され、筋力がつき、初めていくつもの技の組み合わせや長時間の練習にも耐えうるような土台ができます。

しかしながら、実戦は想定内のことばかりではありません。自分の想定したスピードより早い蹴りが飛んでくることもあります。
想定型では、右からだったのに、左から突きが出てくることもあります。余談ですが、武道の奥儀(極意・深く大切な事)で、全く左右逆の型を行う鍛錬があります。左右真逆で型を行います。実際に試すととても難しいです。
元に戻りますが、実戦に備えて、想定した型以外の方向も練習していく必要があるということです。想定外に備えるわけです。これは聞いた話なのですが、自衛隊での訓練で、目的地までたどり着く任務を果たす時の話。地図を渡されて、目的地を目指すのですが、地図に描かれている橋を渡る計画を立てたところ、その地点に行ってみると、橋が壊れていました。
アクシデントが起こり、寝る予定の時刻には寝れずに、翌日の訓練に突入することになりました。想定外の出来事です。想定外が用意されている訓練ばかりだそうです。

勉強でも想定内の中でできることはたくさんあります。実戦を想定して、数多くの問題にあたり、備えるからです。想定の枠を超えた想定外の時に、どう対応できるか、そういう力が実戦では必要になります。
講習会や合宿は、いわば想定外の訓練になるでしょうか?想定以上の勉強量。想定以上の問題レベル。想定以上の緊張。そういう中で出てくる想定外の自分。
この夏、講習会や合宿や模試で、想定外の経験を積み、大いに成長したみなさんに会えることを楽しみしています。