191209今日は皆さんに、ある物質の話をしようと思います。
その名は「一酸化二水素」。聞きなれない物質ですね。この物質、こんな特徴があります。

・酸性雨の主成分である。
・重いやけどの原因となりうる。
・地形の侵食を引き起こす。
・多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。
・電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。
・末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。
・一定以上の一量が肺に入ると高確率で死亡する。
・一度でも体に取り入れたことがあると禁断症状を起こし、その場合三日間投与されなければ高確率で死亡する。

なんという危険な物質でしょう。しかも恐ろしいことに、この物質は世界中あらゆる分野で規制されることなく使用されているのです。

・工業用の溶媒、冷媒。なお、使用した一酸化二水素はそのまま河川に投棄されている。
・防火剤
・原子力発電所
・軍隊が戦争のため大量に備蓄
・防虫剤の散布。
・各種のジャンクフードや、その他の食品

どうでしょうか。「こんな危険な物質は規制しなければならない!」「一酸化二水素から身を守ろう!」そう感じた人も多いのではないでしょうか。

さて、ここで皆さん(特に中2以上の皆さん)、少し考えてみましょう。
化学で「酸化物」はO、「水素」はHでしたね。
ではこの、世にも恐ろしい物質「一酸化二水素」とは?

一酸化「O」二水素「H2」。→H2O。

そう。実はこの物質は、何のことはないただの「水」です。実はこれ、1997年にアメリカの大学で「人間はいかにだまされやすいか?」という調査に用いられた説明で、その際の調査でこの物質は法で規制すべきか」と50人に質問をすると、43人が賛成。6人が回答を留保したのを除いて、一酸化二水素が水であることを見抜いたのは1人だけだったそうです。

新聞、TV、インターネット。世界には情報があふれています。流れてくる情報には嘘もあれば本当もある。そして最も厄介なのが、「嘘は言っていないが、本当ではない」情報です。一酸化二水素の情報を見返してください。何一つ嘘は言っていません。しかし、どう考えても本当でもありませんね。

これらの情報に惑わされないために必要なのは、「正しい知識を身につけること」。要するに、勉強です。昔の人は言いました。「知は力なり。」知識を武器に、複雑な現代社会を戦いぬいてください。