200225

今年の夏休みは新型コロナウイルス感染症の影響で、とても短かったことと思います。今は第2波が早く収束してくれることを願うばかりですが、冬になるとインフルエンザの感染が始まりますから、それも気になるところですね。

ティエラニュース8月号で感染症を特集していましたが、皆さんは細菌とウイルスの違いを知っているでしょうか。どちらも肉眼では見ることができませんが、細菌は自分自身の力で増殖できる単細胞生物で、結核菌やブドウ球菌、乳酸菌などが有名です。

一方でウイルスは細菌よりずっと小さく、電子顕微鏡でしか見ることができない微生物です。自分自身では増殖できないので、他の生物の細胞に入って増殖していきます。インフルエンザウイルスやノロウイルス、風疹ウイルスなどが有名です。日本では50年以上発症していませんが、致死率ほぼ100%の狂犬病ウイルスというのもあります。

細菌やウイルスを含めた微生物は、空気中や水の中、土の中に無数に存在していますが、人間にとって必ずしも悪い存在ではありません。それどころか、人間の皮膚の上や体の中にもたくさん存在していて、悪い菌から守ってくれたり、消化を助けてくれています。私たち人間も微生物と共存することで生きているのです。

微生物は食べ物の発酵や腐敗にも関係しています。ところで、発酵と腐敗はどう違うのでしょうか。どちらも微生物の力で物質が変化する現象ですが、人間にとって有益(おいしくなる、長持ちする)なら発酵ですし、有害(毒になる)なら腐敗ということになります。

有益な微生物の例として、味噌、醤油、カツオ節、納豆、漬物などがあります。これらは微生物の力で食べ物をおいしくしたり、保存性を高めたりしています。皆さんが朝食で食べるヨーグルトやパンなども、微生物の力を借りて作られているのです。また、水道の水からカビ臭さを取り除いておいしく飲むことができるのも、高度浄水処理という方法の中で、微生物が有機物やアンモニアを分解しているからです。

私たちは微生物を直接見ることはほとんどできませんが、私たちの生活に深く関わっています。皆さんも身の回りにある微生物の存在を探してみませんか。