今年も全国各地で夏の高校野球全国大会の予選が各地方で行われています。夏の全国大会は、この夏ちょうど100回目の大会になるそうです。
私は、特にスポーツを積極的にするタイプではなかったのですが、忘れられない試合があります。学生時代たまたま高校野球の決勝戦をテレビで見ていました。全国4000校以上が参加し残った勝ち残った2校です。
この年は、熊本県の熊本工業高校と愛媛県の松山商業高校の試合。私の出身地が愛媛の松山ということもあり何となくですが松山商を応援していました。
途中の試合経過は覚えていませんが3-2松山商リードで9回裏2アウト。あと一人抑えたら松山商が勝ちという場面で、「松山商の勝ちだな」とほとんどの人が思っていました。
ここで出てきた熊本工の1年生がホームランを打って同点になり、延長戦に入ります。そのとき熊本工はすでに勝ったかのような盛り上がり。逆に全国優勝まであと一歩まで来ていた松山商はしょんぼりした形で延長戦に入りました。
延長10回、先攻の松山商は無得点。後攻の熊本工は勢いがありました。1点取れば優勝という場面で、ワンアウト満塁の場面まで作ります。ここでヒットを打ったらもちろんサヨナラ勝ち、ファウボールや外野にボールが飛んでも、タッチアップというルールでランナーは守備がボールを取った瞬間から走っていいので、これもサヨナラ勝ち。松山商は絶体絶命のピンチです。
このとき、少し間があって松山商の監督が外野の守備を交代しました。出てきたのは地方大会からずっと控えだった矢野選手。ほぼ熊本工が勝つだろうという場面で、守備を変えたところから奇跡が始まります。
そのあとすぐのプレーで、バッターはしっかり外野まで打ちます。飛距離十分のボールが飛んだのは、変わったばかりの矢野選手のところへ。このときのテレビの実況の方は
「いった~。これは文句なし!」
誰もがタッチアップ成功で試合終了、熊本工の勝ちだと思いました。そこから矢野選手は、ボールを取って、そのままバックホーム。山なりのボールがキャッチャーのグローブの構えたところへ。と同時にサヨナラのランナーが滑り込む。会場が一瞬静まり返ります。
「アウトー!!!」
このとき鳥肌が立ったことは忘れられません。今度は、熊本工が負けたかのように静まり、松山商は勝ったかのように大盛り上がり。結果は、そのまま勢いづいた松山商が全国優勝しました。
それから何年かあとに「奇跡のバックホーム」の主役である矢野選手がテレビに出ていました。練習のときからどうしてもミスが多く、返球もバラバラだったそうです。当時、松山商が守備練習の最後に行っていた守備順にノックを受けて返球する「ノーエラーノック」のときも、みんながミスなくつないでも最後のライトの自分の場面でミスをして、ノックが最初からやり直しになることが続いたそうです。このプレッシャーから、何度も返球練習を積み重ねたそうです。チームのベンチには
「千日の鍛錬、一瞬の業」
という言葉が書かれています。
今、取り組んでいることがいつ成果として出るのか。目の前にある一問を挑んだ向こう側に何があるのか。
そんなことって、なかなか分かるようで、なかなか分かるものではないですよね。だからこそ、この夏です。本気で挑んだ一問が未来の自分につながることを信じて。
さあ、思いっきり2018年の夏を、自分の記憶と記録に残る夏にしよう。


西日本の豪雨災害に被災された方へ、心よりお見舞いを申し上げます。
皆さんは、「3人のレンガ職人」というイソップ童話を知っていますか?
世界3大○○という言葉を聴いたことはありますか。
この間新学期が始まったと思ったら、もう6月も終わります。1学期は学校でも能開でも、まだ習ったことないことに向かったり、今までしたことのないほどのたくさんの課題を出されたり、大変な思いをしながら勉強に向かっている人も多いでしょう。そして苦しい中で、こんな疑問が浮かんでくることがあるかもしれません。
みなさんの中には「覚えるのが苦手」という人が結構いるかもしれません。
現在、シアトル・マリナーズ会長付特別補佐になっているイチロー選手が、自身が大会会長を勤める少年野球大会の閉会式に出席した際、少年たちにメッセージとして『自分は人の2倍も3倍も、頑張っているということは全くありません。「人と比較」するのではなく、自分が限界だと感じた時に、あと少しだけ頑張るということを続けてきたから、今の自分があります。自分の中で、ちょっとだけ頑張るということを続けていくと、将来、思ってもいなかった自分になっていると思います。』と語っています。
6月に入りました。
五感――視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚。この中でみなさんは日常、どれをよく使っていますか? 情報収集、ゲーム、勉強などを例に考えると、スマホやネットを見る、音楽や英語を聴く、でかなりの比重で目と耳を酷使していることでしょう。今日は日頃あまり意識されない「嗅覚」について考えてみましょう。
読書会もあるので、読書のことを少し話したいと思います。