暑かった夏も終わり、ようやく秋らしくなってきましたね。秋は夏のように暑すぎず、冬のように寒すぎず、何をするにも集中 して取り組むことができますね。秋といえば、運動会。ほとんどの小中学校は、もう終わったのではないかと思いますが、どうだったでしょうか。中には、嬉し さのあまり、つい「ガッツポーズ」をした人もいるのではないでしょうか。

ところで、この「ガッツポーズ」という言葉、英語の辞書に載っていません。野球のナイターやテレビ業界で使われているゴールデンタイムなどと同じ和製英語 なのです。初めて言葉として使用されたのは、あるボーリング雑誌のコーナーの名前がその語源で、その特集コーナーでストライクを取った時のポーズをそう呼 んだとされています。

そして、それを世間に広く知らしめたのは、今は楽しいキャラでTV出演しているガッツ石松さん。昔は、ボクサーでした。今から36年前、WBC世界ライト 級タイトルマッチにて、チャンピオンのゴンザレス選手に鮮やかな8ラウンドKO勝ちで、念願の世界タイトルを獲得しました。コーナーポストに登って喜びを あらわにしている姿を、当時の新聞記者が「ガッツポーズ」と命名したそうです。

ボクシングの世界で、ライト級という階級はヘビー級に次ぐ歴史の古い階級。成人男性の平均体重に最も近い階級であることから、「世界的に最も選手層が厚い 階級」と言われており、石松選手が世界タイトルを獲得するまでは、日本人はおろか東洋人の誰ひとりとしてチャンピオンになっていませんでした。又、来日し たチャンピオンのゴンザレス選手は、2連続KO防衛中であり、今まで42戦のキャリアの中で11敗もしている石松選手に対する期待は皆無に近かったので す。
圧倒的不利が予想される中、石松選手は、自分の代名詞とも言われる「幻の右」で世界を制したのです。コーナーポストによじ登り、大喜びをしている石松選手。その姿が、「ガッツポーズ」と命名した記者の心に響いたのではないかと思います。

プロ野球やサッカーなどのスポーツの世界で、おなじみのガッツポーズ。喜びの表現方法のひとつとして、誰でも知っている言葉になっています。中には、見苦 しいまでの派手なパフォーマンスもありますが、自分に対して『やった!』という気持ちを素直に表現して自然に出てしまうガッツポーズは見ていてかっこいい ですよね。スポーツの世界だけでなく勉強に対しても同じです。来春入試を控えた受験生のみなさん、合格発表の日、かっこいいガッツポーズが自然に出てくる よう残された時間を悔いのないよう頑張っていきましょう。

私が最初に外国に出かけたのは1987年の夏。皆さんがまだ生まれていない頃のこと。その1年前、世界を震撼させソビエト連邦崩壊の一因ともなったチェルノブイリ原発事故でヨーロッパ、特にドイツの環境保護運動はどうなっているのだろう、という思いをもっての訪問でした。単身での海外旅行であり、ドイツ語どころか英語も満足にできなかったので、親友は心配して「その英語力では通用しないからやめとけ」とまで言われましたが、出かけることにしました。何故なら、やはり自分の目と耳で確かめたかったからです。

 最初の滞在先であるベルリンでドイツ人だけの集まりに出たときは、流石に萎縮してしまい、うまく交流できませんでした。特にヒヤリングが全然ダメ。それでも日を重ねるうちに英語を使うことに慣れてきて、時間と共に私の耳が英語耳になり、やがて夢の中でも英語で話すようになりました。
 半月ほどたった頃、北部の海岸の町に風力発電を見に行った際、海岸で一人の男の子と知り合いになりました。高校に通っており外国語は英語を選択しているというので、案内をお願いしました。風力発電は町の人がお金を出し合い、酪農家が土地を提供して実現したことを知りました。御礼に彼の兄さんが経営するレストランで夕食をご馳走しながら、あることを質問しました。あと10年ばかり経つと21世紀になるが次の世紀はどんな時代になると思うか、私はグローバルな時代になって世界はもっと人とモノが頻繁に行き交う社会が登場すると思うけど、君はどう思うか、と尋ねました。すると意外な反応でした。
 彼が言うには、それがどうしてそんな大変なのかわからない。自分達は小さな時から、外国へよく旅行し、友人も既に何カ国にもいるので、21世紀になったからといって特別な変化はないと思う、そんなことより、どうしたらトルコを始め外国から来た人たちとうまく暮らしていけるか、そのことが、この町にとって大きな課題だと思うと言いながら、使い古されたIDカードを見せてくれました。この夜、自分がいかに島国育ちであるかということを知りました。この町の格安チケットショップには、世界旅行のツアーが案内されていましたが、中国や韓国はあっても日本はありませんでした。店員に尋ねると「韓国までは陸続きだから格安な鉄道でいけるけど、日本には行けない」との答えでした。

 あれから23年たった。私のドイツ旅行から3年目にベルリンの壁は崩れソビエト連邦も無くなりEUが登場し、東ドイツ出身の女性政治家が統一ドイツの首相となって舵をきっている。失業率が高止まりする中、外国人排斥事件は後を絶たずネオナチと呼ばれる若者の増加も心配されている。一方で、既に電力のうち風力を含む再生可能エネルギーの占める割合は12%にも達し世界のトップクラスを走っている。あの日、海岸であった高校生は今、何処にいて何をしているだろうか?ドイツにとって一番の課題といった多文化(民族)共生について、どんな勉強をしているだろうか?国籍や民族の違う人々との間にどんな橋をかけているのだろうか。またドイツへ行く機会があったら、あの町を再び訪ねてみたいものだ。

 貴方なら外国の人に英語で「今、世界が共有する問題は何ですか?」と声をかけられたら、何と応えますか?英語力も必要ですが、それ以上に世界へのまなざしも必要ですよ。それと、外国語を口にする勇気(言う気)も必要。

今から話すことは、先生が自分自身にも言いつもいい聞かせることなんです。
先生だから何でもできるわけではないし、強いわけでもありません。
人間ですから、つらい時も、逃げたい時もあります。
でも、だからこそ人間なんです。
そんなつもりで聞いてください。

人は心に『天使と悪魔を抱いています。』
よく目標を立てよとか、ここまで頑張れとかいいます。先生もそんな話しをよくします。
でもできる人とできない人が、今はいます。
ではできる人と、できない人の差は何なのか考えてみたことはありますか?
能力だという人がいますが、そうではありません。

できない理由の多くは、時間がないとか、いまは必要でないとか、そんな言い訳をして自分を正当化しようとしている自分がいるのです。そうです。自分の中の悪魔がささやくのです。
『大丈夫だよ、お前だけではない。皆やれていないんだ。』と・・・。
その悪魔のささやきに自分自身を納得させることになるのです。

しかし、やりきる人は、悪魔のささやきの中で、天使の言葉が聞こえてくるのです。
『今やらなければどうする。それを成しえることが将来のお前にとって大切なんだ。』と・・・。
その言葉に奮起します。

要は、成すか、成さぬかは、自分の心の悪魔と天使のささやきから始まるのです。
よく心の葛藤といいますが、心の葛藤とは、このささやきをいうのですね。
みなさんは、悪魔とささやきと、天使のささやきのどちらを多く聞きますか?

何かを成せる人も悪魔のささやきがあるのですが、その時に『初心にかえったり、ライバルの頑張りを思い出したりしながら、悪魔のささやきを天使のささやきに変えているのです。

『成せば成る。成さねば成らぬ。成らぬは人の成さぬなりけり。』
この言葉はよくそれをあらわした言葉だといえるでしょう。

宿題をしている時によく『天使と悪魔』が会話しませんか?

二学期、運動会、などの行事で大変です。その時にこの話を思い出し、『成せば成る』と思いながら、悪魔のささやきに負けないように頑張って欲しいと思います。

みなさん、夏講習会はいかがでしたか。
思いっきり勉強をしましたか。
思いっきりの勉強を楽しみましたか。

皆さんは「同じ勉強をするなら効率がよい方がよい」と思ったことはありませんか。
ほとんどの人がそう思ったことがあるでしょう。
では、「効率のよい勉強ってどんな勉強だと考えますか」と聞かれるとどうでしょう。
その答えの中で一番多いのは「短時間(期間)で成績の上がる勉強」というものなのですが、「効率のよい勉強」とは本当はそうではありません。

「勉強の効率」とは、実は勉強するときの気持ちの持ち方にあります。
どんなことでもそうですが、後ろ向きな気持ちで行動しても、決して力にはなりません。
常に前向きな気持ちで取り組むこと、楽しく勉強に取り組むこと。これに勝る効率はありません。

要は気持ちの持ち方の問題なのです。
何かを成し遂げるためには、たくさんの努力を・一生懸命に努力をする必要があります。
しかし、その努力を楽しめるかどうかは、みなさんの気持ちの持ち方次第です。

講習会や合宿では思いっきり勉強しましたか。
思いっきりの勉強を楽しみましたか。
講習会や合宿では一生懸命勉強しましたか。
一生懸命勉強することを体全体で楽しみましたか。

中途半端にやっている人の元には勉強の面白さ・楽しさやってきません。
真剣に取り組んでいる人の心の中に、勉強の面白さ・楽しさが生まれてくるのです。

さぁ、2学期も思いっきりの勉強を力一杯楽しみましょう!!

最近はよくテレビの深夜番組でダイエット製品のテレビショッピングをしているよね。
君たちは育ちざかりだからダイエットなんてしなくてもいいんだけど・・・。
欧米では、肥満=自己管理ができない人っていう考え方もされるのよ。
最近では病院でもメタボ検診があったりしてね・・・「メタボ」って響きも嫌だよね。

「ダイエット」ってね、大切なのは「意思」と「継続力」なんです。

まず「意志」。ちょっと「身体が重いかな、スカートがきつくなっちゃった!」というくらいではダイエットはできない。すぐにお菓子の誘惑に負けてしまうか らね。 「う〜ん、今日だけはOK! 明日からダイエットしよう!」てな具合に。でも、お医者さまから「このままでは健康上危険です。ダイエットしないと 死にますよ。」とから言われたら、誰でも本気でダイエットするよね。
どれだけ切実な動機があるかってことですよ。

また、ダイエットのためにどんな高い器具を買っても、ダイエット食品を買っても、続けないと結果は出ないよね。3日間か絶食をしたら、体重を落とせるかも しれないけれど、それは健康的にもよくないし、リバウンドが待っているだけ。健康的にダイエットしようと思ったら、時間がかかる。1週間や2週間くらいの 食事制限や運動の努力では効果は出ない。ダイエットをはじめても1ヶ月や2ヶ月は結果は出ないものです。その結果がでない時期にも努力を継続することがで きるかどうかが「成功の鍵」なんだよね。3ヶ月くらい地道に努力しているとやっと少しずつ体重が落ち始める。3ヶ月って結構長いよね。この3ヶ月間がガマ ンできない人があまりにも多いのよ。深夜番組で連日連夜ダイエット特集しているということはそれだけダイエットしたいけれど、できない人が多いってことに 表れですよ。

毎日体重計に乗るけど、1グラムも動かない日が続くわけ・・・。たまには減らないどころか増えたりしてね。辛いよね。夜食や間食やお菓子をガマンしている のに効果がでない。自暴自棄になりたくもなる。今の努力が無駄なんじゃあないかとも思う。
それでもがんばっていると、3ヶ月くらい過ぎたある日、体重が落ち始める。ここまでがんばれたらしめたもの。体重計にのるたびに体重が減っているから、う れしい。成果が数字で表れるから頑張れるよね。このころになると、「痩せた?」なんて他人からも言われるようになる。ダイエットの好循環が始まるってわ け。

成績も同じだよね。頑張り始めて2〜3ヶ月は結果がでない。今までの努力は無駄だったのかとあきらめてしまう人も多い。夏にがんばった結果はまだ出ない よ。そうね、この頑張りを継続して、第2回のオープンに結果が出せらいいなって先生たちは思ってます。いくら夏にがんばってもここでプッツリ努力すること をやめたら、結果は出ないよ。

ところで話しは180度変わるけれど、体脂肪って知ってる?
身体の中に蓄えている脂肪のこと。
体脂肪率が高いってことは健康上ではもちろんいいことではないんだけれどね。
でも、もし天災がおこって食料の供給源を絶たれたら、体脂肪率の低い人と高い人とを比べたら科学的には体脂肪が高い人の方が生き延びる可能性が高いってこと。
ダイエットには逆行するけれど、この体脂肪を増やすにはどうしたらいいと思う?
お腹がいっぱいのときに、あと少し、あと少しってがんばって食べたら体脂肪っているのは増えるのよ。
(ダイエットの場合は逆。空腹感を感じないときに は絶対に食べない。お腹がすいてから食べる、これがダイエットの極意!)

じゃあ、勉強における体脂肪を増やすにはどうしたらいいと思う?
もうダメだ!と思ったときにもうひと頑張りするんです。それが血となり肉となるんですよ。だからこの夏、自己新記録を求めて勉強したことが必ず勉強の体脂 肪として貯まってきています。このもう少し!もう少し!の努力を少なくてもあと2ヶ月続けてみて! あと2ヶ月続けることができたら、それはもう習慣にな るからね、そうなれば必ず成績は上がります。

大切なのは、しっかりとした意思(動機)を持つこと。
結果は必ずついてくるから、結果が出なくても当たり前と思って最低3ヶ月は、あともう少し!あともう少しを続けていくことですね。

夏も後半に入りました。ニュースでは各地の猛暑が伝えられていましたね。
これがあと半年続いたらどうする?何かやる気が下がっていくよね。
もうすぐ涼しくなるだろうと思うから、暑さもガマンしようという気になれるね。

今日の中国地方の最高気温は34℃です。
ところで、世界の有名な都市はどうなのでしょう?
アメリカのニューヨークは最高気温32℃。結構高いね。
中国の北京は30℃。韓国のソウルは31℃。そんなに日本と変わらないね。
ではこのような都市の冬はどうかというと・・・そう、日本よりもうんと寒いんです。
このあたりでは冬に雪が積もるのは珍しいけれども、雪が道路に積もっているのは当たり前です。クリスマスにはツリーが埋まるぐらい雪が降ります。
こう見てみると、夏暑くて冬とても寒い、そういうところが大都市には多いんだね。

これには色んな理由があるけど、大きな理由の1つは、「人々が次の季節に備えて早めの準備をする」ということです。
服も買わないといけないし、食べ物も保存しておかなければいけませんね。暖房や家の修理もしておかなければいけないでしょうし、車のタイヤも替えないといけない。そこに物や人の流れが生まれて都市がだんだんと発展していくのです。つまり、暑さと寒さの両方があることは、人間にとっては良いことなのですね。
ずっと春や秋では気持ちが緩んで、明日でいいや明後日やろうとなってしまい、結局自分のためにはならない。もうすぐ寒い冬がやってくる、もうすぐあの猛暑がやってくると思えるから、できなくなる前に今やっておこうという気持ちになれるのですね。
良かったね、暑くて。冬がもっと寒ければいいのにね。

さぁ、今日から予習の講習会に入ります。これは冬の自分に向けた準備ですよ。
寒い冬の中で、「あれがないこれがない」や、「ここを覚えていなかった」、「分かっていなかった」と困らなくていいように、しっかりと学んでおきましょう。
そしてノートをきちんと作って、冬に見直せるようにしておきましょう。
今日の努力が未来の自分を作る。未来につながる1日にしていきましょう。

ある日の出来事です。
 耳をすませると
 「お〜い!さとし君、君に素敵なプレゼントをあげよう」
 「なんだ??? 何をくれるの???」
 「君に毎日86400円をあげよう」
 「ほんとに???」
 「ただし、ルールがあるからね、よく聞いておいてね」

 ルールとは以下のようなものでした。
 ①毎朝目覚めた時に現金86400円を枕元に置いてある。
 ②貯金は出来ない。
 ③使い道を人に相談してはいけない。
 ④使い切れない現金は寝ると同時に消える。

 ルールを伝えると天井付近から聞こえてくる声は消えました。さとし君は枕元に86400円があることに気付きました。
 そこでさとし君は早速、まずは自分の欲しいものを頭に浮かべてノートに書き出しました。
 ゲーム機・図鑑・おもちゃ・お菓子・洋服・靴・野球道具などなど、午前中に書き出して午後からすべての物を買いにいきました。そしてすべてを使い切り、満足して自宅に帰りました。そして買い物に疲れ、その日はぐっすり眠りにつきました。
 そして、翌日にまた目が覚めるとやはり86400円が枕元にありました。またさとし君は午前中にノートを取り出して、どうしようかと考えました。そして昨日は自分の欲しいものをたくさん買ったから今日はいつもの感謝を込めてお父さんとお母さんが喜びそうなものを買おうと決めました。
 お母さんに ・花束・ケーキ・エプロンなどなど
 お父さんに ・ゴルフ用品・ネクタイ・お酒などなど
 色々と普段、お父さんとお母さんが欲しいと言っているものを必死で考えたものを、また午後から買いに行き、自宅に帰って事情を説明しプレゼントをしました。
 お父さんとお母さんは自分の物ではなく、お父さんとお母さんのために、そのお金を使ってくれたことを非常に喜びました。そして満足顔で布団に入りました。

 以上のような話を聞いて皆さんはどのように思う???
 うらやましい???  自分なら何に使う???
 毎日、86400円もの大金が使い切らないと消えるから皆さんも必死で考えるよね???

 実はこの話は、皆さんも毎日生きていく上で、必ずもらっているものなのだよ。
 それは時間です。

 1日は24時間 1時間は60分 1分は60秒ということで
 1日=24(時間)×60(分)×60(秒)=86400秒

 お金ならばさとし君のように必死で考えて、自分の欲しいものやお母さんやお父さんのために使って喜ばせたよね!?皆さんも考えたよね。
 時間も同様に、皆さんにはこの夏休みで自分のために、家族のために目いっぱい考えて大切に使って欲しい。

・講習会で思い切り勉強をして、家で最高のノートを作る日
・お風呂掃除や靴磨きなど、家族を喜ばせる日
・友達とプールに行き、思い切り楽しむ日

 などなど、勉強や手伝いや遊びを思い切りする夏休みにしよう! ただ何となくテレビを見ている、ただ何となくごろごろという時間も思い切りがんばる時間も同じ時間なので、使い方をしっかり考えて残り30日の夏休みを過ごしましょう!

◆先日、カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングという会社が、2012年3月から社内の公用語を英語にするという方針を発表しました。日本だけでなく地球的な規模で商売をするためには、どうしても「英語」が必要であるとの判断によるものです。具体的には、社内での会議や文書は基本的に英語を使い、社員は、TOEIC(国際英語能力テスト)で700点以上の英語力が求められます。

◆英語を使う会社の 登場はつい最近のことではありません。1950年に東京の下町墨田区に誕生して、今や世界を相手に商売をしているスミダコーポレーションというか会社は、2002年に「英語を共通語」にして世界17国36営業所に2万人の職員が働いています。社員は互いの名前をニックネームで呼び合っているそうです。役員10人のうち5人が外国人です。最初は「大変な時代になったものだ!」と社員も(君たちも)思ったでしょうが、世界的な規模で人や物が交流するグローバルな時代には必要なことなのかもしれません。

◆君たちに身近な「大学」もグローバル化しています。例えば、大分県の別府にある立命館アジア太平洋大学(APU)という大学は、2000年に創立された大学です。先日、ティエラの先生たちも見学に行ってきました。見学した先生たちの感想は、「素晴らしい大学だ。これからの教育のあり方を考えさせられた」「おしゃべりな学生たちが印象的でした」です。APなの学生はどうしておしゃべりなのか。

◆APUでは世界97国の留学生が学んでいます。主にアジア20か国、中国、アフリカ、オセアニアや南米諸国などの学生が半分。日本国内の学生が半分。英語や日本語やスペイン語や中国語、まさに多国籍大学です。肌の色も文化も言葉も習慣も違う人たちが、ごっちゃまぜに毎日生活を共にする環境の中、恥ずかしがったりしてはダメ。積極的に会話を重ねないといけません。物おじしないで会話する。おしゃべりは積極性の表れなのですね。

◆秋田県には国際教養大学(AIU)という大学が2004年にできました。これからの時代は国際教養が必要という大学創立の考え方も面白いです。こちらは22か国の留学生を受けて入れ、すべての授業が英語で行われ一年間の留学が必修となっています。まさに「英語で学ぶ」大学です。

◆そうそう。「農業」や「サービス」もグローバル化の波が押し寄せています。「日本は世界5位の農業大国」という本を読みましたが、その中にはその事例がいくつも紹介されています。「日本の農作物は世界一です」と語る、和郷園という農業組合の代表者である木内さんは、タイでマンゴーやバナナを作り始めました。また、アメリカに渡った田牧さんは「タマキ・ライス」をアメリカに知らしめた人です。日本の優れた工業製品が世界中に広まり「Made in Japan」(日本製)として日本の信頼を高めたように、これからは日本人の手によって作られた農作物が、「Made by Japanese」(日本人産)として世界に信頼を得るのかもしれません。

◆石川県の老舗旅館「加賀屋」は、日本の「おもてなし」のサービスを台湾に設立するホテルに取り入れて世界に進出しようとしています。君たちが知っている宅急便の会社ヤマト運輸や、化粧品の資生堂も、中国で「日本流の決め細やかなサービス」を展開しようとしています。日本の知恵が果たして世界で通用するか、これから先も目が離せません。できれば、地球に暮らす一員として世界の国とつながり、日本人が日本の持ち味を発揮して人類の幸せに貢献したいですね。

◆「鬼に金棒」ということわざがあります。それを手に入れることによって、強いものがますます強くなることを例えた言葉ですが、グローバルな時代には「鬼に金棒」が必要かもしれません。鬼が「君たち」だとすれば、「英語」は金棒です。君たちにとって得意な日本語のほかに「英語」を身につける。英語でなくても中国語でもスペイン語でもかまわない。それは語学でなくても、パソコンの操作技術でも何でもよいのです。つまり、得意なことをもう一つ持つことが必要な時代なのかもしれません。

◆グローバルな時代に必要な力として次のようなことが思い浮かびます。
<1.学力 2.語学力 3.恥ずかしがらないで人前で自分の考えを話す力 4.リーダーシップ力 5.コミュニケーション力 6.精神的、肉体的なタフさ 7.健康 8.日本についての豊富な知識 9.自分を大切にして他者を敬う力>
将来、世界を駆け回る君たちには二つのことが求められています。まず、自分自身が強い人間(鬼)になること、そして人生を切り拓く味方となる技術(金棒)を身につけること。これこそが本物の「鬼に金棒」です。

いよいよ大切な夏休みがやってきました。
それぞれが大きな目標を掲げ、様々な学習計画を立てていることでしょう。

君たちは夏期講習会や夏合宿に参加することで何を目指しているのでしょうか。
例えば、「自分の」成績を上げるため、「自分が」志望校に合格する力をつけるため、「自分が」精神的にも肉体的にも一回り大きく成長するため、などがあるでしょうか。

確かに、君たちは誰のためでもなく、「自分のため」に、「自分の未来のため」にと思って、色々なことに挑戦し、日々がんばっているのでしょう。しかし、君たちがまっすぐな気持ちでがんばる姿は、もっと大きな力を持っています。

君たちが良い成績を取ったり、志望校合格を勝ち取ったりしてくれたとき、確かに先生たちはうれしく思います。でもそれは、成績を上げたい、合格したい、そんな強い思いを持ってひたむきにがんばっている姿を見ていたからこそ湧いてくる喜びです。たいして努力もしていないのに、単に成績だけ良くても、先生たちは何も感動しません。

君たちの家族も同じ気持ちだと思います。
今、君たちの家族を頭の中に思い浮かべてみてください。どんな顔が思い浮かびましたか。怒っている顔ですか。悲しんでいる顔ですか。どうせなら幸せな笑顔でいてもらいたいですね。君たちが嫌な勉強から逃げ出さずに、熱心に宿題に取り組んでいる姿は、身近な家族の人にも大きな感動を与えます。

君たちが趣味や娯楽に目もくれず、ひたすら机に立ち向かっている姿を家族が見れば、どんなに辛いことがあったとしても、家族は、幸せな気持ちの中にいることができます。君たちのがんばりは、そんな大きな力を秘めているのです。少なくとも先生たちは、君たちが時間をかけ苦労して作り上げてくれたノートを見るだけで、幸せな気持ちになることができます。

大切な夏休み。
夏期講習会の期間中は、勉強に全身全霊を傾けている姿を家族に見てもらいましょう。夏の合宿から帰ってきた時には、大きくたくましくなった姿を見てもらいましょう。いつも君たちの身近にいて、応援してくれる大切な家族や友人たちに、幸せな気持ちになってもらう、そんな小さな「幸せの輪」を、この夏、君たち一人ひとりが広げていってくれればうれしく思います。

【鶏口牛後 〜鶏口となるも牛後となることなかれ〜】

<意味>大きな集団の尻についているより小さな集団のトップになったほうが良い。
鶏口→鶏の口;鶏は小さいことのたとえであり、口は先頭(トップ)のこと
牛後→牛の尻尾;牛は大きいことのたとえであり、後は後方(ビリ)のこと

今日は鶏口牛後をいう言葉の意味を知った上で、『この時期、鶏口牛後になるな!』です。
※この時期;夏(講習会や合宿)を目前に控えたこの瞬間。

鶏口牛後を「受験」に置き換えてみると・・・

「たとえ第一志望校(牛)に合格して、下位(後)でついていくより、第二志望校(鶏)で上位(口)をとったほうが良い。」ということになりますね。

これをこの時期に考えてはいけないということ。
まず大前提として、自分が行きたい中学・高校が第一志望校であるということを忘れてはいけません。しかし、今の学力(中3生ならⅠ期の通知表がでるこの時期)を自分で勝手に判断して、いけそうな高校(合格できそうな高校)がいつのまにか第一志望校にしていませんか?本当にそこが第一志望校ですか?と問いたい。

次に、中学・高校に合格してそこでついていけるかどうかは、これからの自分の行動で決まるということ。
次のステップに上がる前に、必ず時間ができる。その時間を有効活用した人が高校でも上位でがんばれる人。世間一般的に言われるのが『高校1年生の春が受験の天王山』。
もちろん、中学受験終了時も。

また、この夏を前にしたこの時期に、受験校のランクを下げるのは自分の可能性を否定しているということ。受験生にとってはこの夏は最大の山場であり正念場。ここでの取り組み方で、秋以降の学力アップは変わってきます。この夏に「勉強体力」と「勉強の仕方(基本フォーム)」を再度身につけることが重要です。

それと第二志望校で本当にトップになれる子は、最後まで第一志望校を目指した人だけ。努力をし続けた人だけ。です。

最後に、この夏はスタートしたばかり。自分の可能性を信じ、最大限の努力をしてください。必ずこの夏の努力は君たちの力となります。