200225

先日、部屋の掃除をしていると、机の中から昔使っていた壊れた万年筆が出てきました。十数年前にあやまって落としてしまい、ペン軸が折れ、ペンの先が曲がってしまい書けなくなったのです。せっかくなので修理に出そうと思ったのですが出す場所がわからず、結局、自分で修理しました。

まず、ぬるま湯で本体と中の固まったインクを丁寧に洗い、ペン軸を瞬間接着剤で固定し、インクが漏れないようにUVレジンというもので隙間を埋め、新しいペン先をつけて完成しました。

万年筆を使い始めたきっかけは、父親が何かの景品でもらったかっこいいボールペンをくれたのです。それがきっかけでボールペンだけではなく筆記用具全般に興味を持ち始め、万年筆に出会ったのです。

そのペン先のきれいなこと、そして、周りの人が使っていないことで満足していたのですが、使い始めて癖があることが判明しました。まず、インクが出てこないのです。これは、「初めて使う」からこその出来事。ペンの先にインクが浸透するまでかけないのです。また、方向を同じにしないとかけない。ほかの筆記用具と違って金属板を矢尻状に切ってそこに切れ目を入れたペンの先にインクを流し込んで使うので方向を一定にしないとインクが流れずかけないのです。その時、試行錯誤の末、何とか違和感なく使えるようになったのを覚えています。

 

万年筆は「書く人に馴染む」と言われています。毎日使うことで自分の手に馴染んでくるそうです。どのくらいで馴染むかは使用頻度と個人差があります。一週間ほどで違和感なく使えるという方もいらっしゃいますし、数年使ってじっくりペンを育てていくという方もいらっしゃいます。どちらにしろ、使えば使うほど自分に馴染んでくる筆記用具です。

新しい環境や、新しい生活が始まっています。今は慣れないかもしれませんが、過ごしていくうちに自分にあった新しい世界が開けていくかもしれませんね。