勉強に疲れたら、甘いものが欲しくなりませんか?
ドーナツとコーヒー。
ちょっとした休憩には最高の組み合わせですよね。
でも、数学のある分野を研究している人にはドーナツとコーヒーカップの見分けがつかないんです。
「え? そんなばかな」と思いますよね。
先生もそう思います。
けれど、実際“トポロジー”という数学の分野では、細かい形の違いにはとらわれず「ちぎらず、くっつけず、変形しても変わらない」ものは同じものだと考えます。

つまりドーナツには真ん中に穴がひとつ。
コーヒーカップにも、取っ手の部分に穴がひとつ。
だからどちらも“穴がひとつの形”で同じと思うことができるのです。
ドーナツをぐにゃぐにゃに伸ばして取っ手をつければ、理論上はコーヒーカップになる。

このような物の見方は知らないとなかなかできませんよね。
ドーナツとコーヒーをみて「おいしそう」で終わっていたものが知識を得ることで、世界の見え方が変わります。
ただのドーナツが、数学の世界では立派な研究対象になる。
コーヒーカップを見て「おいしそう」だけじゃなく、「穴の数が同じだな」と思える。
それは、学んだからこそ見える景色なんです。

勉強するということはなにも「テストのため」や「点数のため」だけにするものではなくて、世界を“もっと深く見る力”を育てるものなのです。
学ぶことで、当たり前だったものが面白くなり、退屈だったことに意味が見えてきます。

新しいことを学ぶということは自分の知識の外側に出ていくことです。
それは旅行で初めて訪れた場所で見る物に驚いたり、感動したりすることに似ています。
行ったことのない所を旅行するように学ぶことを愉しんでみませんか。