RPG(ロールプレイングゲーム)をやったことがある人ならHPやMPという概念は理解しているかと思います。
一応、やったことがない人のために説明すると、
HP(ヒットポイント)とは体力のことで、HPが0になるとそのキャラは死んでしまいます。
MP(マジックポイント)とは気力のことで、MPが0になると魔法が使えなくなります。

実はゲームの世界だけでなく、私たちが生きる現実世界にも、目には見えませんがHPとMPが存在しています。
体育の時間や部活動で激しく運動すればHPは減りますし、重い病気や大きなケガでHPが0になれば死んでしまいます。
ではMPの方はどうでしょうか?
さすがに現実世界で魔法は使えませんが、私たちは生活の中で「意思の力」を消費しています。
「今日、何を着ていくか?」「朝、何を食べるか?」「何時から宿題をするか?」などなど、1日の中で数多くの決断を下していて、その決断を行うために「意思の力」を使っているのです。
習慣化されていることは、MPをほとんど使わずに活動できるのですが、習慣化されていないことを新しく実行しようとすると、大きくMPを消費します。
そして、人間にはMPを大きく消費することを避ける傾向があります。いわゆる「めんどくさい」という状態です。

「良い習慣を身につけたければ、それを開始するための時間を20秒短くする。」
「悪い習慣をなくしたければ、それを開始するための時間を20秒長くする。」

これらは「20秒ルール」と呼ばれています。
つまり、MPの消費を減らすことによって習慣化を促し、反対にMPの消費を増やすことによって習慣化を防ぐということです。
たとえば、「参考書を使って勉強すること」を習慣化したいと思っていても、
勉強中に参考書が近くになくて、本棚まで取りに行く必要があると、それが面倒くさくて、後回しにしてしまう…、なんてことありますよね?
しかし、参考書が勉強机の上に置いてあれば、手に取るまでの時間を20秒ほど短縮でき、それによって参考書を開きやすくなります。
結果的に、習慣化しやすいというわけです。
逆に、「勉強中についスマホを見てしまう」という習慣をやめたいと思ったときは、スマホの電源を切っておいたり、スマホを勉強する部屋とは別の部屋に置いたりすることで、それを開始するための時間を20秒ほど遅くすると「やっぱりやめておこう…」と思いやすくなり、その習慣を避けることができる、というわけです。

習慣化と非習慣化のどちらにも使える方法なので、ぜひ覚えておきましょう!