日本では2008年ごろに販売され始めたスマートフォン、いわゆるスマホは急速な進化と拡がりを見せ、今では世帯保有率が9割を超えています。
これは世界的に言えることで、たった10数年でスマホは我々の生活になくてはならない存在になっています。

その一方で、ブラジルやフィンランドでは小中学生のスマホ使用禁止、アメリカでも一部の州で14歳以下の子供のSNSの使用が禁止されています。
これは心無い大人に騙されたりする危険を避けるためであるとともに、スマホが子どもの成長を妨げる可能性があることがいろいろな研究からわかってきたためです。
今日はスマホの健康被害を紹介し、スマホとの付き合い方を考えてもらう機会にしたいと思います。

【スマホの問題点】
① 依存性が高い
スマホがもたらす新しい情報は私たちに好奇心となるほど、面白いなどの心地よさを与えてくれます。
また手軽にダウンロードできるゲームは我々を飽きさせず、適度な達成感を与えながら、時間を忘れて没頭させていきます。
その快感や達成感には中毒性があるようで、やがて、ちょっとした時間でもスマホを触るようになります。
最近のスマホゲームの多くは3分程度で決着がつくため、すき間時間でも十分、プレイできてしまいます。
またLineやInstagramなどでメッセージを送れば返信を期待して、スマホがどうしても気になります。
スマホがあるだけで注意力が奪われ集中力が低下する原因の一部です。
一方で、次から次へと脳に送られてくる情報に脳は処理速度が追いつきません。
その時、脳は考えることを止めてしまします。
逆に言えば、考えなくても情報を受け取ったり、ゲーム等を楽しんだりはできてしまうのです。
人は、ぼーっとする時間がとても大切です。
意外と良いアイデアはこのぼーっとした時間に生まれることが多いことは、皆さんも経験があると思います。
このボーっとする時間で脳は情報を整理し、必要なものを取り出しやすくしたり、これまでの情報と結び付けてアップデートしたりしているのです。

② 眼への負担
スマホ画面を見過ぎると、目を内側に寄せて長時間見ることになり、寄り目が固定化することでピントが合わなくなるそうです。
いまや世界の3割以上の人が近視になっているという話もあります。
特に若い頃の近視は年を取ってから失明のリスクにまで発展することがあるそうです。
ウィンドウズの生みの親であるビル・ゲイツ氏は強度の近視だったため、自分の子どもには14歳までスマホは持たせず、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは家庭でのデジタルテクノロジーに触れる時間を厳しく制限していたという話は有名です。

人はスマホという便利で人生を豊かにすることができるアイテムを手に入れました。
しかし、その反面、人として生きる大切な時間や、自分らしく生きることの楽しさを手放そうとしているようでなりません。
スマホはあくまでも道具であり、道具に翻弄される人間では不甲斐ないと思いませんか。