あなたは生きています。
これを読んでいるのだから当然です。
では「生きる」とは何でしょうか?

●今ここに存在すること? ⇒ ふでばこや家は生きていませんね?
●動いていること? ⇒ 雲や車は生きていませんね?

この問題は非常に深く、明確な答はおそらくありません。

「生きる」とは、生物学的には【自己再生・刺激への反応・子孫を残す】こととされています。
けがをしたら生命の力で治し、外からの刺激に対応し、次の世代の生命を生み出す、ということです。
車は壊れても自分で直すことはできず、古くなって新たな車を作り出すこともできないので、生きているとは言えないのですね。
※AI搭載のロボットが「自らを直し、新たなロボットを生成する」ことができれば、生命といえるかもしれませんが…

また、哲学的には、「生きる」とは「自己選択と自己形成」とされています。
難しい言葉が出てきましたが、言い換えると

●自分で考えた自分の意思を持つこと
●自分の考えにもとづいて行動すること
●自分に良い変化をもたらすこと

が「生きること」ではないか、ということです。
「悪い点数を望む人」はほぼいません。
なぜ「よい点数を取りたい」と考えるのか?
それは「自らを良くしたい」という本能的な望みがあるからではないでしょうか。
学習においても、習い事においても、『ただやればいい』のではないと思います。
まず『どうなりたいのかを考える』こと、そしてその考えたことに対して『どうすべきか考えて実際に行動する』ことが大切なのです。
そうすれば『自分に良い変化をもたらす』ことにつながっていくことでしょう。

自然界における生命は生まれたら必ず死ぬことが運命づけられています。
何のために生まれ、何のために死ぬのか。これも明確な答はありません。
やがて死ぬのであれば何かをしても意味がないという考え方もありますが、「何もせずにただ生きている」、そういう生き方を望みますか?

自分がどうなりたいか、秋の夜長にふと考えてみてはどうでしょうか。

皆さんアブローラーってわかりますか?
先生は膝コロって呼んでいます。
腹筋トレーニング用品です。
昔は1000円位で売っていました。
最近は2000円位ですかね。
先生も買って使ってみたのですが飽きてしまって最近では放置されています。
以前に筋トレ動画を観ていて感心したのが、ユーチューバーが言っていた
「このアブローラーには100万円の価値がある!」と言い切っていたことでした。
そのユーチューバーは見事な腹筋をしていてバキバキでした。
多分何回も繰り返してやり込んだのでしょう。
毎日使って自分に見返りをくれた存在として100万円の価値、その人にとっては何物にも代えがたい価値になったという意味だと思います。
それぐらい使い込めるものってあるでしょうか?
 
先生にも100万円どころかそれ以上の価値がある本があります。
音読を100回した英語の単語集(Z会の速読英単語)です。
今では使っていないのですがそれでももったいなくて捨てられません。
英文解釈で使った英語リーディング教本という本は同じ本を3回買っているので今使っているのが3代目です。
座右の書として今でも先生の机の上にあります。
他にも高校時代に使っていたたくさん書き込んだ紙辞書もあります。
これらの本はこれからも大切にしたいと思っています。

「繰り返しやることと続けること」が成績を上げるための最大のコツと言えます。
言うことは簡単ですが実際やる方は大変ですよね。
10冊を1回やるより1冊を10回やるつもりで・・と生徒によく言いますが本当は覚えるまでやってほしいということなのです。
覚えるまで本当に何回も繰り返した1冊は100万円以上の価値を持ち、多分君たちが大人になっても勇気を与え続けてくれる存在になると思います。
君たちが頑張ることで1000円や2000円のものが100万円以上の価値になり得ます。
教科書だろうが能開のテキストだろうがどれでもいいのです。
君たちがやることで価値が生まれます。
君たちにはそれだけの価値を生み出す可能性があることを覚えておいてください。

実は先生は、お休みの日は毎日のように「ドラえもん」を見ているんです。
なぜかって?2人の息子がず~っとテレビでドラえもんを流しているからです(笑)。
しかも同じやつを何回も見ます・・・。
おかげで、のび太くんとドラえもんのやり取りは完璧に覚えました。
でも最近、ふと思ったんです。のび太くんが困ったとき、ドラえもんがひみつ道具で助けてくれる。
実は今、私たちの世界にも「ドラえもん」のような存在が現れています。
それが「AI」、つまり人工知能です。

少し前まで、AIは映画の中だけの存在でした。
でも今では、写真を自動で整理してくれたり、翻訳してくれたり、文章を書いたり、絵を描いたりできます。
まさに「ひみつ道具」が現実になった感じです。

ここで大事な話をします。
これからの時代、テストで100点を取ることよりも、AIを上手に使えることの方が重要になるかもしれません。
AIは私たちの「最強の勉強パートナー」になってくれるからです。

数学の問題が分からないとき、AIに聞けば分かりやすく説明してくれます。
英語の作文では、AIが文法をチェックしてくれます。
AIを使えば、勉強がもっと楽しく、効率的になるのです。

でも、注意が必要です。
ドラえもんののび太くんを思い出してください。
ひみつ道具に頼りすぎて困ったことになる話がたくさんありますよね?
AIも同じです。

まず、AIの答えが必ず正しいとは限りません。「本当かな?」と疑問を持つことが大切です。
次に、AIに全部やってもらうと、自分で考える力が弱くなってしまいます。
AIは「手伝ってくれる友達」として使って、最終的には自分の頭で考えることが重要です。

最後に、AIが作った文章や絵を、自分が作ったものとして発表するのはよくありません。
AIを使ったときは、「AIの力を借りました」と正直に言うことが大切です。
実はこの文章も、先生がAIと一緒に作りました。
「小中学生に分かりやすく、AIについて話したい」とお願いしたところ、ドラえもんの例を提案してくれました。
まさに、AIとの上手な付き合い方の実例です。
みなさんもAIに頼ったときは、正直に言いましょうね。

みなさんは夏の合宿に参加しましたか。
先生は中学3年生の『高校受験合宿』に参加しました。
6泊7日という長期間の合宿でしたが、参加したみなさんは本当によくがんばっていたと思いますし、日々成長する姿を見て頼もしく感じました。
そんな能開(ティエラ)の中学生対象の合宿にはいくつか特徴があります。
その中でも、先生が大切だと感じるところを2つ、みなさんに紹介します。

①日程が長い
能開の中学生対象の合宿は基本的に4泊5日以上です。
なぜそんなに長い日程が必要なのか。
それは、短い日程では「本当の自分」を見せることが難しいからです。
人間は3日程度であれば「本当の自分」を抑えて過ごすことができます。
その「本当の自分」を出さずに終わってしまうと、せっかく合宿に行っても「本当の自分」に起こる変化を感じることができません。
6泊7日の高校受験合宿に参加したみなさんも、「お、本気になってきたな」と先生が感じたのは3日目くらいからでした。
もちろん、参加したみなさんは初日から一生懸命取り組んでいたとは思いますが、これが短い日程の合宿だったとしたら、変化を実感できないまま合宿を終えてしまった人もいたことでしょう。
実際に、合宿の感想文を読むと「はじめはついていくだけで精一杯だったけど、最後は勉強することが楽しくなってきた」という内容が多いです。

②班のみんなで協力する
合宿では「班活動」が必ず実施されます。
これは①とも関わってくることですが、自分と同じ境遇に置かれた仲間と「本当の自分」を見せ合うことで、「自分が今まで知らなかった自分」と出会うことができます。
「実はまだまだ頑張れる自分」「実は他の人のことを気にかけてあげられる自分」「勉強する意味に気づく自分」など、そこでは様々な自分に出会えます。
この「自分の知らない自分」は、日常生活ではなかなか気づくことができないものです。

この夏、合宿に参加できなかったみなさんも、来年は「自分の知らない自分」に出会いに行きませんか。

日本では2008年ごろに販売され始めたスマートフォン、いわゆるスマホは急速な進化と拡がりを見せ、今では世帯保有率が9割を超えています。
これは世界的に言えることで、たった10数年でスマホは我々の生活になくてはならない存在になっています。

その一方で、ブラジルやフィンランドでは小中学生のスマホ使用禁止、アメリカでも一部の州で14歳以下の子供のSNSの使用が禁止されています。
これは心無い大人に騙されたりする危険を避けるためであるとともに、スマホが子どもの成長を妨げる可能性があることがいろいろな研究からわかってきたためです。
今日はスマホの健康被害を紹介し、スマホとの付き合い方を考えてもらう機会にしたいと思います。

【スマホの問題点】
① 依存性が高い
スマホがもたらす新しい情報は私たちに好奇心となるほど、面白いなどの心地よさを与えてくれます。
また手軽にダウンロードできるゲームは我々を飽きさせず、適度な達成感を与えながら、時間を忘れて没頭させていきます。
その快感や達成感には中毒性があるようで、やがて、ちょっとした時間でもスマホを触るようになります。
最近のスマホゲームの多くは3分程度で決着がつくため、すき間時間でも十分、プレイできてしまいます。
またLineやInstagramなどでメッセージを送れば返信を期待して、スマホがどうしても気になります。
スマホがあるだけで注意力が奪われ集中力が低下する原因の一部です。
一方で、次から次へと脳に送られてくる情報に脳は処理速度が追いつきません。
その時、脳は考えることを止めてしまします。
逆に言えば、考えなくても情報を受け取ったり、ゲーム等を楽しんだりはできてしまうのです。
人は、ぼーっとする時間がとても大切です。
意外と良いアイデアはこのぼーっとした時間に生まれることが多いことは、皆さんも経験があると思います。
このボーっとする時間で脳は情報を整理し、必要なものを取り出しやすくしたり、これまでの情報と結び付けてアップデートしたりしているのです。

② 眼への負担
スマホ画面を見過ぎると、目を内側に寄せて長時間見ることになり、寄り目が固定化することでピントが合わなくなるそうです。
いまや世界の3割以上の人が近視になっているという話もあります。
特に若い頃の近視は年を取ってから失明のリスクにまで発展することがあるそうです。
ウィンドウズの生みの親であるビル・ゲイツ氏は強度の近視だったため、自分の子どもには14歳までスマホは持たせず、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは家庭でのデジタルテクノロジーに触れる時間を厳しく制限していたという話は有名です。

人はスマホという便利で人生を豊かにすることができるアイテムを手に入れました。
しかし、その反面、人として生きる大切な時間や、自分らしく生きることの楽しさを手放そうとしているようでなりません。
スマホはあくまでも道具であり、道具に翻弄される人間では不甲斐ないと思いませんか。