190819普段、何気に目にするカレンダー。「日」から「土」へとひたすら繰り返されているものですが、特定の日について、ある法則が成り立ちます。その特定の日とは、「4/4、6/6、8/8、10/10、12/12」の5つです。これらすべて、毎年同じ曜日になるのです。その理由は、それぞれの日数間が7で割り切れる63日だからです。(ちなみに、今年はすべて木曜日です。)

そもそも、7日を1週とする暦を使い始めたのは、古代メソポタミアの人々でした。元々、メソポタミアでは、月の満ち欠けの周期を基準に、28日~30日を「1月」としていましたが、時代を経て、1月を4分割し、7日程度をひとまとまりとする「週」を使い始めました。「新月→上弦の月→満月→下弦の月、という節目の形が由来」とも、「月では長かったので分割した」とも言われています。近くで誕生したユダヤ教の旧約聖書でも、「神は7日で世界を創造した」とされています。「週」の成立と直接に関係があったかは不明ですが、古代の西アジア地域では、7日というのが重要な単位でした。また、紀元前の古代エジプトでは占星術が発達していて、太陽系の惑星が、太陽や月と並んで注目されていました。つまり、太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星の7つです。メソポタミアとエジプト、この2つの文明が交差し、「曜日」が誕生しました。すなわち、1週に含まれる「7日」に、先の「7つの星」を紐づけてできたのが曜日とされています。その後、エジプトの暦を参考に、中国でも曜日の名前に惑星の名前をつけていきました。平安時代の初めに、この内容が書かれた仏典(「宿曜経」=すくようきょう)を、空海などの遣唐使が日本に持ち帰ったのが、日本に七曜という概念が伝わった経緯です。7つの曜日は藤原道長の日記にも記されており、平安時代には吉兆を占うなどの目的で使われていましたが、普及はせずに廃れてしまいます。時を経て、江戸時代の頃に一部の暦で復活し、明治政府が正式に暦(=太陽暦)に曜日を用いることを定めて、今に至っています。

ところで、あるアンケートで、土日を休みにしているビジネスマン1,000人を対象に、好きな曜日(平日で)を聞いたところ、トップは圧倒的に「金曜日」だったそうです。(逆に、嫌いな曜日1位は、断トツで「月曜日」でした。)この結果は、学生であっても同じことが当てはまるかもしれません。

ふと思うのですが、曜日の名は、「もっと意識して自然と触れ合え」というメッセージが込められている気がします。月を見る、火をおこす、水と遊ぶ、木に触れる、土を踏む、陽光を浴びる。そこには、動物としてのヒトには欠かせないもの(心と体の栄養剤)がすべて詰まっているのです。この夏休み、「勉強と自然」とをうまくバランスとりながら、暑さに負けず、元気に乗り切っていこう!

190805猛暑が続いています。夏休みも半分を過ぎようとしていますが、夏期講習会、学校の宿題、部活や遊びなど、忙しい日々を過ごす中、体に疲れがたまってきてはいませんか。

毎日の生活の中で、体の疲れを癒す最高の方法が「お風呂」です。「今日は時間がないからシャワーだけ!」という人もいるかもしれませんが、湯船に肩までしっかりつかって「入浴」することが疲れをとる鍵です。
入浴すると、体の血管がひろがり、心臓の動きが強くなります。そうすると、たくさんの血液が体中をめぐるようになります。
血液は、酸素や栄養分など、私たちにとって大切なものを体中に届けてくれて、さらに、二酸化炭素や疲労物質などを回収してくれるのです。これにより新陳代謝が活発になって、体の疲れが癒される仕組みです。入浴は、体をきれいにするだけではなく、毎日を元気に過ごす上でも大切な生活習慣なんですね。

入浴の質をより高めることができれば、疲労回復の効果もアップします。入浴する際のポイントをいくつか紹介します

1 最適な温度は40度
少しぬるいかな、と感じるぐらいがよいです。のぼせたり、体調不良になるリスクも減ります。

2 肩までしっかりつかる
先程書いたように、しっかりお湯につかって全身を温めましょう。いきなり入ると体がびっくりしますので、かけ湯をして、お湯の熱さに体を慣らしてから湯船につかりましょう。

3 時間は10分から15分
長時間入浴する必要はありません。顔や額が汗ばんでくるぐらいを目安に、無理をせず、我慢せず、入浴を楽しみましょう。

4 入浴後は、体の熱を逃さないように
お風呂から出た後は、扇風機やクーラーで体を冷やそうとしてしまいがちですが、せっかく温めた体を冷やすのでおすすめできません。早めにパジャマを着て、熱を逃さないようにしましょう。

大切なのは毎日欠かさず入ること。忙しい時こそ、しっかりお風呂の時間をとって体調を整えることを意識していきましょう。

190729いよいよ夏休みに入りましたが、皆さんはどのように過ごしていますか。せっかくの夏休みですから、勉強にも遊びにも、思い切り力を注いでほしいものです。

さて夏山のシーズンに山登りする人も多いと思います。最近は特に富士山に登ることが人気で、外国人も含めて大勢の人が登っているようです。そういえば、能開でも昔は富士登山合宿があって、先生と子供たちが山頂までチャレンジしていました。その富士山は山梨県のものか静岡県のものかという論争がありますが、実は富士山の山頂付近には県境が存在しないのです。そればかりか、山頂付近には別の持ち主がいるのです。

江戸時代、富士山の山頂をご神体とする浅間(せんげん)大社に、徳川家康が八合目以上を寄付したことがきっかけで、所有者は浅間大社になりました。明治以降に一度は国有地に戻ったのですが、浅間大社が裁判に訴えた結果、現在も八合目以上の気象観測所や登山道を除いた部分は、浅間大社のものになっています。そして山梨県と静岡県は山頂を県境未定としたまま、協力し合って富士山の環境保全に努めているそうです。

このように日本の地形や地名には不思議なものがたくさんあります。たとえば都道府県の中で北海道だけがなぜ「道」という名前がつくのか、福岡県になぜ「博多市」が存在しないのか、東日本と西日本の境界はどこなのか、住所の「大字」「字」は何を表すか、などなど。

日本の地名には、その土地に暮らしてきた人たちの歴史や文化を知るてがかりが残されていることが少なくありません。時間がたっぷりある夏休みに、皆さんも身の回りで疑問に感じていることを調べてみてはどうでしょうか。きっと世界が広がると思いますよ。

190722うちの家族は皆、サーモンが大好きだ。回転寿司に行ったら当然サーモンから頼むし、コストコに行ったらまずはアトランティックサーモンを確認し、購入後2日で食べきってしまう。いずれも輸入された生のサーモンだ。
ちなみに日本でも北海道で鮭は取れるが、「鮭児(けいじ)」や「時鮭(ときしらず)」などの高級魚で、あまりの高額さで簡単に口にできるものではない。また、生で食べる文化は元々日本にはなかったものだ。

では、なぜこのように気軽にサーモンを食べられるようになったのか。また、生で食べる文化が根付いたのか。その答えは日本のJICA(ジャイカ:国際協力機構)が行った、南米のチリとの国際協力の成果だと言える。

鮭は元々北海道やノルウェー、アラスカなど北半球に生息する魚だ。南半球にある南米チリに鮭は生息すらしていなかったことは想像がつくと思う。海岸の広がるチリ南部は農業に適した土地もなく、貧しい漁民が多かったそうだ。そこで、チリ政府は漁民の生活を豊かにするため、地形や気候を生かした鮭産業を根付かせたいと考えた。
そこで、1969年、JICAの前身である海外技術協力事業団(OTCA)の研修でチリの水産技術者が北海道を訪れ、1972年には日本の専門家がチリに派遣された。チリの鮭産業発展に向けて、チリの漁民と日本人技術者が協働し始めた。
まずは2万キロも離れた日本から鮭の卵を飛行機で運び、チリで卵からかえして川に流す。日本と同じように海で成長し生まれた川に戻った鮭を捕ろうと考えたのだが失敗に終わる。それでも諦めず、川に放さず人工的に育てる海面養殖に方向転換した。結果、この養殖への方向転換が大成功を収める。養殖に成功した後もエサの開発や病気対策など、日本の技術協力は続いた。日本企業の営業担当者も、日本市場にチリ産サケを売り込むために力を尽くした結果、チリは世界最大の鮭産業国家となった。

昨今の入試改革が目指す日本人の姿が垣間見える事例だ。

190716みなさんは家でテレビを見ている時に、家族の人に急に興味のないチャンネルに変えられたことはないですか?先生は何度もあります。

先生が小学生の頃、お父さんの仕事が休みの日曜日は、リモコンの所有権はお父さんにありました。夜になると野球の試合中継のチャンネルになることがよくありました。先生は他のチャンネルに変えるようお願いしてみますが、聞いてくれませんでした。
どうしてチャンネルを変えたいのか?それは野球の試合中継がおもしろくないからです。では、どうしておもしろくないのか?大人になった先生が考えてみた時に、ルールが分からないからなのかなと思いました。
例えば、テレビのスポーツ中継が野球ではなく。バスケットボールの試合なら、先生は観ます。「今のプレーすごかったなぁ」とか思いながら楽しく観ることができます。なぜなら、先生はバスケットボールを習っていてルールも分かっているからです。でも、これはバスケットボールの経験がない(ルールが分からない)先生の家族にはつまらなく感じるかもしれません。
小学生の頃の先生も同じです。野球のルールが分からなかったから、観ていてもつまらなく感じていたのです。今はルールも少しですが分かるようになったので、観ることがつまらないとは感じません。逆に知らないプレーが出てきたりすると、「今何が起きたの?」と周りに聞いちゃうくらい興味を持って観ていたりします。ルールが分かるだけでスポーツに対する捉え方がこんなにも変わるんですね。

「分かる」ってことは自分の視野が広がるきっかけになるのかなと先生は思います。分かることによってどんどん興味がわいてきます。「知らない」「おもしろくない」とあることと向き合うのをやめるのではなく、少しでも「分かろう」と努力してみませんか?意外とおもしろいことがあるかもしれません。

190708ちょっと前に流行ったとあるドラマで、「Let’s think.(考えましょう)」なんて言葉をよく耳にした人も多いのではないでしょうか。
考えるという行為は、みなさんにとってどのようなものでしょう?面白い・重要・面倒くさい・しんどいなどなどいろいろな意見があると思います。
 
先生にとっての“考える”は、自分をいろいろな意味でよい状態にしてくれるものです。
大きく分けると二つあるのですが、一つ目が、前向きに課題克服するときのレベルアップや、精神的な高揚感です。
例えば、ゲームをするとします。クリアできないステージがあるとき、攻略サイトなどを見てその通りに攻略する。確かに、クリアできた達成感はあると思います。でも、自分で考えて、あ~でもないこ~でもないと四苦八苦してクリアしたときには、ちょっとした興奮状態になったりしませんか?先生は、よくなっていた思い出があります。自分で考えることは、学習におけるレベルアップにもつながりますね。自分の中から絞り出した解法は、自分の力以外の何物でもありませんから

二つ目は、困ったときに冷静になれたり、選択を迫られたりするときの正しい判断につながります。
例えば、何かを選択するとき即決して失敗した経験はないですか?これがほしいと思って買ったけど、実はいらなくて後悔。先生もよくあります。しかし、何かを迷ったときに考えぬいて出した答えは、意外と納得できます。
また、一気に難題が降ってくると頭の中がパニック状態になりますよね。先生は、いつも“カオスや!”と言っています。それでも、考え続けるのです!すると人の脳って素晴らしいですよね。少しずつ整理していき、解決の道が見えてくるんです。あれは後でやればいい。これは省略しても大丈夫なんて感じで。もちろん、全部がうまくいくわけではなく時には、行き着く答えが当たって砕けろ、まぁなんとかなるかなんて時もあります。考えつくして出た答えが仮によくなくても精神的には意外と落ち着けるものです。(さとりみたいなものですかね)

考えるって素晴らしいことだと思います。答えが出る、出ないではなく、自分をレベルアップさせてくれ、よい状態にコントロールしてくれる大切な力だと思います。

みなさんもいろんなことに対して深く考えて、自分の人生を豊かにしていってください。

190701皆さんは、「プレゼント」という意味を知っていますか?クリスマスプレゼント? 誕生日プレゼント? そうですね。日本語にすると「贈り物」という意味があります。

さて、みなさんは、10年後の自分を想像することができますか。また、10年前の自分を振り返るとどう思いますか。先生は、10年前の自分を思い出すと、高校から大学に進学し、忙しい日々に追われていたなと思います。その時は、早く卒業して、好きなことをして楽しみたいと思っていました。勉強のストレスと、これからの希望が絡み合っていました。実際大人になってみると、大学時代は、あっという間に終わり、もっと頑張っておけば良かったと思います。

先生が、みなさんに言いたいことは、一番大切なものは、決してお金では買えませんということです。大切な人と一緒にいる時、目標に向かって頑張る時など、そういう時を本当に心から楽しんでほしいと思います。

皆さんには、色んな可能性があります。頑張れば何でも出来ます。目標や夢に向かって頑張る時、困難なこともあるでしょう。でも、継続は力なりというように、続けていけば、きっと大きな「プレゼント」に気づくはずです。頑張って下さい。

190624皆さんは車を運転しないのでわからないと思いますが、以前と比べて道を走っている車のスピードが遅くなったと最近先生は感じています。GWに痛ましい事故があってからそれが影響しているのかなあと思っています。
みんなで気を付けようということはすごく大事なことですね。車の流れなど社会的に大きなことを1人1人で変えることは可能だと思いますか?実際可能だと先生は思います。

金沢市の近江町市場の前の交差点で昔こんなことがありました。車は曲がるときにウインカーというものを出します。チッチッチってやつですね。本来30メートル手前から出さなければならないのですが、昔は右折するレーンの車がほとんど出さなかったんですよ。曲がる瞬間だけ出す感じでした。
先生は意地になって1人で出し続けていたらどうなったと思います?まず後ろの車がつられて出すようになって、それから1か月後にはほとんどの車が出すようになりました。

1人の力ではどうしようもない、例えば選挙に行かない大人もそう思っている人はいるのですが、社会を良くしていこうとする力が人間にはあると先生は思うのです。君たちにもその力を信じてほしいですし、実際社会を良くしていってほしいのです。
まず君たちが自分にも社会を良くする力があることを覚えておいてください。目には見えませんが結構すごい力なんですよ。

190617ついこの間「コンフィデンスマンJP」という映画を観に映画館に行って来ました。もともとはドラマが原作で、詐欺師たちが悪党をだますというようなストーリーで話題になっていますね。
先生が好きな小説でも、意図的に読者をだますようなテクニックが使われていることがあり、そのテクニックを叙述トリックと言います。
よく本屋さんで“最後の一行にあなたはだまされる”“2周目であなたは全てを理解する”というような帯を見たことがある人はいませんか。そういった本にはたいてい叙述トリックが使われています。
叙述トリックと言われても、ピンと来ない人が多いと思うので、例を一つ。
例えば、佐藤さんが第1章では小学生、第2章では中学生、第3章では高校生、第4章では大学生と成長していく、ごく普通の話があったとします。ただし、名前は呼ばれず、名字で呼ばれます。(ここがポイント)
しかし、突然第5章で佐藤さんは2人いたという事が判明します。
どういう事か、2人の佐藤さんをそれぞれ佐藤さんA、佐藤さんBとすると、実は第1章、第3章は佐藤さんAについてのストーリー。第2章、第4章は佐藤さんBのストーリーと、実は別々の佐藤さんのストーリーが交互に進行していたのでした。
これは名字が同じなら、同じ人物だという無意識の思い込みを利用しています。叙述トリックはそんな思い込みを利用するなどして、意図的に誤った解釈(ミスリード)をさせ、最後に種明かしをして読者に驚きを与えるテクニックです。
代表的な作品としては道尾秀介「向日葵の咲かない夏」やアガサ・クリスティ「アクロイド殺し」などがありますが、本を読みなれていない人には、学生が登場人物の話が多く読みやすい綾崎隼の作品をオススメします。
ストーリーがおもしろい本を読むのもいいですが、たまにはあっと驚きだまされるような本を読んでみませんか。
目に見えるもの(文章)が真実とは限りません。だまされるかどうかはあなた次第です。

190610今回は弘法大師(空海)を紹介しましょう。弘法大師(空海)といえば受験生なら「平安時代」「真言宗」「高野山」「金剛峯寺」と1発で答えたいところですが、今回は「書家」としての弘法大師を紹介します。

弘法大師は日本の書の名人とされる『三筆』の一人です。(三筆=弘法大師・嵯峨天皇・橘逸勢)弘法大師は、遣唐使として唐へ渡り仏教や書道を学んできました。そこで篆書や隷書、楷書、行書、草書(書道の書き方の種類)などたくさんの書の技法を習得しました。先生も書道を小さいころからずっとしているのですが、一般的に人間が習得できる技法は多くても3つほどです。ここからも弘法大師がいかにすごい人物であったかがわかると思います。

さて、みなさんは「弘法筆を選ばず」ということわざを知っていますか。辞書的な意味では「本当の名人は道具の良し悪しにとやかく言わず見事に使いこなすということ」とあります。実際のところ弘法大師は筆や墨、紙などを熱心に研究したといわれています。道具を研究し、そのうえで鍛錬に鍛錬を重ねていくうちに「弘法筆を選ばず」という名人の域に達していったのではないかと考えます。

最初からすべて完璧という人間は存在しません。少し得意、少し苦手程度からスタートしていきます。そんな得意や苦手をしっかり受け止めて、「じゃあどうする」と自分に向き合うことこそ成長の原点です。

みなさん、「勉強の名人」を目指してみませんか。じゃあどうやって始めたらいいのと質問もあるでしょう。忘れてはなりません。みなさんは能開生です。勉強の名人の「能開の先生」がそばにいます。どんなことでもいい。「勉強の名人」になるための方法や仕方を質問してみませんか。