160322もしみなさんが海外の人に日本の文化を紹介するとしたら、何を紹介しますか?
歌舞伎、アニメ、三味線、書道、サムライ、カラオケ…
日本には海外に誇れる文化がたくさんありますね。その中で、先生がもっとも素晴らしいと思うもの、それは「お弁当」です。

オーストラリアに留学をしていたころの話です。
ホームステイをしていた先生は、ホストマザーから昼食を作ってもらい、それを持っていくことにしていました。
緊張しつつ、初めての登校。先生が学習するクラスには、韓国やサウジアラビア、タイなどいろいろな国から生徒が集まっていました。英語を使う面白さを感じつつ、いよいよ楽しみにしていたランチの時間がやってきました。弁当箱を開けるとそこには・・・

レタスとトマトを野菜ではさんだものと、フルーツ。
「あれ?!これだけ??」と思ってしまったことを覚えています。

食べることが大好きな先生にとって、それはとても衝撃的な出来事でした。朝食や夕食はたくさんの量が出てきますので、おなかがすくということはありませんでしたが、日本のお弁当とは全然違ったことにとても驚きました。

帰ってきてから知ったのですが、日本のようなおかずがたくさん入っているお弁当は海外では珍しいとのこと。みなさんが学校へ持っていったり、お店で買ったりする弁当は、外国の人にとっては立派な「Japanese Culture(日本の文化)」なのです。

実は今、アメリカなどでは日本のお弁当が大ブームとなっているそうです。「Bento」(弁当)という言葉が出来ているほどです。
先生の将来の夢は、ホストファミリーにもう一度会いにいき、日本のお弁当を作ってあげることです。

みなさんもテレビやインターネットだけでなく、ぜひ自分の目や耳で海外の文化に触れてみてください。新しい発見やその時にしか感じることの出来ない新鮮な体験が、みなさんを待っていますよ。

160314「世界で一番高い山は?」と聞かれると何と答えますか。ほとんどの人が「エベレスト(チョモランマ)」と答えることでしょう。
標高8848mのエベレストは間違いなく世界最高峰の山でしょう。

しかし、ちょっと見方を変えて考えてみませんか。
地球の中心から一番離れている山はどの山なのでしょうか。
考えようによっては、地球の中心から一番離れている山が、世界で一番高い山ともいえるのではないでしょうか。

なぜ、このような考え方が出来るのか、それは、地球の形に原因があるのです。

みなさんは地球の形を知っていますか。
「球」、そうです「球」なのですが、厳密にいうと、きれいな球ではないのです。
地球の自転による遠心力によって、実際には赤道半径が極半径よりも長い楕円体なのです。
とはいっても、赤道半径6378kmに対し、極半径は6357kmなので、その差は21kmしかありません。
割合にすると、たったの0.3%の違いです。
しかし、大きな地球を基準としているので、その差はなんと21kmもあるのです。

この基準でいくと、世界最高峰の山は、南米エクアドルの赤道付近にある「チンボラソ」という山ということになります。
チンボラソは標高6310mの山です。
海面を基準とした標高ではエベレストには遠く及びませんが、実はこの山が世界で一番地球の中心から離れている山なのです。
ちなみに地球の中心からの距離は、エベレストが6382kmで、チンボラソが6384mで、チンボラソの方がエベレストよりも2km(2000m)高いということが出来ます。

なかなか面白いですね。

このように何を基準にするかによって、その答えも変わっていくのです。
みなさんも、いろいろな物の見方を学んで愉しんでみてください。

160307「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」…
ほかにも数々のアニメ映画を作り、日本だけでなく世界で愛され、
2014年にはアメリカのアカデミー賞を受賞した宮崎駿監督。
みなさんもその作品は観たことがあるでしょう。
では、その作品を作る現場は観たことがありますか。

宮崎監督がアニメ映画制作のために立ち上げたスタジオジブリでは、300人にも及ぶスタッフが1500を超えるカットを2年以上かけて完成させます。
宮崎監督の一番の仕事は、1カットごとの絵コンテ描くことです。
その仕事場で、監督が四六時中つぶやく言葉があります。

「面倒くさい」
「面倒くさいなぁ」
「究極に面倒くさい」
巨匠と呼ばれる名監督でも、面倒くさいものは面倒くさい。常にポジティブではないんですね。
みなさんも勉強や部活、習い事で面倒くさいと思いことはあるでしょう。
それでいいんだと思えてきます。

しかし、宮崎監督はこう続けます。
「世の中の大事なものって、たいてい面倒くさいんだよ。面倒くさいっていう自分の気持ちとの戦いなんだ。」

絵コンテは、映画のもとになる下絵で、キャラクターの動きや表情、セリフや背景を細かく描いて、自分が表現したいことを大勢のスタッフに伝えるものです。
すべて無から生み出すアニメ映画では、草一本の表現、髪の毛一本の動きなど、些細なことでもうまく描かなければ、その世界を台無しにしてしまうのです。
自分自身が描く一本一本の大切さ、価値を理解しているからこそ、自分自身の折れそうな気持ちに負けずに続けていけるのです。

例えば、ノートに毎ページ日付とタイトルなんて面倒くさい、途中式なんて面倒くさい。
宿題なんて面倒くさい、辞書参考書を使うなんて面倒くさい。
それでもがんばる能開生のみなさんも「大事なことは面倒くさい」ということを理解している人なんだと思います。

「面倒くさい」と思う気持ちを否定せず、その裏にある価値や意味を考えてみてください。
それがわかれば、立ち向かえるはずです。

160229皆さんはどんなスポーツが好きですか。
先生は色んなスポーツが好きですが、中でもボクシングとテニスが好きです。
今日は、一流のスポーツ選手(アスリート)と呼ばれる人たちには2つの共通点があるという話をします。

1つ目は自分が使う「モノ」に対する強い愛着心。
2つ目はやり続ける強い精神力。

シューズ、ラケット、バットやグローブ。
これらは実際にプレイをする上で必要だから、皆さんも納得できますね。
しかし、本当の一流プレイヤーは日常的に使う「モノ」への愛着も一流なのです。

現在西部ライオンズで活躍している菊池雄星投手。
花巻東高校時代に入部時からずっとやり続けた「トイレ掃除」。
トイレ掃除といっても素手で便器を洗うという修行レベル。
菊池投手を育てた佐々木監督は「嫌なことから逃げないでやることが精神を鍛える」と言われました。
先生が感心したのは、みんなが嫌がるトイレ掃除を、菊池投手が笑みを浮かべて喜んでしていたということです。
「自分が毎日使うモノですから感謝しながら掃除して当然ですよね」と菊池投手。
正に「モノ」に対する愛着がないとできません。
それを現在でもやるという継続力。これが本物の一流アスリートです。

皆さんも、今から新学年へのステップを登っていきます。
新しくなくとも筆記用具やノート・参考書へは愛着を持って使ってください。
講習会で大量の宿題を出されても、嫌がらずに笑みを浮かべて喜んでやってほしいと思います。
かなりの精神力が要求されますが、やり切った後は超スーパーウルトラ充実感があること間違いナシです。
『継続こそ力なり』

160222皆さんは『78:22の法則』という言葉を聞いたことがありますか。これはユダヤの法則とも言われ、世の中はすべて78:22の割合で成り立っているという考え方です。

世の中すべてと言ったら、少しおおげさに聞こえるかもしれませんが、人の体だけで考えても

①人の体を構成している成分の割合は、水分が78%に対してそれ以外の物質が22%
②呼吸では、肺呼吸が78%に対して皮膚呼吸が22%
③健康な人の腸にいる菌の割合は善玉菌が78%に対して悪玉菌が22%
④足の裏にかかる体重の割合は、かかとが78%に対してつま先が22%

と、これだけたくさんのことが78:22の割合で構成されていると言われており、人はこの数字のバランスが崩れると体調不良や病気になることもあります。又、自然界の中でも

①地球の海と陸地の割合は、海の78%に対して陸地が22%
②空気中の成分の割合も窒素が78%に対して酸素が22%

挙げたらきりがありませんが、私たちを取りまく環境の中にも、この数字の比率で成り立っていることがたくさんあります。

ところで、なぜ『78:22の法則』がユダヤの法則と言われるのか。すべてのものは、この数字で成り立っているというのは、もともとは宇宙の法則からきており、ユダヤ人が世の中には、お金を借りたい人が22、お金を貸したい人が78の割合でいると考え、預金者と借金者をこの数字の割合で管理したことで、銀行業で成功を収めたからだと言われています。

この法則で考えると、人間のやることは完璧ではないのだから、どんなに頑張っても100%の内22%は不完全のままで終わるということになります。自分では100%達成できたと思っていても、他人から見たらできていないと言われたこともあったはずです。これは人間である以上、仕方がないことかも知れません。
大切なことは、人間にとって初めてやることは、勉強にしろ、スポーツにしろ、なんであれ「どんなに頑張っても78%しか達成できない」ということを自覚し、この不完全の22%を次にどう活かすかです。そして、次にやるときは、この22%を100と考えて、最大限の努力をしていく。そうすると1回目では最大限78%の達成度が、2回目では78%+22%×0.78=95%へとレベルアップしたことになり、これを何回も何回も繰り返すことで、限りなく100%に近づいていくことになります。どんな分野でも一流と呼ばれる人は、自分の最大限の努力を何回も何回も繰り返しているのです。

あと1ヶ月と少しで新学年が始まります。新しいことにチャレンジしなければいけないことが、増えてくると思います。そのときは、この『78:22の法則』を思い出し、理想とする自分に近づけるよう努力していきましょう。

1602152月も半分が過ぎましたね。
今年は特に暖かかったり、寒かったりを繰り返し、その日その日の天候に一喜一憂する日々を過ごしています。
さて2月は如月(きさらぎ)とも言われることを知っていますか。
これはそもそも旧暦の2月(今の3月頃)の異名です。
「如」という漢字には「従う」というような意味があり、「何かが動き出すと、それに伴って、他のものも動き出す」という意味で使います。
つまり、「如月」は、「草木や生物が次々に動き出す季節」であることを意味しています。
もちろんこれは旧暦の話であって、新暦の2月とは状況が異なります。
また、この「如月」という名称は、昔の中国で2月を表すことばで、それをそのまま文字だけ使っているのです。
「きさらぎ」という読み方の語源には
衣更着(衣をさらに着る)・・・寒さがぶり返すため、衣を更に重ねて着ることから
気更来(陽気がさらに来る)・・・春の陽気がさらに増してくる時期だから
生更ぎ・・・草木が生き生きとし、芽吹く季節だから
など、いろいろな説があります。

本来は今の3月頃を指し示す季節であることや、3月をあらわす「弥生」は「弥(いよいよ、ますます)生(草木が芽吹く)」季節であることを考えると、「如月」=「生き生きとし始める季節」と考えたいですね。

春の訪れが感じられる時期です。新年度に向けて、皆さんがさらに生き生きと成長していくことを期待しています。

1602082月3日は節分でしたね。豆まきはしましたか?

人によっては住んでいる家の状況で、外に豆をまくのが難しい場合もありますよね。
先生が子どものときはアパートに住んでいましたが、ベランダのすぐ下が芝生だったので、節分の夜にはその芝生に向かって豆をまいていました。まあ、翌朝は芝生に鳩がたくさん集まっていましたが・・・

この『豆まき』は中国の習俗が伝わったものらしいです。豆は「魔滅(まめ)」とも書き、大豆を鬼の目に投げつけて、鬼を退治できたという話が残っているとか。
あと、豆まきに用いられる豆は「いり豆」でなくてはいけません。「いる」が「射る」という意味に繋がり、「魔の目(魔目=まめ)」に豆を「投げつける(射る=いる)」ことで「魔を滅する(魔滅=まめ)」。単純に『豆まき』といっても、いろいろな意味が含まれていますね。

そういう意味を含めて、豆をまくときの言葉は知っていますよね。
「鬼は外!福は内!」

そんな悪者にされている鬼ですが、一方でこんな言葉もあります。
『目は臆病 手は鬼』

先生も新聞で目にしてはじめて知ったのですが、三陸地方に伝わる言葉らしいです。

気仙沼(宮城県)のある魚問屋で、大にぎわいの宴席のあと、下げた食器の山を見てため息をついている店の人たちに、一家のお母さんが言った言葉。

やらなければならないことが山のようにあって逃げ出したくなるときも、とりあえず手を動かせばどうにかやりきることが出来るという意味ですね。目で見ているときには不安になることも、手は不可能を可能にする、鬼のように強さを持っているということです。

これは特別な力ではなく、きっとみんな持っている力です。

今、目の前に不安を抱えている人もいると思います。新学年に向けて、新しく始まる中学・高校生活に向けて、受験に向けて、あるいは毎週の宿題に・・・そして君たちの将来にはもっと大きな困難が立ちはだかることがあるかもしれません。でも、君たちの手はそれを打ち砕く力を持っています。

豆まきで追い払った鬼ですが、君たちの手には味方になってくれる鬼が出番を待っています。大切なのは「手を動かす」こと、行動することです。

160201みなさんは浦沢直樹さんを知っていますか?
ダレ?って思う人が多いと思います。もしかすると「知ってる!」という人もいると思います。

実は、浦沢さんは「20世紀少年」や「YAWARA」など多くのヒット作を描いてきた漫画家なんです。
30年の間、マンガの連載を続けてきていますが一度も休載したことがないそうです。(みんなのよく知っている「ONE PIECE」でも、新世界編に突入する前には1ヶ月の休載がありました。)
休載せずにマンガを描き続けることが、どれだけ大変なことか実感としてはわからないですよね。きっと、テスト勉強が延々と続いているような感じかなと思います。

そんな、忙しい中でも浦沢さんは、大学で講義をしたりテレビ番組の企画なども行っています。
その大学講義の中で、「白い紙を眺めて、何も思いつかないから描かないと、その紙は白いままで、自分が何をどんな風に描きたいのかということもわからないままです。とにかくペンを持ち描くことで、その描いたものが○なのか×なのかがわかり自分の描きたいものに近づける」のだと言われています。

その話を聞いた時に、勉強も同じじゃないかなと思いました。
予習をしていて難しい問題にぶつかった時、これは習ったことがないからとすぐに答えを見たり、あるいは問題をただ眺めて時間を過ごすのではなく、とにかく書いたり調べたりしてみることで、答えに近づいていくことができます。

みんなの勉強はまだ始まったばかりです。
自分がどんな勉強がしたいのか、どんなことをしたいのかを考えていくためにも目の前に広がる白紙になんでも書き込んで自分の進む道を描いていってほしいと思います。

160125最近、どこに行っても外国人観光者の人たちをよく見かけますよね。その人たちに英語で道を聞かれたり何か尋ねられたりしたことはありませんか?
レプトンで英語を学習したり、英語合宿に参加した人たちは、何を言われているか、それにどう答えたら良いか、すぐに分かる人もいるかもしれません。
でも、ほとんどの人がとっさに受け答えするのは難しいのではないでしょうか?

今から○年前、先生が大学生だったころ、通っていた大学で、色んな大学や研究機関の教授たちが集まり、研究発表会が行われました。その中には、外国人の方々もたくさんいました。そこで、大学を訪れた教授たちに大学内の説明をしたり、道案内をしたりといったガイド役を、学生たちから何名か選ぶことになったのです。そして、なぜか、先生がその中に選ばれてしまいました。その理由は、ただ、英語のテストの点数がたまたま良かった、ということ。とにかく暗記することだけは得意だったので、テキストの内容を完璧に覚える学習法でテストを乗り切っていました。単位がもらえればそれで良いと思っていたんですね。でも、それって「英語」という教科で良い点数を出しただけで、「英語」という言語を理解して、「話せる」ということではありませんよね?

もちろん、最初から自分にまともにガイド役ができる自信は全くありませんでした。研究発表会の日は外国人の教授に何か尋ねられてもちんぷんかんぷん。ガイド役なのに、役立たずなまま研究発表会は終了。「実際に話す」英語と、「勉強する」だけの英語の違いが身にしみて分かった体験でした。

ティエラでは、英語に直に触れる機会がたくさんあります。春から、中学生は新しい実践的な英語講座が始まりますし、新しい英語合宿もあります。英語が苦手だな、という人も、ぜひ積極的に参加してみてください。テストのために一人で勉強する英語はしんどいかもしれないけれど、人とのふれあいを通じて体で覚えていく英語はきっと愉しいはずです。愉しければ、英語が好きになってもっといっぱい話したくなるでしょう。そのようにして身についた語学力は、きっと一生使える武器になります。

先生の英語はいまだに大学時代の役立たずレベルから成長できていませんが、今年こそ、外国人の方に道を聞かれた時、スマートに教えてあげられるくらいにはなりたいな、とひそかに決意しています。

160118同じ授業を受けて、同じように勉強しているのに、どうしてあの子の成績の方が上なのだろうかと思ったことはありませんか。そんな人には、この話が参考になるかもしれません。アメリカの第20代大統領ジェームズ・ガーフィールドの話です。

ガーフィールドが大学生の時、同じクラスに成績が抜群に良い生徒がいました。ガーフィールドは負けず嫌いだったので、彼の成績を追い抜こうと猛勉強を始めました。しかし、どんなに努力しても成績はいつもその学生の方が上でした。
ガーフィールドとその生徒は同じ学生寮に住んでいました。ある晩、ガーフィールドが勉強を終えて寝ようとしたとき、何気なくその学生の部屋を見るとまだあかりがついていました。
「いったいいつまで勉強するのだろうか」。ガーフィールドがその部屋を観察していたところ、10分ほどして明かりが消えました。
ガーフィールドは思いました。「この10分があいつとおれの差だ」。
ガーフィールドは翌晩から、10分間だけ寝るのを遅くして、その分勉強をがんばりましました。その努力の継続の甲斐があり、ガーフィールドはその生徒の成績を抜いてトップに立つことができました。

「この辺でやめておけばよいか」という気持ちを抑えて、あと少しだけ努力してみる。「10分間」は「小さな努力の大切さ」を象徴する数字と言えます。そして、そのひと踏ん張りの積み重ねがみなさんを大きく変えてくれるはずです。粘り強さとやる気を持って、Ⅲ期の勉強を進めていきましょう。