160620先週、イチロー選手が日米通算4257安打を記録し、世界一になったと報じられました。イチロー選手は42歳。大リーグでも最年長の現役野手です。この年齢まで試合に出て活躍するために、おそらくイチロー選手は、厳しいトレーニングで自分を鍛え続けているはずです。

日本のプロ野球でも、40歳までプレイして、大記録を達成した選手がいました。名前は衣笠祥雄選手。今から30年ほど前に広島カープで活躍した内野手で、2,215試合連続という日本の連続出場試合数(世界第2位)の記録を持っています。ちなみに、連続試合フルイニング出場は、阪神の金本選手(1,492試合)が最多で、こちらは世界記録(ギネス記録)になっています。

衣笠選手は連続試合出場を続けている時、左肩を骨折するアクシデントに襲われたことがあります。普通の選手なら試合を欠場するところですが、衣笠選手は欠場せず、バッターボックスに立ちました。監督からは「バントでもいいぞ」と指示されていましたが、フルスイングで三球三振しました。鉄人衣笠のエピソードとして有名な話です。

「どんな時でも、投げてくる球をしっかり見据えて、フルスイングしないと何も残らない。
明日につながらないんです。人生だって同じかもしれませんね。」
衣笠選手はこのように語ったと言われています。

皆さんはどうでしょうか。1年は1日という時間の積み重ねですが、もし、宿題をサボったり、予習の手を抜いたりして、目の前の一日一日を全力で生きていないなら、明日につながることはありません。1年たって振り返ったときに、自分の成長を感じることはないでしょう。

1期ゼミも後半に入りました。ここからはぜひ能開の授業をフルスイングで受けてください。週1回の授業、与えられた宿題、次のゼミの予習、そういったものを大切にして、全力で取り組んで、次の夏休みを迎えてほしいと思います。明日につなげるために。

160613和田誠さんという日本を代表するイラストレーターがいます。最近、和田さんの息子でミュージシャンの和田唱さんが女優の上野樹里さんと結婚されたので、テレビで名前を目にした人も多いかもしれませんね。
和田誠さんといえば、タバコのパッケージや雑誌のデザイン、多くの作家の著書の装丁など、様々なお仕事をされていますが、色んな人の似顔絵を描いていることでも有名です。これがまた、何ともよく似ていて、一目で誰か分かります。緻密に描き込んでいるわけでもない、少ない線で描かれたシンプルな絵なのに、なぜこんなに似ているのか?
それは、その人の顔の特徴の中でも、一番重要なところを、ズバリ的確にとらえているからなのですね。目的とするものを表現するために、絶対に必要な部分と、省いても良い部分を見分ける力がひときわ優れているのでしょう。だから、一見簡単に見える絵なのに、とてもソックリな似顔絵になる。
 
この「要点をとらえる」ことって、勉強にもとても大切ですよね。みんながいつもやっているノートまとめも、授業での先生の話や参考書の内容を全部書くわけにいかない。その中で重要な部分がどこか、自分で判断して書いていかないと、後で見返した時に役に立つものにならないし、頭の中にきちんとインプットされないでしょう。また、テストでも、重要な部分を抜き出したり、要点をまとめる問題に出くわしたりもする。そんな時、素早く物事の要点をとらえる力が備わっていたら、普段の勉強だってテストの点数だって、ワンランクアップできると思いませんか?要点がとらえられれば、問題を解くスピードだって上がりますね。

ただし、たくさんの情報の中で、重要な所を過不足なく取り出して整理していく能力というのは、簡単に身につくものではなく、たくさん量をこなすことで鍛えられ、徐々に身につけていくものです。和田誠さんも、絵が好きで人の顔を描くのが楽しくて、たくさん描いたからこそ、要点を見抜く力が養われ、シンプルなのに味のある似顔絵が描けるのだと思います。
勉強だって、たくさんやった分だけ、要点をしっかりとらえられるようになり、いつでも自然に発揮できる力になっていくのです。

さあ、今年も夏がやってきます!みんなにはたっぷり時間があります。その時間を活用して、教室でも家でも、どんどん鉛筆を走らせてください。色んな問題に挑んだ分、量をこなした分、要点をとらえる力が鍛えられていくはず。そして、その力が、君たちの勉強の質を確かにアップさせていく武器となっていくはずです。

160606勉強もスポーツも、先生やコーチからのアドバイスで目覚しい成長を遂げることがあります。昨年、プロ野球で「トリプルスリー」を達成し、チームをリーグ優勝に導いた東京ヤクルトスワローズの山田哲人選手もコーチのある指導によりその才能を開花させました。
「トリプルスリー」とは、「打率3割以上・ホームラン30本以上・盗塁30個以上」を同一シーズンで達成することで、打力、走力において極めて高い能力が求められます。日本のプロ野球での達成は実に13年ぶりのことで、「トリプルスリー」は昨年の流行語大賞にも選ばれました。

山田選手のブレイクは、杉村繁打撃コーチとの出会いがきっかけでした。
杉村コーチが練習でこだわったのは「ティーバッティング」です。通常のティーバッティングは、斜め前からトスされたボールを正面のネットに向かって打つだけですが、杉村コーチは「11種類のティーバッティング」を山田選手に課しました。
腰を低く落として打つ、一本足で打つ、ワンバウンドの球を打つ、左打ちで打つ、バランスボールに座って打つ・・・。11種類もあるので、当然練習時間は何倍にもなり大変ですが、山田選手と杉村コーチは妥協せず、試合前の練習で必ずこの11種類のティーバッティングを行っていきました。
「“正しいフォーム”を作っても、試合に出るとどうしても相手投手が繰り出す直球や変化でフォームが崩されるんです。だから試合前に必ずこのティーバッティングで“正しいフォーム”に戻してから試合に臨むようにしました。結局、ゲームの中で自分を助けてくれるのは“正しいフォーム”なんです」と杉村コーチは語ります。
この練習を取り入れた一昨年、山田選手はセ・リーグ右打者のシーズン最多安打を記録して大ブレイクし、昨年、遂にトリプルスリーを達成しました。11種類のティーバッティングはいまも継続して取り組んでいて、今シーズンの打撃も好調で、日本球界初の2年連続トリプルスリーも視界に入ってきました。

みなさんの日々の勉強においても、「正しいフォーム」を定期的に確認し、修正していくことが重要です。人の話をしっかり聞くこと、手を動かしてノートを書くこと、長時間の勉強に集中すること、テストにのぞむ姿勢。それらをしっかり再確認し、自分の頭と体にしみこませていく機会が「週1回のゼミ」です。
毎週のゼミで勉強の正しいフォームを再確認し、それからの1週間、学校や家庭での勉強、次のゼミに向けた予習に全力で取り組む。その学習サイクルを構築し、継続して取り組んでいくことで大きな成長を手にできるはずです。
EXオープンが終わりⅠ期ゼミも半分を過ぎました。学習内容が難しくなり、一番大変な時期ですが、そんな時だからこそ真剣勝負でゼミに臨み、正しい勉強の仕方をしっかり身につけていきましょう。

160530「オタク」という言葉に、みんなはどんなイメージがありますか?

多くの人は、きっとあまりいいイメージではなく、ちょっとマイナスの意味で使うことが多いと思います。でもオタクと呼ばれる人は、そんな風にマイナスイメージを持つような人たちばかりではありません。実はその人たちは、ある分野にすごく詳しく、話を聞いてみると「なるほど」と思うようなことをたくさん教えてくれたりします。

たとえばマンガが大好きなオタクの人がいたとします。その人は、明治維新を舞台にしたマンガを読んでいると、討幕派・尊王攘夷派やそれにかかわった人達のことが気になってきます。そしてより深くその作品を知るために、関連する本をどんどん読み始めます。知識を深めることで、さらにその作品を楽しもうとするのです。自分が大好きなテーマを中心に、より深く知りたいと思い行動するのが、オタクと呼ばれる人たちだと思います。

みなさんのも、「知りたい」と思う気持ちが強い時の方が、勉強を楽しく感じることはありませんか? 数学の難しい問題にぶつかった時、わからないから飛ばしてしまった問題より、どうやったら解けるのだろうと参考書などを使って解いた問題の方が頭に残っていることってありますよね。

この夏は、好奇心の扉を開いて勉強のオタクを目指してみよう。

160523先生が住んでいる熊本はつい先日、過去に例を見ないほどの大地震に襲われました。熊本中がパニックになり、先生も家族を連れて避難生活をしながら過ごしていました。
地震が少し落ち着き、教室の生徒たちの無事を確認しようと教室に来たとき、先生の机に一通の手紙が届いていました。それは長崎から送られていました。
差出人は去年、高校受験合宿で先生が担当した班の班長を務めた女の子でした。

そこには
模擬入試で味わった悔しさ
勉強が辛くて苦しくて何度も諦めそうになったこと
それでも歯を食いしばってやり抜けたこと
模擬入試の後に先生がメッセージを書いた受験票が今でも筆箱に入っていること
そして、無事に志望校に合格することが出来たこと

合宿を終えてから今までのことがたくさん書いてありました。

 
あの合宿は、長い長い人生の中でのたった5日間、されどこの子にとって大きく人生を変える5日間になったのだということがとても伝わる手紙でした。

地震が起きてすぐは、家には住めるような状態ではなく、何から手を付ければいいのか分かりませんでした。これから一体どうなるのだろう。いつまでこの生活が続くのだろう。家族や親戚、教室の子どもたちは無事でいるだろうか。不安なことが多くあり過ぎて、途方に暮れていました。

元に戻るにはまだまだ時間がかかります。でも、どれほど辛くても、歯を食いしばって頑張った君に負けないように頑張ろうという思いが湧き上がりました。
この一通の手紙にどれほどの勇気と力をもらえたことか。

この合宿のように、手紙のように、ほんの少しのキッカケでこれからの人生が変わることがあります。

ぜひ、たくさんのことに進んで挑戦し、そのチャンスを掴みとって下さい。

160516日本剣術の世界には、右と左の両手にそれぞれ1本ずつ刀を持って攻守を行う「二刀流」(別名「二刀剣法」)という特殊な技法があります。(「二天一流」という流派を開いた江戸時代初期の剣客である宮本武蔵が、この剣術を重視したことは有名ですね。) この言葉、現在では派生して、2つの異なる手段をもって事にあたること、あるいは同時に2つのことを行うことも意味します。今、この漢字三文字が代名詞のようになっているプロ野球選手がいます。ご存知、北海道日本ハムファイターズに所属する大谷翔平選手です。

高校時代から注目されていた彼は、2012年に日本ハムに入団した後、賛否両論が渦巻く中、プロ野球では非常に珍しい、「投手と打者の兼任」にチャレンジしています。プロ入り2年目に、野球の神様と呼ばれたベーブルース以来96年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」を達成(日本では初)、更に昨年はパ・リーグの投手部門三冠に輝き、今年も打撃面が絶好調と、短期間で驚くべき進化を遂げています。まだあどけなさが残る普通の若者が、どうしてこのような圧倒的パフォーマンスを発揮できるのか。それは彼の生い立ちと関係がありそうです。

大谷選手曰く、「ボクは野球を始めた頃から、他の子どもよりもボールが速い自覚がありました。」そんな彼が、今ではNPBタイ記録の球速162km/hを投げる歴代日本人最速投手となっています。つまり、出発点はこの「自覚」だったわけです。この「(他の子どもより)ボールが速い」という自覚。その「自覚」があったからこそ、その「強み」を意識し、「自信」を持ち、「もっと速く投げたい」と「練習(行動)」につながっていったのです。成長というのは、「何かに優れているという自覚を持つこと」から始まるのかもしれません。

さらに、今の彼の主軸になっているものの一つに、高校時代に実践していた、花巻東高校の佐々木監督から教わった「目標設定シート」の存在がありました。そのツールを使って、「目標と、それを達成するための手段(方法・過程)」を明文化したのです。また、別の目標用紙には、「俺がこの道の開拓者になる」「野球界の歴史を変える」「夢は近づくと目標に変わる」といった文字も並んでいました。時に、「言葉が人生を決める」とも言われますが、大きな成果を出す人たちは皆、夢や目標を達成するため、日々のトレーニングを積み重ね、そして、確固たる信念のもと、夢・目標を書いたり、人に言ったりするなどのアウトプットをしているのです。

そもそも、大谷選手は、なぜ二刀流にこだわるのでしょうか。あるインタビューでの返答で、彼の二刀流への想いをうかがい知ることができます。
「ピッチャーはゲームを作れます。バッターはゲームを決められます。それぞれの立場での野球の面白さを同時に感じることができるのが二刀流です。誰もやったことがないようなことがやりたい。つまり、自分しかやっていないところに魅力があります。そこに“自分にしかできない仕事”があるんじゃないか、と思ってやっています。」
誰も成し遂げたことのない大きなことが目の前にある。周囲からいろんなことを言われても、自分ではそれをやりきる自信はある。だから、それを楽しんで行うことができる。やるしかない。もしかしたら、失敗してできないかもしれない。でも、そこに挑戦しなくては先がない。非常に大きな覚悟を持って、今のプロ野球界に乗り込んできたのでしょう。
これだと決めた事柄に対して、「覚悟」して「挑戦」する姿勢、年齢・ジャンル関係なく、ぜひ見習いたいですね。

160509みなさん、こんにちは。
新学年が始まって1ヶ月が経ちましたね。新しいクラスや先生たちに慣れてきて、だんだんと生活が落ち着いてきたのではないかな。

ところで最近の生活に大きく影響するようになったのが携帯電話。特にスマホ。中には、電話機なのかゲーム機なのか分からないような人にだけはなりたくないと思っていたが、・・・なっている人もいたりするけど。

スマホの登場でいろんなことができるようになって、人々の生活が大きく変わったけれども、考えてみたら電話で生活が変えられたのは実は2回目なのですよ。テレビやパソコン、冷蔵庫、エアコン、車などなど、今の便利な生活があるのは、「電話のお陰」なんです。

昔々、電話を誰かにかけるには、途中に交換手という人がいて、電話の線を手でつないでいたのです。線は1本しかないから、「この人と話したいんだけど・・・」『はい、つなぎま~す。』「今度はこの人と・・」『はい、ちょっと待って・・・。はいどうぞ。』という感じです。

人ですよ、人。
どんどん電話が増えると人ではつなぎきれなくなりますよね、そこでリレーっていう機械に変えたのです。人間の替わりにカチカチ切り替えてくれる機械です。ところがこの機械がカチカチやっているうちにすぐに壊れる。真空管っていう電球みたいなものもすぐにダメになるので、これも新しいものに変えなきゃいけない。その間は故障中になる。でも電話を使う人はどんどん増える・・・・。

「ん~、何とかしなければ!」
電話会社の人はそう考えたわけです。それなら、電話を使う人を減らしたり、この地域はしばらく電話が使えませんなどとやっても良かったのだろうけど、それは逃げる策なので解決にはならないですよね。
特に電話会社の人たちには、もっとたくさんの人が自由に話せるようになることで、みんなを幸せにしたいんだという夢があったそうです。

そこで、研究に研究を重ねて「トランジスター」というものを発明したんです。これで切り替えることなく、すぐにつなげられるようになった。このトランジスターがたくさん作られ使われるようになって、ICチップになって、皆さんの身の回りのいろんなところに使われているんですよ。車もテレビも全部そうです。

しかもすごいなと思うのは、この発明は、突然にひらめいたものではないということです。
何とかしなければという気持ちで考えて考えて、頑張って頑張って、とことんやって作り出したものが、今の私たちを支えてくれているのです。電話に感謝しなければいけませんね。

さぁ、私たちも同じですよ。
「何とかしなければ!」と追い詰められたときにどうするかですよ。楽になるように、きつくないように進んでいっても、本当の解決にはなりません。一瞬楽になっても、あとでもっともっと大変な目にあうのですから。未来を明るく変えるには、さらに深く考えて、早く行動して、何とかしてやるぞ!という気持ちで前に前に進むことです。

そこに工夫が生まれ、発明が生まれます。
こうなりたいんだという「志」をしっかり持って追いかけることも、もちろん大切なことですね。皆さんの未来は中学受験や高校受験だけではありません。受験で言えば大学受験のときにどれだけすごい自分作っているか。もっと言えば、大人になったときにどうなっているかでしょうね。

未来を変える発明。とことんやった人はたどり着けます。
自信を持って突き進んでいきましょう!

160425先日、テレビでミツバチの科学番組を見ました。ミツバチは数万匹でひとつの集団を作り、女王蜂を中心に生活しています。ミツバチにはそれぞれの役割があります。
花から蜜を集めてくるのはもちろんですが、幼虫にえさをあげるハチや、蜂の巣を作ったり修理するハチ、敵がおそってきた時に戦うハチなど、たくさんの役割があります。ハチは集団で生きていくために、それぞれが自分のできる役割を果たしているのです。

でも、それぞれの役割がどのように決められているかは、まだよく分かっていません。女王蜂がリーダーのように思えるかもしれませんが、女王蜂は卵を産むのが主な役割で、他のハチに命令や指示を行っているのではないことが明らかになってきました。

では、誰がハチに命令しているのでしょうか。その答えはまだ見つかっていません。もしかすると、ハチは数万匹の集団の中で自然にそれを感じ取り、誰に命じられるのでもなく、自発的にそれぞれの役割を果たしているのかもしれません。

いま、熊本で苦しい生活を送っている人たちがいます。そして、日本の多くの人たちは、その人たちを何とか応援したいと考えています。では、私たちに何ができるでしょうか。
直接ボランティアに行くことだけが応援ではありません。小さなことでもいいので、自分にできることを考え、その役割を果たしていけば、熊本の人たちが元気になる日が、一日でも早くやってくるかもしれませんね。

160418先月、JRのダイヤ改正が全国的に実施されました。毎年、3月は大幅なダイヤ改正が行われます。そもそもダイヤって何ですか。

ダイヤは、ダイヤグラム(列車運行図表)の略称です。「知っているよ」という人もいるかもしれませんね。運行線区ごとに24時間の全列車の運転が一目でわかるように横長の紙に書き表した図表です。
縦軸は駅名、横軸に時刻の1分刻みなどの目盛りをしておき、列車ごとに各駅の到着・出発・通過の時刻を線で結びます。運輸関係者の間では“スジ”と呼ぶ場合もあります。列車番号、行き違い、待避、通過、停車を含めて運転状況がつかめるので、運転に欠かせない大切な図表といえます。
このひし形がたくさん並んだ図表を見ているだけで、私はわくわくします。駅などにある時刻表は、ダイヤを時刻に“翻訳”したものといえますね。

日本の鉄道は、世界で一番正確に定刻発車すると言われています。定刻1分過ぎて電車が来ないと日本の駅のホームでは、ざわざわしだします。3分来なければ不満げな顔をしている人もいるでしょう。駅では遅れをお詫びする放送が何度も流れます。
ちなみにフランスが誇る高速鉄道TGVは15分以内の遅れであれば定刻どおりだということです。遅れる事がよくある光景のため、海外から来た人は、日本の鉄道時刻の正確さに驚きます。

ただ、日本でも電車のトラブル等で遅れるという事はもちろん起こります。そんなときに登場するのが「スジ屋さん」という人です。ダイヤを定刻どおりの運行に戻そうと期限を決めて、乱れてしまったダイヤグラムの線を引きなおす人です。影で定刻発車を支えている人です。
遅れが出ても「だってしょうがないじゃないか。」って言ってしまえば遅れっぱなしです。すぐに立て直す動きをする人がいるおかげで、定刻発車が保たれているのですね。

みなさんは、自分の未来に向かって、そして大きな目標をもって新年度をスタートしました。これから、うまくいっているなと思える時もあるでしょう。
困難な事にぶつかってつらいなあと感じる時もあります。どんな時であっても、いつも夢に向かい追いかけているみんなの姿を支えてくれる人がいるのではないですか。
自分の進んでいる道を支えてくれる人たちに感謝の気持ちを「ありがとう」と声に出して、自分に対して堂々と「今を頑張っています」と言えるようになりたいですね。

160411「ゴッホより普通にラッセンが好き」という芸人の永野さんのネタがありますね。
このネタや永野さんの好き嫌いは置いておいて、「わかる!その通りだ!」と思うことと、「でもね・・・」と思うことの二つがあります。

「わかる!その通りだ!」と思ったことは、今までゴッホやピカソの絵は美しいと感じたことは一度もなく、ピカソの絵に関しては幼稚園児が描いたような絵という認識しかありませんでした。それに対してラッセンの絵はイルカや海洋生物がリアルに生き生きと描かれて色使いも美しくきれいで部屋に飾りたい絵です。まさに「ラッセンが好き」状態です。

「でもね・・・」と思うことを少し語らせてください。
先生は大学時代に美術部に所属して油絵を描いていました。
絵を描くときには真っ白なキャンパスに絵具を置いていきます。
パレットに絵具をだし、自分のイメージの色を作り、キャンパスに色を置いていきます。
その絵に自分の表現したいものを描いていくために色を置いていきます。
自分の感動したもの、相手に共有してもらいたいもの、それをこめ、色を置いていきます。
納得いかない場合は、また、色を作り、思いと一緒にキャンパスに色を置いていきます。
何層も何層も色と思いを重ね、できた絵は、筆や絵画用のナイフの跡、色に至るまで様々な思いの結晶になって、自分にとってはかけがえのないものになっています。
そうした大学時代の経験をした後にピカソやゴッホを鑑賞する時は、その思いや描いていた時の感情がわかる気がします。決して美しいとは思わないのですが感動することが多くあります。「でもね、ピカソやゴッホも好き」なのです。

新学年を迎えたみなさん、今は絵に例えると「真っ白なキャンパス」の状態です。未来の自分を思い描いて自分の色を置いていってください。絵具は今からの行動や思いです。できた絵は「経験」という形で皆さんの宝物になりますよ。