今日はみなさんに、「自分をちょっとだけ最強にする方法」をお話ししようと思います。
“最強”なんて、いきなりどういうこと?
――そう思った人もいるかもしれませんね。
でもこれは、ゲームやアニメの世界だけじゃなく、現実の世界でも使える“本当に大事な力”なんです。

その方法とは――ずばり、「リフレクション(ふり返り)」です。

リフレクションとは、自分の行動や考え方を立ち止まって見つめ直し、「次はどうしよう?」と考える力のこと。
似た言葉に「反省」や「内省」もありますが、リフレクションはもっと前向きな“ふり返り”です。
「うまくいかなかった」で終わらせず、「どうすればうまくいくか?」を考える。
この姿勢こそ、自分を強くしていく第一歩なんです。

実は、人間の行動の約95%は無意識で決まると言われています。
つまり、私たちが「よし、こうしよう」と意識して決めているのは、たった5%ほど。
残りの95%は、習慣やクセ、気分、環境――“なんとなく”で動いているんです。
たとえば、朝起きてすぐスマホを見てしまう。
気づいたらゲームをしている。
なんとなく動画を見続けている……。
こうした行動は、ほとんどが無意識のパターンです。
でも、その無意識に気づかないままだと、毎日同じ行動をくり返すだけ。
だからこそ、自分の行動に光を当てて見つめ直す――それが「リフレクション」なんです。

アニメのキャラクターたちは、この力を自然に使っています。
たとえば『鬼滅の刃』の炭治郎。
彼は戦いのたびに「どうして斬れなかったのか」「どこを見落としたのか」を丁寧にふり返ります。
失敗を恐れず、次に生かす。それができるからこそ、彼はどんどん強くなっていくのです。

『ドラゴンボール』の悟空も同じです。
毎回ボコボコにされても、「オラ、次は勝つぞ!」と自分を見つめ直し、修行を重ねていきます。
負けを“終わり”ではなく“始まり”に変える――それが悟空のリフレクションです。

そして『僕のヒーローアカデミア』の緑谷出久(デク)。
彼は戦いのたびに自分の動きや力の使い方をノートに記録し、「次はこうしてみよう」と考え続けています。
その地道なふり返りこそ、彼をヒーローへと成長させている原動力なんです。

こうして見ると、強くなれるキャラクターはみんなリフレクション上手。
失敗しても落ち込むだけで終わらず、そこから学び、次につなげる。
リフレクションは、彼らの“成長のエンジン”なんですね。

もちろん、これはアニメの中だけの話ではありません。
私たちの日常でも同じです。
テストで思ったより点数が低かったとき、「もっと勉強しとけばよかった〜」で終わらせるのではなく、「どこでつまずいたのか」「どんな準備をすればよかったのか」と考える。
それだけで、次のテストで点数を上げるヒントが見えてきます。

友達とケンカしたときも、「あいつが悪い!」で終わらせず、「自分の言い方を少し変えたらどうだったかな?」と考えることで、次はもっと良い関係を築けるようになります。
気づいたらスマホやゲームに何時間も使っていた日も同じ。
「なぜそうなったのか」「何を変えれば10%だけ改善できるか」と自分に問いかけるだけで、明日の過ごし方はきっと変わっていきます。

もう一度、最初の話に戻りましょう。
人は95%の行動を無意識でしている。
でも、リフレクションをすることで、自分の“無意識のクセ”に気づけるようになります。
そうすれば、「じゃあ、こう変えてみよう」と意識的に行動を選べるようになる。
それこそが、意識を成長させる第一歩なんです。

そこで、みなさんにちょっとしたチャレンジを提案します。
それは、「1日1リフレクションチャレンジ」です。
夜寝る前やお風呂に入っているとき、たった1分でいいので、自分に問いかけてみてください。

・今日、うまくいったことは? うまくいったのは何があったからだろう?
・うまくいかなかったことは? どうすれば前より少し変化がうまれるだろう?

この小さな習慣を続けるだけで、自分の中の“無意識”が少しずつ“意識”に変わっていきます。
そして、炭治郎のように、昨日の自分より少しだけ強い自分に出会えるようになるはずです。

どんなにすごいキャラクターでも、最初から最強だったわけではありません。
彼らは「リフレクション」をくり返すことで、確実に強くなっていきました。
そして、その力は――みんなの中にも、ちゃんとあります。

「ふり返る」という小さな習慣が、未来の大きな成長につながります。
今日も明日も、その先も。
ちょっとだけ自分と向き合い、自分だけの“最強”を目指していきましょう

今回は学校給食の話をします。

日本の学校給食は世界に誇るべき目的があることはあまり知られていません。
一般的に、日本の学校給食には4つの目的があると言われています。

1. 栄養の提供
2. 文化の理解
3. 社会性の育成
4. 食育の推進

1番目の「栄養の提供」は当然として、2番目の「文化の理解」についても実は世界共通です。
各国の給食は、まさにその国の文化的背景が如実に反映されています。
たとえば韓国ではキムチが欠かせないそうですし、メキシコではトルティーヤ(トウモロコシで作られた薄焼きのパン)、インドではカレーなどのスパイスの効いた料理が並ぶそうです。

ヨーロッパの中では日本に似ていると言われているのがフランスです。
フランスの給食は、前菜、メイン、チーズ、デザートと、まるでレストランのようにコース仕立てが一般的です。

さらに、アメリカのようにカフェテリア方式で提供されることも多いです。
実際にアメリカでは、ピザやハンバーガーのような定番メニューに加え、フライドポテト、サンドイッチ、サラダバーなど豊富なメニューの中から自由に選び取ることが可能です。

さて、ここで日本に話を戻します。

日本では給食の時間は「準備」「会食」「片付け」の3つに分けられます。
そして給食当番の生徒・児童は、手洗いをし、衛生的な服装に身を包みます。
重いものや熱いものに十分注意しながら教室まで安全に運び、配食では全員の分を盛りつけます。
会食が終われば、全員が協力し合いながら片づけを行います。
また、日本の給食は栄養バランスと安全性が徹底されています。
メニューは旬の食材をつかった和食が中心ですが、地域によっては郷土料理も登場します。

日本人は、給食の時間を通じて社会性を学ぶだけでなく「理想的な食事」もまた学校給食を通して学んできました。
その証左として世界の肥満率を比較すると、以下のようになります。

1位 トンガ 81.5%
36位 アメリカ 43.8%
43位 メキシコ 41.3%
165位 北朝鮮 13.4%
181位 フランス 9.8%
193位 韓国 5.7%
198位 日本 3.6%

日本の肥満率は驚くほど低いことがわかりますが、それ以上に世界の肥満率の高さにも驚いたのではないでしょうか。
アメリカのように子どもの時から好きなものを自由に選び取ることができるのは、羨ましいことのように見えます。
もしアメリカで日本と同じ給食制度に急に変更されたら「自由の侵害だ」と暴動が起きるかもしれません。
日本人である私たちは、あらゆる不自由さを犠牲にしながらも学校給食を通じて「理想の食事」を刷り込まれてきたのではないでしょうか。
そして、この「不自由さ」にこそ大切なことが隠されているような気がします。

能開に通うキミは、もしかしたら不自由な環境に身を置いているのかもしれません。
能開では、学習における自立を獲得するために、敢えて厳しいカリキュラムでキミを鍛えています。
ただ、当事者であるキミはその意味を見失っているかもしれません。
キミが受験生ならば、より不自由さを感じていることでしょう。

しかし、その不自由さを通じて、いかに大切なものをつかみ取ろうとしているのかに、今一度思いを馳せてみてください。
そして、思い出してください。本当に「給食の時間は苦痛の連続」だったでしょうか。
日本の学校給食には決して「自由」はないけれど、肥満率という視点で世界を見渡せば、その成果は歴然です。

能開生もまた同じです。
能開生であることに誇りをもって、頑張ってください。
キミたちが知らない間に身につけた能力は生涯の宝になるはずだから。

先日、サッカー日本代表がブラジル代表に3対2で逆転勝利しました。
前半0対2からの大逆転――実質は親善試合ではありますが、まさに歴史的な一戦でした。

その勝因は、選手たちがピッチの中で自分たちで考え、修正し、声をかけ合えたことにあります。
監督の指示を待つだけではなく、一人ひとりが「今、何をすべきか」を判断して動いていた。
今の代表は、まさに“考えるチーム”です。

新しい選手の活躍もありましたが、その試合に守備の中心――冨安健洋(とみやす・たけひろ)選手の姿はありませんでした。
わからない人のために言うと、でかい。速い。うまい。両足で蹴れる。

ケガで現在はチームには所属していませんが、昨シーズンまでイングランドの強豪チーム、アーセナルに所属していました。
とにかく、すごい選手です。

冨安選手は現在けがのリハビリ中。
2026年のワールドカップへの参加は難しいかもしれないとも言われています。
それでもSNSでは、こう発信しています。

「今はただ早く戻りたい!サッカーしたい!それだけ!やるよ!」
この短い言葉には、焦りよりも強い覚悟を感じます。
「できない今」を嘆くのではなく、「今できること」を探し、積み重ねていく。
その姿勢こそが、彼の強さです。

冨安選手の原点は、Jリーグ・アビスパ福岡の下部組織にあります。
当時のコーチが「気づいたことをノートに書こう」と伝えたところ、
冨安選手のノートは、ページいっぱいに課題で埋め尽くされていたそうです。
「チームが苦しいときに声をかける」「守備のとき、一歩早く動く」――
細かなことを自分の言葉で書き留め、改善し続けていたのです。

コーチは当時のことを振り返って言いました。
「全部クリアしたら世界でやれると思っていたら、本当に世界へ羽ばたいた」と。

近代サッカーで重視されているのは、技術だけではありません。
「ポジショニング」――どこに立つか。
「コーチング」――どう声をかけるか。
自分の立ち位置を理解し、周りを見ながらチームを動かす。
その力を持つ選手がいるチームは、どんな相手にも対応できます。

冨安選手は今も、プレーできない時間を“次の準備の時間”に変えています。
焦らず、考え、気づき、行動する。
その積み重ねが、復帰への道を支えています。

どんな分野でも、伸びていく人は「気づける人」です。
まわりを見て、必要な声をかけ、少し先を読んで動く。
それが、チームを支える本当の力です。

冨安選手がもう一度ピッチに戻るとき、そこには“努力の続き”と“気づきの積み重ね”が見えるでしょう。
その姿は、どんな場所にいても前に進もうとする、すべての人の励ましになるはずです。

桑田真澄さんってみなさん知っていますか?
もしかするとこの時代はMattのお父さんといった方がわかる人も多いのかもしれませんね。
桑田さんは元プロ野球選手で読売ジャイアンツ(巨人軍)という球団で投手をしていました。
いろんな賞も獲得した一流の選手だったのですが、私がお話をしたいのは彼が高校時代についてなのです。

なんと桑田さんは高校時代、甲子園に出場し20勝しているのです!と聞くと「へ~」、とか、「ふ~ん」、といった反応の人もいるでしょう。
でも分かる人にはわかると思います。高校野球で甲子園に出場し、20勝できる投手は桑田さん以前にはおらず、今後も出ることはないでしょう。

高校生が甲子園に出場できる機会は、「高1夏」「高2春」「高2夏」「高3春」「高3夏」の5回しかありません。
トーナメントですので1つの大会で4~5試合程度しか試合は組まれません。

この状況で20勝するためには?全ての大会に出場し、ほぼ毎回決勝まで進出しなければいけません。
そしてそれらを中学卒業したての高校1年生の時からなしとげる必要があるのです。

ちなみに桑田さんの高校時代の甲子園の成績は25試合20勝3敗。
優勝2回、準優勝2回、決勝戦まで行けなかったのは一度だけ。
これでいかに素晴らしい投手だったのか分かってもらえると思います。

そんな桑田さんはこんな言葉を残しています。
「打たれてみないと、なぜ打たれたかよくわからないんですよ」

テストなどで間違えないと、なぜ間違えたのか分からない。
とも言い換えられるでしょうか。
「テストを受ける理由は成績を伸ばすため」とも言われます。
10月~11月はいろんなテストが行われる時期です、せっかく間違えた問題をそのままにせず、しっかり見直しをして今後の学習に活かして、高いレベルを目指してみましょう。