今日はみなさんに、「自分をちょっとだけ最強にする方法」をお話ししようと思います。
“最強”なんて、いきなりどういうこと?
――そう思った人もいるかもしれませんね。
でもこれは、ゲームやアニメの世界だけじゃなく、現実の世界でも使える“本当に大事な力”なんです。

その方法とは――ずばり、「リフレクション(ふり返り)」です。

リフレクションとは、自分の行動や考え方を立ち止まって見つめ直し、「次はどうしよう?」と考える力のこと。
似た言葉に「反省」や「内省」もありますが、リフレクションはもっと前向きな“ふり返り”です。
「うまくいかなかった」で終わらせず、「どうすればうまくいくか?」を考える。
この姿勢こそ、自分を強くしていく第一歩なんです。

実は、人間の行動の約95%は無意識で決まると言われています。
つまり、私たちが「よし、こうしよう」と意識して決めているのは、たった5%ほど。
残りの95%は、習慣やクセ、気分、環境――“なんとなく”で動いているんです。
たとえば、朝起きてすぐスマホを見てしまう。
気づいたらゲームをしている。
なんとなく動画を見続けている……。
こうした行動は、ほとんどが無意識のパターンです。
でも、その無意識に気づかないままだと、毎日同じ行動をくり返すだけ。
だからこそ、自分の行動に光を当てて見つめ直す――それが「リフレクション」なんです。

アニメのキャラクターたちは、この力を自然に使っています。
たとえば『鬼滅の刃』の炭治郎。
彼は戦いのたびに「どうして斬れなかったのか」「どこを見落としたのか」を丁寧にふり返ります。
失敗を恐れず、次に生かす。それができるからこそ、彼はどんどん強くなっていくのです。

『ドラゴンボール』の悟空も同じです。
毎回ボコボコにされても、「オラ、次は勝つぞ!」と自分を見つめ直し、修行を重ねていきます。
負けを“終わり”ではなく“始まり”に変える――それが悟空のリフレクションです。

そして『僕のヒーローアカデミア』の緑谷出久(デク)。
彼は戦いのたびに自分の動きや力の使い方をノートに記録し、「次はこうしてみよう」と考え続けています。
その地道なふり返りこそ、彼をヒーローへと成長させている原動力なんです。

こうして見ると、強くなれるキャラクターはみんなリフレクション上手。
失敗しても落ち込むだけで終わらず、そこから学び、次につなげる。
リフレクションは、彼らの“成長のエンジン”なんですね。

もちろん、これはアニメの中だけの話ではありません。
私たちの日常でも同じです。
テストで思ったより点数が低かったとき、「もっと勉強しとけばよかった〜」で終わらせるのではなく、「どこでつまずいたのか」「どんな準備をすればよかったのか」と考える。
それだけで、次のテストで点数を上げるヒントが見えてきます。

友達とケンカしたときも、「あいつが悪い!」で終わらせず、「自分の言い方を少し変えたらどうだったかな?」と考えることで、次はもっと良い関係を築けるようになります。
気づいたらスマホやゲームに何時間も使っていた日も同じ。
「なぜそうなったのか」「何を変えれば10%だけ改善できるか」と自分に問いかけるだけで、明日の過ごし方はきっと変わっていきます。

もう一度、最初の話に戻りましょう。
人は95%の行動を無意識でしている。
でも、リフレクションをすることで、自分の“無意識のクセ”に気づけるようになります。
そうすれば、「じゃあ、こう変えてみよう」と意識的に行動を選べるようになる。
それこそが、意識を成長させる第一歩なんです。

そこで、みなさんにちょっとしたチャレンジを提案します。
それは、「1日1リフレクションチャレンジ」です。
夜寝る前やお風呂に入っているとき、たった1分でいいので、自分に問いかけてみてください。

・今日、うまくいったことは? うまくいったのは何があったからだろう?
・うまくいかなかったことは? どうすれば前より少し変化がうまれるだろう?

この小さな習慣を続けるだけで、自分の中の“無意識”が少しずつ“意識”に変わっていきます。
そして、炭治郎のように、昨日の自分より少しだけ強い自分に出会えるようになるはずです。

どんなにすごいキャラクターでも、最初から最強だったわけではありません。
彼らは「リフレクション」をくり返すことで、確実に強くなっていきました。
そして、その力は――みんなの中にも、ちゃんとあります。

「ふり返る」という小さな習慣が、未来の大きな成長につながります。
今日も明日も、その先も。
ちょっとだけ自分と向き合い、自分だけの“最強”を目指していきましょう

今回は学校給食の話をします。

日本の学校給食は世界に誇るべき目的があることはあまり知られていません。
一般的に、日本の学校給食には4つの目的があると言われています。

1. 栄養の提供
2. 文化の理解
3. 社会性の育成
4. 食育の推進

1番目の「栄養の提供」は当然として、2番目の「文化の理解」についても実は世界共通です。
各国の給食は、まさにその国の文化的背景が如実に反映されています。
たとえば韓国ではキムチが欠かせないそうですし、メキシコではトルティーヤ(トウモロコシで作られた薄焼きのパン)、インドではカレーなどのスパイスの効いた料理が並ぶそうです。

ヨーロッパの中では日本に似ていると言われているのがフランスです。
フランスの給食は、前菜、メイン、チーズ、デザートと、まるでレストランのようにコース仕立てが一般的です。

さらに、アメリカのようにカフェテリア方式で提供されることも多いです。
実際にアメリカでは、ピザやハンバーガーのような定番メニューに加え、フライドポテト、サンドイッチ、サラダバーなど豊富なメニューの中から自由に選び取ることが可能です。

さて、ここで日本に話を戻します。

日本では給食の時間は「準備」「会食」「片付け」の3つに分けられます。
そして給食当番の生徒・児童は、手洗いをし、衛生的な服装に身を包みます。
重いものや熱いものに十分注意しながら教室まで安全に運び、配食では全員の分を盛りつけます。
会食が終われば、全員が協力し合いながら片づけを行います。
また、日本の給食は栄養バランスと安全性が徹底されています。
メニューは旬の食材をつかった和食が中心ですが、地域によっては郷土料理も登場します。

日本人は、給食の時間を通じて社会性を学ぶだけでなく「理想的な食事」もまた学校給食を通して学んできました。
その証左として世界の肥満率を比較すると、以下のようになります。

1位 トンガ 81.5%
36位 アメリカ 43.8%
43位 メキシコ 41.3%
165位 北朝鮮 13.4%
181位 フランス 9.8%
193位 韓国 5.7%
198位 日本 3.6%

日本の肥満率は驚くほど低いことがわかりますが、それ以上に世界の肥満率の高さにも驚いたのではないでしょうか。
アメリカのように子どもの時から好きなものを自由に選び取ることができるのは、羨ましいことのように見えます。
もしアメリカで日本と同じ給食制度に急に変更されたら「自由の侵害だ」と暴動が起きるかもしれません。
日本人である私たちは、あらゆる不自由さを犠牲にしながらも学校給食を通じて「理想の食事」を刷り込まれてきたのではないでしょうか。
そして、この「不自由さ」にこそ大切なことが隠されているような気がします。

能開に通うキミは、もしかしたら不自由な環境に身を置いているのかもしれません。
能開では、学習における自立を獲得するために、敢えて厳しいカリキュラムでキミを鍛えています。
ただ、当事者であるキミはその意味を見失っているかもしれません。
キミが受験生ならば、より不自由さを感じていることでしょう。

しかし、その不自由さを通じて、いかに大切なものをつかみ取ろうとしているのかに、今一度思いを馳せてみてください。
そして、思い出してください。本当に「給食の時間は苦痛の連続」だったでしょうか。
日本の学校給食には決して「自由」はないけれど、肥満率という視点で世界を見渡せば、その成果は歴然です。

能開生もまた同じです。
能開生であることに誇りをもって、頑張ってください。
キミたちが知らない間に身につけた能力は生涯の宝になるはずだから。

先日、サッカー日本代表がブラジル代表に3対2で逆転勝利しました。
前半0対2からの大逆転――実質は親善試合ではありますが、まさに歴史的な一戦でした。

その勝因は、選手たちがピッチの中で自分たちで考え、修正し、声をかけ合えたことにあります。
監督の指示を待つだけではなく、一人ひとりが「今、何をすべきか」を判断して動いていた。
今の代表は、まさに“考えるチーム”です。

新しい選手の活躍もありましたが、その試合に守備の中心――冨安健洋(とみやす・たけひろ)選手の姿はありませんでした。
わからない人のために言うと、でかい。速い。うまい。両足で蹴れる。

ケガで現在はチームには所属していませんが、昨シーズンまでイングランドの強豪チーム、アーセナルに所属していました。
とにかく、すごい選手です。

冨安選手は現在けがのリハビリ中。
2026年のワールドカップへの参加は難しいかもしれないとも言われています。
それでもSNSでは、こう発信しています。

「今はただ早く戻りたい!サッカーしたい!それだけ!やるよ!」
この短い言葉には、焦りよりも強い覚悟を感じます。
「できない今」を嘆くのではなく、「今できること」を探し、積み重ねていく。
その姿勢こそが、彼の強さです。

冨安選手の原点は、Jリーグ・アビスパ福岡の下部組織にあります。
当時のコーチが「気づいたことをノートに書こう」と伝えたところ、
冨安選手のノートは、ページいっぱいに課題で埋め尽くされていたそうです。
「チームが苦しいときに声をかける」「守備のとき、一歩早く動く」――
細かなことを自分の言葉で書き留め、改善し続けていたのです。

コーチは当時のことを振り返って言いました。
「全部クリアしたら世界でやれると思っていたら、本当に世界へ羽ばたいた」と。

近代サッカーで重視されているのは、技術だけではありません。
「ポジショニング」――どこに立つか。
「コーチング」――どう声をかけるか。
自分の立ち位置を理解し、周りを見ながらチームを動かす。
その力を持つ選手がいるチームは、どんな相手にも対応できます。

冨安選手は今も、プレーできない時間を“次の準備の時間”に変えています。
焦らず、考え、気づき、行動する。
その積み重ねが、復帰への道を支えています。

どんな分野でも、伸びていく人は「気づける人」です。
まわりを見て、必要な声をかけ、少し先を読んで動く。
それが、チームを支える本当の力です。

冨安選手がもう一度ピッチに戻るとき、そこには“努力の続き”と“気づきの積み重ね”が見えるでしょう。
その姿は、どんな場所にいても前に進もうとする、すべての人の励ましになるはずです。

桑田真澄さんってみなさん知っていますか?
もしかするとこの時代はMattのお父さんといった方がわかる人も多いのかもしれませんね。
桑田さんは元プロ野球選手で読売ジャイアンツ(巨人軍)という球団で投手をしていました。
いろんな賞も獲得した一流の選手だったのですが、私がお話をしたいのは彼が高校時代についてなのです。

なんと桑田さんは高校時代、甲子園に出場し20勝しているのです!と聞くと「へ~」、とか、「ふ~ん」、といった反応の人もいるでしょう。
でも分かる人にはわかると思います。高校野球で甲子園に出場し、20勝できる投手は桑田さん以前にはおらず、今後も出ることはないでしょう。

高校生が甲子園に出場できる機会は、「高1夏」「高2春」「高2夏」「高3春」「高3夏」の5回しかありません。
トーナメントですので1つの大会で4~5試合程度しか試合は組まれません。

この状況で20勝するためには?全ての大会に出場し、ほぼ毎回決勝まで進出しなければいけません。
そしてそれらを中学卒業したての高校1年生の時からなしとげる必要があるのです。

ちなみに桑田さんの高校時代の甲子園の成績は25試合20勝3敗。
優勝2回、準優勝2回、決勝戦まで行けなかったのは一度だけ。
これでいかに素晴らしい投手だったのか分かってもらえると思います。

そんな桑田さんはこんな言葉を残しています。
「打たれてみないと、なぜ打たれたかよくわからないんですよ」

テストなどで間違えないと、なぜ間違えたのか分からない。
とも言い換えられるでしょうか。
「テストを受ける理由は成績を伸ばすため」とも言われます。
10月~11月はいろんなテストが行われる時期です、せっかく間違えた問題をそのままにせず、しっかり見直しをして今後の学習に活かして、高いレベルを目指してみましょう。

みなさんは、将来どんな職業につきたいですか?
ここで、2025年の小学生の「なりたい職業ランキング」を紹介します。
(第一生命保険株式会社・第36回第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケートより)

【小学生・男子】
1位 会社員
2位 ユーチューバー/動画投稿者
3位 野球選手

【小学生・女子】
1位 パティシエ
2位 会社員
3位 美容師/ヘアメークアーティスト

男子の3位に野球選手が入ったのは、大谷翔平選手の活躍の影響でしょうか。
女子では、ほかにも漫画家・イラストレーターや医療系の職業などが人気を集めています。
ちなみに、中学生や高校生のランキングも公開されていますので、興味のある人は調べてみてください。

世の中には数えきれないほどの職業があります。
その中から「自分に合った職業」を見つけるために大切なことは、先生は「自己分析」と「情報収集」だと思います。

<自己分析>
・自分の「好きなこと」「得意なこと」「興味があること」を掘り下げて考えてみる。
・過去に「楽しい」「やりがいがある」と感じた経験や達成できたことを思い出す。

<情報収集>
・ネットで調べるだけではなく、気になる分野のボランティアやインターンシップに実際に挑戦する。
・憧れの職業に就いている人に話を聞いてみる。

ここで「でも、実際にどうやって体験したり話を聞いたりすればいいの?」という疑問が出てくると思います。
今は中学校で職業体験が行われることがあります。そのときにその職場を体験したり、働く人の話を聞くことができます。
もう少し将来のことが見えてくる大学生になれば、アルバイトを通じて学べる機会もたくさん出てくるはずです。

将来就く仕事は、みなさんの人生の大きな時間を占めるものです。
だからこそ、実際に現場を見て、足を運んで体験し、自分の目で確かめて調べる。
そうしたプロセスを通じて「本当に自分に合う仕事」を見つけてほしいと思います。
そして、そのために欠かせないのが「自分で分からないことを調べる力」です。
社会に出てからも一生必要になる力です。
まずは、日常の能開や学校の宿題をするときから、分からないことをすぐにネット検索するのではなく、辞書や参考書を使って調べる習慣を身につけていきましょう。

やる気は「後から」ついてくる!サボり癖を直す裏ワザ
食欲の秋、スポーツの秋、ゲームの秋、読書の秋、そして「自分をレベルアップさせる勉強の秋!」何か新しいことにチャレンジするのに最高の季節がやってきましたね。
夜の時間も増えて、「よし、今年は本気で頑張るぞ!」と思っている人も多いでしょう。
でも、こんな風に悩んでいませんか?
・「机に向かいたいけど、体が動かない…」
・「始めても、集中力が続かない」
安心してください。
それはあなたの意思が弱いからではありません。
勉強を始める「きっかけ」を知らないだけなんです。
今日は、やる気がゼロでも勉強を始められる、最強の脳の仕組みを紹介します。

脳を「だます」魔法のスイッチ!「作業興奮」とは?
みんなは「作業興奮」という言葉を知っていますか?
これは、「やる気」がなくても、とりあえず行動を始めると、脳が勝手に興奮し、自然と集中力や「もっとやりたい!」という意欲が湧いてくる仕組みのことです。
まるで自転車の最初のペダル一漕ぎのようなもの。
漕ぎ出すまでが大変ですが、一度動き出せばスムーズに進みますよね?
つまり、「やる気」は行動の【後に】生まれるんです!
この脳の仕組みを使えば、勉強はもちろん、部活のきつい練習にも前向きに取り組めるようになります。
この「作業興奮」を確実に起こすための、誰でもできるシンプルな3つのアクションを紹介します。

1. 【ゼロスタートOK】「最初の1ミリ」だけ動いてみる
完璧を目指すのはやめましょう。
まずは、「え、これだけでいいの?」と思うくらい、心理的な負担がゼロの超簡単な目標を設定します。
・「とりあえず、最初の1行だけノートに書いてみる」
・「たった5分だけこの問題に取り組んでみる」
・「カバンから教科書を出すだけ」
大切なのは、行動のハードルを極限まで下げること。
このごく小さな一歩が、脳の「側坐核」というやる気スイッチの司令塔を刺激し、興奮のきっかけを作ってくれます。

2. 【5秒カウントダウン】考える前に「GO!」
世界的講演家も使う「5秒ルール」は、サボり癖を断ち切る超強力な方法です。
「勉強しなきゃ」と思った瞬間に、「5・4・3・2・1・GO!」と心の中でカウントダウンし、考える間もなく行動に移すというシンプルなルールです。
人間は、行動すべきか5秒以上考えると、「今日は疲れているからやめよう」といったやらないための言い訳を考え始めてしまうからです。
言い訳が生まれる前に、体を動かせば勝ちです!

3. 【合図を決める】自分だけの「トリガー」を作る
「トリガー(引き金)」とは、作業開始の合図として習慣化した特定の行動のことです。
・「特定の(大好きな)音楽を聴き始めたら、勉強開始の合図」
・「愛用の文房具を机に出したら、作業スタート」
スポーツ選手が試合前にルーティンを行うように、自分だけの「トリガー」を決めて習慣化すれば、スムーズに勉強モードに入ることができます。

達成感を「ご褒美」でパワーアップ!
作業興奮が一度起こると、集中が進み、「できた!」という小さな成功体験が得られます。
この達成感は、脳内でドーパミンという「楽しい!」「もっと欲しい!」と感じる快感物質を分泌させ、学習意欲に変わります。
このサイクルを最強にするために、小さなゴールとご褒美を設定するのです。
・「この単元が終わったら、好きな動画を1本だけ見る」
・「問題集を10ページ終えたら、新しい文房具を一つ買う」など。
ポジティブな刺激(ご褒美)がドーパミンの分泌を促し、「勉強→達成感→ご褒美」のサイクルを繰り返すことで、勉強自体が楽しい行動として定着し、継続する力になるんです。
「作業興奮」は、根性だけに頼らず、脳の自然な仕組みを利用して、あなたを行動させる最強のツールです。
この原理を理解し、日常に取り入れれば、面倒に感じることも前向きに取り組めるようになりますよ!
さあ、今すぐ教科書に手を伸ばしましょう!5・4・3・2・1・GO!

勉強に疲れたら、甘いものが欲しくなりませんか?
ドーナツとコーヒー。
ちょっとした休憩には最高の組み合わせですよね。
でも、数学のある分野を研究している人にはドーナツとコーヒーカップの見分けがつかないんです。
「え? そんなばかな」と思いますよね。
先生もそう思います。
けれど、実際“トポロジー”という数学の分野では、細かい形の違いにはとらわれず「ちぎらず、くっつけず、変形しても変わらない」ものは同じものだと考えます。

つまりドーナツには真ん中に穴がひとつ。
コーヒーカップにも、取っ手の部分に穴がひとつ。
だからどちらも“穴がひとつの形”で同じと思うことができるのです。
ドーナツをぐにゃぐにゃに伸ばして取っ手をつければ、理論上はコーヒーカップになる。

このような物の見方は知らないとなかなかできませんよね。
ドーナツとコーヒーをみて「おいしそう」で終わっていたものが知識を得ることで、世界の見え方が変わります。
ただのドーナツが、数学の世界では立派な研究対象になる。
コーヒーカップを見て「おいしそう」だけじゃなく、「穴の数が同じだな」と思える。
それは、学んだからこそ見える景色なんです。

勉強するということはなにも「テストのため」や「点数のため」だけにするものではなくて、世界を“もっと深く見る力”を育てるものなのです。
学ぶことで、当たり前だったものが面白くなり、退屈だったことに意味が見えてきます。

新しいことを学ぶということは自分の知識の外側に出ていくことです。
それは旅行で初めて訪れた場所で見る物に驚いたり、感動したりすることに似ています。
行ったことのない所を旅行するように学ぶことを愉しんでみませんか。

RPG(ロールプレイングゲーム)をやったことがある人ならHPやMPという概念は理解しているかと思います。
一応、やったことがない人のために説明すると、
HP(ヒットポイント)とは体力のことで、HPが0になるとそのキャラは死んでしまいます。
MP(マジックポイント)とは気力のことで、MPが0になると魔法が使えなくなります。

実はゲームの世界だけでなく、私たちが生きる現実世界にも、目には見えませんがHPとMPが存在しています。
体育の時間や部活動で激しく運動すればHPは減りますし、重い病気や大きなケガでHPが0になれば死んでしまいます。
ではMPの方はどうでしょうか?
さすがに現実世界で魔法は使えませんが、私たちは生活の中で「意思の力」を消費しています。
「今日、何を着ていくか?」「朝、何を食べるか?」「何時から宿題をするか?」などなど、1日の中で数多くの決断を下していて、その決断を行うために「意思の力」を使っているのです。
習慣化されていることは、MPをほとんど使わずに活動できるのですが、習慣化されていないことを新しく実行しようとすると、大きくMPを消費します。
そして、人間にはMPを大きく消費することを避ける傾向があります。いわゆる「めんどくさい」という状態です。

「良い習慣を身につけたければ、それを開始するための時間を20秒短くする。」
「悪い習慣をなくしたければ、それを開始するための時間を20秒長くする。」

これらは「20秒ルール」と呼ばれています。
つまり、MPの消費を減らすことによって習慣化を促し、反対にMPの消費を増やすことによって習慣化を防ぐということです。
たとえば、「参考書を使って勉強すること」を習慣化したいと思っていても、
勉強中に参考書が近くになくて、本棚まで取りに行く必要があると、それが面倒くさくて、後回しにしてしまう…、なんてことありますよね?
しかし、参考書が勉強机の上に置いてあれば、手に取るまでの時間を20秒ほど短縮でき、それによって参考書を開きやすくなります。
結果的に、習慣化しやすいというわけです。
逆に、「勉強中についスマホを見てしまう」という習慣をやめたいと思ったときは、スマホの電源を切っておいたり、スマホを勉強する部屋とは別の部屋に置いたりすることで、それを開始するための時間を20秒ほど遅くすると「やっぱりやめておこう…」と思いやすくなり、その習慣を避けることができる、というわけです。

習慣化と非習慣化のどちらにも使える方法なので、ぜひ覚えておきましょう!

あなたは生きています。
これを読んでいるのだから当然です。
では「生きる」とは何でしょうか?

●今ここに存在すること? ⇒ ふでばこや家は生きていませんね?
●動いていること? ⇒ 雲や車は生きていませんね?

この問題は非常に深く、明確な答はおそらくありません。

「生きる」とは、生物学的には【自己再生・刺激への反応・子孫を残す】こととされています。
けがをしたら生命の力で治し、外からの刺激に対応し、次の世代の生命を生み出す、ということです。
車は壊れても自分で直すことはできず、古くなって新たな車を作り出すこともできないので、生きているとは言えないのですね。
※AI搭載のロボットが「自らを直し、新たなロボットを生成する」ことができれば、生命といえるかもしれませんが…

また、哲学的には、「生きる」とは「自己選択と自己形成」とされています。
難しい言葉が出てきましたが、言い換えると

●自分で考えた自分の意思を持つこと
●自分の考えにもとづいて行動すること
●自分に良い変化をもたらすこと

が「生きること」ではないか、ということです。
「悪い点数を望む人」はほぼいません。
なぜ「よい点数を取りたい」と考えるのか?
それは「自らを良くしたい」という本能的な望みがあるからではないでしょうか。
学習においても、習い事においても、『ただやればいい』のではないと思います。
まず『どうなりたいのかを考える』こと、そしてその考えたことに対して『どうすべきか考えて実際に行動する』ことが大切なのです。
そうすれば『自分に良い変化をもたらす』ことにつながっていくことでしょう。

自然界における生命は生まれたら必ず死ぬことが運命づけられています。
何のために生まれ、何のために死ぬのか。これも明確な答はありません。
やがて死ぬのであれば何かをしても意味がないという考え方もありますが、「何もせずにただ生きている」、そういう生き方を望みますか?

自分がどうなりたいか、秋の夜長にふと考えてみてはどうでしょうか。

皆さんアブローラーってわかりますか?
先生は膝コロって呼んでいます。
腹筋トレーニング用品です。
昔は1000円位で売っていました。
最近は2000円位ですかね。
先生も買って使ってみたのですが飽きてしまって最近では放置されています。
以前に筋トレ動画を観ていて感心したのが、ユーチューバーが言っていた
「このアブローラーには100万円の価値がある!」と言い切っていたことでした。
そのユーチューバーは見事な腹筋をしていてバキバキでした。
多分何回も繰り返してやり込んだのでしょう。
毎日使って自分に見返りをくれた存在として100万円の価値、その人にとっては何物にも代えがたい価値になったという意味だと思います。
それぐらい使い込めるものってあるでしょうか?
 
先生にも100万円どころかそれ以上の価値がある本があります。
音読を100回した英語の単語集(Z会の速読英単語)です。
今では使っていないのですがそれでももったいなくて捨てられません。
英文解釈で使った英語リーディング教本という本は同じ本を3回買っているので今使っているのが3代目です。
座右の書として今でも先生の机の上にあります。
他にも高校時代に使っていたたくさん書き込んだ紙辞書もあります。
これらの本はこれからも大切にしたいと思っています。

「繰り返しやることと続けること」が成績を上げるための最大のコツと言えます。
言うことは簡単ですが実際やる方は大変ですよね。
10冊を1回やるより1冊を10回やるつもりで・・と生徒によく言いますが本当は覚えるまでやってほしいということなのです。
覚えるまで本当に何回も繰り返した1冊は100万円以上の価値を持ち、多分君たちが大人になっても勇気を与え続けてくれる存在になると思います。
君たちが頑張ることで1000円や2000円のものが100万円以上の価値になり得ます。
教科書だろうが能開のテキストだろうがどれでもいいのです。
君たちがやることで価値が生まれます。
君たちにはそれだけの価値を生み出す可能性があることを覚えておいてください。