ここ数年新型コロナウイルスの流行により入国制限があり、外国人観光客がどこの都市からも消えていましたね。先月入国制限が緩和され、先生が住んでいる長崎でも、カメラを持って歩いている外国人観光客の姿を多く見かけるようになってきました。

ところで、皆さんは「外国に行ってみたいな」と思ったことはありますか。世界には206の国と地域がありますが、海外へ行くとき・日本に戻ってくるときには、必ずパスポートという国が発行する身分証明書が必要です。パスポートがあればどこにでも行けるわけではなく、通常はビザと呼ばれる渡航先(相手国)が発行する入国許可証のようなものを事前に取得しておかなければ、その国に入ることはできません。しかし短期間の滞在の場合、日本のパスポートを持っていればビザがなくても入国できる国が、なんと192カ国もあるのです!そしてその数は世界第一位です。そのため「日本のパスポートは世界最強だ」といわれることがあります。

先生は大学生のころアメリカの都市やブラジル・ヨーロッパの国々を旅していました。飛行機に乗って初めて訪れる国に着くと、とてもわくわくした気分になり早く空港の外へ出たくてたまらなくなっていました。しかし、空港の外に出る前には必ず入国審査を受けなければなりません。入国審査では自分のパスポートを出し、入国の目的などの確認をされ、最後にパスポートに入国許可のスタンプを押してもらうのです。

先生は一度も入国拒否されたことがありません。当たり前だと思っていましたが決してそうではなく、すべて日本のパスポートのおかげなのです。日本のパスポートを持っているということは、日本国が身元を保証してくれているということです。自分の努力で築いた信頼ではなく、日本が長期間にわたって築き上げた国同士の友好関係や信頼関係のおかげで、日本人はとても有利な待遇を世界でも受けられているのです。

今、世界のあちこちでは戦争や紛争・貧困など様々な問題が山積みです。これだけ多くの国々と友好関係を結べている日本だからこそ、我々日本人には「できること」がたくさんあると思います。今、皆さんは日本という安全な国で高い教育を受けることができていますね。そして希望すれば日本国のパスポートを持ち、留学する機会も比較的容易に得られます。この恵まれた状況を最大限利用したいと思いませんか。外国に行き自分の目で世界を見ることで、日本のいい所・他国のいい所を発見するだけでなく、改善すべき点など新たな発見もあるはずです。いつも見ている世界が違ったものに見えてくるかもしれませんね。

語学だけではなく、世界の地理や歴史を学ぶことで更に見え方も変わってきます。今学校で学んでいる科目をテストや入試のための勉強だと思って取り組むのではなく、何事もつながっていることを意識しながら学べるといいですね。そして、当たり前のように得られている学びの機会や環境に感謝するとともに、このチャンスを最大限生かしてほしいと思います。