阪神タイガースが18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めました。
ファンのみなさん、おめでとうございます!

タイガースのお膝元の兵庫県に住んでいますが、大変な盛り上がりです。
近所の家電量販店や飲食店などでは優勝記念セールも始まりました。
この優勝による経済効果は、日本全体で900億円以上と言われていますから凄まじいですね。

タイガースの本拠地と言えば「阪神甲子園球場」です。
夏の高校野球大会でも使われているので知っている人も多いと思います。

甲子園球場を象徴する風物詩が、球場の外壁を覆う「ツタ」ですが、なぜツタで装飾されるようになったのか知っていますか。

1905年、「阪神電鉄」は大阪と神戸を結ぶ路線を開通しました。
当時、阪神電鉄と路線開発で競争を繰り広げていたのが「阪急電鉄」です。
阪急電鉄は、当時農村だった宝塚に路線を通して住宅地として開発。
さらに宝塚歌劇団や温泉を作って、沿線に華やかな街を作り出しました。

ライバルの存在を脅威に感じた阪神は、対抗するビッグプロジェクトを立ち上げます。
当時人気だった中等野球(現在の高校野球)に着目し、阪神沿線に野球の聖地を作って人を集めようと考えたのです。
1924年、こうして阪神甲子園球場は完成しました。

その年の中等野球大会に間に合わせるため、たった4ヶ月半で作られた甲子園球場は、完成した当初は外壁がコンクリートむき出しの状態で、とても殺風景でした。
そこで、阪急の宝塚歌劇団のような華やかさを出すため、ヨーロッパの古城を参考にして外壁にツタを急遽植えたのです。

甲子園球場が誕生したのも、あのツタの装飾が生まれたのも、ライバルとしのぎを削る中で生まれたアイデアでした。

競争関係にあった阪神電鉄と阪急電鉄ですが、2006年に経営統合し「阪急阪神ホールディングス」となりました。
今は同じグループで切磋琢磨しながら、関西に住む私たちのくらしを支えています。

ライバルの存在が自分を高めてくれる。
なんだか能開での勉強と似ていますね。
勉強は決して孤独なものではありません。
隣を意識し、みんなで競い合い、時には肩を組みながら、全員でレベルアップしていきましょう。