先生は大みそか・終業式・卒業式など、「最後の日」になると、なんだか胸が「キュー」ってなります。
原因はわかりませんが、1年を振り返る時期になると寂しくなる感じがあります。
特に先生は、できなかったことや失敗や反省など、少しマイナス的なことを考えてしまうので、「キュー」となるのかもしれません。

逆に、新年や始業式・入学式、新年度ゼミのスタート日など、「今日から始まる日」は、ドキドキします。
どんな一年にしたいか?
テーマ・目標を決める?
など、何かを始める日としては最良の日にすることが可能ですね。

それと、今年はどんな人との出会いがあるのだろうか?と考えると、よりドキドキします。

日本の人口は約1億2千5百万人だそうです。
全国民と出会えることは相当難しいですね。
※ほぼ不可能。

じゃぁ。今住んでいる市(町)の人全員に出会うことは?
これも簡単なことではありません。

だから、今。
この教室、この空間にいる人と出会ったこと自体が「奇跡」だと思います。

「奇跡」?いや「運命」?「縁」?
※どう表現していいかわかりませんが、先生のこの感覚を少しでもわかってほしいなぁ。

だから、人との出会いは大切にしてほしいと思います。
その出会いで、変わることがあるかもしれない。
成績・性格・考え方などでも、一生このメンバーが一緒にいることはありません。
人それぞれの道を歩んでいくのですから。

よって、このメンバーで勉強できる時間も、これから出会うであろう人や今いる人との出会いを大切にしてほしいと思います。年末年始のタイミングだからあえて立ち止まって考えても良いと思います。

我々の受け取り方ひとつで、未来は変わりますよ。

突然ですが問題です!

方位磁石のN極はどの方角を指すでしょう? (小学3年生の理科)
どうでしょうか?皆さん、もちろん分かりますよね。

実はこの問題、アニメ『ちびまる子ちゃん~おねえちゃんついにまる子にあいそをつかすの巻~』にでてきたものでした。
まるちゃんがお姉ちゃんに怒られつつ頑張って勉強をするのですが、珍解答がたくさんでてきます。

例えば社会の選択問題

問題:商店街の人は何をするのか?
まる子の答え:木を植える(だって商店街の佐々木のじいさんは木を植えているから)

問題:海が近くにある村で盛んな仕事は何?
まる子の答え:商業(だって貿易の船が港に着いたらそれを売るじゃん。観光客がたくさん来るところかもしれないじゃん。)

「それは違う!」と言うお姉ちゃんに対して、まるちゃんはこんな風にへりくつを返しながら解いていきます。

さあ、では冒頭の問題にはどんな答えを出したのでしょう。
まるちゃんの答えは、西。
気になるその理由は・・・アルファベットで書くと「西」は「にし」で「Nishi」になるから。
「あ!!Nから始まる!!」ということです。

もちろんどれもこれも不正解なのですが、あてずっぽうではなく、まるちゃんなりに考えた理由で答えているのが面白いなと思いました。「西」をローマ字表記に直すという発想までいったら、あと少しだったのに・・・。英語で北=Northを覚えていたら分かった問題でしたね。

無茶苦茶な答えに笑いつつ、分からない問題に対して空欄で終わらずに、自分の知っている知識からいろいろ考えて答えを出すという姿勢は素晴らしいなぁと思いました。

さて、皆さんは分からない問題に出会ったときどうしているでしょうか。
もちろん調べたり聞いたりして解決してほしいのですが、まずは自分の中にある知識を使って考えてみましょう。
「似たような問題を解いたことなかったかな。」とか「この単元で覚えていることから推測して・・・。」など頭の中を大捜索して考えることで「問題を解く力」が鍛えられます。
よく考えた後で正解や解説を確認すると記憶にも残りやすいのでおすすめです!
ただ、知識がないとまるちゃんのようなへりくつ解答になってしまうので気をつけましょうね。

世界的なパンデミックを経験している子ども達へ、私を含んだ大人たちがどのようにバトンを繋げるのかを日々考えさせられます。そんな混沌とした時代の中でも、光を放ってくれているのは、子ども達の笑顔ではないでしょうか?

広畑校での大きなスローガンは、「しんどい時こそ、笑っていこう!それこそが真の強さだよ」。その言葉を子ども達は日々実践してくれているから、教室の雰囲気はいつも陽気であり、本当の闘い(自分との対峙)に全力で挑戦してくれているように思えます。

実績としても、広畑校の子ども達は多くの中学・学年で成績1位や上位を獲得しながらも、それに甘んじることなくさらに頂きを目指しています。その姿に触発され、まわりの子ども達へ波及する好循環を生んでいることも、「未来への武器」になると信じています。

子ども達と共有する言葉がたくさん生まれることも、広畑校のストロングポイントといえます。今の全学年共通ワードは 「後ろに明日はない」。

過去には「栄光」と「後悔」しか残らないのでは? 教室でよくする会話の一部です。時間とともに栄光は美化され、後悔は風化され、やがて薄れていきます。

だからこそ、未来(まえ)を見据えて進むことに意義や可能性があるよね。なんてことを談笑しながら、未来を見ている子ども達に日々勇気をもらい、その未来の可能性に関われていることに感謝して、未来を少しでもつなごうと思える今日この頃です。

日毎に肌寒さを感じるようになってきました。涼しいと感じるのも束の間、じきに寒さが厳しい冬がやってきます。先生は寒いのは苦手なので、毎年のこととはいえ、困ったなと思っています。また、もうすぐ一年の締めくくりである大晦日、新しい一年の始まりである正月も控えていますね。今年一年を振り返ってみて、「良い年だった!」と言えるならとても幸せなことです。

今年は新型コロナウイルス感染症による影響はとても大きかったですね。仕方がないとはいえ、いろんなことを我慢せざるを得ませんでした。一方、元気なニュースもありました。大谷翔平選手の大活躍は多くの人々を笑顔にしてくれました。いうまでもなく、先生は大谷選手の友達ではありませんが、先生なりに大谷選手の凄さをまとめてみました。

①“異国の地”での活躍
言葉も文化も、食事も違う環境での挑戦。ただでさえビハインドがある中での活躍はものすごい。結果が出なくても誰も文句は言いません。

②“前例”がない
誰かが【10】にしたものを【20】にするよりも、【0】から【10】を産み出すことの方がよっぽど大変です。

③“二刀流”
二刀流に挑戦する前、いろんな人が賛成、反対していました。どれもが納得のいく意見でしたがそれらに流されることなく意思を貫き通しました。

④“超一流”の成績
打者として投手としてどちらも圧倒的な成績を残しました。仮に大谷選手がどちらか片方の結果で終わっていても大活躍といえるものでした。

大谷選手がこの二刀流を成し遂げるために、私たちの想像を絶する努力があったであろうことは言うまでもありません。そこで考えてみて欲しいのです。努力というと苦しいものと思いがちですが、大谷選手が行ったその努力は苦しかったのでしょうか?それとも楽しめるものであったのでしょうか?

我慢をして、両の手足を縮めてしまっているうち、いつの間にかそれに慣れてしまい、伸ばし方すら忘れてしまうのかもしれません。それってなんとも残念ですよね。この一年が面白くない、といって終わってしまう前に、ワクワク感を作ってみよう。それはきっと自分なりの挑戦がスタートラインになるはすですよ。

皆さんは二宮忠八という人物を知っているでしょうか。

二宮忠八は実はライト兄弟より先に飛行機を作り出した人です。実際に人間を乗せた有人飛行に成功したのはライト兄弟ですが、その10年以上前に、ゴムを使った模型飛行機を作り、10メートルの飛行に成功していたのです。明治24年のことでした。

その後、二宮は実際に人間を乗せた飛行機の研究に取り組み、軍に資金援助を求めましたが、軍の高官はそれを却下し、二宮は独自で開発を進めました。開発は思うように進まず、やがてアメリカでライト兄弟が世界で初めて有人飛行に成功したという知らせを聞き、二宮は制作途中の飛行機を叩き潰し、開発を断念してしまったのです。

もし軍が二宮の飛行機づくりに協力していたら、ライト兄弟より先に、人類初の飛行に成功していたかもしれません。

一方、現代のインターネットに欠かせない技術として、光通信があります。そのために必要な光ファイバーを初めて発明したのは、東北大学の西澤潤一という研究者でした。昭和39年、西澤教授は特許庁にこの技術の特許を申請しましたが、特許庁はその有用性を認めず、差戻しされてしまいます。西澤教授は何度も申請を繰り返しますが、やがてその間にアメリカの会社が開発した技術が国際特許を取得し、西澤教授の技術が認められることはありませんでした。

このように日本の産業技術には、「途中までいったのに惜しかった」というものがたくさんあります。しかし、それらは決して無駄に終わったわけではありません。飛行機の開発はその後の飛行機産業に引き継がれましたし、光ファイバーの技術は現代の私たちの生活の基盤にもなっています。

先輩たちの多くの努力によって、私たちの生活が支えられていることを、皆さんも一度、考えてみませんか。

もう11月。今年も受験の季節が近づいてきました。
受験生のみなさんは、自分の目標をしっかりと持って勉強に取り組んでいる人が多いと思います。

ではすべての人が目標をしっかり持っているのでしょうか?
実は、自分は将来の目標ってないんだよなーと悩んでいる人は意外と多い気がしています。

もちろん目標があるとやる気も出てくるし、勉強もはかどりますよね。ですからぜひ目標を見つけてほしいと思います。では、目標が見つかるまではどうしたらよいでしょうか。見つかるまで勉強せずに好きなことをして遊んでおきましょう、ではダメですね。

先日「通りすがりにワンポイントアドバイスしていくタイプのヤンキー」と言うマンガを読んでいて、なるほどと思う話がありました。
目標がなく、高校での進路調査に何も書けない女の子に対して、主人公がしたアドバイスです。

「勉強は…して損はない」
「熱中できるものって、いつどこで出会えるかわからないから、それこそ唐突にある日突然出会うかもしれない」
「視野は広い方が確率あがるから」

こんな言葉をかけていました。

確かにその通りだなと思いながら読みました。

今、目標を持って勉強している人は、しっかりとその目標を見据えてがんばっていけるでしょう。

目標がまだ見つかっていない人は、焦らずに周りのいろいろなことに目を向けてみましょう。勉強をしていく中で、自分にとってピンとくる「何か」が、意外と近くにあるかもしれません。本気で頑張りたいことが見つかれば、それが目標になります。その目標はいつ出てくるかわからないので、ぴょこんと出てきた時に、あの時もっとやっておけばよかったと後悔しないように、準備をしておきたいですね。未来の自分のために!

新米が美味しい季節ですね。先生はご飯に納豆をかけて食べるのが大好きなのですが、家族は納豆が苦手で、側で食べていると嫌がられます。なぜ同じ食べ物で、人によって「好き」と「嫌い」に分かれるんだろう?と不思議に思いますが、「まあ別の人間だから」となんとなく納得し、なるべく一人の時を選んで納豆を食べる日々。
最近、そんな先生の素朴な疑問に答えてくれた本があったのでご紹介します。
「なぜ、穴を見つけるとのぞきたくなるの?」というタイトルで、あの「チコちゃんに叱られる!」にも出演している明治大学の教授・石川幹人(まさと)さんの著書です。この本は、小学生の色々な質問に、石川先生が科学的な視点で本気で答える、というもの。
その小学生からの質問の一つに、「人によって好きな食べ物と嫌いな食べ物があるのはなぜ?」というものがありました。その問いに対する回答は、「人間は雑食性で、いろんな食べ物を食べるよう進化した。だけど、自然界にある生物には毒があることも多く、いろんな食べ物から栄養を得る一方、危険な食べ物(毒)を食べてしまうリスクも背負った。危険かもしれない食べ物に対し、『好き嫌いしない人=毒を食べる』と『好き嫌いする人=毒を食べない』に分かれることで、人類全体で生き残る術を身に付けた。それが生物学的な『好き嫌い』の始まり」なのだそうです。なんとなくで片づけていた「好き嫌い」のしくみを、分かりやすい例を示しながら説明してくれていました。
ただ、現代では毒があるものが皆さんの食卓に並ぶことはまずありませんので、皆さんは「好き嫌い」をすることなくしっかり栄養をつけて、勉強に励んでくださいね。

タイトルにもなっている「穴」の質問のほか、「雨の日が寂しく感じるのはなぜ?」「う○こは肥料になるのに栄養はないの?」「どうして真っ青の果物や野菜はないの?」「“ふつう”って誰が決めるの?」などなど…、皆さんも一度くらいは考えたかもしれない疑問と、それに対する答えが満載で、「なるほど~」と何度もうなずいてしまう内容でした。

どんな質問にも分かりやすく回答する石川先生もすごいのですが、日常の中からたくさんの疑問が生まれる子どもたちもすごいなと思いました。大人になると、ささいなことなら自分なりに納得することで流してしまいがちです。チコちゃんには「ボーッと生きてんじゃねーよ!」と叱られそうですが。
皆さんも、不思議に思ったり「どうして?」と思ったことがあれば、ぜひ調べたり聞いてみたりして答えを探してみてください。明確な答えがある場合も、そうでない場合もありますが、「知りたい」という探求心は、新たな発見とともに、きっと皆さんの日々の学びや心の持ち方を、楽しく、面白くしてくれるはずですよ。

もうすぐ11月。秋が深まり、冷たい風が肌を刺します。
先生は、寒さが大の苦手です。一年中夏がいい。いつか南の島に住みたいなぁ、とずっと夢見ているのですが、実現までの道のりはなかなか厳しそうです。

さて、みなさん。「11月1日」は、何の日か知っていますか?
1が3つ綺麗に並んだこの日は、「犬の日(ワン、ワン、ワンの語呂合わせ)」、「川の日(111が川の字に似ているため)」など、様々な記念日になっています。
そして、この日は「いい姿勢の日」でもあります。1が、背筋がピンと伸びているように見えますよね。
普段生活していて自分の姿勢を意識することはありますか。せっかくなので、これを機会に今の姿勢を見直してみましょう。

ある調査によると、現代人はパソコンやスマホを長時間見ることが多いため、約8割の人が猫背気味なのだそうです。
猫背になるとどうなるのか。
背中が丸くなることで肺が圧迫され、深い呼吸ができなくなります。結果、脳への酸素が不足して集中力が低下し、疲れやすくなります。
つまり、勉強の時こそ、特に「いい姿勢」を意識してほしいのです。

■まず大切なのが椅子に深く腰かけること。お尻を背もたれにつけるように心がけましょう。
■背すじは意識的にまっすぐ伸ばしましょう。頭の上から糸で軽く引っ張られているイメージです。
■机と体の間が離れすぎないように。こぶし1個分だけ空けましょう。
■ひざを曲げる角度は、できるだけ90度を意識しましょう。

これだけで、いつもより深く呼吸ができるようになり、より勉強に集中できる気持ちになれると思います。
寒くなると、自然と体が縮こまりがちです。
胸を張って、背筋をシャキッと。今日も頑張っていきましょう!

皆さんは「ハインリッヒの法則」をご存知ですか?アメリカの保険会社の調査部にいたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒという人が導き出した法則で、別名「1:29:300の法則」とも呼ばれています。工事現場の1つの大きな事故の背景には29の小さな事故があり、その背景にはさらに300のヒヤリハット(大事には至らなかったけれど、ヒヤリとしたり、ハッとしたりする瞬間のこと)があるというものです。

これは医療現場や工場などでも幅広く取り入れられている考え方で、大きな事故を防ぐには、ヒヤリハットの段階から対処していくことが必要だと教えてくれます。ヒヤリとした時に、「大事に至らなくて良かった」と思うのではなく、「わずかな差で大事故になっていたかもしれない」、「なぜヒヤリハットが起きたのか」を考えることが事故を防ぎます。

同じように、「割れ窓理論」というものもあります。小さな犯罪を徹底的に取り締まることが、大きな犯罪の抑止につながるというものです。治安の悪い地域では、割れた窓を修理せずに放置すると、他の窓も割られやすくなることから、この名前が付けられています。

受験勉強において日々の積み重ねが大事だということは、能開生なら何度も聞いたことがあると思います。しかし、皆さんが積み重ねているのは、プラスの要素だけではなく、同時にマイナスの要素も積み重ねているのかもしれません。

「授業中に気が抜けてしまった」「宿題を忘れた」「小テストで計算ミスをした」、これらの積み重ねが、受験本番での大きなトラブルにつながる可能性があります。小さなことだから「大したことない、大丈夫だ」と考えていると、思わぬところで足元をすくわれるかもしれません。ヒヤリハットは誰でも起こりえることで、様々な原因があります。1つでも不安な要素を減らしつつ、勉強を進めていきましょう。

この夏、57年振りに東京オリンピックが行われました。地球規模の新しいウイルスの流行によって1年遅れての開催でしたが、日本選手の目覚しい活躍もあり、大いに盛り上がりました。その開会式では、各国から集まったアスリートたちの入場行進の際、BGMとして、「DQ」「FF」「モンハン」などの日本発のゲームのテーマ音楽(全19曲)が流れ、世界中でSNSを中心に大きな話題となりました。「コロナ禍のオリンピック開会式」と「ゲーム音楽」、一見ミスマッチのようで意表を突かれましたが、「オープニング」「英雄」「災厄を救う」という共通項があり、マンガ風のデザインに彩られたステージに迎えられた選手たちは物語の主人公であり、疾病によって混乱に陥ったこの世に希望の光を灯す「勇者」になる、そんな演出になっていて、とても好感が持てました。

行進の冒頭を飾ったのは、かの有名な「ドラゴンクエスト」の“序曲:ロトのテーマ”(Ⅲより)。ドラクエは、1986年に発表された第1作を皮切りに、現在計11作にまで連なるコンピュータRPGの最高峰シリーズ作品ですが、皆さんは、その曲の作曲者が90歳の東大卒・レジェンドゲーマーだということをご存知でしょうか。

彼の名前は、すぎやまこういち氏。すぎやまさんは、幼い頃から音楽に親しみ、学生時代は、特にクラシックに傾倒していました。将来音楽家になりたかった彼は、当然、音楽大学への進学を希望しますが、「高い学費がとても払えない」「家にピアノがなくて弾けない」といった理由から、泣く泣く音大受験を諦め、仕方なく、東京大学・理科二類に入学し、作曲については独学で勉強しました。大学卒業後はフジテレビに入社し、ディレクターとして手腕を発揮すると同時に、作曲家としてヒット曲も量産しました。そんな彼がドラクエと出会ったのは、フリーになって活動していた50代半ばのことでした。新たなフィールドに飛び込んだ当初、年齢的な隔たりもあり、20代の若者中心のドラクエ制作スタッフとは結構ギクシャクしていたようですが、彼自身が筋金入りの無類のゲーム好きであったこともあり、次第に打ち解けていきました。

ドラクエの世界観が「中世ヨーロッパのファンタジーテイストの騎士物語」であったことに加え、ゲームという特性上、何百回聴いても飽きない“聴き減りしない音”の必要性を鑑みた結果、「クラシック音楽」をベースにすることを信条にして、35年もの間、彼は500曲以上に及ぶ楽曲をすべて一人で作っています。また、自らオーケストラを指揮して、“ドラクエコンサート”なるものを全国各地において定期的にライブで実施しています。ついには、2016年に、「世界最高齢(満84歳292日)のゲームミュージック作曲・編曲者」として、ギネスブック世界記録にも登録されました。

思えば、人生は、多くの課題や目標を抱えながら探求する、未知なる旅のようなものです。すぎやまさんは、ある対談で、「ゲームと違って、人生には決まった攻略法はありません。目の前の困難から逃げてはダメです。ゲームも人生も、逃げたら経験値は上がりません。」と話していました。何でも新しいジャンルが好きで、常に新進気鋭の現役でありたいという「絶えず挑戦し続ける精神」が、多くの世代に愛される名作を産んだと言えるでしょう。

生ける伝説であったすぎやまさんが、9月30日に亡くなりました。
ドラクエⅡのエンディングである神曲「この道わが旅」をBGMに、
また新たな冒険の旅に…。
ふと、そんな気がしました。